理想のマイホームを手に入れたいけれど、希望する金額を借りられるかどうか不安で、あきらめている方も多いのではないでしょうか。現在の収入や貯蓄額によっては、希望のローンを組むことが難しい場合もありますが、連帯債務住宅ローンを利用することで、希望の物件を購入できる可能性があります。そこで、本記事では連帯債務住宅ローンのメリット・デメリットをその特徴とともに解説します。
目次
夫または妻だけが家計を支えている場合、住宅ローンの名義は当然どちらかになりますが、夫婦ともに働いていて、どちらにも収入がある場合は、単独ローンよりも選択肢が多くなります。
最近は特に女性の社会進出が目覚ましく、夫婦それぞれの事情に合わせて選ぶ方が増えています。
連帯債務とは、2人の収入を合算してローンを借りることで、一方を「主たる債務者」、もう一方を「連帯債務者」と呼び、両方に等しくローンを払う責任が発生します。
例えば、自分の年収だけでは借入が無理な場合でも、配偶者の収入を合わせればローンが可能になることがあります。そのような状況下では連帯債務住宅ローンを活用できるでしょう。
「フラット35」では、連帯債務者が満たすべき条件として、次のように定めています。
原則として、1~4の条件をすべて満たす必要があります。主債務者と連帯債務者は年収の合計を合算することができます。また、収入合算で住宅ローンを借りる場合、借入期間の上限に影響が出る場合があります。
連帯債務者の基準は金融機関によって異なりますので、借入を希望する住宅ローンを取り扱っている金融機関にご相談ください。
連帯債務者型で住宅ローンを借りることにはメリットもありますが、デメリットもあります。この点を十分に理解し、上手に利用するようにしましょう。
住宅ローンを借りる際、申込者本人の収入だけでは希望する条件を満たせない場合、同居する家族の収入を合算して連帯債務者として借りることが原則的に可能な場合があります。
また、連帯債務者は主債務者と同じ住宅ローン債務の返済義務を負うため、それぞれが条件を満たせば、住宅ローン控除を利用することができます。
確定申告または年末調整により入居した年から10年間、各年の住宅ローンの年末残高の1%が所得税されます。
妻が産休で仕事ができなかったり、夫が病気やケガで入院された場合でも、返済は免除されません。住宅を購入する際には、万が一に備えた資金の積み立てや保険など、不測の事態を考慮した返済計画を立てることが必要です。
また、連帯債務型の団信には、当事者のどちらか一方しか加入できません。団信に加入していない方に万が一のことがあった場合、住宅ローンの返済が続き、家計の一部が損なわれてしまうことになります。
また、団信に加入していない方は、生命保険の利用も検討しなければなりません。万が一の場合に備えて、団信に代わる保障を個人で準備しておくことが必要になります。
団信にはフラット35の「デュエット」のように2人で加入できるものもあるとはいえ、機構からの融資を受けていることが条件となるなど、対象者はかなり限定されています。
また、連帯債務の住宅ローンの場合、夫婦が離婚した場合でも、どちらも住宅ローンの返済義務から解放されることはありません。連帯債務型の住宅ローンの場合、住宅ローンは夫婦が分担した割合で共同所有することになります。
夫婦が離婚しても、連帯債務の状態から抜け出せなければ、住宅の共有名義を変更することはできないので注意しましょう。
二人で住宅ローンを組む方法として、ペアローンという方法もあります。ペアローンでは、二人とも債務者となり、それぞれお互いの連帯保証人となります。ご自身のニーズに合った方法を選択できるよう、概要をご確認ください。
連帯保証人は、借主が返済不能になった場合にのみ返済責任を負います。その点ペアローンでは、相手が返済できなくなった場合に相手の債務も負担することになります。
ペアローンでは、債務者の双方が団体信用生命保険に加入することができます。双方の債務者が住宅ローン控除の対象となるため、所得税や住民税を軽減することが可能です。
また、連帯債務による住宅ローンでも、主債務者と連帯債務者の両方が住宅ローン控除の対象となります。条件を満たした場合は忘れずに手続きを行いましょう。
ペアローンを組む必要があるケースは、一人の年収では住宅ローンの希望額に届かず、希望額に届けたり借入額を増やしたりするためにペアローンを組む必要がある場合です。
ペアローンでは、夫婦が別々に住宅ローンを組みますが、それぞれの年収に応じて借入可能額が決まるため、夫婦ともに一定の収入があることが条件となります。
住宅ローンを借りるためには、まず審査に通らなければなりません。年齢や雇用形態など様々な審査基準がありますが、その中でも年収は重要な審査基準の一つです。
借入希望額に対して年収が多すぎると判断されると、住宅ローンを借りられなかったり、借入希望額が減らされたりします。また、民間の金融機関では、夫婦で団信に加入することが義務づけられています。
ペアローンは借入金額を増やせるのでメリットが多いように思えますが、デメリットもあります。あとで後悔しないためにも、特徴やメリット・デメリットを確認し、自分に合った住宅ローンの組み方を選びましょう。
メリットは夫婦それぞれで住宅ローン控除を受けることで、控除枠を最大限に活用できるため、節税効果が期待できる点です。
また、一緒にローンを組むことで、借入額を増やすことができ、希望する物件の条件を増やすことができます。
また、両親の経済的援助がある場合は、夫婦ローンが適しています。単独または共同の収入でローンを組む場合、贈与税がかからないのは500万円が限度です。
しかし、夫婦でローンを組む場合は、夫と妻がそれぞれの枠を使うことができ、最大で1000万円まで贈与税がかかりません。
ペアローンの場合、2人が個別にローンを組む契約を結ぶため、印紙代などの諸費用が2人分発生します。これらの手数料は、連帯債務者の住宅ローンに比べて割高になりますのでご注意ください。
また、ペアローンでは、お二人とも団体信用生命保険に加入することができますが、お一人に万一のことがあった場合、お一人だけ債務が免除され、もうお一人は引き続き返済の義務があります。
住宅ローンの連帯保証人とは、住宅ローン契約者が契約通りに返済できなくなった場合に、代わりに返済の義務を負う人のことです。住宅ローンの連帯保証人は、債務者と同じ責任を負っています。
そのため、住宅ローン契約者が毎月の返済ができなくなった場合、連帯保証人がすべての返済を肩代わりしなければなりません。金融機関から借入をする場合、基本的には連帯保証人が必要です。
しかし、ほとんどの銀行では、住宅ローンを借りる際に連帯保証人を必要としません。ここでは、住宅ローンの連帯保証人について詳しく解説します。
住宅ローンでは、連帯保証人が必要なケースは一部であり、基本的には連帯保証人を立てる必要はありません。住宅ローンを借りる場合、一般的にはローンの対象となった土地・建物に抵当権が設定されます。
そのため、万が一、住宅ローン契約者がローンを支払えなくなった場合、抵当権を実行して残債を回収できるため、原則として連帯保証人は必要ありません。
住宅ローンを借りる際には、原則として連帯保証人は必要ありませんが、場合によっては必要になることがあります。住宅ローン契約で連帯保証人が必要になるケースは、ペアローンや収入合算で住宅ローンを借りる場合です。
ペアローンと収入合算は、どちらも夫婦や親子で一緒に住宅ローンを借りる方法です。最近は夫婦共働きの家庭が増えたこともあり、夫婦共同で住宅ローンを借りることを検討する方も多いようです。
しかし、夫婦や親子で共同で住宅ローンを借りる場合、それぞれが連帯保証人になる必要があるケースも少なくありません。ご自分の状況に合わせてどのタイプのローンを選択するか慎重に決定しましょう。
どのタイプのローンを組むかについては、自分と配偶者の状況に合った住宅ローンが選べます。単独ローンで希望額に届かないという状況では、連帯債務やペアローンを利用したい方もおられることでしょう。
とは言え、それぞれのローンの特徴をよく比較して返済不能になった場合のシミュレーションも行った上で、適切な方法を選ぶようにしましょう。