漆喰と珪藻土って何?壁材のおすすめを徹底紹介!

近年DIYでリフォームやリノベーションを行う方が増えていますが、そのなかでもハードルが高そう、と思われていたのが塗り壁です。難易度の高そうな塗り壁ですが、実はコツさえ掴めばひとりでもできるようになります。塗り壁に使われる壁材は主に漆喰と珪藻土ですが、意外と知らないのがこの2つの違いです。こちらの記事では漆喰と珪藻土の違いや特徴、DIY方法などを紹介します。

漆喰の壁とは

漆喰の読み方は「しっくい」で、原材料となる石灰の唐音からきています。漆喰の壁とは消石灰・水酸化カルシウムを主成分とした壁で、消石灰に発酵させたワラやスサ(麻)などの繊維材や、海藻から採取した糊を加えて練り上げたものが日本の漆喰です。

主成分の消石灰は塩を加えて窯で焼いた石灰岩に水を加えたものであり、石灰石はサンゴ礁がルーツになっています。漆喰は製造するメーカーによって成分が異なり、天然の海藻糊を使うメーカーがあれば化学合成接着剤を使っているメーカーもあります。また、漆喰の原料は時代や地域により多少異なりますが、主に消石灰や繊維材を含む有機物を混ぜるのが基本です。

漆喰の壁のメリット

古くから建築に用いられてきた漆喰はさまざまなメリットがあり、漆喰を壁材として利用するにふさわしいメリットをチェックしてみましょう。

  • 経年劣化しにくい:漆喰の壁は化学合成接着剤を使用していない無添加であれば安全性が高く、経年劣化を防ぐことができます。さらにホコリが付きにくいのできれいな状態を長く保てます。
  • 建築様式を選ばない:和風建築のイメージが強い漆喰の壁ですが、デザイン次第では洋風壁にもマッチするようになっているので、家のタイプを問わず利用できるメリットもあります。
  • 優れた調湿作用:漆喰壁は細かい多孔質のため吸湿性や放湿性に優れ、ビニールクロス壁よりも湿気を吸い込んでくれるので快適に生活できるようになります。
  • 消臭殺菌効果:強アルカリ性の漆喰は殺菌作用があり、ニオイの元となる雑菌やウイルスを除去する効果があり、カビ臭やペット臭などの生活臭も取り除いてくれるので空気をきれいにしてくれます。強アルカリ性の漆喰はしっかりと乾燥・硬化されたものは触れても人体に影響はないので安心してください。
  • 優れた耐火性と耐久性:消石灰を原材料とする漆喰は防火性に優れ、建築基準法でも不燃材料として認定され、耐火性能のある壁材です。耐火性だけでなく耐久性にが高い漆喰は、その優れた性能から昔はお城の外壁などにも使用されていました。さらに調湿作用があるので結露対策による耐久性も上がります。

漆喰の壁のデメリット

壁材としてメリットが多い漆喰ですが、もちろんデメリットもあるのでしっかりと把握しておきましょう。

  • ひび割れに注意:漆喰は時間の経過とともに硬化する性質があるので、強い揺れや気温変化、季節や天候によってひび割れてしまうこともあります。漆喰の原材料となる消石灰は水分を吸収、乾燥時には水分を放出することにも関係し、特に外壁に漆喰を使うときは急激な乾燥や温度変化によるひび割れが多くなります。
  • 手間がかかる:ビニールクロスであれば貼るだけの簡単作業ですが、漆喰の壁は塗って押さえて乾燥させるなどの作業工程が多く、手間と時間がかかります。
  • 費用がかかる:漆喰の壁は専門業者に依頼すれば手間がかかるぶん施工費が高くなるのはもちろん、使われている原材料費も割高なのでビニールクロスと比較してもかなり費用がかかってしまいます。これが漆喰壁の一番のデメリットかもしれませんので、少しでも費用を抑えるためにDIYで漆喰壁に挑戦するのもいいでしょう。
  • 汚れが目立ちやすい:漆喰の壁は白を基調としているので、どうしても汚れが目立ってしまいます。撥水性が低い漆喰はコーヒーなどの色が濃い液体を飛ばしてしまうと浸透し、シミの原因となります。さらにスイッチ周辺はよく触れる場所なので手垢で黒くなることもあります。しかしあまり広範囲でなく小さな箇所であればカッターや紙ヤスリで削ったり消しゴムを使うことで修復可能です。
  • 施工後に匂いがする:漆喰の壁は塗ってから1~2週間は原材料である自然素材の匂いが残ってしまいます。この匂いは時間経過とともになくなるので、あまり気になるデメリットではありません。

珪藻土の壁とは

珪藻土は「けいそうど」と読み、最近ではバスマットやキッチンでの水切り用として利用されているもので、藻の一種である珪藻(けいそう)が積み重なり化石化した堆積物です。

ダイアトマイトとも呼ばれる珪藻土は海や湖泥に沈殿した珪藻の死骸が分解されて殻だけが残った状態となり、化石となった珪藻が岩石になったもので、鉱物の一種でもあります。

細かな小さい穴があいているため体積は小さく、ろ過助剤としても利用されています。耐火性や断熱性に優れているだけでなく高い保湿性や吸湿性もあるので壁土材にも使いやすく、施工のしやすさから近年DIY建材としても注目を集めています。

珪藻土の壁のメリット

リフォームやリメイクで自然素材の関心が高まるなかで、漆喰壁同様に、珪藻土の壁を選ぶ方も少なくありません。珪藻土の壁にするメリットはどこにあるのでしょうか。

  • 優れた調湿作用:珪藻土にある細かい無数の孔は湿度の状況によって水分を吸収放出する効果があり、呼吸する壁と呼ばれているため、自然のサーモスタットとして調湿してくれる作用があります。この効果は漆喰壁にもありますが、珪藻土の壁のほうが調湿作用に優れているので、特に湿気の多い水回りの壁材にも使われています。
  • 高い断熱性:無数の孔を持つ珪藻土の壁は空気を多く含み、空気の層を作ることで熱伝導率が低く、断熱性に優れています。断熱性に優れた珪藻土を使うことで冷暖房設備が効率よく使用でき、省エネにも一役買うことができます。
  • 耐火性能:純粋な珪藻土は不燃性の鉱物と同じものであり、空気の層によって熱を伝えにくくするため耐火性能に優れています。珪藻土の壁はバーナーを使っても火や煙が出ず、多少焦げ付いた匂いがする程度で、万が一火災が起こっても延焼しにくい壁材になっています。そのため七輪やコンロ、耐熱レンガなどにも利用されています。
  • 脱臭作用:珪藻土の壁はペットやタバコなどの生活臭を吸着させるため、脱臭作用が働き、消臭効果をもたらしてくれます。呼吸する壁と言われる珪藻土は生活するうえで発生するさまざまな匂いを、湿気を吸い込むと同時に匂いまで吸い取ってくれます。また、シックハウス症候群の原因であるホルムアルデヒドを吸着して分解するため、健康被害対策にもおすすめです。

珪藻土の壁のデメリット

漆喰の壁同様に珪藻土の壁にもデメリットはありますが、このデメリットをカバーできる施工方法もあるので、DIYするときの参考にしてみてください。

  • 壁材がポロポロする:珪藻土の壁はよくポロポロと剥がれ落ちるデメリットがあると言われています。ざらついた質感で服が触れると粉が付く場合もあります。このざらついた質感が味わいのある壁としての良さでもありますが、逆にデメリットになってしまいます。壁材が落ちるのを防ぐためには質感の違う珪藻土を使ったり、混ぜ合わせる固化材を選ぶことで解決できます。
  • カビが発生する:珪藻土の壁は調湿効果がありますが、吸い込む限度を超えてしまい、さらに室内の湿度が上がり続ければカビが発生してしまいます。カビの発生を防ぐには定期的に換気を行い、カビの原因となる汚れやホコリを落とすようにしましょう。これだけでもカビが発生するデメリットを減少させることができます。
  • つなぎとなる固化材に左右されやすい:珪藻土はそれ自体に接着能力がなく、壁材にするには必ずつなぎ用の固化材となるものが必要になります。固化材には自然素材のものや合成樹脂などの接着剤を混ぜますが、この固化材の配分によっては珪藻土のメリットである調湿作用や脱臭作用が軽減される場合もあり、粗悪な壁材のなかには珪藻土が数%しか含まれていないものも存在します。珪藻土の含有率が少なければデメリットが失われ、多すぎるとカビが発生しやすくなるので注意しましょう。

漆喰と珪藻土の壁の違いのまとめ

漆喰と珪藻土の壁はどちらも調湿作用や優れた消臭・脱臭効果、高い耐火性など、壁材としてさまざまなメリットをもたらしてくれます。このふたつの違いは主原料であり、接着能力の有無になります。漆喰には繊維材や海藻糊を混ぜ合わせているので徐々に固まることができますが、珪藻土は固化材を混ぜなければ固まることはなく、剥がれ落ちてしまいます。

また、漆喰は外壁や水回りでも使える耐水性がありますが、珪藻土は水に弱いので内壁のみになります。どちらが壁材として良いのかは使用する場所や立地条件、さらには家庭環境や家族構成などによって異なるので、どちらか一方が優れている、というのは一概に言えません。

漆喰壁のDIY方法

上記のメリットやデメリットを踏まえ、漆喰壁のDIY方法を紹介します。事前にどの部屋に漆喰壁を塗るのか、壁の面積などしっかりと下準備を行うようにしましょう。

まずは漆喰の種類を知ろう

DIYで漆喰壁を塗るなら、まずは漆喰の種類を知っておきましょう。漆喰の壁材には自分で水を寝る混ぜるタイプや、購入してそのまま塗ることができるタイプがあります。練りタイプは調合などの手間を省くことができ、簡単に扱えます。粉漆喰は水や糊などを調合して混ぜる必要があり、ある程度のスキルを必要とします。

種類も複数あり、本漆喰は古くから城壁や蔵の壁に使われ、土佐漆喰は湿度の高い地方に適した漆喰です。海外製の漆喰は塗り壁のコテ跡にデザイン性を出せるハンドメイド感覚で使えるようになっています。

水以外の素材が調合された既調合タイプの漆喰もあり、こちらは粉末や練り込みの両方が販売され、左官のプロから一般の方まで幅広く使われる漆喰です。漆喰は白のイメージがありますが、着色されたタイプもあるので好みで選ぶといいでしょう。

DIY漆喰壁の事前準備

DIYで漆喰壁を塗るにはある程度の事前準備を行い、失敗やアクシデントを防ぐようにしましょう。施工壁付近の家具は作業しやすいように別の場所に動かし、柱部分やコンセントに漆喰がつかないように養生しましょう。床を汚さないために、床部分にもブルーシートやビニールシートなどを敷くといいでしょう。

壁が汚れている場合やコンクリート壁、モルタル、砂壁、ベニヤ板に塗るときは下地材であるシーラーを塗って乾燥させておきます。つなぎ目や凹凸がある箇所はパテ埋めして平らにしておきましょう。

DIY漆喰壁の工程

  1. まずは1~2mmほどの厚みで壁全体に漆喰を乗せていきます。コテの進行方向側を1cm程度浮かせて、外側から内側に向かって広げ、全体が均一になるように漆喰を足したり伸ばしたりします。
  2. 壁全体に漆喰が乗ったら表面を整えますが、乾いて作業しにくい場合は霧吹きで水分を与えます。漆喰が半乾きになったらひび割れを防ぐために2度塗りをします。
  3. 漆喰が半乾きの状態でデザインをつけますが、コテで半円を描いたり刷毛やスポンジでデザインすればいいでしょう。
  4. あとは風通しを良くして丸一日は乾かすようにしましょう。養生テープは漆喰が完全に乾燥する前に剥がさないと漆喰が崩れるので注意してください。あとはしっかり乾いたら完成です。

こちらの動画では練り混ぜ不要の漆喰を使った塗り方を紹介しています。作業する際の参考にしてみてください。

DIY漆喰壁にかかる費用

DIY漆喰壁にかかる費用は壁材の漆喰に施工費用がかかります。漆喰の種類や施工面積、下地材の有無によって費用が異なり、専門業者に依頼する場合は設定価格によっても違いがありますが、1㎡あたり3000~4000円前後が目安で、10万円前後になることがほとんどです。

自分で漆喰壁を塗る場合は施工費を節約できるので多少ローコストに抑えることができます。

珪藻土壁のDIY方法

珪藻土の壁はセルフリフォームに人気の壁材で、漆喰壁よりも施工しやすく、初心者やDIYが得意でない方にもおすすめできます。

DIY珪藻土壁の事前準備

DIY珪藻土壁も漆喰同様に事前準備が必要になります。柱やコンセント、床部分を養生しますが、珪藻土の厚みを考慮して壁から2mm程度離して養生テープを貼るようにします。

珪藻土にはシーラーなどの下処理が要らないタイプもあるので、必要に応じて壁全体にシーラーを塗ってしっかり乾燥させておきます。

DIY珪藻土壁の工程

引用:Amazon

  1. DIY珪藻土壁の工程では、まず最初に珪藻土と水を練り合わせます。練りが必要ないものはそのまま塗る工程に進んでOKです。練るときは珪藻土に適した水分量を少しずつ加え、ヘラなどで練っていきます。ダマがなくなるようにしっかり練り、全体に水分が馴染むように3分ほど放置します。このとき珪藻土が乾燥しないようにビニールシートなどをかぶせておきましょう。
  2. 次に珪藻土を塗っていきますが、コテの進行方向を少し浮かせて厚みを調整しながら塗ります。手袋をした状態で手で塗りつけてからコテで伸ばしてもOKです。端や角の塗り忘れがないように気をつけてください。
  3. 模様をつけるなら1度目は厚さ2mm程度の薄さに塗ってから、乾燥する目に2度目の塗りで模様を描きながら珪藻土を塗っていきます。コテなどを使うだけでなく、粘土に絵を描くような感覚で指や棒を使うのもおすすめです。
  4. 半乾きで養生を剥がし、2~3日は完全に乾燥するまでものが触れないようにして乾けば完成です。風通しを良くしたり扇風機の風をあてると乾きやすくなります。

こちらの動画でDIY珪藻土壁の事前準備や工程を確認することができるので、参考にしてみてください。

DIY珪藻土壁にかかる費用

珪藻土の壁を専門業者に依頼すると1㎡あたり3000~6000円程度かかりますが、DIYの場合は珪藻土のタイプによって相場が異なるものの約900~2000円程度に抑えることができます。リフォーム業者に依頼すると10万円ほどかかる費用も、DIYなら4万円ほどにコストダウンできます。

より安くしたい場合は粉末タイプの珪藻土がおすすめですが、固化材などの配合が難しいので初心者にはあまり向いていません。

珪藻土・漆喰壁におすすめの場所

珪藻土や漆喰壁は使用する場所によって使い分けするのもおすすめです。また塗り壁の特徴を最大限に活かせる場所があるので紹介します。

場所①トイレ

ニオイのこもりやすいトイレは珪藻土や漆喰壁が持つ消臭・脱臭作用が最大限に活かせる場所です。トイレの壁なら面積も狭いので、手軽にDIYが始められるだけでなく、市販の芳香剤が必要なくなります。メンテナンスは重曹やキッチン用漂白剤で簡単にできます。

場所②洗面所

常に湿度が高くなる洗面所には調湿作用のある漆喰壁がおすすめです。珪藻土よりも水に強いので、水回りなら結露やカビ対策に漆喰を使いましょう。また、洗面所に洗濯機を置いてる場所では排水口からの気になるニオイも軽減してくれます。

場所③リビング

塗り壁で一番人気のある場所がリビングです。常に人が集まる場所なので、常に空気をきれいしておきたい場所でもあります。消臭・脱臭効果に優れた珪藻土や漆喰壁を使うことでクリーンな空気を保てるだけでなく、高級感のある壁になるのでおすすめです。特にペットを飼っていたり、タバコを吸う場合はかなりの消臭効果が期待できます。

場所④玄関

家の顔となる玄関にも珪藻土や漆喰壁はおすすめです。靴などのニオイや生活臭がこもりやすい玄関は、消臭・脱臭効果だけでなく、調湿作用のある珪藻土や漆喰壁が便利です。塗り壁にしたことで雨の日でも玄関の湿気が解消されるなどの声も少なくありません。

珪藻土や漆喰で自宅の壁をDIYリフォームしてみよう

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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。