工場の作業で多く採用されている、穴あけ工具と言えばエアードリルです。
なぜ工場の穴あけ作業では、電気ドリルではなくエアードリルが使われているのか、疑問に思いませんか?
その理由は、エアードリルを使うと作業効率を上げつつも、作業者への負担が減らせるからなんです。
今回はそんな夢のような工具、エアードリルについて紹介します。
エアードリルは圧縮空気を動力源とした、穴あけ作業用のエアーツールです。
穴あけに使用する刃具は、電気ドリルと同じものが使用できます。また、正逆回転ができるモデルもありますので、タッピング作業も可能です。
エアードリルは他のエアーツールと同様に、コンプレッサーと接続します。
工具の交換が簡単にできるので、ワンタッチカプラを使用してコンプレッサーに接続するのがおすすめです。
エアードリルの穴あけ作業で出た切り粉を、エアーダスターに付け替えて吹き飛ばすという使い方ができます。
エアードリルと電気ドリルは同じ穴あけ作業用の工具で、使い勝手もよく似ていますが、大きな違いは動力源です。
電気の力で電気モーターを回す電気ドリルに対し、エアードリルは空気の力でエアーモーターを回します。
エアードリルを使うためには、コンプレッサーが必要になるため、電気ドリルに比べると手軽な工具とは言えません。
しかし、エアーモーターは電気モーターに比べると、一般的にコンパクト&ハイパワーです。
そのため、エアードリルは同じ性能の電気ドリルと比べると、小型で軽量という特長があります。
小さくて軽いエアードリルは穴あけ作業の負担を減らし、電気ドリルでは入れない狭い場所の穴あけ作業も可能です。
電気ドリルを使用していた現場が、エアードリルを導入することで工数削減に成功した例が数多くあります。
エアードリルは穴あけ工具ですので、電気ドリルと同じような点に注意して使用します。
まさか、木材への穴あけ作業で軍手を着用していませんよね?
軍手の繊維がドリル刃に巻き込まれ、大きな事故につながりますから、軍手は使用禁止ですよ。
こちらは実際に軍手が回転する工具に巻き込まれる事故を、実験した動画です。
次にエアツールとしての一般的な使用上の注意を紹介します。
エアツールはエアーコンプレッサー以外と接続して使用してはいけません。
爆発する危険があるので、空気以外の気体(酸素・プロパンガス・アセチレンガスなど)の使用は厳禁です。
コンプレッサーについては他の記事でも紹介しています。
指定された空気圧で使用しないと、事故につながります。
エアツール内の部品や刃具に負担がかかりますので、工具を長く使うためにも、使用する前に圧力の調整をしましょう。
実際に空気圧の調整はレギュレーターで行います。
空気圧の確認もできる圧力計付きのモデルがおすすめです。
また、エアーホースや本体にエアー漏れがないこともあわせて確認します。
エアツールを使用していると、どうしても本体に水分が入ってしまうのは避けられません。
本体内部に水分が長い時間留まった状態で放置すると、サビ付きの原因になります。
定期的にエアーツール用のオイルを、本体の吸気口から給油しましょう。
また、自動で給油してくれるオイラーの設置を、各メーカーも推奨しています。
エアードリルを使用したことのない方が、いざ使ってみようと思っても、どんなエアードリルを選んで良いのかわからないと思います。
おすすめのエアードリルを紹介しますので、参考にしてみてください。
チャック能力 | 13mm |
---|---|
無負荷回転数 | 2300rpm |
空気消費量 | 0.16㎥/min |
使用空気圧力 | 0.59Mpa |
本体重量 | 1.1kg |
TL9006はエアードリルの入門用として最適なモデルです。
正逆回転の機能がありませんが、金属・木材・プラスチックへの穴あけ作業には問題ありません。
他のエアドリルに比べると空気の消費量が少ないため、家庭用のコンプレッサーでも使用できます。
家庭用のDIY用のエアードリルとしてもおすすめの一台です。
チャック能力 | 10mm |
---|---|
無負荷回転数 | 2000rpm |
空気消費量 | 0.5㎥/min |
使用空気圧力 | 0.68Mpa |
本体重量 | 1.42kg |
SK-BP101はエアードリルのヘビーユーザーの方におすすめのモデルです。
正逆回転の機能がありますので、同じ工具でタッピング作業ができます。
SK11はさまざまな工具を販売している、藤原産業のブランドです。
同じく藤原産業のブランドで、DIYグッズを多数販売しているE-Valueも有名です。
チャック能力 | 13mm |
---|---|
無負荷回転数 | 400rpm |
空気消費量 | 0.4㎥/min |
使用空気圧力 | 0.62Mpa |
本体重量 | 1.42kg |
SP7527は木材への穴あけ作業が多い方に、選んでほしいモデルです。
正逆回転の機能付きですので、ビス止めやネジ締め作業にも対応できます。
本体が樹脂でつくられており、重量がとても軽いのが特長です。
ハンドル付きなので、長時間の穴あけ作業にも向いています。
今回は軽量型のモデルを紹介しましたが、SPは他にもさまざまな型式のエアードリルを販売していますので、おすすめのメーカーです。
チャック能力 | 6mm |
---|---|
無負荷回転数 | 3000rpm |
空気消費量 | 0.52㎥/min |
使用空気圧力 | 0.6Mpa |
本体重量 | 1.18kg |
GT-D60-30は他のエアードリルに比べて回転数が高いモデルです。
航空機の胴体などに使用されるジュラルミンや、炭素繊維強化プラスチックなどの複合材料への穴あけには高い回転数が求められます。
そのため、航空機や鉄道車両の製造工場で使われるのが、このエアードリルです。
アルミなどの柔らかい素材や、特殊な素材への穴あけ作業をする方には、まさにうってつけの一台です。
チャック能力 | 10mm |
---|---|
無負荷回転数 | 1200rpm |
空気消費量 | 0.32㎥/min |
使用空気圧力 | 0.6Mpa |
本体重量 | 1.15kg |
SI-5355は本体の持ち手に対してドリル刃の回転軸が直角になる、アングルタイプのエアードリルです。
アングルタイプのエアードリルは、工具が入らないような狭い場所でも、穴あけ作業ができるという利点があります。
本体のレバーを握ることで起動するモデルです。
通常のピストルタイプのエアードリルでは、穴あけ作業がしにくいと悩んでいる方にこそ、ぜひ使ってほしい一台です。
チャック能力 | 10mm |
---|---|
無負荷回転数 | 3800rpm |
空気消費量 | 0.4㎥/min |
使用空気圧力 | 0.62Mpa |
本体重量 | 0.72kg |
SP-1523Dは本体の持ち手とドリル刃の回転軸が一直線上に配置されている、ストレートタイプのエアードリルです。
ストレートタイプのエアードリルは、工場のライン作業などで多く採用されている通り、高い作業性が特長です。
また、ピストルタイプでは障害物があり穴あけできないときに、使われることもあります。
このエアードリルは先端工具を交換して、研削作業にも向いています。
今回はエアーツールの中から、エアードリルについて紹介しました。
エアーツールを使用すると、どうしても問題になるのが排気音です。
サイレンサーを取り付けることで改善できますので、気になる方は試してみてください。
・ボディサイズ:202
・管接続口径:NPT1/4
・使用流体:圧縮空気
・最高使用圧力:1.0MPa
・消音効果:35dB(A)
・35dB(A)の消音効果
エアツールには他にもさまざまな用途の工具があります。
電動ツールにはないメリットがたくさんありますので、エアツールの使用を検討してみてください。