記事作成日:

断熱材の基礎知識!種類別の特徴からおすすめ断熱材まで徹底紹介!

当サイトの記事には広告、アフィリエイトが含まれています。

快適な住まいを実現させるために使用する断熱材にはとても重要な役割があります。そのため、住宅建築の際など断熱材の種類や特徴について知識を得ておくと安心です。そこで今回は、断熱材の基礎知識をはじめ、どのような種類があるか、またそれぞれの断熱材が持つ特徴を徹底解説していきます。

断熱材とは?

断熱材は、熱を移動させる、あるいは伝達させることを防ぎ、生活する上でも快適性を持たせるために、主に建築用として用いられる資材のことを指します。そのため、住宅建築をはじめ様々な建築を行う際に利用されています。

断熱材の役割と重要性

断熱材には、私たちが快適な生活を送る上で必要不可欠なものです。それは、寒さや暑さに耐えうる性能を持っているからです。

断熱材は、夏になると太陽の熱を緩和させ、室内を涼しく快適な常置に保ってくれます。また、冬になると冷気が室内に入り込むことを防ぐ役割を果たしてくれます。

このように、夏と冬にそれぞれ活躍してくれることで、結果的に冷暖房器具をフル稼働しなくても快適な暮らしを実現させることができます。つまり、必然的に光熱費の削減にもつながり、断熱材にはとても需要な役割があることが分かります。

断熱材の選び方

ここからは、豊富に揃う断熱材の中から快適な暮らしを実現させるために使用する断熱材について、どのような種類を選ぶべきか、そのポイントとなる選び方について確認していきましょう。

熱伝導率で選ぶ

夏の暑さや冬の寒さを常に一定の状態に保ち、快適な暮らしを実現させるためにも、断熱材が持つ熱伝導性をしっかりとリサーチすることが大切です。熱伝導性については、その数値が低い場合は伝導性が低く、高い場合は伝導性が高くなるなど、それぞれの製品によっても異なります。

特に発砲プラスチック系の断熱材を使用する際は、約0.022W/mkと熱伝導率が低いことが分かります。その他、天然繊維系となるセルロースファイバーは0.040W/mkとなります。

つまり、繊維系よりもプラスチック系になる方が断熱性は高くなることが分かります。そのため、断熱材使用の際は、製品情報に詳しい業者と相談の上、最適なものを決めるようにしましょう。

不燃性や耐熱性で選ぶ

断熱材は不燃性や耐熱性のある材質のものを選ぶようにしましょう。これは、万一の火災の時に燃え広がってしまうことを防ぐためです。

この時、発砲ウレタンは燃えやすいだけではなく、燃えた時に有毒ガスの発生につながるため、人体に害が及ばないセルロースファイバーの材質がおすすめです。

セルロースファイバーはとても燃えにくい素材のため、火災時の燃え広がりを防ぐ効果を発揮します。

耐水性で選ぶ

断熱材は、水や湿気に強い材質であることも重要です。これは、雨の日や湿度の高い日に、断熱材に吸水してしまうと断熱効果が低下してしまうことがあるためです。特にグラスウールは湿気に弱く、使用の際は防湿施工を施し、繊維の間に水蒸気が入り込まない設計とすることが大切です。また、結露にも弱く、防湿シートなどを活用して耐水性能を高めた設計をおすすめします。

反対に、プラスチックを原料とする発泡プラスチック系の断熱材は、水や湿気に強く、耐水性能が優れています。その他、木質繊維系は湿度を調節する性能があるため、断熱効果が高くおすすめです。

また、ウレタンフォームは水分を含んだとしても、しっかりと乾燥させることで断熱性能を取り戻すことができるため、有効に利用できると言えるでしょう。

断熱材の種類別メリット・デメリット

私たちが建築で使用する「断熱材」には様々な種類がありますが、主に「無機繊維系」「木質繊維系」「天然素材系」「発泡プラスチック系」の4つに分けられます。それぞれの断熱材にはいったいどのような特徴があるか、また、種類別にどんなメリットやデメリットがあるかひとつずつ確認していきましょう。

無機繊維系断熱材のメリット・デメリット

繊維と繊維が絡み合うことで空気の層ができ、そこに熱を溜め込むことができる素材が「無機繊維系」です。「グラスウール」と「ロックウール」があり、以下に各それぞれが持つ特徴やメリット、デメリットをみてみましょう。

【グラスウールの特徴】

鉱物をより細く細分化し、加工することで繊維状にしている

・メリット

熱に強く、音を吸収する効果がある

・デメリット

高い湿度の環境下では断熱機能が著しく低下する傾向

【ロックウールの特徴】

玄武岩を原料にして断熱材として加工している

・メリット

不燃性&耐熱性&撥水性に優れている

・デメリット

撥水性は高いが、湿気を含むと断熱性能が低下し、さらに皮膚に触れることでかゆみが生じる

木質繊維系断熱材のメリット・デメリット

自然の素材を採用して作られる断熱材の「木質繊維系」の中で代表的なセルロースファイバーについて、その特徴やメリット、デメリットをみていきましょう。

【セルロースファイバーの特徴】

自然素材となる天然木質系原料を採用し、それを綿状にして作られる断熱材

防虫性能が高く燃えにくい性質を持っている

・メリット

高気密性に優れ、湿気を溜め込むことなく防音効果が高い

・デメリット

性能が高い断熱材のため高額に設定されているものが多い

天然素材系断熱材のメリット・デメリット

自然素材を用いて作られる「天然素材系」の断熱材は、「ウールブレス」と呼ばれる羊毛を主に原料とするもの、そして、コルクを原料に作る「炭化コルク」があります。それぞれが持つ特徴やメリット、デメリットを確認してみましょう。

【ウールブレスの特徴】

羊毛を原料とし、永久的に近い防虫加工を行った断熱材で、長期的に使用することができる

・メリット

高調湿力と高断熱性、高気密性を持ち、高い断熱効果と耐久性を発揮する

・デメリット

原料が異なり、高い機能性を有するため高額

【炭化コルクの特徴】

主にコルクを原料として使用し、それを炭化させ加工して作っている

・メリット

コルクには空気穴があり、素材に空気を含むことができる分、音を吸収し断熱性能も高い

・デメリット

住む環境に順応した素材を採用しているが高額傾向にある

発泡プラスチック系断熱材のメリット・デメリット

とても断熱効果が高い「発泡プラスチック系」は、湿度の高い地域で使用する場合でも耐久力を持ち、さらに施工が容易であるという特徴を持っています。

発泡プラスチック系は、本体を軽量に作ることができる「ビーズ法ポリスチレンフォーム」やプラスチックを原料とした「押出法ポリスチレンフォーム」があります。さらに、ポリウレタンを原料にする「硬質ウレタンフォーム」やフェノール樹脂を採用する「フェノールフォーム」があります。それぞれの特徴やメリット、デメリットをみてみましょう。

【ビーズ法ポリスチレンフォームの特徴】

本体が軽く、手軽に加工しやすい上、耐吸水性があるため、結露防止の効果を期待することができる

・メリット

価格が安価で利用できる

・デメリット

他の断熱材よりは本体価格が割高かつ断熱効果は期待できない

【押出法ポリスチレンフォームの特徴】

プラスチックの小さい粒を集めて薄い板に仕上げた断熱材のため、断熱性が高くおすすめ

・メリット

耐防水性に優れ、加工が簡単にできる

・デメリット

耐熱性能が低い

【硬質ウレタンフォームの特徴】

ポリウレタン樹脂を原料とし、そこに発泡剤を加え加工した断熱材

・メリット

熱伝導性に優れ、高い断熱効果がある

・デメリット

燃焼した際に有毒ガス発生につながる恐れがあり、また、素材が高価である

【フェノールフォームの特徴】

主な原料をフェノール樹脂とし、発泡剤を入れて加工した断熱材

・メリット

熱伝導率が低く、耐久力がある

・デメリット

高額になる傾向にある

おすすめの断熱材とメーカーをご紹介

続いては、おすすめのメーカーとそれこで扱っている断熱材をご紹介します。数ある断熱材の中から、特におすすめしたい製品をピックアップしました。様々な場所で利用されることの多い、それらの断熱材の特徴をひとつずつ確認していきましょう。

①旭ファイバーグラス「アクリア」シリーズ

高性能&高機能なグラスウールを採用する旭ファイバーの「アクリア」シリーズは、繊維の形状をより細かく、そして高密度化しているため断熱効果が高い製品です。さらに、安全な原料だけを使用し、環境に配慮して作られた断熱材です。

②旭ファイバー「マットエース」

コスパに優れ、高い断熱効果を発揮するグラスウールが人気の旭ファイバーの「マットエース」は、根強い人気を誇る製品として知られています。高断熱性と防湿性に優れた高気密性能を発揮する断熱材としておすすめです。

③コスモプロジェクト「サーモウール」

身体に無害な原料を使用し、夏を涼しく快適な住環境に、また、冬は高調湿機能が働き、温かく住みやすい空気感を保つことができるコスモプロジェクト「サーモウール」は、ホルムアルデヒドを除去する効果を発揮する断熱材として使用されています。

④東亜コルク「コルダン」

断熱性、調湿性、吸音性が高く、ダニの発生を予防する防ダニ効果のある東亜コルクから販売されている「コルダン」は、他の断熱材よりもはるかに高い断熱力を持つ素材で作られています。

壁や床、天井などに採用される断熱材として、多くの住宅建築に採用されており、結露の予防効果も高く、省エネ効果を発揮する断熱材としておすすめです。

⑤日本アクア「アクアフォーム」シリーズ

高気密性に優れ、高単熱性を誇る日本アクアが提供する「アクアフォーム」シリーズは、光熱費を大幅削減することができる断熱材としておすすめです。発泡性が高く、隙間なく密着した施工が可能な断熱材です。

⑥JSP「ミラフォーム」

防水性能が高く、また、断熱性、そして防露性に高い効果を発揮するJSP「ミラフォーム」は、熱伝導率が低いため、優れた省エネ効果を発揮してくれます。万一の火災の際でも、自己消化性を持つ断熱材のため、燃え広がりを防ぐことができます。

⑦旭化成建材「ネオマフォーム」

旭化成建材「ネオマフォーム」は、フェノール樹脂を原料にし、その中に硬化剤、または発泡剤を加えることで耐熱性を高め、安全に使用できるおすすめの断熱材です。熱伝導率が低く、高断熱性を維持することができるため、長期間使用できる耐久性を持っています。

そ住宅建築にも多く採用されており、燃えにくい性質を持っている上、有毒ガス発生の不安なく使用することができます。

⑧ABC商会「2液タイプ発砲ウレタンフォームインサルパック」

ABC商会が取り扱う「2液タイプ発砲ウレタンフォームインサルパック」は、硬化スピードが速く、作業効率の高い断熱素材として、窓やサッシ周囲、天井、壁、床にも採用される断熱材です。施工作業を容易に行うことができるとして業務用として使用されています。

断熱材の施工の際に注意すべきポイント

様々な種類がある断熱材ですが、これらの断熱材を活用して施工を行う際は、いくつか注意するポイントがあります。どのような点に注意しなければならないか、以下に3点まとめてみました。

【注意点①】住む地域や環境に合った断熱材を使用する

断熱材を導入した住宅を建築する方が大半ですが、その際、季節に合わせた高性能な断熱機能を持つ断熱材の使用がおすすめです。これは、住む環境に合わない断熱材を使用しても、快適性が損なわれる可能性が高くなるためです。

そのため、自身がどのような環境下で生活するかによって、その環境に見合う断熱材を使用しましょう。その際は、豊富な断熱材を取り扱い、施工を行う専門業者に相談されることをおすすめします。

【注意点②】断熱材の素材に注意して選ぶ

これから断熱材を使用し、施工を行う際は、断熱材の種類によっては吸湿性が低く、耐久性のない製品もあるため、素材感についてはしっかりとリサーチする必要があります。

中には乾燥することで元通りの機能を発揮する断熱材もあるため、それを使用すれば特に問題ありません。しかし、すべての断熱材がそのような素材とは言い切れません。

結露がひどくなる地域に住む方は、そもそも結露防止のための機能が備わった断熱材を使用することが必須です。このように、お住まいの地域や構造に合う種類の断熱材を選び、施工することが大切です。

【注意点③】断熱材そのものの性能に注目する

性能の良い断熱材はたくさんあります。しかし、断熱材であればどんなものでも良いとは言えず、使用する環境に応じた最適なものを使用することが必須です。

より高性能な力を引き出すことができるよう、断熱材そのものの性能に注目するようにしましょう。断熱材が気密性に優れたものであるか、また、湿気を調節することができるか、さらに熱伝導性の良い素材であるかをしっかりと確認しておくことが大切です。

断熱材はそれぞれの特徴を知って賢く選ぼう!

断熱材の基礎知識をはじめ、断熱材にはどのような種類があるか、またそれぞれの断熱材が持つ特徴を徹底解説しました。

断熱材は住宅を建築する際、また、店舗等の施工の際、さらにリフォームを行う際などに幅広く使用されるものです。その素材には様々なものが採用され、もとの原料も異なりますが、それぞれに特性を持っています。

様々な特徴を持つ断熱材を効果的に使用することで、より快適な暮らしや環境下で過ごすことができます。数ある断熱材の特徴や特性を理解し、お住まいの地域や環境に合った断熱材を使用して、毎日快適に過ごしていきましょう。

その他の関連記事はこちらから

※記事の掲載内容は執筆当時のものです。