トヨタのハイエースは国産のワゴン車の中でも最大のスペースを持ち、カスタムがしやすいため車中泊の定番というイメージが強い車です。本記事ではハイエースの特徴をはじめ、ハイエースが車中泊に向いている理由、車中泊仕様のハイエースを手に入れる方法をご紹介します。これから車中泊をする方に向けて、おすすめアイテムもピックアップしているのでぜひ参考にしてみてください。
国内外で根強いニーズのあるハイエース。自家用車としてだけではなく、商用車や送迎車としても利用されています。まず最初に、ハイエースが車中泊に向いている理由から探っていきましょう。
ハイエース(HIACE)はトヨタ自動車で生産されているキャブオーバー型の自動車です。100万km以上の過走行に耐えられるつくりになっており、キャンプや車中泊を趣味とする方の自家用車としてはもちろん、商用車としても人気の高い車です。
四角くて大きなボディサイズや車内空間の広さ、荷物をたっぷり運べる積載量など、ゆとりのある設計になっています。見た目はシンプルですが、グレードが高いモデルになるほど高級感が感じられる内外装になっています。
ハイエースは大きく「ハイエースバン」と「ハイエースワゴン」に分類されています。それぞれの特徴は以下の通りです。
1.ハイエースバン
ハイエースバンは荷室が広いため、貨物車として使用されることが多いです。ロングバンとスーパーロングバンがあり、駆動形式は2WDと4WD、エンジンはディーゼルもしくはガソリンを選択できます。仕様によって最大乗車定員が「5名」「9名」と異なるので、目的に応じて検討する必要があり、ボディの全長・全幅・全高も異なるので、普段利用しているパーキングなどの高さ制限をクリアしているか考慮しながら選びましょう。
2.ハイエースワゴン
ハイエースワゴンは人が乗ることを目的として使用されることが多く、最大10名まで乗員可能です。GL・DX・グランドキャビンの3種類のグレードに分類され、全幅は全て1,880mmとなっています。「ある程度の荷物も載せるけれど、家族や仲間が快適に乗車することを重視する」という場合はワゴンタイプが適しています。
ハイエースが車中泊に最適と言われる理由のひとつに、数多くあるミニバンの中でも最大級の車内空間を持つことが挙げられます。車内という限られた空間の中でも、できるだけ広々と過ごしたいと考える人が多いためです。
さらにシートアレンジがしやすく、フルフラットな状態にできるため、背の高い大人2~3人が足を伸ばしてゆっくり休むことができます。もっとゆったりと寝たいという場合は二段ベッドを組むことも可能。自分好みに空間を使用できるところがハイエースが車中泊に適している理由と言えるでしょう。
各ディーラーから荷室の広いミニバンが販売されている中で、「車中泊をするならハイエース」というニーズが高いのには理由があります。その代表的なものをチェックしておきましょう。
ハイエースの特徴の一つに「車内空間の広さ」があります。車中泊をするのであれば広さは欠かせない項目なので、最大のメリットと言えるでしょう。参考までに、スーパーGL標準ボディーで1,695mm、ワゴンGLワイドで1,850mmの車幅があります。
荷室にベッドキットを取り入れれば大人2人、子ども2人でゆったり横になることができます。また、高さを活かして二段ベッド仕様にもできるので、使用する人数や体格に合わせて空間を有効活用することができます。
ハイエースは長年人気のある車種ということもあり、パーツやグッズが手に入りやすいです。そのため、ドレスアップやオプションの選択肢が豊富というメリットがあります。寒冷地仕様やセーフティーモニターなど安全性に配慮したオプションがある一方で後付けすると割高になるオプションもあるため、よく考えて取り入れましょう。
車中泊に欠かせない寝心地に関しては、完全フルフラットにできるため、家の中に近い環境で就寝することができます。
ハイエースの中でもハイエースワゴンは最大で10名まで乗車可能ですが、普通免許で運転することができます。一般的なミニバンの乗車定員が7~8人であることを考えると、乗車定員が10名までのワゴン車を普通免許で運転できるのは魅力と言えるでしょう。
なお、ハイエースの中でも施設や旅館などの送迎に利用される「ハイエースコミューター」という車種は乗車定員が10名以上となるので、中型免許もしくは大型免許が必要となります。
広い車内や優れたカスタム性を持つハイエースにも、少なからずデメリットがあります。注意すべき点こそ事前に知っておくことが大切なので、ひとつずつ確認していきましょう。
1.乗り心地がいまいち
足回りが硬めであるハイエースは、トヨタのノアやアルファードといったミニバンと比べると、どうしても乗り心地が劣ります。舗装されていない道やちょっとした段差を乗り上げる際の振動が緩和されにくく、腰や背中に振動がダイレクトに伝わりやすい傾向があります。
ハイエースの構造を知っていて、それを問題に感じていなければ良いものの、乗り心地の良さを求めるのであれば別途専用のシートを取り入れるなどの工夫をする必要があります。腰痛持ちの方を乗せる際や、長時間の移動になる場合も快適に乗ることができるはずです。
2.街乗りに不向き
他に小回りの利く軽自動車やコンパクトカーを所有しているのであれば問題ありませんが、今後ハイエースを購入してメインで使う予定という場合は不便さがないかよく確認するようにしましょう。
3.ETCの割引対象外になることも
ETCの休日割引が適用されるのは軽自動車と普通車です。そのため、1ナンバー登録のハイエースバンのワイドボディは中型車に分類されるので、ETCの休日割引が適用されません。休日割引では、土曜日・日曜日・祝日に大都市近郊区間以外の通行に対して料金を30%オフにしてもらうことができます。
週末や年末年始、夏季休暇に車中泊を楽しみたいと考えている方にとっては日程を調節する必要が出てくることがあるので、デメリットのひとつと言えるでしょう。高速道路の料金を節約したいという場合は、平日の夜間割引が適用される時間帯に合わせて高速道路を利用するといった工夫をしましょう。
4.盗難被害に遭いやすい
耐久性が高くて車内が広く使えるハイエースは中古市場で高額で取引されやすく、部品の汎用性も高いため、部品を目的に盗難されることも多いです。実際に日本損害保険協会の盗難被害調査において2007年から7年連続で盗難被害ワースト1位になっています。
現在はメーカーも防犯対策を強化していますが、車両を盗難されてしまうと車中泊に使用しているアイテムや仕事道具を含めた私物までも失うことになります。そのため、純正セキュリティに加えて各自でセキュリティを施し、ハンドルロックを毎回掛けておくのが望ましいです。
車中泊をする予定である方がノーマルなハイエースを購入した場合、車中泊仕様にカスタムする必要があります。その代表的な方法は以下のふたつです。
ハイエースで車中泊ができる空間をつくりたい場合、自分で改造することもできます。比較的簡単なつくりのベッドキットを取り入れる程度であれば、費用も5万円ほどでカスタムできます。
もっとこだわってフロア加工や照明、デスクなどを取り付けたいという場合は50万~100万円ほどの費用が必要になります。ただし、自分で改造することを得意とするのであれば問題ありませんが、費用も時間もかかるため、大規模な改造をするのであればコンプリートカーを購入するのがおすすめです。「どの程度のカスタムをしたいのか」「車内に何日間滞在する予定なのか」を考慮してカスタムすると良いでしょう。
ハイエースを一から車中泊仕様にカスタムをしていくにはある程度の費用がかかるし、限られた時間で終わらせる自信がない・・と考えている場合は、すでにカスタムされた中古車の購入を検討するのもひとつの方法です。現行型である200系も中古車市場で多く販売されているので、外装、内装の詳細を比較しながら選ぶと良いでしょう。
ある程度自分の理想に近い内装に仕上がったハイエースを選べば、あとは細かい部分を付け足していくだけなので、カスタムをすることへのハードルを大幅に下げることが可能。スムーズに車中泊を始めることができます。
今後、車中泊をする予定という方におすすめの車中泊に役立つ便利グッズをご紹介します。より車中泊を快適に過ごせるようなアイテムばかりなので、ぜひ取り入れてみてください!
Lighting EVERのLEDランタンは、LEDランタンと二個の懐中電灯がひとつになった3インワンの充電式ランタンです。ランタンは二段階調光ができ、最大600ルーメンの明るさで周囲を照らせるので車内の室内灯として重宝します。また、左右にあるライトを取り外すと手持ちの懐中電灯として使用することができるため、夜間のアウトドアでの移動時にも便利です。
USB充電に加えて電池と併用でき、懐中電灯はランタンにセットしておけば自動で充電されます。車用充電器とUSB充電ケーブル、単四電池が付属しています。車中泊だけではなく、停電時や災害時の備えや夜間の散歩などにおすすめの商品です。
MEIKOのホットヒーター毛布は、車の中で使える電気毛布です。168cmのコードが付属しているので、運転席・助手席・後部座席でも使用することができます。電源を使わずに普通の毛布としても使えるので、アウトドアや室内などあらゆるシーンに合わせて暖を取ることができます。
サイズは100×135cm、横になって掛布団としてかぶるのはもちろん座席で大人2~3人分のブランケットとしても使えます。
fcl.(エフシーエル)のアウトドアブランド、キャリライクのポータブル電源です。100VのAC電源が2口搭載されているので、電源のない環境でも家電を使用できます。パススルー機能が搭載されているので、電源を使いながら充電が可能。電源の残量が見やすく表示される便利さも特徴のひとつです。
ポータブル電源は本体価格が高いものの、車中泊やアウトドアだけではなく災害が起きて停電した時にも非常に役立ちます。一台持っておけば台風シーズンにも焦る必要がなくなるので、この機会に取り入れてみてはいかがでしょうか。
Zerodis.の車載用電気ポットです。シガレットライタープラグ電源で作動させることができ、アウトドアや車中泊で温かい飲み物を飲みたいときに便利なアイテムです。容量は750ml、温かいお茶やコーヒーを作るだけではなく、カップスープやカップラーメンなどの軽食作りにも役立ちます。
サイズはおよそ220×85mmのスリム形状で一般的なカップホルダーにはまるので場所を取らずに済みます。ケトルタイプなので中のお湯がこぼれず移動中も安心です。
LOSRECALの車載用冷温庫です。車中泊にちょうど良い18Lサイズで、持ち運びやすいように持ち手もついています。冷蔵・冷凍は-22℃~10℃、加熱は25℃-55℃と幅広く温度設定ができるので、季節に合わせた使い方ができて便利です。
AC・DC電源に対応しており、低電圧保護機能を搭載してあるので、バッテリーが上がる心配がありません。アウトドアや車中泊、運動会など様々な用途におすすめの商品です。
ハイエースの特徴や車中泊に向いている理由、車中泊仕様のハイエースを手に入れる方法をご紹介しました。広い荷室を持ち、カスタマイズがしやすいハイエースは国内外から人気が高く、中古車市場で価格が下がらないことでも知られています。
仕様にもよりますが、最大で10名の乗車定員を普通免許で運転できるので、昨今で人気が高まっているキャンプや車中泊を家族や仲間と楽しみたい方は要チェックです。本記事の中では車中泊をする際にあると便利なアイテムもピックアップしていますので、あわせてチェックしてみてください!