雨樋修理の費用相場はいくら?詳しい内訳から業者の選び方まで徹底解説!
屋根に打ちつける雨水を排水してくれる雨樋(あまどい)。経年劣化や何らかの衝撃で破損した場合、修理・補修をする必要がありますが、業者に依頼するとどのくらいの費用がかかるのか気になるという方は多いのではないでしょうか。本記事では雨樋の掃除や修理にかかる費用相場と依頼をする際の注意点、できるだけお得に修理する方法を解説していきます。
雨樋修理の費用相場【掃除・修理・補修】
雨樋の修理といっても状態が軽ければ掃除のみで済むことがありますが、専門業者に状態をみてもらった後に必要となる修理や調整、補修の具体的な内容が分かるという流れが一般的です。まずは掃除の相場と修理と補修の相場を見ていきましょう。
雨樋の掃除の相場はいくら?
雨樋の掃除を業者に依頼すると、およそ5千円~3万円の費用がかかります。業者が行う雨樋の掃除は、
- 樋の中に入り込んだ落ち葉やごみ、汚れなどを取り除く
- 高圧洗浄機で水を流し、縦樋の通りを良くする
といった内容になります。掃除だけであれば業者に依頼せずに自分でできそうと思いがちですが、高圧洗浄機などの道具を用いて的確に清掃してもらえるのがメリットです。また、万が一汚れが取れにくい場合は雨樋を分解することもあるので、基本的には業者に依頼するのが望ましいです。
汚れが軽いうちであれば業者に頼む場合でも費用を安く抑えることができるので、定期的にメンテナンスを依頼するのもひとつの方法です。
雨樋の修理や補修の相場はいくら?
雨樋の修理や補修にかかる費用相場は以下の通りです。
内容 | 費用相場 |
---|---|
雨樋の掃除 | 10,000~50,000円 |
交換・修理(1mあたり) | 4,000~6,000円 |
換・修理(1mあたり) | 4,000~6,000円 |
継ぎ手の補修(1カ所) | 5,000~20,000円 |
雨樋全体の交換 | 200,000~700,000円 |
あくまで目安ですが、相場を知っておけば見積もりを依頼する前の段階でもおおよその費用を把握しやすくなります。
雨樋の修理や補修が必要な状態とは?
雨樋が明らかに破損していれば補修が必要だと分かりますが、地上から見上げるだけでは分からない症状が出ていることがあります。具体的に内容を見ていきましょう。
- 落ち葉やゴミの詰まり
横方向に伸びる軒樋は雨水を受け止めるために上部が開いています。そこに落ち葉や鳥が運ぶ枝、飛んできたゴミなどが入り込むとつまりの原因になり、雨水がスムーズに流れなくなってしまいます。また、軒樋だけでなく集水器や縦樋に入り込んでしまうと発見しにくいので、専門業者にみてもらう必要があります。
- 金具の緩みによる雨樋のゆがみ
吊り金具の経年劣化により緩みが出ると雨樋の勾配が取れなくなり、雨水がスムーズに流れなくなることがあります。雨水が排水されずに軒樋にたまったままだと雨樋の劣化が早まるので注意が必要です。
- 破損
雨樋は屋外の環境に耐えられるつくりになっているものの、強い風や雨を直接受けると歪みが出たり割れてしまうことがあります。明かに破損している場合はもちろん、亀裂が入った場合は補修を検討するのが望ましいです。
- 経年劣化
住宅向けの雨樋に使用されることの多い塩ビ素材は、耐用年数がおよそ20~30年といわれています。現状で異常が見られない場合でも寿命が来ていることがあり、雨樋の交換目安はおよそ15~20年と考えられています。よって、トラブルが起きる前に新しい雨樋に取り替えておくと安心です。
雨樋修理の費用相場【全体交換】
雨樋の交換費用は雨樋の種類によっても異なります。次に全体交換の内容と交換をする時期の目安をみていきましょう。
交換すべき時期はいつ?
雨樋の交換時期の目安は15~20年です。前回の交換もしくは家を建ててから15~20年経っているのであれば、雨樋やつなぎ目、各部品に傷みが発生しやすくなります。
交換時期が近付いた頃に業者の点検を済ませておけば、今後のメンテナンスや交換の目安を把握することが可能。「交換時期の目安を知らずにトラブルが起き、早急に修理が必要になる」といったことを未然に防げます。
雨樋の種類で全体交換の費用相場は違う⁈
雨樋には「丸樋」と「角樋」があり、修理する場合の費用が異なります。両方の特徴と費用の違いをご紹介します。
- 丸樋
半円形の丸樋は築20年以上の住宅に採用されていることが多く、今もなおよく見られる雨樋の形状です。丸樋は角樋よりも1mあたり2,000~5,000円ほど費用が安くなります。
- 角樋
角樋は雨水が流れる場所が四角形で、流水量が多いので大雨にも対応しやすいのが特徴です。角樋は交換をする際に金具の撤去と交換の作業が発生するため、丸樋と比べると修理費用が高くなります。
全体交換工事の内容
雨樋を全体交換する場合に発生する作業を把握しておきましょう。
- 足場
雨樋が2m以上の高さにある場合は、足場を組んで作業する必要があります。修理する箇所が一部分のみといった場合は足場を組まないこともありますが、費用に含まれるのが一般的です。
- 高圧洗浄
雨樋に泥や落ち葉、ゴミなどが原因の詰まりが見られる場合は高圧洗浄機で洗い流します。
- 歪み調整
雨樋が歪んでいると水が流れにくくなります。雨樋の角度を正常な状態に調整します。
- 軒樋の交換
屋根から流れてきた雨を受け止める軒樋(のきどい)に不具合や劣化がある場合は交換します。
- 堅樋交換
堅樋(たてどい)は屋根から地面に流す役割をします。不具合や劣化がある場合は交換します。
- 集水器交換
集水器は横方向に伸びる軒樋と縦方向に伸びる堅樋を連結する部分のことです。不具合が見られた場合は交換します。
- 合わせ枡交換
堅樋を連結させるパーツを合わせ枡といいます。合わせ枡に不具合や劣化が見られるときは交換します。
- 役物交換
役物とは雨樋を固定する金具のことです。傷んでいる場合は交換します。
- 処分費
もともとついていた雨樋を回収したのち、処分してもらう費用です。工事をする中で出たごみの処理も含まれます。
安心して任せられる業者の選び方
雨樋の工事は主に板金屋(建築板金)が行います。大工や工務店が施工すると考えがちですが、雨樋の修理は専門業者に頼むことになります。頻繁に工事する場所ではないからこそ、安心して任せられる業者を選ぶ基準が知りたいですよね。次に依頼する際にチェックしたい項目をみていきましょう。
見積もり書に内訳が詳しい
安心できる業者を見つけたいのであれば、点検の丁寧さと見積もりが詳細に記載されているかという点に注目しましょう。
点検を丁寧にしてもらうことができれば、目視では確認できなかった異常を確認してもらう可能性が高まり、全てを調査したうえで見積もりを出してもらうことができます。
また、見積りに細かく項目とその金額が分かれているほど、依頼する側も把握しやすくなります。不明点が多い見積書を受け取った場合は、詳細を確認し、応えてもらえない場合は再検討したほうが良いです。
点検を丁寧にしてもらえないと後から追加項目が増え、予想していたよりも多くの費用が掛かるというケースも少なくありません。事前にしっかり確認してもらえばトラブルを未然に防ぐことができます。
雨樋の修理・交換を業者に依頼時の注意点
雨樋の修理を依頼する際は、以下の二つに注意してください。
- 修理・補修する場所を把握し、業者と一緒に確認する
- 業者の作業を確認し、水を実際に流して異常がないかチェックする
業者が雨樋の状態を見に来た際は、実際の作業を確認する方が良いです。万が一悪徳業者であった場合、まともに点検をしていないことがあるため、業者の目に入る距離にいることが抑止力になります。実際に水も流して業者と一緒に異常を確認しておきましょう。
お得に雨樋修理を依頼するコツ
雨樋を修理したいけれど費用をできるだけ抑えたいという方は、以下の二つをぜひ参考にしてください。正しい知識を持っておけば、大幅に費用を軽減できる可能性が高くなります。
コツ①火災保険を利用
住宅が対象の火災保険は、風や水、雪による被害が対象になるケースがほとんどです。そのため、台風や雪などで雨樋の修理が必要になった場合、火災保険を使うことができます。
ただし、雨樋の修理で火災保険を使う場合に気を付けたいことがあります。それは、雨樋の状態や依頼者の火災保険の内容をよく確認せずに、自己負担が一切かからないと契約をせまる悪徳業者がいるということです。
他にも「修理費用が高額で保険金でまかなえない」「火災保険が適用できないことが分かり、解約を申し出ると高額な違約金を請求された」といったトラブルも多く報告されているようです。
火災保険を使って雨樋を修理したいのであれば、しっかり雨樋の状態を確認し、火災保険の内容を照らし合わせた見積もりを出してもらえる優良業者を選ぶことが大切です。少なくとも、ポストに入ったチラシで即決するということがないように、業者の会社情報や評判をリサーチしてから見積もり等の依頼をしましょう。
コツ②塗装工事と一緒に修理
外壁の塗り替えも検討しているのであれば、雨樋の修理と同時に行うのがおすすめです。塗装工事で使用する足場を雨樋修理でも使うことができるので、足場代を一度支払うだけで済みます。
リフォーム会社では塗装工事と雨樋工事の両方を取り扱っていることがほとんどです。「雨樋と外壁のどちらも近いうちに補修が必要な状態なのに、知らずに時期をずらして損をした」ということがないように、賢く依頼するようにしましょう。
費用相場を知り信頼のある業者を選ぼう!
雨樋の修理や補修が必要になる基準や修理の内容、費用相場についてご紹介しました。症状が軽ければ掃除のみで済むこともありますが、外部からの衝撃を受けると修理や交換が必要になります。また、交換の目安である15~20年に近づいてきたら、不具合がない場合でも全体交換を検討しましょう。
なお、雨樋の修理に限らず、ずさんな工事をする悪徳業者も存在します。本記事では安心できる業者に依頼するコツやできるだけお得に修理をする方法、その注意点にも触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。