ボルトとは「モノとモノを締め付けてつなげる部品」です。「頭」の下にギザギザのスクリュー状になっているネジ部分があり、「ナット」と呼ぶドーナツ型のパーツと組み合わせて使います。
ひとくちにボルトといっても、日常的なものから自動車部品などに用いるものまでいろいろな種類があります。そのため、DIY初心者はボルト選びに迷ってしまいますよね。そこで、ここではボルトの基礎知識をわかりやすくご紹介しましょう。
ボルトとナットとネジ……この違いを正確に説明できますか?といわれ、とまどうDIY初心者の人は少なくありません。なんとなく、全部同じものだと思っている人もいるようです。まずは、この3つの違いを把握しておきましょう。
【ネジとは】
表面にスクリュー状のギザギザの突起がある円筒・円錐形のパーツ。外側にギザギザがあるものを「おねじ」、内側にあるものを「めねじ」とも呼ぶ
【ボルトとは】
六角形などの「頭」の下に、ネジ状になっている足があるもの(おねじ)
【ナットとは】
真ん中に「穴」が開いているドーナツ状のパーツで、内側がネジ状になっているもの(めねじ)
つまり、「ネジ」という総称の中にボルトやナットがあると考えてください。
ボルトは、「モノとモノを締め付けてつなげる」ときに使用する部品です。そして、素材・種類・サイズなどによって使い分けられます。ボルトは、メガネ・家具・パソコン・建築物・工業用品・自動車部品・航空機ほか、日常的に目にするものから一般の人は目にすることができない工事の現場など、ありとあらゆる場面で活躍しているのです。
ボルトはたくさんの種類があります。代表的なものをご紹介しましょう。
【六角ボルト】
「頭」が正六角形になっているボルトで、最もポピュラーなもの。ナットとコンビで使われる。建築関係・自動車部品・産業機械など幅広い分野で使われている。
六角形の頭の上に「丸い頭」が付いている「角根丸頭ボルト」や、六角形の頭の下に円形のつばが付いた「フランジ付き六角ボルト」など、六角ボルトの中にもさらにいろいろな種類がある。
【六角穴付ボルト】
円形の「頭」の中心に「六角形の穴」が開いているボルト。穴の部分に六角形の「六角レンチ」を入れてしめつける。六角ボルトと同様に使用頻度が高く、特に狭い場所や小型機械などに用いられる。
【六角穴付皿ボルト】
「頭」が平たい皿のようになっていて、中心に六角形の穴が空いているもの。
【アイボルト】
頭部がドーナツ型の「輪っか」になっているボルト。止めた後に輪っか部分に紐をかけたりフックを取り付けたりできる。一般家庭ではあまり用いられることはないが、機械を吊る「吊り具」用いることが多い。
【ちょうボルト】
頭の部分に2枚の「羽」が付いていて蝶々のように見えるボルト。羽部分を手で持って締め付けることができる。
ボルトの素材も色々な種類があります。代表的なものをご紹介しましょう。
【ステンレス(SUS304)】
もっとも代表的な素材で、耐食性に優れている。
【ステンレス(SUS316L)】
SUS304よりもさらに高い耐食性を誇る。
【アルミ】
軽量で強度が弱いが加工しやすい。
【S45C ・H】
機械用炭素鋼S45Cに焼き入れと焼戻し処理をして強度を高めたもの。
【チタン】
軽いわりに強度が強く耐食性に優れる。
【PPS(ポリフェニレンスルファイド)】
耐熱性・高温耐性・耐薬品性などに優れる。
ボルトの表面処理にもさまざまな種類があります。一般的なものをご紹介しましょう。
【生地】
表面処理をしていないもの。
【黒色酸化皮膜】
表面に酸化皮膜を施したもので耐食性に優れる。
【パーカー処理】
リン酸による化成処理を施したもので塗装の下地として優れている。
【ユニクローム】
見た目がきれいなので目立つ場所に使用する。硬度が高い。
【クロメート】
一般的に普及している電気亜鉛メッキ
【クローム】光
光沢があり見た目が美しく耐摩耗性もある
市販のボルトのパッケージに、「M6×10」などとアルファベットと数字が表示されたラベルが貼ってあります。これが、ボルトのサイズ表示なのですがどのように見ればいいのでしょうか。
基本的な見方をご説明しましょう。
【「M6」の部分】
「6ミリのネジ径(太さ)」という意味。ボルトの頭部分の大きさではなく、ボルトの「足」」の太さなので要注意。また、ぴったり正確に6ミリということではなく「規格上6ミリ」ということを表す。
【「×10」の部分】
ボルトの長さ。ボルトの首下(頭部分の下)から足の1番下までの長さ(六角穴付皿ボルトは頭ごと埋め込むので、頭部分も含んだ「全長」となる)。ぴったり10ミリということではなく「規格上10ミリ」ということ。
ボルトのサイズは「規格」というルールがあります。ボルトやナットなどを作る際に、サイズがばらばらにならないよう、世界共通(もしくは日本共通)の規格を決めたのです。現在日本では、主に「ISO規格(国際標準化機構)」と、「JIS規格(日本工業規格)」が使われています。ただし、最近ではボルトの規格といえば「JIS規格を見ればよい」とされています。
ボルトを選ぶときは、以下のポイントをチェックしましょう。
・ボルトの用途
・ボルトの頭部の種類
・ボルトの素材や表面処理
ボルトの使い方やサイズなどは多岐に渡っているので自分に合った選び方をすることが大切です。迷ったら、ホームセンターのスタッフなどプロに相談してください。
また、最近人気の「インダストリアル系インテリア」では、わざとボルトやナットを目立たせる家具をDIYで作るのも人気です。機能としてだけではなく、アクセサリー的な使い方をしてもおしゃれでしょう!
それでは、アマゾンで人気のボルト2点をご紹介します。
最近SNSでも話題の小型・軽量・防水設計のアクションカメラGoPro。動きのあるアクションシーンや迫力ある風景が撮影できるので、インスタグラムでもじわじわとその人気が高まっています。そのGoPro用のアクセサリーなどの固定にジャストサイズ!(出典:アマゾン)という声が多いのがこの「TRUSCO 低頭六角穴付ボルト」となっています。
DIYや家庭でのインテリア&エクステリアの修繕をよくやるという人におすすめなのが、このボルトセットです。いちいち、用途に合ったサイズのボルトを買いに行ったりネットで取り寄せたりするのが面倒という人や初心者の人にぴったりです。異なるサイズのボルト・ナット・ロックワッシャー・平ワッシャーを含むセットなので幅広く活用できるでしょう。仕切りの付いたケースが付属しているので収納も便利です。
ひとくちに「ボルト」といっても、その種類やサイズなどは数え切れないほどあります。また、用途も実に多岐に渡っているので、初心者の人は購入時に迷ったらホームセンターのスタッフなど、プロに相談した方が確実でしょう。ボルトは実用だけではなく、家具などをDIYするときの「アクセサリーパーツ」としても使われているます。ぜひいろいろな利用法を見付けてくださいね。