従業員の生産性や定着率に大きく影響する職場環境は非常に重要です。近年、海外のIT企業や日本のベンチャー企業、大企業を中心に、設備やレイアウト、デザインなどにこだわり、従業員が働きやすい環境を整えようとする企業が増えています。今回は、良い職場とは何かを説明するとともに、良い職場の特徴を紹介します。転職をお考えの方はぜひ参考にしてください。
ここでは、働きやすい会社の特徴と、女性が働きやすい会社の条件・特徴についてご紹介します。働きやすい会社の条件や特徴には、以下のようなものがあります。
このデータを見ると、残業がない、あるいはあっても無理のない範囲の時間である会社や仕事の方が満足度が高いことがわかります。残業時間の規制を含む労働基準法は、労働者を守るための基本的な法律のひとつであり、守られるべきものですが、残念ながら違反している企業が多いのが現状です。
例えば、就業規則で「月の残業時間は原則40時間以内」と定められていても、実際にはそれ以上の残業をしているケースがあります。現実には、残業を強いられているのに、残業代が全額支払われていないケースもあるようです。
業務上、残業が避けられない場合もありますが、長時間の残業を必要とせず、残業代が適切に支払われる会社であれば、働きやすいのではないでしょうか。
この結果からもわかるように、快適な職場づくりには人間関係がとても重要です。しかし、職場の人間関係に悩む人は少なからずいて、最悪の場合、仕事を辞めてしまうこともあります。
そうならないためにも、日頃から部下や同僚と積極的にコミュニケーションをとることが大切です。積極的なコミュニケーションは、社員同士の意見交換にもつながり、人間関係の問題の早期発見・改善につながります。
会社によっては、上司と部下の1on1ミーティングを定期的に行っていたり、評価基準を全社員に公開しているところもありますので、働きやすい会社を探す基準になると思います。
実際、ハラスメントに関する研修を実施した企業では、ハラスメントに対する意識が高まり、相手を尊重して仕事をするようになったという事例もあります。
他にも、定期的なアンケートの実施や、外部の専門機関による相談窓口の設置など、ハラスメント対策にはさまざまな方法があります。このような取り組みにより、問題の発生を未然に防いだり、発生を抑制したりすることで、一人ひとりが健全に本来の能力を発揮できるようになります。
もちろん、これだけでは「働きやすい会社」とは言えませんが、全体に占める女性社員や管理職、役員の割合が低くない会社は、女性が活躍できるケースや働きやすい環境が比較的多いと言えるでしょう。
女性社員や女性管理職・役員の割合については、企業が情報を公開していることが多いので、ぜひ確認してみましょう。
快適な職場は、従業員が仕事をする上で優先すべき要素の一つであり、企業にとっても業績向上のために重視すべき点です。そのため、多くの企業が職場を快適にするためのさまざまな取り組みを行っています。ここでは、独自の取り組みを展開している成功企業の事例をご紹介します。
世界的に有名な企業であるGoogleは、すべての社員がフラットに働けるような取り組みを行っています。例えば、「20%ルール」という制度があり、社員が自分の好きな仕事やプロジェクトに仕事時間の20%を割り当てられるようになっています。
もともと、自分が担当していないポジションやプロジェクトには、社員が手を挙げて立候補し、審査を通過した人だけが仕事を任されるというイメージが強かったのですが、「20%ルール」では、興味のある仕事に手を挙げれば、その仕事を業務時間の20%以内で行うことができます。
自分から飛び込んで仕事をすることで、社員は自主性を養い、積極的に仕事をしようとするようになるメリットがあります。
サントリーホールディングスでは、日本でいち早くテレワークを導入し、職場環境の革新に取り組んでいます。特にワーク・ライフ・バランスには力を入れており、育児関連のプログラムは、さまざまな状況を考慮して計12種類を用意しています。
また、育児・介護休業後の復職支援制度も設けており、社員の生き方を支援する体制を伝えています。このような姿勢を感じ取ることで、社員は働きやすさを実感できるのではないでしょうか。
東京に本社を置く株式会社ガイアックスは、IT企業です。一人一人が自分らしく活躍できることを目的に、テレワークを導入しています。
テレワーク導入の結果、社員の幸福度・満足度が向上し、該当部署の離職率が25%に低下、リファラル採用(社員紹介採用)が75%に増加するなど、優秀な人材の確保と人材の定着率の大幅な向上につながっています。
また、テレワークがしやすい環境を整える一方で、社員が出社したくなるようなコワーキングスペースを意識した内装にしたり、テレワークと出社の両方のモチベーションを高める工夫をしたりしています。
テレワークを普及させるためには、社員が当事者意識を持って取り組めるよう、関心のある部署からボトムアップで行われます。
様々な企業とのコネクションを持つプロの転職エージェントは、担当者によっては就職する会社の詳しい内部情報を持っていることがあります。また、離職率や休暇取得率などのデータも参考にすることができます。