引用:Youtube by まーさんガレージ
電動工具は、電気の力によってパワフルかつスピーディーな作業を可能にしてくれる頼もしい存在です。機械加工や大工仕事、電気工事などのさまざまな現場で活用されており、もはや、電動工具なしでの作業など想像もできないという方が大半ではないでしょうか。
電気による大きな動力を使用する分、万一事故があった場合の影響も、従来の手動の工具に比べて大きくなります。場合によっては、身体に障害が残ったり、最悪の場合は死亡事故となってしまうこともあり得ます。
重大事故を防ぐためには、電動工具を正しく点検して使用することが欠かせません。安全・確実に作業を行うために、必ず電動工具の点検を行いましょう。
この記事では電動工具の全般的な点検方法についてお伝えしますが、実際の点検にあたってはお使いの電動工具の取扱説明書を参照し、具体的な手順や方法を必ずご確認ください。
引用:Instagram by kaotakazu
電動工具を使用する際は、事前に点検を行いましょう。点検のポイントは、下記のような点です。
1.コードやプラグに不具合がないか(被膜の剥がれ、プラグのガタツキなど)
2.充電式工具の場合、バッテリーや接触部に不具合がないか
(バッテリーの液漏れ、接触部の汚れなど)
3.刃やビットなどに不具合がないか(刃こぼれ、錆びなど)
4.保護部分に不具合がないか(刃のカバーのヒビ、割れなど)
5.アースは取られているか
6.スイッチの作動に不具合がないか
以上のような点検をして問題がないことを確認できたら、試運転を行いましょう。実際に切断や穴あけなどを行う前に、対象材等をセットしていない状態で、数十秒〜1分程度動作をオンにし、異常な音や発熱などがないか確認します。問題がなければ、実際に作業を始めましょう。
電動工具を使用する前の点検で問題が見つかったときは、当然のことですがその工具の使用は避けて下さい。予備の電動工具を使う、手動の工具で代替するなどしましょう。もし可能であれば、その電動工具が必要な工程を後日に変更し、ほかの作業を進めるといった判断も必要です。
業務の現場では納期などありますので、ちょっとした違和感には目をつぶって作業を進めたくなってしまうこともあるかと思いますが、電動工具の不具合のせいで事故が起きてからでは取り返しがつきません。何か普段と違う点に気づいたら、必ず問題を解消してから作業に取り掛かりましょう。
電動工具は、定期的に点検を行うことも大切です。電動工具の種類や使用頻度にもよりますが、おおむね数ヶ月から半年に一度は点検を行いたいものです。電動工具を日頃から使用する方は、早めに劣化や不具合に気が付くことができますが、久しぶりに使う方や、時々しか使用しない方は点検をしてから使用するようにしましょう。
また、定期点検を行う際は、下記のような点をチェックしてください。
1.刃やビットなどの摩耗や欠け・錆びなどがないか
2.充電式工具の場合、バッテリーの劣化や不具合はないか
3.本体や保護部分に不具合がないか(ヒビ、破損など)
経年劣化は徐々に進行するため、使用頻度の高い電動工具ほど劣化に気づかずに使用し続けてしまうことがあります。特に刃やビットなどは一度新品のものと比べてみると、切れ味などの変化に気づきやすいです。劣化した刃やビットを気づかずに使い続けると、仕上がりの精度や美しさに影響するだけでなく、無理に力を入れることで電動工具の故障を引き起こしたり、思いがけず対象材の破片が飛び散って怪我をするなどの事故にもつながりかねません。
取扱説明書に記載されている交換の目安などを参考に、まだ使えそうに思えても少し早めのタイミングで交換すると安心です。
電動工具の点検を必ず行うよう習慣化すると同時に、点検結果を記録することも大切です。面倒ではありますが、いつごろから異常の兆候があったのか、もしくは、兆候がなく突然不具合が起きたのかという情報は、修理に出す際の参考になります。また、どれくらいの頻度で刃やビットなどのパーツを交換したのか、いつ購入して何年使っているのかという情報も、電動工具の買い替えなどの際に役に立ちます。
使用前の点検・定期的な点検と同様に大切なのが、正しい取り扱い方法で作業することです。電動工具の正しい使用方法は取扱説明書に記載されていますので、初めて使用するときに一読するのはもちろん、使い方に慣れてからも定期的に確認しましょう。特に安全上のポイントとなるのは、下記のような点です。
■ 保護用のゴーグルなどの着用
■ 連続使用時間
■ 適合する材の厚みやねじサイズ等
また、使用後の手入れも電動工具を長く安全に使い続けるために大切です。取扱説明書に記載された手入れ方法の通りに、ゴミの除去や注油などの手入れを行いましょう。ゴミが付着したまま保管すると部品の劣化につながる可能性があります。
手入れのあとは、専用の収納ケースに正しい手順で収納して保管することが大切です。正しく収納せずに保管・運搬すると、思わぬケガや電動工具の破損につながる危険があります。現場や季節によっては、極端な高温や湿度などにも注意が必要です。
電動工具の点検を正しい方法で行い習慣化していくことで、安全かつ安心して作業を行うことができます。身近な道具だからこそ、きちんと点検をして丁寧に扱いましょう。