引用:インスタグラム
機械加工をされる方や、寸法検査をされているプロの方に、計測機器は必需品ですが最も身近に使われているのが「ノギス」ではないでしょうか。標準的なノギスであれば外形、内径、深さの3項目の検査に使用可能で、手軽に精度の高い寸法計測が可能です。メーカーによっては、ノギスの形状に工夫を凝らすことで基本3項目以外にも寸法検査が可能なモデルも登場しています。国内メーカーのノギスを厳選10選としてご紹介します。
目次
中村製作所は東京都品川区に本社を構えるツールメーカーで、ノギスをはじめとする計測機器も製造、販売しています。
ご紹介する「PITA40」は、フラットヘッドノギスシリーズの1つで、ノギスのヘッド端面とクチバシ(内側用ジョウ)の片方が同じ面になっており、狭い部分の計測や、端面からの高さ計測が行えるなど、今までのノギスでは出来なかった計測作業が可能になっているモデルです。
全長は515mm、最大計測値は400mm、更にジョウの幅が64mmとPITAシリーズの中で最も大きく、大径の円柱材料なども計測することが可能な使用範囲の広いノギスです。
最大測定値(mm) | 400 |
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本体重量(g) | 420 |
新潟精機からは標準タイプやデジタルタイプなど、数十種類のノギスがリリースされています。ご紹介する「GVC-30KD」は、快段目盛ノギスシリーズと呼ばれ、目盛りを階段状に印字し2mm毎に点表記をすることで視認性を高め、計測数値が読み易くなっているのが最大の特徴です。
ノギス本体全長は403mm、最大測定値は300mmと標準的なサイズですが、ジョウの長さが64mmと大きく作られておりサイズの大きな材料でも問題なく正確に寸法を測ることが可能です。
最大測定値(mm) | 300 |
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本体重量(g) | 380 |
A&D社は医療用機器をはじめ、各種検査、計測機器を製造するメーカーで生産、販売しているノギスは、デジタルノギスのみとなります。
ご紹介する「AD5763-300」は測定可能範囲が300mm、最小表示値は0.01mmと通常のノギスよりも細かく寸法を検査することが可能で、更にデジタルノギスの弱点である水や粉塵などに対し、国際規格であるIP54相当の防水、防塵性能を備えていることが最大の特徴でもあります。
水に濡れても、綺麗に水分を拭き取り乾かすだけで問題なく使用することが可能で、過酷な作業環境でも安心して使えるタフさを備えています。
最大測定値(mm) | 300 |
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本体重量(g) | 275 |
新潟県三条市に本社を置く松井精機は、ノギスやデプスゲージなどを製造販売する計測工具の専門メーカーです。
ご紹介するM型ノギス「M-20」は、深さを図るデプスバーを備えたモデルで、最大測定可能値は200mm、本体重量も190gと軽量コンパクトに出来ており、比較的小さな製品の検査に適しています。
また目盛りが確認し易いように、エッチング仕上げで印字されており、長く愛用して目盛りが見難くなっても、簡単に修理が出来るようになっています。
最大測定値(mm) | 200 |
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本体重量(g) | 190 |
ご紹介する「ML-15」は、寸法を計測するジョウの部分が長いロングジョウタイプで、測定場所が深い所にある場合や大きな円形製品の直径計測などの計測が可能で、通常のノギスよりも測定範囲が広いのが最大の特徴です。
最大測定可能値は150mm、本体重量180gと軽量で、ジョウ部分には総焼入れ加工を行っており、高い耐久性と寸法精度を誇ります。本体はステンレス製で、錆びることが無いので長く愛用することが出来ます。
最大測定値(mm) | 150 |
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本体重量(g) | 180 |
機械加工をされたり、寸法検査をされるプロの方であれば、シンワ測定の検査器具をご存知の方も多いのではないでしょうか。
ご紹介する「デジタルノギス 19977」は、ホールド機能を搭載した全7種類の中で中間クラスとなり、最大測定可能値は300mm、最小読取値 0.01mmと精密に寸法測定が出来るモデルで、更にデジタルノギスの弱点である、油や水、粉塵などを寄せ付けない防滴構造を採用しており、どんな作業環境でも問題なく検査を行うことが出来ます。
また比較測定や間接測定を実施し易いようにゼロセット機能を搭載しており、状況に合わせて使い分けが出来る汎用性の高いノギスです。
最大測定値(mm) | 300 |
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本体重量(g) | 280 |
シンワ測定の通常タイプノギスのスタンダードシリーズがM型となり150~1,000mmの全6種類がリリースされています。
ご紹介する「19913」は中間モデルで全長が410mmあり、最大測定可能値は300mm、最小読取値は0.05mmとなります。デプスバーを備えており、簡易ですが深さを図ることが可能で、一般的によく使用されているモデルとなります。
またのノギス本体の素材はステンレスで、長く愛用しても錆びることがないので、数値の読み取りも楽で信頼性の高いモデルです。
最大測定値(mm) | 300 |
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本体重量(g) | 326 |
ノギス、マイクロメーターの日本国内シェア90%以上を誇るミツトヨからは、14シリーズ98種類ものノギスがリリースされています。ご紹介する「N30」はM型標準シリーズと呼ばれ、アナログタイプのノギスとなり、全長は404mmで最大計測寸法は300mmとなります。
バーニヤ目盛面の部分に14度と緩めの傾斜を設定することで、目盛りの読み取りが楽になるように視認性を高める工夫がされていたり、スライダにゴミが入り難いように段差がついていたりと、シェアNo.1のミツトヨらしく細かな部分も、しっかりと作り込まれています。
最大測定値(mm) | 300 |
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本体重量(g) | 567 |
ご紹介する「CD-30PMX」は、ABSクーラントプルーフキャリパシリーズ全10種類の中でも標準タイプとなります。
防水防塵の国際規格であるIP67をクリアしており、クーラント液が掛かってもノギスが故障することなく計測が可能で、更にメーカー出荷時に密閉性の検査としてエアリーク試験を全数実施している程です。
またパソコンに測定データを転送出来る出力端子を備えており、別売りの専用接続ケーブルを利用することで簡単にデータの保存が出来るようになっているのも特徴の一つです。
最大測定値(mm) | 300 |
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本体重量(g) | 350 |
ミツトヨのデジタルノギスの最高峰モデルで、ソーラーセルを使用しており電池を必要としないのが最大の特徴です。
また防水防塵性能の国際規格であるIP67を備えており、切削油やクーラント液が掛かっても通常通りに使用することが可能で、どんな過酷な環境でも確実に正確な測定が出来るタフさを備えています。
さらに出荷前に防水性検査のため、全品エアリークテストを行っており、安心して使用することが出来ます。また先にご紹介した「CD-30PMX」同様に、専用接続ケーブルを使用することでパソコンに計測データを転送する機能も備えています。
最大測定値(mm) | 200 |
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本体重量(g) | 210 |
日本国内の検査機器メーカーがリリースしている「ノギス」の厳選10選をご紹介しました。どのメーカーも細部に渡って、独自の技術と視点から「ノギス」作りをされているのが、良く分かります。最近はデジタル式が手軽に計測出来るため、主流になりつつありますが、やはり検査の基本であるアナログ式をマスターしてから、ステップアップされることをおすすめします。
ノギスについてさらに詳しく知りたい方には、こちらの記事もおすすめです。