日本では1980年代頃からミネラルウォーターを家庭でも飲むようになり、近年では災害時の備えとして備蓄している方も増えました。
様々なメーカーからミネラルウォーターは販売されていますが、どのメーカーを買っても味が一緒というわけではありません。ここでは絶対に買ってはいけないミネラルウォーターの特徴を紹介します。
目次
まず、絶対に買ってはいけないミネラルウォーターの特徴を紹介します。どのメーカーでもミネラルウォーターなら美味しいし、味に差を感じないという方でも、気を付けていただきたい特徴があります。特にこだわりなくミネラルウォーターを買っている方も、ぜひチェックしてみてください。
1つ目は、取り扱いが少ない海外メーカーのミネラルウォーターです。海外メーカーの中でも、誰もが知る有名なメーカーのものであれば大丈夫ですが、無名の海外メーカーやどこの国の水が販売されているかも分からないようなミネラルウォーターは、賞味期限が近かったり粗悪品が混ざったりする可能性があります。
あまり見たことがない海外メーカーのものを購入する場合は、インターネットで評判を調べたり、賞味期限などをしっかり確認したりして購入しましょう。
続いて注意すべきなのは、pH値が低いミネラルウォーターです。
pH値は水の性質を表す単位で、pH7が中性で7より低い場合は酸性、7より高い場合はアルカリ性です。pH値が低いということは酸性の水ということです。極端にpHが低いと酸味を感じる味になり、飲み水には適しません。
日本のミネラルウォーターはpH値が5.8以上8.6以下という厚生省の規定があるので、pH値が7以下の酸性のものがあっても問題ありません。ただし、海外メーカーのものは規定がないため、必ずpH値を確認して購入するようにしましょう。
ミネラルウォーターを良く買う方や、継続購入する方は、異常に値段が高いものは買わない方が良いでしょう。500mlのペットボトルは80~90円台で購入できるものもあれば、200円以上する高額なものもあります。
健康上や美容に良い成分や多くのミネラルが含まれているという理由で高額なものもありますが、マルチ商法等良くない販売元のために高い可能性もあります。
この水を飲めば開運効果がある、病気が治るなど信憑性が怪しい謳い文句があるミネラルウォーターは、購入を止めておいた方が無難でしょう。継続して購入する場合は特に、続けられる価格のものを選ぶがおすすめです。
ミネラルウォーターにはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが含まれていますが、そのミネラルの1つであるナトリウムの含有量が多いものは買わない方が良いでしょう。
ナトリウムは塩素イオンと結合した塩化ナトリウム、つまり普段は食塩という形で摂取することが多いです。ナトリウムが多いと雑味や苦みを感じたりする方もいて、美味しさを感じられないことがあります。日本の水道水はナトリウム含有量が少なく、苦みを感じたりすることはあまりないので、日本の水に慣れている方ならナトリウム含有量が少ない方が飲みやすいでしょう。
水100mlあたりナトリウムが2㎎以内のものだと飲みやすいので、パッケージなどの栄養成分表示の所を購入前にチェックしてみて下さい。
最後に気をつけるべきミネラルウォーターの特徴は、硬度が高いものです。
水1Lあたりのカルシウムやマグネシウムの含有量で硬水か軟水か分けられ、WHOの定義では硬度120mg以上が硬水となっています。ヨーロッパなどのミネラルウォーターは硬水でミネラルが豊富ですが、日本のミネラルウォーターや水道水はほぼ軟水なので、硬水だと飲みにくいと感じる場合があるでしょう。
また、硬度の高いミネラルウォーターを飲むとお腹を壊してしまう方もいるので、赤ちゃんやお子様に飲ませる場合は飲みやすい軟水を選ぶのがおすすめです。硬度が高いミネラルウォーターでミネラルをしっかりとりたいという方は、試しに飲んでみて、口や体調にも合うかを確認してから定期購入しましょう。
ミネラルウォーターの中には500mlで80円台など安い値段で売られているものもあり、中身は大丈夫かと不安になってしまうこともあるでしょう。
実は、ミネラルウォーターが安く売られているのには、きちんと理由があるのです。その理由は、川の水などが原水で採水量が多い場合は安くなる、というものです。
一定期間しか採水できなかったり採水量が少なかったりした場合、希少価値が高くなりミネラルウォーターの価格も高くなります。そのため、「安い=危険」ではないのです。
また、大手飲料メーカー品の場合は特に、大量生産しているからコスト面が抑えられて安いこともあります。他にもスーパーの価格競争、目玉商品、定期購入などで安くなっていることも多いでしょう。
ペットボトルのミネラルウォーターを飲んでいると、危険だし身体に良くないという噂も耳にしますが、実際のところはどうなのでしょうか。
ミネラルウォーターに含まれるミネラルは、身体にとって必要な成分であることは間違いなく、ミネラルウォーター自体は危険ではありません。
しかし、他の食べ物と同様に、過剰摂取してしまうと身体に良くありません。摂取しすぎるとお腹を壊したり、ミネラルは内臓にも負担がかかったりするため、腎臓疾患がある方は特に注意が必要です。
ナトリウムやマグネシウムなどのミネラルは1日の摂取量目安があるので、ミネラルウォーターも摂取しすぎは良くありません。ミネラルウォーターは適量を考えて飲むと良いでしょう。
ここからは安心して飲めるおすすめメーカーのミネラルウォーターを紹介します。自動販売機やコンビニ等でもよく見かけるメーカーもあるので、ご存じの方も多いかもしれません。ミネラルウォーターのメーカーにこだわりがないという方も、ぜひおすすめをチェックして安心して飲めるものを選んでみて下さい。
おすすめ1つ目はサントリー天然水です。
「サントリー天然水」ブランドは1991年に発売開始したので、ミネラルウォーターの中では馴染みのあるブランドとして多くの方が飲んだり目にしたことがあるでしょう。“雪解け水のような澄み切ったおいしさ”を追求した商品で、南アルプスと北アルプス、阿蘇、奥大山の4カ所の水源から採水しています。
サントリー天然水はナチュラルミネラルウォーターで、およそ20年以上の歳月をかけて地中を浸透しミネラル分を培っています。ミネラル分を人工的に添加したり成分を加工したりしておらず、自然の味が楽しめるのが魅力です。
毎月一回放射性物質検査も行われており、徹底した品質管理でボトリングも行われているので、安心して飲めます。硬度は低く、軟水でpH値は7です。
続いては霧島天然水 のむシリカです。
シリカとはケイ素を構成元素として含んだ物質のことを言い、私たちの生命を維持するのに必要なミネラルの1つです。のむシリカは、霧島連山の大自然の栄養をたっぷり含んでいて、1リットル当たりはシリカは97mg、バナジウムが34μg、カルシウムは31mg、マグネシウムが14mgなど豊富なミネラルが含まれています。
のむシリカに含まれるミネラルは熱に強いのが特徴で、お料理やコーヒーなどでも壊れることなく摂取できます。硬度は珍しい中硬水で、pH値は6.9、添加物や保存料などを使用していないので、すっきりした飲み心地が魅力です。
2L入りで1本あたり500円を超えていますが、シリカは肌の保湿や、髪の毛や骨などの再生を手助けをしてくれるミネラルなので、健康的に摂取できておすすめです。
コカ・コーラのい・ろ・は・す天然水も2009年の発売以降、多くの方に愛飲されている商品です。い・ろ・は・すはくだものフレーバーも人気で、ももやみかんといった定番のものや、なしやハスカップなど地域限定の味や季節限定の味など様々な味が楽しめます。
い・ろ・は・すは北海道の清田、奥羽山脈、富山県の砺波など全国6カ所採水地から採水しており、適度なミネラル量の軟水となっています。製造過程で加熱殺菌や無菌充填を徹底し、放射性物質の検査も行っているので、赤ちゃんのミルク用にもおすすめです。
い・ろ・は・すといえば、ペットボトルを資源として循環活用したり、しぼれる軽量ボトルなど様々な取り組みを行っていたり、エコの観点からもおすすめです。
飲料メーカーとしてお馴染みのアサヒ飲料からは、おいしい水 天然水が販売されています。原水は地層のフィルターを何十年もかけてくぐり抜けた深井戸水で、外気に触れさせないよう地下深くから採水しています。硬度は約30mg/Lで軟水、pH値はおよそ8です。
ラベルレスボトルタイプもあり、エコで分別が楽なだけでなく価格もお得なのでおすすめです。おいしい水 天然水のシリーズは長期保存水や白湯もあり、白湯は健康志向の高まりからヒットしたので人気です。
おすすめ5つ目は、白神山美水館 白神山地の水 黒ラベルです。
1993年に屋久島と並び日本初の世界自然遺産に登録された白神山地の湧き水で、天然のダムと言われるほど保水力に優れたブナの森で育まれた清らかな水です。自然に湧き出る水の10%以下の量を採取しており、自然環境に優しい水の採取方法を取っています。
3段階のミクロフィルターに通し、非加熱殺菌なので水本来の美味しさがそのままです。硬度はわずか0.2ml/Lの超軟水、pH6.6の弱酸性で酸素が多く含まれています。まろやかな飲み心地で常温でも飲みやすいでしょう。2Lで1本300円程とやや高めですが、料理や赤ちゃんのミルクにも使いやすく、普段使いのお水としておすすめです。
お茶の飲料メーカーとしてお馴染みの伊藤園では、磨かれて、澄みきった日本の水を販売しています。北アルプスの山麓に広がる長野県安曇野市で採水されており、活性炭フィルターとマイクロフィルターの2種類を通して不純物や細菌類を取り除き、磨きをかけた美味しい天然水になっています。
硬度 21mg/L、pH 7.6の超軟水です。水質基準項目や放射性物質の検査もしっかり行っているので、安心でしょう。主に東日本向けが長野県安曇野市で、西日本向けは中国山脈を水源とする島根県浜田市の天然水の2タイプがあります。
最後はキリン アルカリイオンの水です。静岡県焼津市が採水地で、地下100mから汲み上げられた富士山の大自然が育んだ天然水をアルカリイオン化しています。pH8.8~9.4で口当たりがまろやかな軟水で、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルなどのバランスも良く、体に染み渡る味わいです。
以前は2Lタイプのペットボトルがありましたが、今は500mlタイプのみとなっています。価格も買いやすい価格になっているので、毎日水分補給やお料理、お茶やコーヒーなどにも使いやすいでしょう。
いくら安全で美味しいミネラルウォーターでも、飲み方や保存方法を間違えると菌が繁殖してしまう可能性があります。日本のミネラルウォーターは殺菌処理が義務付けられていますが、ヨーロッパでは反対に殺菌処理が禁止されています。
ご存じの方も多いかもしれませんが、直射日光が当たる場所にペットボトルを置くと、品質に劣化が見られたり雑菌が増えてしまう可能性があります。またコンロなど熱気がある場所に置くと、ペットボトルの有害物質が溶け出す恐れがあるため、高温の場所も避けて保存してください。
飲み方としては、口を開けたペットボトルは早めに飲み切ってしまうことが大切です。一度開栓してしまうと菌が繁殖しやすく、特に口を付けて飲んでいる場合は口内の菌が逆流し繁殖してしまうため、菌が増えると食中毒になる危険があります。口を付けていなくても冷蔵庫に入れて2、3日中に飲み切るようにしてください。
買ってはいけないミネラルウォーターやおすすめのミネラルウォーターを紹介してきました。これまで飲みにくいものがあったり、飲むと調子が悪くなることがあったりした方にとっては、その理由が分かったかもしれません。ミネラルウォーターは適量を飲むこと、体調を崩しやすい方は軟水のものを選ぶことで、美味しく飲めるでしょう。
お住いの場所によっては水道水が美味しくない、健康面から水分補給をミネラルウォーターにしてみたいなどの理由からミネラルウォーターの購入を検討されている方もいるでしょう。毎日飲む水をこの機会に見直してみるのも良いかもしれません。ぜひ安全なミネラルウォーターを選んで、水分補給やお料理に使ってみて下さい。