独特なリズムや創造性・表現力豊かでおしゃれな雰囲気のあるジャズは、世界中で人気のあるジャンルです。近年ではジャズレコードの再発盤・リイシューレコードも増えています。需要があるということは売ることも可能、特にジャズレコードは高額になりやすいジャンルです。こちらの記事ではジャズレコードを高額で売る方法や人気レーベルなどをまとめました。
ジャズといっても様々な種類・ジャンルがあり、ジャンルごとに流行した年代や特徴が異なります。ジャズレコードを買取してもらうなら、種類・ジャンルを把握しておくのもおすすめです。
1930年以降に登場し、1940年代初めまで流行したスウィング・ジャズ、当初のジャズは4~5人編成で行われていましたが、スウィング・ジャズは大人数で編成されたジャンルです。
軽快なダンスミュージックが特徴的で、ディズニーシーのパレード・ショー「ビッグバンドビート」もスウィング・ジャズをメインにしているので聞き馴染みのある方も多いでしょう。
名盤デューク・エリントンの「Take the A Train」、「A列車でいこう」と和訳され、美空ひばりが日本語詩のカバー曲を発表したり、映画「スウィングガールズ」に登場するなど聞き覚えのある方も少なくありません。
1940年代に登場したモダンジャズ(ビバップ)は一般的にジャズとしてよく知られるジャンルで、スウィング・ジャズを肯定しつつも否定するかのような存在として登場したとも言われています。
編成は3~6人程度、主にピアノ・ベース・ドラムでのトリオが人気で、スピード感があり大筋を決めたあとは即興で演奏することが多く、結婚式の余興やバーなどで演奏されることも少なくありません。
1960年代にビバップから発展したのがモード・ジャズ、コード進行ではなくモード進行でソロプレイヤーのアドリブがしやすくなっています。これまでのビバップでは音使いに制限があったものが、モードジャズになったことでよりソロパートのアドリブが際立っています。スピード感があり華やかなモダンジャズと比べると若干地味な印象ですが、神秘的・都会的なイメージが特徴的です。
1970年代、これまでのジャズのジャンルとは異なる、新たなジャンルや進化系・発展系として登場しました。ファンクやソウル、R&B要素が追加され、聴くジャズから踊るジャズとなり、楽器も電子ピアノやエレキギター、ベース・ギターなどが追加されています。
一見するとジャズとは思えない雰囲気のジャズファンクは、のちにエレクトリック・ジャズ、ジャズ・ロック、フュージョンと派生しました。
2000年頃に登場した比較的新しいジャンルのコンテンポラリーは、ジャズファンクの進化系、4・8・16ビート、ラテンリズムなど様々なリズムがあり、高度なテクニックやアドリブの難しさがありますが、基本的にはなんでもありのジャンルです。
UKマンチェスターで活動するゴー・ゴー・ペンギンの「アンスピーカブル・ワールド」はコンテンポラリーの名盤として知られ、ブルーノートデビュー作品でもあります。
ジャズは年代ごとに様々なジャンルがあり、現在でも多くの人に愛される音楽です。そのためジャズレコードは一定の需要があり、買取可能となっています。ジャズレコードを売るのであれば、高く売れるレーベルを知っておきましょう。
1939年にニューヨークで設立されたブルーノートはジャズ界屈指の名門レーベル、独自の録音方法や洗練されたジャケットデザインなどが特徴的で、1950~1960年代のジャズ黄金期を支えたレーベルでもあります。
多くの若手を発掘、ロニー・スミスやハービー・ハンコックなど、のちに世界的に有名になったアーティストも多く、世界的なヒット曲も多数生み出しています。
モダンジャズの3大レーベルのひとつ、プレスティッジは1949年アメリカで設立され、モダンジャズの最高峰とも言われるレーベルです。1950年代のモダンジャズ音源の充実度は素晴らしく、同ジャンルのアーティストのほとんどがプレスティッジからレコードを出しているほどです。
気安くフリーダムな雰囲気でのレコーディングが特徴的で、デザイン性の高いジャケットのブルーノートと比較すると、「手抜きすぎる」と言われそうなジャケットデザインも少なくありません。
ブルーノート・プレスティッジと並ぶモダンジャズ3大レーベルと称されるリバーサイドですが、設立当初はスウィング・ジャズをメインに手掛けていましたが、1954年にランディ・ウェストンの録音をきっかけにモダンジャズへと本格的に進出しています。
ビル・エヴァンスの「Portrait In Jazz」「Explorations」「Waltz For Debby」「Sunday At The Village Vanguard」はリバーサイド4部作としてかなりの人気があります。
ジャズレコードのリイシュー盤が多い中で、オリジナル盤は特に高額買取されるレーベルです。オリジナル盤は1番最初に製造されたものであり、希少性が高くジャズファンやコレクターからの需要も高めになっています。
オリジナル盤はリイシューレコードよりも音質が良いとされていますが、素人ではオリジナル盤とリイシューレコードの微妙な違いが分かりません。オリジナル盤は国によって発売時期が異なり、同じ楽曲のオリジナル盤であってもイギリスで発売されたものはUK盤オリジナル、オーストラリアであればAUS盤オリジナルとなります。
ジャズレコードを売る場合、ある程度の買取価格相場を把握しておくことで適正価格で売ることができます。特にジャズは近年買取では高値になることも多く、海外アーティストの輸入盤だけでなく日本ジャズに高値がつくことも増えています。
レコードはオリジナル盤とリイシューレコード、音質と年代で買取価格は大きく異なり、さらに発売された国によっても違いが出てきます。ブルーノートの名盤である「ブルートレイン」のオリジナル盤で状態が良いものは20万円、復刻・日本国内盤だと2000円になります。
一般的にはブルーノートやリバーサイドなどのレーベルであれば1万円以上になることも少なくありません。和ジャズと呼ばれる日本のジャズであれば石川晶の「バック・トゥー・リズム」3万円、山本剛「ミスティ」7000円などが相場となっています。海外ジャズは非常に長い歴史があるため、買取価格相場をはっきりさせるのは難しいでしょう。
ジャズレコードを買取してくれる業者は数多くありますが、高く売るためにはいくつかのポイントがあります。ジャズレコードをできるだけ高価買取してもらうコツをまとめました。
ジャズレコードを高く売るにはやはりレコード買取専門店がおすすめです。様々なジャンル・アイテムを扱うリサイクルショップでも売ることはできますが、専門店でないためレコードに詳しいスタッフが居らず、適正価格で査定してもらえません。
レコード買取専門店であれば知識豊富な鑑定士が在籍、人気やそのときの市場などあらゆる方向から正しい買取額を提示してくれます。
レコードは同じジャンルでまとめて売ることで高く買取される可能性があります。オリジナル盤で希少価値の高いレコードであれば、1枚で売っても高額ですが、あまり高額にならないものは複数枚まとめることで査定額がアップしやすくなります。もしかするとまとめて査定に出したレコードの中に、実は人気のものがある、需要の高いレコードが見つかるかもしれません。
どんなものでも汚れたものよりきれいなほうが高く売れます。ジャズレコードも同様で、保存状態をよくしておくことで高く買取してもらえます。ジャズレコードを査定に出す前にはホコリがついていないか、タバコや香水などの匂いがついていないかチェックしておきましょう。
特にレコードは湿気によるカビや紫外線が大敵、保管場所は通気性の良い直射日光の当たらない場所を選んでください。盤面にカビがある場合は軽く拭けば取れることもありますが、あまり強くこすってしまうとキズになるので注意しましょう。また、レコードだけでなくジャケットや帯、解説・歌詞・翻訳カード、外袋などの付属品を揃えて査定に出しましょう。
近年のレトロブームによりレコードを求める方も急増、名盤やオリジナル盤、人気ミュージシャンのジャズレコードであれば高価買取も期待できます。高く売るためには知識のある専門業者を選ぶことがベスト、不要になったジャズレコードは需要が下がる前に早めに買取してもらいましょう。