手取り14万円で、一人暮らしをする事はできるのでしょうか?実際に生活をしたことのない方にとっては、この収入でどこまでの生活が出来るのかについて知りたいところでしょう。今回は、手取り14万で一人暮らしが出来るのかどうかや、生活シミュレーションなどをご紹介します。
目次
まず最初に、手取り14万の月収や年収がどの程度の金額になるのかについてご紹介しましょう。これらの違いや、年収の計算方法をしっかりと把握してください。
まず、手取り14万円の月収については、18万円程度になります。ここで、手取りと月収はどう違っているのかという点から解説しますと、まず月収は会社から支払われる金額を合計したものです。交通費や時間外手当など、支払われるすべてを合わせた金額です。
そして手取りというのは、勤務している人が実際に得られる金額を指します。基本的には先述の月収の額から、雇用保険料や所得税、住民税をはじめとした各種税金や保険料等が差し引かれ、残った分が手取りになります。
この月収から天引きされる内容を、控除と呼びます。月収は基本総支給額となり、そこから控除合計額を差し引いたものが手取りです。一般的に20~25%が天引きされるため、逆算すると18万円が月収となるのです。
続いて手取り14万円の年収を考えてみますが、金額としては210万円から238万円程度になります。そもそも年収というのは、手取りの金額ではなく月収をベースに据えて計算を行います。
例えば、先に挙げた通りに手取りが14万円、月収額がジャストで18万円であった場合には、月収の18万円を元にして12か月分を計算してみると、216万円という数字が出てきます。これをもとにして、ボーナス額もプラスします。
大きな会社であれば月収の2.4か月、中小なら1か月分が上乗せされますので、大体210万円から230万円の間に収まる計算です。ただ、月収を元にした分、実際に得られる金額はより小さくなってくる点に注意が必要です。
手取りが14万円の場合の月収や、年収がどの程度の金額になるのかが分かりました。それらの数字がどうであれ、この金額が全体と比べて高いのか、満足した生活ができているのかどうかは気になるところでしょう。
まず世代や性別から比較してみると、手取り14万円、月収を仮に18万円としても、非常に低いです。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によれば、10代の年収は男性で180万円程度、女性で160~170万円程度です。
20代前半でも男性が210万円、女性が200万円少々といったところなので、ここまでは高いか同じくらいです。しかし、20代後半となると男性は250万円、女性でも230万円あたりになります。
特に男性の場合、年齢に比例して月収、および年収もアップしていきますので、20代後半以降と比べると同年代と比べて非常に低い数値になります。女性はそこまで変動が大きくは無いものの、20代以降では低いと言わざるを得ません。
実際に手取り14万円で暮らしている人の声もあります。例えば「14万円から奨学金も払っているので正直かなり厳しい」「彼女との結婚も考えているけど、ボーナスも年間20万程度で不安しかない」といった声が見られました。
28歳の方は「実家暮らしなので何とかなっているけれどもう少し欲しい。定時で帰れるし、休みもカレンダー通り+有給のホワイト企業だから離れる事は考えていない」といった生活の仕方の様です。
その他にも、23歳女性で「新卒だからその程度だと思っているけれど、周りに聞くとプラスで2万3万くらいもらってもいいみたいで、上京して1人暮らしなので、外食もいけない」という厳しい生活をしている声もありました。
やはり、全体で見ても手取り14万円という数字は、かなり少ない方出ると言わざるを得ません。そして気になるのは、この額の手取りで実際に一人暮らしが成立するのかという点でしょう。
まず実家で生活している場合の内訳についてですが、必要な額を振り分けたところ以下のような内訳になると考えられます。
食費が3万円、通信費に5千円から1万円、日用品等の雑費に1万円、交際費や娯楽費に2万円から3万円、交通費1万円、そして貯金に1万円回したとしても、4万円程度の余裕が生まれます。
すなわち、実家で生活をする場合には手取りが14万円であったとしても、ある程度余裕がある生活を送れるという事が分かります。ここで最も大きいのは、やはり実家で暮らす以上家賃や光熱費などが一切発生しないところです。
その分が丸々浮く計算になりますので、貯金にもっとお金を回したり、娯楽にもっとお金をかけられたりと割と自由な生活ができます。実際の生活をしている声の中でも、何とかなっている方は少なくありません。
続いて、一人暮らしをしていて家賃が4万円台であった場合のシミュレーションを見てみましょう。まず家賃に関してですが、一般的には手取り金額の内の3割以内に収めるのが理想的であるとされています。
もしもこれ以上の金額の家賃を支払う場合には、食費や雑費をはじめとした他の出費の部分を切り詰める必要があります。すなわち、手取りが14万円となると、その30%になる4万2千円以内で家賃を収める必要があります。これを踏まえたうえで、生活費の内訳を考えてみると以下の通りです。
管理費込みで家賃を4万2千円と仮定した場合には、使える金額がせいぜい10万円前後ということになりますので、節約は必須となります。自炊はもちろん、趣味や娯楽についてもなるべくお金のかからないものにする必要があります。
続いて、同じく一人暮らしで家賃が5万円となった場合のシミュレーションです。先に家賃を5万円ピッタリとした場合の生活費の内訳を見てみましょう。
こちらの場合は、4万円の場合の生活スタイルと同じような割り振りをしたとしても、家賃が1万円高くなる分貯金やその他の趣味等に回すお金はやはり少なくなってしまいます。もしも医療費などの予期しない出費が出た場合、貯金に回せる分はより少なくなるでしょう。
また、自炊などの節約をするのを前提としても、食費や交際費などについても予想以上に出費が出た時には、同じく貯蓄が出来る余裕が無くなっていきます。ここで切りつめを無理にするよりかは、それぞれの予算内でどうにか抑えられるようにするのが大切です。
地方であれば、もっと家賃が少ない物件などもありますから、一人暮らしでもまあまあの余裕を持って暮らしていける可能性はありますが、しかし実際問題もっと余裕が欲しいというのが現実です。ここからは、手取り14万の状態から収入を上げる方法を解説します。
まず、仕事で昇進や昇格するのを目指してみましょう。どの仕事であっても現在よりも上の地位に進む事が出来れば、責任ややるべき事こそ増えはしますがその分給料面についても間違いなく上がりますので、最も手っ取り早い方法と言えます。
且つ、誰でもできる方法であり会社であれば社員には皆査定がありますから、平等にチャンスが存在しています。ただ、この方法による給料アップには限界があり、一般的にベースアップするのは年に数回です。
また、昇進や昇格といった立場が変わるタイミングについても、同じく年に数回となっています。今勤めている会社の昇進のタイミングをしっかり調べておいて、その上で分かりやすい成果を出すよう意識してみましょう。
続いては、副業を始めるという方法になります。昨今では企業側も推奨している方法ですが、本業の他にも収入源を確保し、現状の収入を確保しつつもその上で新しく収入を得て、手取り金額をプラスにしていく方法になります。
本業が14万円の手取りしかないというのは、中々に厳しい話です。生活ができないわけではありませんが、より自由度のある生活をしたいと思っていて、会社側も特に副業について禁止等をしていないのなら、取り組んでみるべきです。
副業と言っても現代では形態が様々存在していますが、簡単にできるのは本業の時間外にアルバイトやパートには居る方法です。コンビニ店員やチラシのポスティングといったように、学生時代を思い出させるような内容のものが代表的です。
ただ、先に触れている通り副業自体を会社が特に禁止していないかどうかを事前にチェックする必要があります。また、アルバイト等をするにしても休日や業務終了後となるので、体の負担も必然的に増えます。
こういった面を考慮して、在宅でできる副業をお勧めします。梱包や記事作成といったような稼ぎ方もありますので、一度副業についていろいろと調べてみると良いでしょう。
節約をする、というのも立派な方法の1つです。現状の手取りの状態から自分の生活費の出費状況を細かく見直して、削れるところは無いかを確認して不要な出費を抑えるのです。これにより、不要な出費が減少して実質的な収入アップというように捉えるのです。
こちらに関しても誰でもできる方法であり、特に一人暮らしの場合であれば自炊をするというのは代表的な節約方法です。他にも、お金のかかっていた娯楽を変えてみたり、交通費を減らすべく徒歩や自転車を使うといった節約法もあります。
節約が優れている点は、最初にご紹介した収入を増やす方法である、昇進によって1万円を増やすよりも、不要な所をカットして1万円を確保するという方法の方が、圧倒的といえるほどに容易にできるところです。
仕事で考えると、どれだけ必死に仕事をしたとしても、昇給によって見込める給料アップ額はせいぜいが1万円前後です。その点、節約で1万円を確保できる生活を1年続ければ、12万円収入をアップさせられたのと同義になります。
もう1つ、転職を考えてみても良いでしょう。業界によっても異なってはいるものの、給料が高い職場を調べ、そちらに転職をすれば当然今までよりも月収、年収、そして手取りもアップしますから、収入を上げる手段としても効果があります。
もしも自分が今の仕事を苦手としていて、かつ給料面についても不安を持っているというような非常に厳しい状況に置かれているのであれば、給料アップという意味でも仕事をより良いものにするという意味でも転職を推奨します。
不安な面が残るというのであれば、転職エージェントなどを利用してみるのをお勧めします。これは、自分の希望や得意などに沿って最適な転職先を紹介してくれるものであり、最適な仕事を見つけるのに向けてサポートをしてもらえます。
もしも違う職への転職を考えているというのならば、資格を事前に取っておくというのも効果的です。それなりに時間こそかかりはしますが、転職をスムーズに成功させるうえでもプラスになる取り組みとなるでしょう。
手取り14万という現状を根本的にどうにかしたいというのであれば、やはり転職はとても効果的です。最後に、もし本当に職を変えようと考えている時のために、成功のポイントを解説します。
まず、転職先は自分の今までの経験を活かせるような職種にしてみるのをお勧めします。着実に自分のキャリアを高めていくのなら、経験やスキルを活かせる職場の方が、新しい仕事場でもすぐになじんでいける事でしょう。
転職をお勧めする中でも名前を挙げていましたが、転職エージェントの活用も強く推奨します。先に述べた通り、転職エージェントは転職を考えている方に向けて、希望に沿った企業などを紹介してくれるものです。
代表的な所では、マイナビやリクルートといったところがあり、そういった大手程年収や条件などについても企業側と交渉をしてもらえたりしますから、職を変えようとしている時には利用しない手はありません。
14万円の手取りでも、切り詰めれば生活をしていく事自体は不可能ではありません。しかし、それでも不満を抱えていたり、生活自体がきついと思っているのならば、早めに行動を起こしてみてください。