引用:pexels
ディスクグラインダーとは、一台あるとDIY で重宝する電動工具です。CDのような「円板型の砥石」などを取り付け、早い速度で回転させ、硬い素材をカットしたり磨き仕上げをしたりします。
非常に便利な工具ですが、いろいろなメーカーからたくさんの機種が販売されているため、いざ買おうと思っても、何を選んでいいのか迷ってしまうでしょう。
そこで、購入する前に知っておきたい基礎知識・製品選びのポイントなどとともに、日立やマキタなどの人気メーカーから、おすすめ製品をご紹介しましょう。
目次
ディスクグラインダーとは、その名のとおり、「ディスク(Disc)=薄い円板」状の砥石を本体にセッティングして、回転させることでいろいろな作業ができる電動工具です。ディスクグラインダーは、「切断する役割」のものと、「研磨する役割」のものと、2種類の役目があります。
切断用の砥石は1〜2mmほどと薄いのが特徴で、鋼材・パイプ・丸棒などの金属をスピーディーに切断するときに使います。高速で回転するディスクの「外周」だけを使って切断作業を行うのが特徴です。研磨砥石のようにディスクの「表面」は使いません。
コンクリートやU字構(断面がU字型になっているコンクリート製の排水溝)、ヒューム管(コンクリートを用いた導水管)などを切断する際に使います。また、ハツリ作業(※)の「溝付け」などにも使えます。ディスクに何か所か「切り込み」が入っている形状が特徴です。
※ハツリ作業:解体工事の際に、コンクリートなどを削る作業のこと
主に、コンクリート・ブロック・レンガなどの削り・面取り・仕上げなどの加工に使います。
中央がくぼんでいて厚みがある砥石で、金属系素材を研磨したり削ったりするときに使います。切断作業はできないので、購入の際は形状が似ている「切断用砥石」と間違えないようにしてください。
塗装や黒皮をはがしたり塗装前の表面を仕上げたりするときに使います。サビや面取り、酸化皮膜除去などにも使い、コンクリート用・金属用などいろいろな種類があるために、用途に合ったものを選んでください。
ディスクグラインダーはいろいろな種類があります。購入の際、チェックしたいポイントをご紹介しましょう。
ディスクグラインダーは、主に高速回転型・低速高トルク型・無断変速型の3タイプに分かれています。
「高速回転型」のディスクグラインダーは、一般的に販売されているタイプで、定格速度(min-1/1分間あたりの回転数)は、「12000」くらいになります。パッケージに「高速」とは表記されていない製品も、ほとんどが高速回転型となっているようです。
高速回転のため、研削・研磨がスピーディーに行えるほか、金属の切断も行えますが石材やコンクリートの切断は難しいでしょう。また、回転数が早いために、つい削りすぎてしまうことがあるので注意が必要です。作業の最初は、高速回転型を使用し仕上げをするときに低速回転型を用いるなど、使い分けをするのもおすすめです。
回転の速さは高速と比較すると落ちますが、トルク(馬力・パワー)は高いのが特徴です。石材やコンクリートなど、硬い材質の材料を大量に切断したり、仕上げの磨き作業をしたりするときに向いています。
無断変則型のディスクグラインダーは、作業する材料に合わせて回転スピード(3000〜11000min-1)を変更することができます。切断・研磨・研削など、DIYのいろいろな作業で、フレキシブルに使えるのが魅力です。ただし、便利な反面値段も高くなります。
ディスクグラインダーにはコードレス(充電タイプ)と、コード式(AC電源)があります。
充電式は、パワーが弱くすぐにバッテリーがなくなってしまうイメージがありますが、最近の製品はだいぶ作業時間が長くなってきました。100mm・125mmのディスクサイズを使用するディスクグラインダーであれば、充電式でも問題なく作業ができるでしょう。また、バッテリーの種類は、主に14.4V・18V・36Vがあり、18Vのものが主流です。
AC電源式は、種類が豊富で比較的リーズナブル。パワーが安定しているので、バッテリー切れを心配せずに作業を続けられます。ディスクのサイズが150mm・180mmのモデルは、AC電源式のものがほとんどです。(一部のメーカーでは150mmの充電式もあり)
電圧は、単相100V・単相200V・三相200Vがあり、主流は単走100V電源になっています。
ディスクグラインダー用砥石(ディスク)の直径は、100mm〜200mmのサイズがあります。製品のモデルによって「取り付けられるディスクサイズが決まっている」ので、購入時には注意してください。(たとえば、100mm用のモデルに、125mmの砥石を取り付けることはできません) DIYで使用するのであれば、100mmで十分でしょう。これより大きくなると本体の重量が増えるために、持っているだけで疲れてしまいます。
ディスクグラインダーで、コンクリートなどを切断すると、粉塵が飛び散り目に入ったり吸い込んだりしてしまうこともあります。吸塵システムなどの付加機能が付いている製品のほうが、安全に快適に作業が進められるでしょう。
ディスクグラインダーのメーカーの中から、人気のあるものやDIYにぴったりのものなどおすすめの製品をご紹介しましょう。
電動工具の人気メーカー「マキタ」は、日本でもトップシェアを誇ります。さまざまな充電式の電動工具を展開しているために、マキタで工具をそろえれば、バッテリーを使いまわせるのが魅力です。ディスクグラインダーも豊富なラインナップがあります。
日立工機株式会社が、2018年より社名を「工機ホールディングス株式会社」に変更し、ブランド名も新たに「HiKOKI」(ハイコーキ)となりました。1000機種を超える、はば広い電動工具が人気で、パワーのあるコードレスディスクグラインダーは定評があります。
世界シェアではマキタを上回るほどの人気がある「ボッシュ(BOSCH)」は、ドイツの電動工具メーカーです。再始動安全機構など安全面に配慮した機能をいち早く製品に導入したのは、ヨーロッパのメーカーならではといえるでしょう。
高儀は、新潟県の三条市に本社を置く電動工具などのメーカーで、刃物や道具を作り始めたのは、慶応2年。150年以上の歴史を誇る老舗です。さまざまなディスクを交換することにより、いろいろな作業ができる変速ディスクグラインダーが人気です。
ディスクグラインダーは、いろいろな作業ができるため非常に便利な工具です。けれども、高速回転するため、使用するときは安全性に配慮しなければなりません。以下のことに気を付けてください。
ディスクグラインダーを使用する際、まずはディスクが割れたりヒビが入ったりしていないか、歪みがないかなどを確認してください。また、スイッチをオンにしたらいきなり切断する素材に当てないで、少し空転させ、異常音がないか?正常に作動しているか?なども観察してください。
作業中に、細かい砥粒や切りくずなどが飛び散ることもあります。目に入ると危険なので作業をする際には必ず保護メガネを着用してください。普通のメガネではなく、側面もガードできるゴーグルタイプの防塵メガネがいいでしょう。また、ディスクグラインダーは作業中に大きな騒音が出ます。耳を守るための耳栓も使ってください。
ディスクグラインダーで荒削り作業をすると、大量に火花が出ることがあります。引火しやすいものが近くにないか、周囲を確認してから作業に入りましょう。
ディスクグラインダーで作業をする際にはカバーを付けて使用しますが、深く切り込むときに邪魔だからと外して作業する人がいます。カバーを外すと、直接刃が手に当たってしまうことがあり危険です。また、深く切り込むとディスクも割れやすくなります。カバーは絶対に外さないようにしましょう。
作業時は手袋をしたほうが安全なのですが、軍手やだぶだぶの手袋は危険です。回転する砥石に巻き込まれる危険性があります。フィット感のある作業用手袋を使用してください。
ディスクグラインダーは、なかなか収納が難しいものです。かといって、出しっぱなしにしておくのも危険なのでおすすめできません。専用のディスクグラインダーフックを利用すればスムーズに収納できます。
ディスクグラインダーはとても丈夫ですが、ディスクを交換する際などに歯ブラシで、装着部分を軽く掃除しておきましょう。掃除をしながら、ネジの緩みなどがないか確認することも大切です。
ディスクグラインダーを使用している様子や、愛用の製品などの写真をSNSよりピックアップ!
ディスクグラインダーは、1台あるとDIY作業のはばが広がります。ただし、危険性もあるために、使用する際は十分に気を付けてください。また、ディスクグラインダーを購入する際には、本編でご紹介した安全対策用のグッズも必ずそろえましょう。