注文住宅などを建てる時にローンを組む際、金利なども気になってくる事でしょう。比較する際にも金利がどの程度の金額になってくるかで検討していく方は多いと思われます。そこで今回は、住宅ローンの金利計算方法や元利均等と元金均等の違いなどを解説していきます。
そもそも金利というのは、お金を借りたり預けたりといった事をする際に発生する利子、利息のことを表します。お金を借りている時に発生する手数料のようなものであり、借りた側からは利息、貸す側からは利子と呼びます。
住宅ローンの中では、金融機関が定めている基準金利、店頭金利とも呼ばれているものと、基準金利から所定の金利引き下げを行って適用される借入金利、適用金利と呼ばれるものがあります。
計算式としては「基準金利-引き下げ金利=借入金利」ということになります。金利自体は金融機関やローンの種類によっても異なっている他、返済に要する期間や頭金の金額によっても変動するところがあります。
住宅ローンの金利と一口に言っても、いくつかの種類が存在しています。変動するのか固定されるのかといった部分が大きな違いになってくるわけですが、続いては住宅ローンに見られる金利の3タイプを解説しましょう。
まずは、変動金利型と呼ばれているタイプになります。こちらは名前の通りローンとしてお金を貸している返済期間中に金利が変動するものとなっていて、実際の金利の利率に関しては日本銀行の政策金利による短期プライムレートが基準になります。
金利が低い期間であれば、借りる側が支払う利子の支払い負担を抑えることができるというメリットがある反面、現在は利率が低くても将来的には利率が高くなってしまうというリスクも抱えています。
金利の見直しは原則として半年ごとに行われますが、住宅ローンの返済額の見直しに関しては5年ごとと定められているので金利が上がっても即座に返済に反映されるわけではありません。
続いては、固定金利型になります。先に解説した変動金利型は日本銀行の金融政策などの影響によって利率が上下するところがありますが、こちらは返済期間中の金利が固定されるタイプとなっています。
10年を満期とする国債の利回りを基準として利率は決められ、上下することが無い為に決まった金利から高くなったりするようなリスクは発生しないものの変動金利型と比較すると金利は高めに設定されます。
借り入れをする時点で返済時にかかる利子の金額は把握できるため、返済計画を立てやすいという利点もあります。ただ、変動金利の下降が続く場合には高い利子を支払わなければなりません。
もう1つは、固定金利選択型になります。ローンを契約してから一定期間の間は固定金利型で、その期間が経過してから改めて金利タイプを変動か固定のどちらかから選択をする事が出来る方式です。
固定金利になる一定の期間に関しては3年や5年、7年、10年といったように金融機関ごとで異なっていて、金利が変動すると負担が大きくなってしまうのは不安だけれど、利子の支払い負担は抑えたいという方に推奨されています。
一般的には固定金利の期間を短くするほどに金利が低くなり、固定期間が終了してからは変動か固定かを選択できるものの商品によっては自動的に変動に切り替わって固定金利は選択不可になるものもあります。
実際に住宅ローンにかかってくる利率は、契約を行う際に選択する金利の種類によっても全体の額が変動する事を覚えておきましょう。そして、金利にも種類があるようにローンの返済の方法に関してもいくつかの種類があります。
タイプは2つあり、その1つが元利均等返済という方式になります。月々の返済金額が一定の額になり、毎月同じ額を払っていく方式です。よって返済がスタートするときから最後まで金額が変わらないので、家計の管理がしやすい方式でもあります。
元金と利息を合わせた返済額は変わらず、返済金額に占める元金と利息の割合がだんだん変化していきます。最初は利息の割合が大きいですが、最後の方は元金の割合がほとんどになっていくという同じ金額内での利息と元金の割合の変化が見られます。
最初が利息の割合が多いだけに借り入れ元金はなかなか減らず、最終的な総返済金額は後にご紹介する元金均等返済と比べると多くなるデメリットがあります。抑えたい場合には、こまめな繰り上げ返済などの工夫が必要です。
そしてもう1つが、元金均等返済になります。こちらは元金の返済額を一定にして利息分をそこに加えて返済していく方式です。済額は返済期間に応じて少なくなり、元利均等返済に比べて総返済額は少なくなります。
返済が進むたびに利息率が減少していきますので、返済の最後の方には月々の返済額が軽くなっていきます。定年退職後のローン返済が続くと予想される場合や、子どもの大学進学に合わせて負担を減らしたいといった時に推奨されています。
ただし、返済を開始した最初の時の利率が最も大きくなりますのでスタート時の負担は重くなります。よって、頭金を多めに入れることによって借り入れの金額を小さくするのが負担軽減策となるのです。
住宅ローンにかかる利率と、その返済の仕方それぞれにいくつかの種類が存在していると解説しました。ケースバイケースで最も適した方法を選択していく必要があるわけですが、最後に返済額の計算の仕方をご紹介しましょう。
まずは、住宅ローンの月利の計算方法についてです。金融機関のホームページやチラシなどに掲載されている利率というのは基本的に年利、すなわち年間の総額としてどれだけの利率になるかが載っていますので、月々の金額を知るためには月利に直す必要があります。
年利を金利に見直す際の計算方法は簡単で、12か月分に割って求めればいいだけなので「年利÷12ヶ月」で導き出す事が可能となります。例えば年利が1.3パーセントだった場合、12で割ると0.001083=0.1083パーセントということです。
小数点以下の数字になりますが、年利率によっては12で割り切れないケースも珍しくありません。その場合には小数点第六位ほどで切り捨てて計算をすれば、ほとんど大きな実際の金額とのブレは無いでしょう。
続いては、元利均等返済の場合の計算方法についてです。月々の返済金額を求めたい場合には「{借入金額×月利×(1+月利)返済回数)}÷{(1+月利)返済回数-1}」という計算式にそれぞれの数値を当てはめることで導き出します。
まず金利は1年にかかる年利で表示されているので、先に解説したように12で割って月利に直しての計算を行います。例えば借入金額2,000万円、借入期間20年、金利1.2パーセントという条件で考えてみましょう。
月利は0.012÷12=0.001パーセント、返済回数は20年×12ヶ月=240となり、{2,000万円×0.001×(1+0.001)240}÷{(1+0.001)240-1}という計算で約94,000円が月の返済金額ということになります。
元金均等返済の場合の計算方法についてです。こちらでは月々の返済金額を(借入金額÷返済回数)+(借入残高×利率×日数/365)という計算式に当てはめて導き出します。
先にご紹介した通り、元金均等返済の場合には元金の額が変わることがありません。よって元金の返済額を求めた後で、利子がどの程度になるかを計算すれば月ごとの返済額が分かります。
元利均等返済と同じく借入金額2,000万円、借入期間20年、金利1.2パーセントという条件で考えた場合には元金額が2,000万円÷240回≒83,300円、1回目の利子が2,000万円×0.012×30日÷365日≒19,700円となり、1回目は83,300円+19,700円=103,000円という額になります。
こうした計算を一々行うのは面倒に感じることでしょうが、実際には煩わしく思える計算も住宅ローンの返済趣味レーションサイトなどを利用すれば数値を当てはめるだけで簡単に計算をしてもらえますのでぜひ利用してみましょう。
現実的に住宅ローンを利用しようとするときには、やはり月々の返済がどの程度になるかで現実的な予算などを決めていくでしょう。金利や返済の方法などを事前に十分に相談、検討して決めていってください。