住宅ローンの選び方は?金利や返済方法など比較ポイントを徹底解説!
注文住宅を建設するとき、必ず利用することになるのが住宅ローンです。様々な金融機関などから住宅ローンによる融資を受けることになりますが、どれが一番良いのか迷ってしまうことも少なくありません。そこで今回は住宅ローンの選び方のポイントなどを詳しく解説します。
目次
住宅ローンの選び方【金利タイプ】
住宅ローンというのは、様々な金融機関から商品として展開されています。どんな金利が良いのか、どの程度の返済期間を設けるのかといった点はケースバイケースですが、まずは気になる金利のタイプ主要3種類を解説します。
変動金利型
まず1つ目は、変動金利型です。融資を受けて返済を行っている最中に文字通り金利が変動するタイプのものとなっていて、適用される金利の利率については日本銀行の政策金利による短期プライムレートを基準として策定されます。
利率が低く設定されている期間であれば、全体で支払う金利の額が低くなりますので住宅ローンそのものの金額の負担が軽くなります。ただし、将来的に高利率になった場合にはその分の負担が上乗せされることになるのです。
実際の金利変動の為の見直しは原則半年を置いて行われますが、住宅ローンの金利適用については見直しが5年間隔で行われるためにすぐに金利変動が適用される事はありません。
固定期間選択型
続いては、固定期間選択型というものです。こちらは固定金利選択型とも呼ばれていて、有志がスタートしてから一定の期間までは後述する固定金利で支払い、その期間が経過してから変動にするか固定にするかを選択します。
固定金利で支払う期間に関しては、2年、5年、7年や10年などといったように金融機関の展開する商品によって定められている年数が異なっています。金利変動は不安ですが、利率が高くなるのは避けたいという場合におすすめされます。
固定金利で支払う期間を短くすればするほど、一般的には金利が低く設定されます。ただし、固定期間終了後に固定か変動化をこちら側が選択できずに自動的に変動型に変えられるケースもあります。
全期間固定金利型
もう1つは、全期間固定金利型というものです。変動型が一定の期間ごとに利率を変えるものであったのに対して、こちらの場合にはローンの支払いを開始した当初から最後まで一貫して金利が変わることなく同じになります。
利率に関しては国債の利回りを10年満期として決定されており、金利変動が微塵も発生しないために変動型のような利率が上がるようなリスクを抱えなくて済みます。しかし、一般的には変動型よりも高い利率が設定されています。
融資を受ける時から返済に乗る利率が分かっていますから、長期的な返済計画を立てやすいといった利点があります。ただし、もし変動金利で利率が低くなるようであれば割を食う形となります。
住宅ローンの選び方【借入れ先の種類】
借り入れる金額の大きさも気になるでしょうが、最終的にどれだけの金額を支払うのかは金利によって左右されるところが大きいです。続いては、借入先の種類について出こちらも金利のタイプと同じく3種存在しています。
公的ローン
まず1つ目は、公的ローンです。名前通り公的な機関が融資をするタイプの住宅ローンであり、住宅金融支援機構が販売元となっています。この機構は、住宅金融市場に安定的な資金供給を支援する独立行政法人機関です。
用意されている融資の種類としては、財形住宅融資や自治体融資といったようなものがあります。例えば財形住宅融資は、財形制度のある企業に勤務しており財形貯蓄を有している人が利用可能なローンです。
対して自治体融資というのは、全国の都道府県、市町村などの地方自治体が文字通り行う融資になります。自治体それぞれで融資の内容や条件などで定められている要項が異なっており、全自治体が展開しているものでもありません。
民間ローン
続いては、民間ローンです。こちらは民間の金融機関が展開している住宅ローンであり、身近な銀行が商品として用意しています。ローン審査の基準や金利、サービスの内容は金融機関の数だけ種類があるといっていいでしょう。
豊富な種類が存在している分、その中から自分に適した形のローンを選択しやすいといった利点があります。大抵の金融機関では、万が一死亡した場合などに住宅ローン返済を肩代わりする団体信用生命保険加入を必須としています。
住宅を販売する不動産会社と金融機関が提携した提携ローンと、それ以外の非提携ローンにも分けられます。提携の場合には通常よりも審査機関が短くなり、スムーズな手続きが行えるという利点があります。
フラット35
もう1つは、フラット35です。こちらは民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している住宅ローンであり、全期間固定金利型を採用しています。よって、実際の利率は高めになっています。
その分病気や仕事を失うといった事が発生し、返済が難しくなった時には一時的に返済額を減少させられるといった利用の仕方も出来ます。加えて、個人事業主や自営業者など普通のローンに通りにくい方でも利用しやすい制度でもあります。
多くの場合住宅ローンを組む際には団体信用生命保険への加入が必須となっていますが、フラット35の場合には加入の有無に関しては利用者の任意です。
住宅ローンの選び方【返済方法】
利率や利用するローンの形態によっても分かれるところはもちろん大きくなっています。ただ、実際に月々の返済金額を決定するのは返済の仕方になります。元利均等返済と元金均等返済という、2つの返済方式を解説しましょう。
元利均等返済
まず1つ目の、元利均等返済についてです。こちらは月々の返済金額を一貫して一定の額にするというものです。毎月の支払額が同額となりますので、返済をスタートする前から家計管理や返済計画を立てやすくなっています。
返済額は元金と利息を合わせて同額になるように調整して支払いを行いますので、返済金額の内の元金と利子の割合が返済していくごとに変わっていきます。最初は利子が多いですが、最後はほとんど元金という形になります。
ただし返済を開始した当初は利子の割合が多くなっているので元金が減りにくく、総支払額が元金均等返済と比較すると割高になります。総支払額を抑えたい場合には、まめに繰り上げて返済していくなどが必要です。
元金均等返済
もう1つが、元金均等返済です。元金の返済分を利息額に応じて変動させることによって月々の支払いを一定にしていた元利均等返済とは対照的に、月々の支払額に占める元金の金額を同額にしているのが元金均等返済です。
元金は変わらずその上に利息を乗せていくという方式で、支払っていくにつれて上乗せされる利子が減少していきますので最後の方は支払額が少なくなります。また、総支払額も元利均等より安くなります。
利子率は返済を開始した当初が最も高くなりますので、返済し始めた時が最も負担が高くなります。支払いの負担を抑えたい場合には、頭金を多く入れるなどして元金を少なめにする必要があります。
住宅ローンの選び方【団体信用生命保険の保障内容】
借入先の種類の中でも触れている通り、住宅ローンを利用する際には団体信用生命保険への加入が必要なケースの方が多くなっています。続いては保険の補償内容についてご説明していきます。
団体信用生命保険(団信)とは何か
そもそも団信、団体信用生命保険はどんなものかというと、住宅ローンを借りた本忍耐してい掛けられる生命保険のことです。万が一ローンの返済中に借主が死亡した場合、もしくは高度障害などによって返済困難となった時、ローン残額を0円にしてくれます。
この保険料に関してはローン金利に含まれるケースが多くなっているので、保険に加入するからと言って返済額に上乗せされる事はありません。基本的に、銀行など民間ローンを利用する場合には団信加入が必須となっています。
この団信への加入にもローン自体と同じく審査があり、もし健康状態に問題がある場合には、保険への加入ができず住宅ローンを組むことも難しくなってしまいます。そういった場合には、公的ローンやフラット35を利用する流れになります。
主な3つの種類
住宅ローンの返済が困難になってしまう事情というのは、本人が死亡してしまった場合や高度障害に罹ってしまった場合だけではありません。病気やケガ等によって長期返済が難しい場合にも適用されます。大きく分けると、3つの種類があります。
- がん団信
- 三大疾病保証付き団信
- 全疾病保証付き団信
これらは特約として保険料が通常の住宅ローン金利に上乗せされるのが一般的となっています。現在加入している生命保険と重複するところもあるでしょうから、団信と生命保険はセットでの検討が推奨されています。
住宅ローンの選び方【その他】
返済にかかる費用が月々どの程度になるのかというのももちろん直接的な部分なので非常に気になりますが、万が一の場合の保険も付帯するとより安心してローンを利用できます。ここからは、そのほかのローン決定の要素をご紹介しましょう。
民間ローンの銀行のタイプ
まず、民間ローンを使用する場合には銀行のタイプを考えてみましょう。住宅ローンを提供している銀行というのは主に4つのタイプがあり、都市銀行、地方銀行及び信用金庫、そのほかの金融機関、住宅支援機構と分かれています。
都市銀行はみずほ銀行や三井住友銀行などが挙げられ、住宅の金利ローンも安く保証も充実しています。地方銀行や信用金庫などの場合には、都市銀行に比べて融通が利きローンの柔軟性も高いのでローンに通りやすいといった特性が見られます。
連帯債務やペアローン
夫婦共働きでの返済を検討している場合には、連帯責務やペアローンについても押さえておきましょう。例えば連帯責務であれば夫婦や親子などで収入を合算し、ひとつの住宅ローンを契約するものであり、ペアローンは夫婦や親子などが別々に住宅ローンを組む形です。
連帯責務を適用すればそれぞれの持ち分に控除が適用されるというメリットがありますし、ペアローンの場合には控除を2人分受けられる、団体信用生命保険が別になるといった利点があります。
手数料・諸費用
ローンに関する手数料や各種諸費用に関しても覚えておきたいところです。金利が如何に低いかどうかももちろん重要な事に変わりはありませんが、事務取扱手数料や保証料、火災保険料をはじめとする各種の費用も発生します。
こうした各種の手数料や費用は、金融機関ごとに自由に設定できるものになっています。低金利でも手数料などが低くなっているとは限りませんから、どんな諸費用が発生するのかも事前に抑えておきたいところです。
キャンペーン・特典
住宅ローンに付帯する特典やキャンペーンにも注目すると良いでしょう。住宅ローンでは融資を行った人を対象として割引や優待、ポイントサービスなどを設けているところも珍しくなく、長期的に利用するからこそこれらもポイントとなります。
例えば投資信託の申し込みで金利が引き下げられたり、ネット回線などをセットで契約することでも同じく金利を下げるといった特典の他、国内サービスを優待価格で利用できるサービス等も展開されています。
住宅ローン選びは「計画性」が大事
30年以上という長期にわたる返済を今後行っていかなければいけないのが住宅ローンですから、組む時点でいかに計画性を持って選択ができるのかがとても重要となります。最後に選択をする際のポイントをいくつか解説します。
早めに事前審査を行う
まず、事前審査、仮審査に関しては早めに行っておきましょう。実際に住宅ローンを利用する際には2度の審査を受けることになりますが、事前審査の申し込みから1か月、場合によっては2か月ほどの期間がかかる可能性もあります。
内容を比較検討するのはもちろん大切ですが、利用するローンを決定したのであれば事前審査は出来る限り早く行っておいて決済日、引き渡し日から逆算して融資が間に合うようなスケジュールを組んでおきましょう。
複数社への審査申し込みが可能
ローン自体の審査については、複数への申し込みが可能となっています。1つの審査に落ちた場合に次の金融機関の審査を受けようとしていては無駄に時間がかかってしまいますから、あらかじめ複数の期間に対して審査申し込みをしておくのを推奨します。
住宅ローン審査の流れ
- 購入したい物件を見つける
- 事前審査を受けて承認される
- 購入物件の申し込み
- 本審査を受ける
- 不動産売買契約の締結
- 本審査の承認
- 契約手続き・融資実行
実際の住宅ローン審査の大まかな流れについては、上記の通りとなっています。ローン審査と物件や土地購入などは同時に並行して進めていく形となっていますので、書類等もあらかじめ用意してスムーズに進めるようにしましょう。
自分に合った住宅ローンの選び方を見つけよう!
金融機関や公的、そしてフラット35など住宅ローンの数も様々存在しています。一度融資を受ければ返済は非常に長期にわたりますので、是非とも時間をかけて自分に合っている住宅ローンを選択してください。
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。