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漆喰(しっくい)を使った呼吸する壁とは?漆喰の基礎知識を徹底解説!

調湿作用により「呼吸する壁」として知られる漆喰(しっくい)。一般的なクロスと比較するとコストがかかる一方で、メンテナンスがほとんど必要ないメリットがあります。しかし、最近では素人でも手軽に扱える商品があるため、DIYで漆喰壁に挑戦する方が増えています。そこで本記事では、漆喰の基礎知識と漆喰の選び方、塗り方のポイントを解説していきます。

漆喰(しっくい)とは

漆喰とは、消石灰(水酸化カルシウム)が主原料の塗り壁材のことです。消石灰は生石灰を焼いて水を合わせたもので、消石灰を割れにくくするために海藻のりや麻すさといったつなぎと水を混ぜて漆喰がつくられます。

屋内外の壁に使用される漆喰のほとんどは自然素材でつくられており、住環境に良い影響をもたらす性質を備えています。漆喰のことは知っているけれど、どのような性質を持っているのか理解していないという方は、漆喰の性質や特徴を知ることから始めましょう。

漆喰の原料と「呼吸する壁」

漆喰の壁は、、空間の二酸化炭素を吸収し、長い年月をかけて消石灰から石灰石へと戻す性質を持ちます。このように、ゆっくりと呼吸をすることでお部屋を快適にしてくれます。

漆喰の壁が呼吸することで調湿効果をもたらし、お部屋の乾燥や湿度が高い状態を和らげることができます。カビの発生や結露、暖房による過度な乾燥などを防ぐことにつながります。

西洋の漆喰と日本の漆喰

漆喰は、日本だけではなく世界でも使われている建築材料です。しかし、各国の気候や住宅様式によって配合されている材料が異なります。それぞれの特徴をみていきましょう。

【西洋の漆喰】

西洋の漆喰は消石灰と砂を水を加えて混ぜ、練り上げたものです。古くは古代メソポタミア、古代ギリシャ、古代ローマの遺跡に消石灰が主成分の建築材料が使われていたことが分かっており、「西洋漆喰」と呼ばれています。

【日本の漆喰】

日本の漆喰は消石灰にすさや骨材、海藻のりなどを混ぜて練り上げたものです。内外壁の材料として、古くは寺社や城郭、商家、土蔵、民家などに広く使われてきました。「和漆喰」とも呼ばれており、時代とともに様々な種類の漆喰が普及しています。

主な和漆喰の種類

和漆器には複数の種類があり、原材料や性質が異なります。この項目では、和漆喰に分類されている漆喰の特徴をご紹介します。

種類①本漆喰

本漆喰は旧来から漆喰とされてきたもので、昔ながらの製法で作られているのが特徴です。塩焼きした消石灰に粉末海藻や麻すさを混ぜて作られています。本漆喰の壁は濁りのない白色でツルツルとした表面に仕上げることができます。

種類②土佐漆喰

土佐漆喰は塩焼きした消石灰に3か月以上の期間発酵させた藁(わら)を混ぜて作られています。とても丈夫なので壁はもちろん、かまどを作る材料としても用いられてきました。はじめは少し黄色っぽい色をしていますが、紫外線に当たると白色に変化する性質を持っています。

種類③既調合漆喰

既調合漆喰は、従来の作り方に独自の材料を混ぜて作られている漆喰製品です。粉末にした海藻のりや炭酸カルシウムなどが配合されており、中には合成樹脂や化学繊維などが配合されていることもあります。

調合漆喰には粉末と練り置き済みの両方のタイプがあり、自然由来の成分にこだわりたい場合は、配合されている原材料をしっかりと確認する必要があります。

種類④琉球漆喰

ムチ漆喰は沖縄県の伝統的な漆喰で、主に赤瓦屋根の瓦止めとして用いられています。石灰と水、藁を練り合わせて作られており、昔は珊瑚を焼いて作る生石灰が使われていました。

ムチ漆喰はという名前は、結婚式などのお祝い事の際に食べるムーチーというお餅の触感や色味に似ていることが由来となっています。

種類⑤漆喰関連製品

海外製の消石灰から作られ、漆喰風の外壁に仕上げることができる外壁材を指します。粉タイプはもちろん、ペール缶に入ったタイプなど手軽に扱える商品が多いので、DIYに挑戦したい方におすすめです。

ただし、商品名に「漆喰」と書いてあっても、消石灰が入っていない商品もあるので、よく確認して購入することをおすすめします。

シックハウス症候群対策になる漆喰

漆喰は自然素材を原料に作られている壁材で、ホルムアルデヒドを吸着・分解する働きを持つのが特徴です。そのため、シックハウス症候群になる心配が低いと言われています。

シックハウス症候群は、一般的な住宅に使われているビニールクロスや接着剤、塗料、防カビ材などに含まれる化学物質が原因となり、頭痛や倦怠感、めまいなどの体の不調を引き起こします。

シックハウス症候群のリスクを知っている方であるほど、無垢材や漆喰などの安全な建築材料を取り入れた「体に優しい家づくり」にこだわるというケースが多いです。化学物質は目に見えないものだからこそ、自然素材でできている壁材の使用が望ましいと言えます。

耐火性に優れている漆喰壁

漆喰は不燃材料であるため、万が一火事になった場合でも火が燃え広がりにくいです。それだけではなく、自然素材で作られている漆喰は壁面に火が触れても有毒ガスが出にくいため、避難する際に煙を吸い込んだ場合のリスクを下げることができます。

対して化学繊維で作られているビニールクロスは燃えると有毒ガスが発生する可能性が高いので、火事が起きた時の危険性も増してしまいます。火事で生じるリスクを回避するという目的においても、漆喰は最適な壁材と言えるでしょう。

話題の漆喰DIYをご紹介!

家の壁を自分で塗ることができれば、コストカットができるうえ愛着がわくものです。最近では漆喰についての知識や技術を持っていない場合でも簡単に扱える商品が販売されています。この項目では、家の壁を漆喰にするメリットやDIYをする際のポイントを見ていきましょう。

漆喰DIYを可能にする漆喰塗料

自宅の壁を漆喰壁にしたいと思っても、それ相応の知識や技術が必要だし、万が一失敗して見た目が悪くなったらどうしよう・・と思ってしまう方は多いはずです。

しかし、最近は素人でも無理なく扱える漆喰塗料が販売されており、漆喰DIYが手軽に出来るようになっています。職人の方に依頼するのも良いですが、DIYに興味がる方やコストを抑えたい方は、DIY向けの商品をチェックしてみてください。

漆喰塗料はウイルス対策で注目されている

関西ペイント株式会社と長崎大学の感染症共同研究拠点・安田次郎教授は、関西ペイントが特許を持つ漆喰塗料と新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の不活化実証試験を行いました。その結果、5分間の接触で99.9パーセント以上の不活化効果が確認されています。

あくまで実験室においての実証となりますが、漆喰は汎用性が高いため、一般的な住宅だけではなく医療や介護施設、公共施設、店舗などの衛生環境の向上が期待できると言えます。

漆喰塗料の選び方

市販の漆喰塗料には、「練りタイプ」と「粉タイプ」があります。練り漆喰はすでに塗るだけに調合されているので、下準備をする必要がありません。手軽に扱える商品を探している方には練りタイプがおすすめです。

対して粉タイプの漆喰は、水やのりなどと合わせて高速撹拌機で混ぜる工程が必要になります。漆喰に関する知識や技術を持ち合わせていれば問題ありませんが、初心者にとっては難易度が高いと言えます。

タイプの違いはもちろん、本漆喰や土佐漆喰、既調合漆喰など様々な種類がありますので、施工のしやすさや理想の仕上がりなどに照らし合わせて選びましょう。

漆喰の塗り方を動画で見てみよう

次に、漆喰の塗り方を動画で見ていきましょう。DIY初心者の方は、準備すべき物や塗り方の手順を確認しておくとスムーズです。

動画では準備する物のほか、漆喰材を塗るときの角度や二度塗りのポイントが説明されています。失敗を防ぐためにも、事前に要点を把握しておくことをおすすめします。

漆喰の効果を見直そう

今回は、漆喰の特徴や効果をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。自宅の壁を漆喰にすることで調湿効果や抗菌効果が期待でき、シックハウス症候群になるリスクを下げることができます。

市販の漆喰には粉タイプとすでに調合されているタイプがあり、自然素材のみで作られた安心・安全な漆喰がある一方で、樹脂などが配合された漆喰や、そもそも消石灰が入っていない「漆喰調」の商品もあるので原材料は必ずチェックしましょう。

また、漆喰についての知識がなくても扱えるDIY向けの商品も多く販売されています。質感や色味のバリエーションが豊富なので、空間をおしゃれにしてくれるのもメリットです。今現在、壁の補修やリフォームを検討している方や、安心して過ごせる体に優しい家づくりをしたい方は、漆喰壁を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。