注文住宅は自由度が高く、自分の理想とする家を叶えることができます。しかし、その分価格が高くなりやすいというのがデメリットでもあります。そこで今回は、注文住宅の値引き交渉を成功させるコツについて解説していきます。値引き以外にも、コストを下げる方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
既に住宅が完成している建売住宅では、値引きができる場合がありますが、注文住宅に関しては一般的に値引きは難しいと言われています。家を建てるならできるだけ安くしたいと考える方も多いため、注文住宅だとなぜ値引きが不可能なのか、見ていきましょう。
注文住宅の値引きが難しい理由として、注文を受ける企業側に値引きを行うメリットがないという点が正直なところだと言えます。建売住宅に関しては、販売開始してから、なかなか買い手が見つからないと値引きして安く売り出す可能性があります。
しかし、注文住宅は注文を受けてから作り始めるため、売り手側としては値引きを行う理由は特にないのです。そのため、注文住宅で値引きを行う場合は、家の質を下げるという結果になることがほとんどです。
例えば、使用する壁や床などの建材をグレードの低いものにしたり、間取りをシンプルにする、窓やドアを減らすなどといった各所の変更を伴うでしょう。ただし、タイミングや交渉方法次第でこれらを変えずに値引きできる場合もあります。
では、注文住宅の値引きをしてもらいたいという時に、値引きに応じてもらいやすいタイミングや常識的な値引き相場について解説します。値引き交渉を考えている方は、まずこれら2点を把握しておくと良いでしょう。
値引き交渉を行うタイミングとして、家の間取りやデザインなどの詳細を決定して、契約をするかしないか迷っている段階、つまり契約の直前で交渉をするのがおすすめです。契約を交わしていない段階では、相手側は注文を受けたことにならず、作業にも取り組めません。
そのため注文を受ける側は「早く契約を取りたい」「どうにかこの契約を決めたい」という気持ちになるでしょう。そのタイミングに、こちらが価格を理由に迷っていたら、仕方なしに値引きをして契約を完了させる可能性があるからです。
一方で家の間取りや建材、設備などを決めている最中に値引きを交渉すると、グレードを下げたり設備を変更するよう勧められるだけなので、厳密には値引きとは言えず家の質を下げることになります。
注文住宅を建てる場合の値引き相場は、最終的な住宅価格の5~7%が平均となります。例として3,000万円の住宅の場合、5%の値引きに成功した場合2,850万円となり、150万円安くなるわけです。
3,000万円に対して150万円と聞くと「それだけ?」と感じるかもしれませんが、150万円あれば引っ越しに伴って買い替える家電や家具がある程度揃う額になります。
また、中には10%前後の値引き交渉に応じるハウスメーカーなどもありますが、これだけの額を値引きするということはグレードが変更されていたり、そもそもの価格が非常に割高だったという場合もあります。必ず詳細の見積もりを確認し、変更などがされていないかチェックしましょう。
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注文住宅の値引き交渉を行う場合は、まず複数のハウスメーカーや工務店から見積もりを出してもらうことが大切です。最初から1社に絞ってしまうと、住宅価格の相場がわからず結果的に損になる場合があります。そして、それぞれの企業には「他社と比較しながら決めたい」という旨を伝えましょう。
この時に「他社の見積もりを見せてもらいたい」と言われることがあるため、その際は坪単価や家の構造、質ができるだけ近い会社の見積もりを渡します。そうすると、その金額よりも安い額で提示してくれる可能性があります。
また、値引き交渉が成立した場合、さりげなく無料サービスに対応してもらえないか、提案してみると良いでしょう。無料サービスというのは、契約したお礼として企業側が無料でキッチンに棚を付けてくれたり、壁紙を少し高額なものに変更してくれたりなどといったサービスです。
これらのポイントを押さえながら値引き交渉にチャレンジしてみて下さい。特に、ハウスメーカーは他社と競いたい気持ちも強いため、遠慮せずに複数の会社をきっちり比較することが重要です。
続いて、注文住宅の値引き交渉を成功させるコツについて解説していきましょう。ただ「値引きしてほしい」と訴え続けるのではなく、以下のようなポイントを押さえながら交渉を行うことで、成功する可能性もアップするでしょう。
オプションとは、建てようとしている住宅に最初から付いている標準設備以外のものを指しますが、このオプションを追加する際に値引き交渉をしてみるというのも手です。ちなみに、オプションには主に床暖房や洗面所のツインボウルなどの設備の他に、壁材や床材の種類なども含まれます。
具体的には、必ず付けたいオプションに関しては最初から付けておき、付けようか迷っているオプションは保留にします。そして、値引きのタイミングで「○○のオプションを値引きしてほしい」と提案します。
万が一この段階で相手が難色を示したら「値引きができないのであれば、〇〇のオプションを付けてほしい」と交渉してみて下さい。そうすると、どちらかの提案に乗ってくれる可能性もあります。
注文住宅の値引きというのは額が大きいため、担当者の意思のみで決定できる問題ではありません。値引き交渉をされた場合、担当者が店長など上の立場の方で無い限り、一度社内に持ち帰って検討したり承認を受ける必要があるのです。
そのため、値引き交渉を何度もしていると、担当者も嫌気が差して対応が雑になったり「面倒な客」認定され、本気で取り合ってもらえなくなる可能性もあります。こういった理由から、注文住宅の値引き交渉は契約前の1回のみにしましょう。
値引きをしてもらうためには、いかに営業担当者との信頼関係を築けるかという点も重要になります。当然ですが「値引きが当たり前」といった態度で、高圧的かつ強めな口調で「値引きしてくれないと契約しないよ」と言っても、担当者の方も不快な気持ちになるだけです。
一方で「他社と比べても〇〇さんの対応が一番良いし、この家のデザインがすごく気に入ってるんだけど、金額だけがちょっと…」と相談してみると、担当者の方も「なんとかしてあげたい」と最良のプランを練り直してくれたり、値引きをして希望額に近づけようとしてくれるかもしれません。
このように、担当者の方やその会社の良さを最大限称えつつ「金額だけ引っかかっていて、購入に踏み切れない」という意思を表すということが、値引きへの一歩となるでしょう。
最初から頭ごなしに「値引きしろ」と無理矢理言い続けるのでは、企業側も納得できずなかなか値引きには応じてくれません。そこで、こちらもできるだけコストダウンできるよう、設備のグレードを下げたり、間取りの変更を申し出たりして「どうしても金額を下げたい」という意思を見せることが大切です。
その時に「キッチンのデザインを変えようかな」「家電や家具はキャンセルして後日自分たちで購入しに行こうかな」など、「できれば避けたいけれど、これをしないと金額が下がらない」という態度を示しながら提案してみると、担当者の方ももう少し検討してくれる可能性があります。
ただし、全く同情せずにあっさりと受け入れて変更されてしまう場合もあるため、担当者の方の人柄や態度を良く観察しながら、コストダウンの提案を考えてみて下さい。
値引き交渉に成功して実際に値引きをしてもらった場合は、そこで満足せずに、念のため最終的な額が相場より安くなっているのか確認する必要があります。なぜかというと、そもそも最初に提示された金額が相場より大幅に高い額で提示されていた可能性があるためです。
これは、複数社で見積もりを出していない方に良くあるケースですが、結果的な値引きを予測して最初は平均より遥かに高い金額を提示します。そして、最後に価格を戻すことで、あたかも「大幅値引きに応じてくれた」と思わせるという企業側の策略です。
そのため、結果的な額が通常の相場、もしくは相場より少々高い額になってしまう可能性が考えられます。このようなリスクを負わないためにも、見積もりは必ず複数社から取って、慎重に比較しましょう。
注文住宅の値引き交渉は、思い通りにいかない場合も良くあります。そのため、最初から値引きしてもらえることを前提にプランを立てたり、無理矢理値引きをしてもらったりすると、結果的に失敗する可能性も考えられるのです。以下で失敗例をご紹介しましょう。
値引き交渉をするのは良いですが、過度な値引きをしてもらった結果、対応が不親切になってしまったという例もあります。なぜ過度な値引きをしてくれるのかというと、相見積もりを取って企業同士を競わせると、契約を他社に奪われないよう、普段では有り得ないような額を値引きしてくれる場合があるのです。
例えば「A社が150万円の値引きをしてくれた→B社に報告したら250万円の値引きをするからうちで決めるよう促された」というケースの場合、他社より100万円も多く値引きするということは、何かしら削られていると考えたほうが良いでしょう。
この失敗例の場合は、大幅な値引きに対応した分、余計な時間を省くために最低限の接客になってしまったと言えます。
注文住宅の場合、必ずしも値引きできるとは限らないのが現実です。値引き交渉に臨んでも全く応じてもらえないということも有り得るため、値引きを前提にプランを立てると結果的に予算オーバーに繋がってしまう場合もあります。
例として「当初の見積額では予算をオーバーしていたが、値引き交渉で予算に近づけられると思い、そのまま話を進めてしまった。しかし最終的に値引きしてもらえず、必要な設備を削った」というケースが挙げられます。
そもそも最初に提示された見積額で予算をオーバーしていた場合は、予め妥協案に差し替えることが必要です。そして、最終的に運良く値引きしてもらえたら、妥協した設備を足すなどの方法を考えると良いでしょう。
注文住宅の値引き交渉が上手くいかなかった場合でも、コストを抑える方法はいくつかあります。以下でその例をご紹介するので、ぜひ参考にしてみて下さい。
注文住宅で建てたマイホームをモニターハウスに登録すると、割引やオプションのサービスを受けることができます。その代わりいくつかの条件があり、家が完成したあと1~3ヶ月間モデルハウスとして一般開放されます。
その期間はハウスメーカーが管理することになるため、見学会の会場にされることもあるということです。他にも、会社の資料やパンフレットに写真が掲載されたりする場合もあるでしょう。
通常は、その期間が終わったら引き渡しが行われます。割引を受けられるのは良いことですが、一般開放されるということは不特定多数の人が家の中に入るので、それを懸念して断る人もいます。
モデルハウスに使用される期間や値引き額、オプションサービスの内容、見学中に起きてしまった万が一のトラブルにはどう対処してもらえるのかなどは各社によって異なるため、詳細を良く確認してから検討することが重要です。
前述したモニター制度のほかにも、直近で注文住宅を建てた友人や親戚などがいるようならば、その方々から会社を紹介してもらうと割引を受けられるという紹介制度を取り入れている企業もあります。
もし、友人宅に「おしゃれ」「こんな家造りたい」という理想を持っている場合は、紹介してもらえるか尋ねてみると良いでしょう。
注文住宅は通常、間取りから設備、家のデザインまで全て自由に決めることが可能ですが、セミオーダー住宅はハウスメーカーが予め用意したベースパターンから好みのものを選びオーダーするという住宅で、フルオーダーの家より安価になります。
簡単に言ってしまえば、建売住宅と注文住宅の中間的な存在です。どうしても欲しい設備がある、やりたいデザインがあるなど、強いこだわりを持っている場合はセミオーダーだと叶えられない可能性もあるため、そういった点は事前にできるかどうか確認しておく必要があるでしょう。
ただ、支柱となる部分は定まっている場合が多いですが、間取りや壁紙、床のデザイン、設備の仕様の一部は自由に決められる部分もあるため「オーダー住宅を建てたいけど、知識がなく全て決めるのは負担になる」という方にとっては、嬉しいポイントともなり得ます。
オプションには、希望して取り付けた設備や建材の変更、壁紙や床デザインの変更など様々な項目があります。最終的に住宅の価格が予算オーバーしてしまった場合、まずはこれらのオプションを見直してみるのがおすすめです。
例えば、キッチン内のビルトインタイプの設備は費用がかかるため、諦めて自分で家電を揃えたり、棚に造作家具を注文した場合は、キャンセルして市販の棚を選んだりなどした方が安く済む場合もあるでしょう。他にも、建材や壁紙、窓などをグレードアップした場合、グレードを戻すというのも手です。
このように、本当に必要かどうか、無くても後悔しないのではないかといった観点でもう一度検討し直してみると、コストカットできる部分が出てくることもあります。
注文住宅は値引きできる場合もありますが、基本的に大幅な値引きは見込めないと考えていたほうが良いでしょう。万が一無理に値引きをしてもらうと、設備のグレードを下げられてしまったり、対応が不親切になる場合もあるので注意してください。