木工を行うと必ず行う仕上げ工程。その仕上げで木工加工が決まると言っていいでしょう。仕上げる時に必要な工具は様々で、サンダーやグラインダーなどが代表的です。でも、「なんだか味気ないな・・」、「もっと凝りたいな・・」と思ったことはありませんか?そんな時に活躍するのが木工トリマーです。今回は、業界人が木工トリマーについてじっくり語りつくします。
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木工トリマーとは、電動の本体にトリマービットを先端に付けて高速回転させることで、木材を、装飾(トリミング)するための工具です。実は、「トリマ」と長音符を付けないで表記するのが正式名称ですが、本記事では一般的に浸透している「トリマー」で統一します。
装着するビットは、溝切り用・面取り用・飾り面取り用の3種類で、それぞれを使い分けることで木材に装飾を施します。これらを駆使して制作物を仕上げれば、単なる木工品が、簡単にプロが仕上げたような工芸品になります。
さて、そんな便利な木工トリマーですが、気になるのは価格の相場です。2018年9月現在の相場は、標準品で5000円~10000円、高機能品で10000円~20000円程度です。以前は、木工トリマー自体があまり一般的ではなく、結構高額だったのですが、10000円以内でそれなりの商品が買えることになったのは驚きです。
前章で、価格相場を述べましたが、標準品、高機能品との価格差、それぞれの中でも価格差がある事はわかっていただけたでしょう。では、なぜ、そのような価格差が出るのでしょうか?この章では、価格相場が決まるポイントをご紹介します。
これは、木工トリマーに限ったことではありませんね。ブランド信頼度による価格差です。みなさんよくご存じの人気ブランド「マキタ」を筆頭に、「リョービ」「日立工機」「ボッシュ」は高額になる傾向がありますが、「ブラック&デッカー」や「高儀」などは比較的安価で発売されています。
高機能品は、「傾斜加工」「電子制御」「掘削微調整」など、より細かな加工を行うための機能が搭載されており、プロが使うレベルのものも多くあります。特に傾斜加工機能は非常に便利で、通常は熟練の技術が必要な傾斜が付いた溝を掘削できます。例えば、洗濯板みたいな波の溝が初心者でも簡単に加工できるので、できれば欲しい機能です。ほかに充電式のトリマーもあります。
トリマー本体と付属ビットのみでも、装飾仕上げは可能ですが、使っていくと、より多くのオプション品が欲しくなります。各種トリマービットはもちろんですが、材料や加工方法に合わせたトリマーベース、取り回しが楽になるプランジベースなど。一般的には、それらのオプション品が多く揃えている商品は価格が高くなる傾向があります。
では、実際に木工トリマーの選び方はどんなことが大事なのでしょうか?ここでは、選ぶコツをご紹介します。
前章で、高機能品は便利な機能が揃っており、初心者でもプロ並みに加工が可能な機能が搭載されている事はご紹介しました。また、低価格品はオプションなどが少なく将来の拡張性が乏しい事もわかっていただけたと思います。ですので、初心者の方こそ高機能品を購入することをおすすめします。初めて使うトリマーがうまく使いこなせず、途中であきらめるような事になれば、かえって高くついたなんて事になりかねません。
木工トリマーを使い慣れていて、使う用途も使い方も決まっていれば、低価格品でも問題無いでしょう。上級者の方は、かえって豊富な機能が邪魔になる可能性もあります。
ここからは、プロである業界人が厳選した木工トリマーをご紹介します。
この商品は、なんといっても傾斜ベースプレートオプションの取付けをせずに、傾斜が可能というところが一番の魅力です。同じ形状のものをたくさん加工したい時に便利なテンプレートガイドも付属しています。また、別売りオプションも豊富です。
【業界人オススメポイント】
標準機能で傾斜加工が可能。傾斜加工をするとグッとプロっぽくなりますよ。
多くの木工トリマーはAC電源が必要な中、唯一充電式の木工トリマーです。トリマー作業は製作品の各部を移動しながら作業を行いますが、この時の電源ケーブルが意外と面倒で、場合によっては、一度電源を切り、ケーブル環境を整えて再開するなんてこともあります。この商品は充電式ですのでその心配はありません。ただ、バッテリー切れがあるのでできれば予備のバッテリーを用意しておきましょう。
【業界人オススメポイント】
充電式で縦横無尽にトリミング。予備バッテリーも用意すれば最強です!!
トリミング作業を行っていると、回転を制御するのが意外と大変です。制御を雑にすると、うまく削れなかったり、最悪、意図しないところを削ってしまい、仕上がりが残念なことになる事もあります。この商品は、その難しい回転制御を電子制御してくれるので、トリミング作業の失敗が少なくなります。例えば、回転開始時、いきなり高速回転ししまうと、材料からビットが弾かれてしまいますが、電子制御でソフトスタートしてくれますのでそのようなことがありません。
【業界人オススメポイント】
電子制御は初心者の味方。これで失敗無し(多分)。
いかがでしたか?業界人が木工トリマーについてじっくりご紹介してみました。まだまだ語りつくせませんが、今回はこれくらいに。今までサンダーやグラインダーで仕上げを終わらせていた方は、せひ、木工トリマーでトリミングに挑戦してみてください。きっと、見違えるような作品が出来上がりますよ。