住宅ローンとは家を買ったり改築した時に金融機関から借りられるお金のことです。返済方法には「毎月払いするプラン」と「ボーナスを併用するプラン」があり、どちらを利用すれば良いのか分からないという方も多いはずです。この記事では、ボーナス払いを併用するメリットとデメリットを解説していくので、興味のある方はぜひご覧ください。
目次
住宅ローンを組んだ時にボーナス併用払いにすると、毎月の返済のほかにボーナス時期(基本的には夏と冬の年2回)にある程度まとまった額を返済することになります。毎月の支払とボーナス支払いは別扱いと考えるため、その月はそれぞれに支払いが生じるのが基本です。
住宅ローンでボーナス払いを利用するとどのようなメリットがあるのでしょうか?ここからは、住宅ローンでボーナス払いを併用するメリット詳しく解説してきます。
メリット1つ目は「月々の返済額を抑えられる」です。同じ金利・借入金額・返済期間で、ボーナス払いを併用した場合とボーナス払いなしの場合では、ボーナス払いを併用した方が月々の返済額は安くなります。
ボーナス払いの割合が高くなるとその分、月々の支払い額が安くなる計算です。月々の負担を抑えることで、減額分を生活費や他のローン返済にあてることができます。
ここでは、ボーナス払いありとなしの返済額の差をチェックしてきます。計算条件は①返済額35年②年率1.5%の固定金利③借入額4000万円で、ボーナス払いなし・4,000万円の借入金のうち20%をボーナス払い・4,000万円の借入金のうち30%をボーナス払いに場合の返済額の差を表にまとめています。
月々の支払い額 | ボーナス時返済額 | 年間返済額 | 返済総額 | |
ボーナス払いなし | 122,473円 | なし | 1,469,676円 | 51,438,816円 |
4,000万円のうち20%(800万)をボーナス払い | 97,979円 | 147,317円×2回 | 1,470,382円 | 51,463,080円 |
4,000万円のうち30%(1,200万をボーナス払い) | 85,731円 | 220,975円×2回 | 1,470,382円 | 51,475,364円 |
メリット2つ目は「返済期間を短くできる」です。住宅ローンは無理のないように返済計画を立てるのがポイントですが、銀行からお金を借りているのですから返済期間が長くなると、その分支払う利息の額も増えていきます。始めは長い期間で借りておき、お金をためから繰り上げ返済してローン期間を短くするといった方法もありますが、ボーナス払い払いをうまく利用することで返済期間を短くすることができるます。
住宅ローンでボーナス払いを利用するのはメリットだけではありません。当然、デメリットもあります。ここからは、住宅ローンでボーナス払いを利用するデメリットをご紹介していきます。
デメリット1つ目は「返済総額が増額する場合がある」です。先程、ボーナス払いありとなしの返済額の差を表でまとめましたが、ボーナス払いを併用すると毎月の返済額は下がっていますが、年間返済額と返済総額はボーナス払いなしよりも高くなっているのが分かります。
ボーナス払いをすることで月々の返済額は抑えられますが、年に2回のボーナス払いはでは元金がなかなか減らないため、そのような現象がおきます。多くの金融機関では、ボーナス払いの割合は最大で50%までと決められていてボーナス払いの割合が増えると毎月の返済額は低くなりますが、返済総額も増えることを頭に入れておきましょう。
住宅ローンでボーナス払いを利用するデメリット2つ目は「ボーナスが出ないときのリスクが大きい」です。ボーナスの支給を義務だと思っている方も多いですが、ボーナスの支給は義務でなくそれぞれの企業が独自に規則を定めています。
そのため、支給回数や割合・条件などは企業によって異なります。近年は、ボーナスの支給がない企業や業績によってボーナスがでない・減額されるという企業も少なくありません。ボーナス払いがあるのに、ボーナスが出なかったときのリスクはかなり大きいので、よく考えてからボーナス払いを併用するようにしてください。
デメリット3つ目は「定年後もボーナス払いが継続する」です。住宅ローンを組んでいる人のなかには、定年後も支払いが続くという方もいるはずです。しかし、定年退職したからといってボーナス払いがなくなるわけではありません。
定年後にプランを変更できる場合もありますが、変更の際に手数料を取られたり変更できなかったりする金融機関もあります。定年後も支払いを滞らないようにするためには、途中でプラン変更ができるかなどを確認しておくことはもちもん、定年後でも支払いができるように貯蓄しておくようにしましょう。
ここまでは、住宅ローンでボーナス払いを利用するメリットとデメリットについて詳しく解説してきました。ここからは、住宅ローンでボーナス払いを利用する際の注意点をまとめていきます。
注意点1つ目は「ボーナスの頼り過ぎた返済計画を立てない」です。ボーナス払いの併用は毎月の支払額を抑えたり返済期間を短縮できたりするのがメリットですが、ボーナス払いをしなければ返済できないようなローンを組むのは大変危険です。
ボーナス払いを併用するデメリットのところでも解説したように、ボーナスは必ずでるものだとは限りません。そして、ボーナスがでないからといてボーナス払いが免除されるわけでもありません。ボーナスありきでギリギリの返済計画を立ててしまうと、いざという時に返済できなくなるので余裕をもった返済計画を立てるようにしてください。
注意点2つ目は「不測の事態に備えてしっかり貯蓄する」です。ボーナス払いを併用するとボーナス払いを併用しない場合によりも、月々の返済額が抑えられます。抑えられた分のお金は生活費やほかのローンにあてることもできますが、不測の事態に備えてできるだけ貯蓄しておくようにしましょう。
そしてある程度お金が溜まったら、繰り上げ返済するのがおすすです。定期的に繰り上げ返済をすれば、利息を大きく減らすことができます。ただし、繰り上げ返済をすると手数料がかかる場合があるので、事前に確認するようにしてください。
では、もし住宅ローンのボーナス払いができなくなったらどのようにすれば良いのでしょうか?ここからは、ボーナス払いができなくなった場合の対処方法を解説していきます。
ボーナス払いを併用しているにもかかわらず、「ボーナスが減額された」「ボーナスがでなくなった」などの理由でボーナス払いを続けるのが難しくなったという方もいるはずです。
支払いが滞ると最悪の場合家を手放さなければならないため、気持ちが焦ってしまうこともあるでしょう。しかし、カードローンや消費者金融に手をだずのは絶対にやめてください。一時的にお金が支払えたとしても、その場しのぎにしかなりません。
まずは、金融機関に返済方法の変更ができるかを確認してみましょう。金融機関によっては返済方法を変更すると審査や手数料が必要な場合もありますが、ボーナス払いなしに変更できる可能性があります。今は問題がないという方も、事前に返済方法の変更ができるかを確認しておくと安心です。
返済方法の変更したら毎月の支払いが厳しくなるという方は「他の金融機関に借り換える」という方法もあります。現在利用している金融機関よりも安い金利の金融機関に借り換えることで、月々の返済額が抑えられます。
ただし、ほかの金融機関に借り換えるには50万~100万ほどの手数料が発生します。安くなる金額よりも手数料の方が高くついたりほとんど金額が変わらなかったりする場合もあるので、借り換えは慎重に行うようにしてください。
住宅ローンには、ボーナス払いを併用する返済方法とボーナス払い併用しない返済方法があります。ボーナス払いを併用すると、毎月に返済金額が抑えらえるなどのメリットがありますが、返済総額が増減したりボーナスがでないときのリスクが大きいといったデメリットもあるので、ボーナス払いを併用するかは慎重に決めるようにしてください。