住宅ローン控除を受けるには確定申告が必要!初年度の申請方法を徹底解説!
住宅ローン控除はローンを組んだら何もしなくても受けられるというイメージがある方も多いですが、控除を受けるには確定申告が必要です。ここでは初年度の申請方法を徹底解説していきます。これからローンを組んでマイホームを購入しようとしている方や、今年マイホームを購入した方はぜひチェックしてみてください。
住宅ローン控除とは
住宅ローン控除は住宅ローン減税と呼ばれることもある制度で、正式名称は住宅借入金特別控除と言います。年末にあるローン残高×0.7%分、所得税及び住民税の税額控除が受けられ、税金が戻ってくるという制度です。
新築をローンで購入したら受けられるイメージが強いですが、中古住宅の購入や増改築など特定の改修工事をする際に組んだローンでも適用されます。
住宅ローン控除の受けるための要件
住宅ローン控除は住宅ローンを組んだすべての人が受けられるわけではなく、控除を受けるための条件があります。まず、返済期間が10年以上のローンを組んでいる必要があります。新築は引き渡し又は工事完了日から半年以内に移住し、かつ適用を受ける年の12月31日に自分が住んでいなければなりません。
また、登記簿上の床面積が50平方メートル以上あり床面積1/2以上が居住用であること、控除を受ける年の合計所得が2000万円以下というのも条件です。中古住宅の場合は1982年以降の建築であることか現行の耐震基準に適合しているたてものであることも条件に加わります。
住宅ローン控除の適用は確定申告が必要
住宅ローン控除の適用は確定申告が必要です。確定申告を行わないと控除の適用はされません。住宅に入居した翌年が初年度で、その年は確定申告をすることを覚えておきましょう。
住宅ローン控除のやり方【初年度】
ここからは初年度の住宅ローン控除のやり方をご紹介してまいります。個人事業主やフリーランスの方は毎年確定申告を行う必要があるので、確定申告には抵抗がないかもしれませんが、会社員などで自分で確定申告をしたことがなく、自分でやるのは面倒くさいなと感じる方もおられるかもしれません。
確定申告をしないと税金は戻ってこないので、少々手間はかかりますが必要な書類を揃えて申請してみてください。
住宅ローン控除の確定申告①申請時期
まずは申請時期です。住宅ローン控除の確定申告は家を買った翌年1月から3月15日までに行いましょう。一般の確定申告より少し早くから申請が可能ですが、個人事業主など自分で確定申告を行う場合は2月16日から3月15日の間に一緒に行うと一度で済みます。
住宅ローン控除の確定申告②申請先
続いて申告先は、自分の住んでいる町を管轄している税務署に申告します。2月16日から3月15日までの間は全国各地で確定申告会場や申告相談会場が設置されているので、税務署よりも家から近い場所で申請できることもあります。
申告会場では混雑緩和のため、整理券が必要だったり予約が必要なことも多いので、早めに申請場所を確認しておきましょう。
住宅ローン控除の確定申告③必要な書類
必要な書類は複数あるので、早めに用意しましょう。確定申告書と(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書は、国税庁のホームページからダウンロードしたり、税務署でも手に入ります。会社員などお勤めの方は源泉徴収票も必要です。
本人確認書類はマイナンバーカードなどのコピー、ローンを組んだ金融機関から送られてくる住宅ローンの年末残高証明書、建物・土地の登記事項証明書も原則必要で、住所地管轄の法務局で入手できます。土地を購入して新築で家を建てた場合は土地の売買契約書と建物の工事請負契約書のコピーも必要となります。
長期優良住宅なら長期優良住宅建築等計画の認定通知書なども必要で、中古や増改築の場合などで他にも書類が必要になるケースもあります。
住宅ローン控除の確定申告④申請方法
申請方法は複数あり、オーソドックスな方法は税務署に確定申告書など必要書類を提出する方法です。確定申告相談所を開設している場所でも提出でき、質問しながら申告書に記載もできるので、書き方が分からない方には便利です。
自宅からもWeb上で確定申告書を作成し、e-Taxを利用して申請もできます。e-Taxは国税庁が運営するオンラインサービスで、贈与税や消費税など、国税に関する手続きができます。Webで作成した申告書を印刷して、税務署に郵送するという方法もあるので、自分が行いやすい方法で申請を行いましょう。
住宅ローン控除の2回目以降の適用
初年度は色々揃える書類も多く、確定申告を初めて行う方には面倒な作業かもしれませんが、2回目以降の適用は会社員の方なら勤務先の年末調整で一緒に行うことができます。個人事業主の方は特定増改築等、住宅借入金等特別控除額の計算明細書と住宅ローンの年末残高証明書を2回目以降も用意し、税務署に提出する必要があります。
住宅ローン控除の入力方法
ここからは住宅ローン控除の入力方法をご紹介していきます。パソコンを使って申告できるので、やり方さえわかれば自宅で空いた時間にできるので便利です。税務署に行く時間がないという方はぜひチェックしてみてください。
税務署に持参しなくても自宅PCでOK
国税庁動画チャンネルでは、入力方法を説明してくれています。国税庁のホームページから確定申告書の作成ページにアクセスして入力していきます。住宅借入金等特別控除の詳しい入力の仕方が説明されているので、その順序に従って入力していけば、自分一人でも完了できるでしょう。
住宅ローン控除の2022年改正で変更されたポイント
住宅ローン控除は、2022年に改正が行われ以前と仕組みが変わりました。2022年改正で変更されたポイントをチェックしておきましょう。
変更点①控除率
変更点1つ目は、控除率です。控除率はこれまで1%でしたが、一律0.7%に変更になりました。控除率が下がったため、マイナスの変更点と言えます。しかし、これは逆ザヤという現象を解消するために行われました。
近年は住宅ローンの金利が低く、1%未満の金利は変動金利ではよくある数字になっています。金利で払う金額よりも住宅ローンの還付額の方が多くなってしまうことを逆ザヤといい、控除率1%では起きやすい状況にありました。
例えばローンで2000万円借り、金利が0.5%だと金利で10万円払うことになります。還付額が1%の時は20万円戻ってくる計算になり、10万円得をしていた訳です。これが変更になった0.7%になっても還付額は14万円なので、それでも4万円得をする計算です。
変更になった0.7%以下の金利でローンを組んでいる場合は、逆ザヤの現象が続くことになるので得をする方もおられるでしょう。
変更点②借入限度額
借入限度額も変更されています。2021年度までは一般的な住宅は借入限度額が4000万円でしたが、2022年と2023年に入居の場合は3000万円に変更になりました。2024年と2025年に入居の場合は2023年までに新築の建築確認をしている必要がある上、借入限度額は2,000万円となります。建築確認ができていないと0円になるため、注意が必要です。
長期優良住宅・低炭素住宅は2023年までに入居で5000万円、2024年と2025年に入居の場合は4500万円が限度額になります。ZEH水準省エネ住宅は2023年までに入居で4500万円、2024年と2025年に入居の場合は3500万円です。
省エネ基準適合住宅は2023年までに入居で4000万円、2024年と2025年に入居の場合は3000万円が限度額となり、入居が遅いと限度額が少なくなります。
変更点③控除期間
最後は控除期間です。2021年までは新築住宅は10年間の控除期間がありましたが、2022年からは最大13年間に変更になりました。ただし、買取再販以外の中古住宅に関しては10年間となります。
住宅ローン控除を活用しよう
住宅ローン控除を受ける条件や確定申告のやり方などをご紹介してまいりましたが、初年度さえ頑張れば、後はそこまで大変ではないと分かって、安心された方も多いのではないでしょうか。住宅ローンの控除は新築なら最長13年と長く控除が受けられるので、手続きが面倒でも税金が多く返ってくるのでお得です。
確定申告も昔と違って分かりやすい解説動画もあるので、自宅で自分一人で作成することも難しくありません。ローンで借りている金額や所得税・住民税の支払い金額などにもよりますが、13年分となれば何百万と控除が受けられる方も少なくありません。申請しなければ0円ですので、ぜひ住宅ローン控除を活用してみてください。
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。