駅員は、改札での作業や、混雑時のホームでの安全確認など、駅構内でのさまざまな仕事を担っています。鉄道好きな方の中には、将来、駅員になりたいと思っている方もいるでしょう。では、どうすれば駅員になれるのでしょうか。今回は、駅員になるための方法についてまとめてみました。転職して駅員になろうと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
それでは、まずは気になる駅員の仕事内容について見ていきましょう。駅員といえば窓口か電車のホームにいるイメージがありますが、ほかにもさまざまな仕事をこなしています。
駅員の仕事には、切符売り場と呼ばれる窓口でお客様に切符を売ることが含まれています。自動券売機の普及により、窓口で切符を買う方は減ってきていますが、定期券や特別な乗り継ぎの際の発券など、手作業で行うケースもあります。
また、チケットの販売だけでなく、チケットの売上金を管理することも重要な仕事のひとつです。他にも、乗り換えや駅周辺の地理の案内、運賃の問い合わせ、落とし物の処理などを行います。
列車のドアが閉まったときに乗客が残っていないか、安全性を確認するとともに、旗を振って車掌に知らせることもあります。
信号のタイミングに慣れるのはもちろん、全員が乗っているかどうかを判断するのも大変です。特に朝夕のラッシュ時にはホームが混雑するため、集中して取り組まなければいけません。
いくら電車が好きだといっても、すべての人が駅員に向いているわけではありません。駅員として働くにはどのような素質が求められるのか、駅員に向いている人の特徴を確認しておきましょう。
誰に対しても配慮や思いやりを持って接することができる人は、駅員に向いていると言えるでしょう。また、多くの人と接する仕事なので、身だしなみや言葉遣いが悪かったり、態度が悪かったりすると、クレームにつながる可能性があります。
几帳面な人、マニュアルや時間を守る人、細かいところまで気を配れる人もこの仕事に向いているでしょう。
例えば、電車を時間通りに到着させなければ、お客様に多大なご迷惑をおかけしてしまいます。細かい規律を守ることが安全につながるので、大雑把な人はこの仕事には向いていません。
それでは、駅員としての仕事のやりがいについても見てみましょう。駅員という仕事は苦労も多いとは言え、やりがいのある仕事です。
老若男女問わず多くの人が電車や駅を利用しますが、駅員は困っている人を助けることで、目の前のお客さまを笑顔にすることができます。
お客様から「ありがとう」「助かったよ」と言われることも多く、自分の仕事が人の役に立っていることを実感しやすいでしょう。
また、駅員は接客だけでなく、鉄道の安全性を確保するためにホームを巡回することもあり、列車が時間通りに運行するための役割を担っていることに誇りを持って働くことができます。
鉄道は私たちの生活に欠かせない交通手段ですから、厳しい言葉で攻められることもありますし、怒られることもあります。
お客さまとのやりとりは、ある意味ではやりがいがありますが、そのようなクレームに対応するのは難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
また、24時間体制で働くのが厳しいと言う人もいます。もちろん、休憩や仮眠の時間はありますが、慣れるまでは体力的に厳しいですし、不規則な勤務形態のため、友人や家族との時間が取りにくいと感じる人も多いようです。
ここからは、どうすれば駅員になれるのかを具体的にみてみましょう。基本的には、高校、大学、短大、専門学校を卒業して就職すれば、駅員になれます。
駅員は駅構内の業務を担当しますが、特別な資格は必要ありません。正社員として採用されるだけでなく、契約社員としての募集もあります。
新卒の場合は高校、大学、専門学校を卒業してからでないとチャンスはありませんが、それ以外の時期でも契約社員の募集に応募することができます。
契約社員の場合、募集条件は「学歴不問」であることが多く、つまりは「誰でも駅員になれる」ということです。
鉄道会社の仕事は、駅員などの現場系と、総合職や一般職などの事務系に分けられます。かつての鉄道会社では、現場の人材を早期に育成するために、専門的な技術を必要とするOJTの仕事には、高卒や高専卒が多く採用されていました。
そのため、大卒者は現場で活躍することが少なく、一般職に配属されることがほとんどでした。しかし最近では、JR東日本のように、大卒者を積極的に採用する企業も多くなっています。そのような大卒での就職の場合は、自分で鉄道会社にエントリーして採用試験を受けることになります。
しかし、早い段階で現場の経験を積むことができるのは大きなメリットであることは間違いありません。高校生であれば、学校によっては鉄道会社からOJTで求人が来ることもあるので、学校からの推薦があればすぐにでも働けるでしょう。
また、鉄道関連や観光関連の専門学校では、駅員に必要な知識を詳しく学べるコースが充実しており、鉄道会社からのOJTによる求人が多いため、将来、駅員として働きたいという夢を持っている方にはおすすめです。
運転手と車掌は、駅員ではなく「乗務員」に分類されます。なお、駅員から乗務員になることは可能です。車掌は、特別な資格は必要ありません。
例えば、契約社員から正社員に登用された後、駅員として経験を積み、車掌の登用試験に合格して車掌になることができます。
しかし、運転士になるためには、国家資格である「動力車操縦者運転免許」を取得しなければなりません。まず車掌としての経験を積み、運転士に必要な知識や技術を学び、十分な経験を積んでから試験を受けることになります。
ですから、入社していきなり運転士になって電車を走らせるということはまずありません。鉄道事業を学ぶ高校や専門学校を卒業して入社したとしても、最初は駅員からということになります。
以上、駅員という仕事の業務内容や、駅員に向いている人について、また駅員になるにはどうすればよいのかをお伝えしました。
鉄道関連の仕事に憧れる人は多いと思いますが、駅員は学歴や経験に関係なく募集されることが多いので、誰にでもチャンスがあります。
中には、将来的に車掌や運転士にステップアップできる募集もありますので、そんな仕事に就きたい方はチャンスを逃さないようにしましょう。