お住いや地域にもよりますが、1年に1回は自宅でゴキブリに遭遇するする方も多く、見た目や速い動きから苦手な方もおられます。大きいゴキブリに遭遇すると怖い、小さければまだいいという方もおられますが、実は小さいゴキブリは注意が必要です。ここでは家で繁殖している小さいゴキブリの駆除方法をご紹介してまいります。
成虫のゴキブリは種類にもよりますが、小さいものでも体長が10㎜以上で大きいものだと40㎜程あるものもおり、触角もあるのでかなり大きく感じるかもしれません。それよりも小さい虫は、ゴキブリではないかもしれないと思いがちですが、小さいゴキブリもいるのです。ここでは小さいゴキブリについて解説していきます。
触角が長く体長は小さいと3㎜程度、黄色でまだら模様がある虫なら、チャバネゴキブリの幼虫の可能性が高いでしょう。夜間によく動き、1年中活動しています。ぱっと見はコオロギにも近く、脱皮をしながら成長していきます。
全国に分布しており、飲食店などでもよく見かける種類です。卵の入った鞘を孵化するまで成虫が持っているので、幼虫を見かけたら成虫もいる可能性が高いでしょう。
ワモンゴキブリは胸部周辺にリング状の斑紋(輪紋)があり、日本の屋内で生息するゴキブリの中では、成虫で体長が45㎜になるものもいるので、かなり大きい印象があります。元々沖縄など暖かい地域の生息する種類でしたが、温暖化により全国的に見られるようになりました。5~10月頃が活動時期です。
幼虫は3~10㎜程度で、黄色の斑紋があったらワモンゴキブリの幼虫の可能性があります。成虫になると斑紋は白っぽくなり、他のゴキブリよりも赤褐色の体色をしているのが特徴です。
体色が黒褐色で、触角や脚の付け根に白い斑点があれば、クロゴキブリの幼虫の可能性が高いです。体長は小さいものだと4㎜、斑点は初期の頃しかなく大きくなってくるとなくなります。全国的に分布しており、基本は屋外でよく見られる種類です。
屋内にいる場合は餌を探しに侵入し、住み着いた可能性があります。孵化してすぐは密集しており、暗くて狭い場所を好みます。
家に小さくて茶色の虫がいたら全部ゴキブリの幼虫かというと、そうではない可能性もあります。間違われやすいのがトコジラミやシバンムシです。トコジラミは南京虫とも呼ばれ、体長は5mm程度で茶褐色をしています。カメムシの仲間で丸みがあり、夜間に活動し動物や人間の血を吸うので厄介です。
シバンムシは赤褐色で成虫の体長は約2~3mm、見た目はカブトムシに似ており丸みがあります。菓子や穀類など乾燥植物質のものを食害します。トコジラミとシバンムシはゴキブリほど触角は長くないので、よく見れば区別がつくかもしれませんが、どちらにしても早めに駆除した方が良いでしょう。
小さいゴキブリを発見した際にどこで産卵したか、その場所にまだ幼虫がもっといるのではと考える方もおられるでしょう。小さいゴキブリが発生しやすい場所をチェックして、まずは発生場所を特定してみてください。
まずはダンボールや新聞紙です。段ボールや新聞紙は湿気を吸いやすく、保温性があるのでゴキブリの住処にピッタリです。段ボールに卵を産み付けることが多いため、宅急便などの段ボールに卵が付いていて家に持ち込まれる場合もあります。
大型家電周辺も暖かいため、ゴキブリにとって良い環境です。テレビや冷蔵庫、洗濯機などは一度設置するとあまり動かすこともなく、洗濯機周辺は湿度もあってカビなどのエサもあるので好まれます。
他にもエアコンやエアコンの室外機も温度・湿度の条件が良いため、卵を産み付けられる可能性があります。
最後は植木鉢です。家の中で観葉植物やハーブを育てている場合は、受け皿に住み着く可能性があります。受け皿は水もあり、暗くて狭いのでゴキブリに好まれます。雑食のゴキブリは肥料も食べるので、植木鉢を住処にすれば餌にも困りません。植木鉢の底まで見ることは少ないので、卵が産み付けられて気づかないことも多いでしょう。
小さいゴキブリを見つけても数が多すぎる、足が速くて捕まえられないという場合もあるでしょう。ゴキブリは病原菌の運び屋と呼ばれるほど様々な細菌を持っているので、叩いて駆除すると菌をまき散らす恐れがあります。
見つけたからと言って新聞紙等で叩く、潰す駆除は危険です。ぜひ小さいゴキブリを駆除する効果的な対策をチェックして、しっかり駆除を行って下さい。
まずは殺虫剤で駆除する方法です。スプレータイプの殺虫剤はレバーを引くだけ、ワンプッシュで瞬時に効くタイプもあり、自宅に置いている方も多く手軽に使えます。ノズル付きのものもあるため、隙間など狭い場所に入り込んでも殺虫剤をかけられます。
暗所や隙間などに隠れている、目の前にいる場合などに有効です。ただ、殺虫剤がしっかりかかっていないと効果がなかったり、凍殺するタイプは近い距離から動きが止まるまで噴射する必要があるものもあるので、スプレーの効能などもチェックして使ってみて下さい。
数が多い、隠れている場所に殺虫剤が届かない、住処が分からない場合は、燻煙剤での駆除が効果的でしょう。燻煙剤は部屋を閉め切って煙の薬剤で駆除するもので、ゴキブリだけでなくダニやトコジラミなどにも有効なものもあります。
幼虫にも効果がありますが卵には効かないので、1か月ほど経ってから再度燻煙剤を使用すると効果的です。
最後はベイト剤で駆除する方法です。ベイト剤は殺虫成分のある薬剤を餌に混ぜてある置き型の駆除剤で、その餌を食べさせることで駆除できます。毒餌とも呼ばれ、ホウ酸団子が昔からよく知られています。
近年はキャップ型や隙間に置きやすいスリムな細長いタイプなど、様々な形状のものがあります。巣にいるゴキブリや、薬剤が効きにくいゴキブリにも効果が出やすく、薬剤が飛び散ることもないので使いやすいです。ただ、駆除の即効性は他の2つに比べるとないので、じっくり効いてくる印象になります。
小さいゴキブリは隙間にも入り込みやすく見つけにくいため、1匹2匹ならそこまで気にならないという方もおられますが、放置するのは危険です。ゴキブリは一度の産卵で20個程度の卵を産んでいるため、小さいゴキブリを1匹見つけたら同じタイミングで孵化したゴキブリがいる可能性が高いです。
ゴキブリは1匹見たら100匹いると思った方がよい、と言う言葉はご存知の方も多いかもしれません。ゴキブリの産卵回数は15~20回で、1匹で数百個も卵を産むため、繁殖力が高いと言えます。放置しているとあっという間に成虫になってしまい、繁殖していってしまいます。まだ幼虫のうちに駆除する方が良いでしょう。
殺虫剤等を使って駆除しても、また小さいゴキブリが発生してしまうようであれば、ゴキブリにとって住みやすい環境が揃っているということになります。小さいゴキブリの再発を防ぐ予防方法として、ゴキブリの餌となるものを放置しないことが大切です。
生ゴミをそのままにしない、掃除で埃を無くす、部屋を綺麗に片付けしましょう。段ボールはすぐに処分、手入れをしていない鉢植えは処分するなど隠れ場所を作らないことも予防になります。玄関やベランダなど成虫の侵入口に忌避剤を置いて、入ってこなくするのも大切です。
夏場は玄関や窓を開けっぱなしにしているお宅もありますが、開いているとゴキブリも自由に入ってこれるため、網戸にしたり開けている時間を減らす心がけも予防になるでしょう。近年は温暖化で10月以降も暖かかったり、冬場も暖房のある部屋はゴキブリにとって活動しやすくなっているので、年中予防法を実践するのがおすすめです。
小さいゴキブリの種類や駆除方法をご紹介してまいりましたが、小さいゴキブリは数がいるかもしれないので厄介だと感じた方も多いはずです。小さいと動きを目で追いにくかったり、家具の下に隠れてしまうと見つけにくく、成虫よりも駆除しにくいかもしれません。
小さいゴキブリを1匹見つけたら、同じタイミングであと10数匹孵化しているはずなので、成虫になって繁殖しないうちに早めに駆除するのが大切です。自分に合った駆除方法を実践し、ゴキブリが住みにくい環境を整えてみて下さい。