ネジ穴が潰れたら?回せなくなった時の処置方法
「ネジ穴が潰れた!」「ネジ穴がなめてしまった」……そんな状態になり困ったという人は少なくないようです。
趣味のDIYや、組み立て式家具・電化製品・おもちゃなどの修理や分解、車やバイクのメンテナンスなど、日常的にさまざまなシーンで「ネジやビスを緩めたり締めたり」することはよくあります。
けれども、いざ作業を始めると「組み立て式家具をばらそうとしたけれど、ネジ穴が潰れてしまいバラバラにできない!」「鍋の持ち手がグラグラなのでネジを締め直したいのに、ネジ頭の溝がなめてドライバーが回せない」などの、ネジ穴トラブルも起こりがちです。
普段から工具を扱い慣れている人ならまだしも、ひさびさにドライバーを触る人は焦って「早くどうにかしなければ!」と、無理やり力任せに外そうとして、ネジ穴の状態をさらに悪化させてしまうこともあります。そのまま途方にくれて作業を中断し、母体を作業場に放置しっぱなし……という人もいるのではないでしょうか。
ネジ穴が潰れてしまうのは、それ相当の原因があります。
本記事では、「ネジ穴が潰れてしまう原因」「ネジ穴が潰れてしまったときの対処方法」「ネジ穴を潰さない予防方法」を紹介します。
「ネジ穴が潰れてどうにもこうにも困っている!」という人も、「何で潰れるのか原因を知って予防したい!」という人も、ぜひお役立てください。
ネジ穴はなぜ潰れる?
そもそも「ネジ穴」とは、どの部分を指すのでしょうか。
実は、「ネジ」「ボルト」「ビス」など、さまざまな呼び方があり、混同して使われることが多いのですが、「ネジ」とは、一般的に「らせん状の溝が入っているもの」の総称です。
ネジは、らせん状の溝が入った釘型の「ボルト=雄ネジ(おねじ)」と、そのボルトを受けるための、リング状で内側に溝が入った「雌ネジ(めねじ)=ナット」があります。
「ボルト」は8mm(ネジ頭ではなく軸の太さ)より太いサイズのものを指し、ナットとセットで用いられるものです。ボルトの頭は刻印がされていたり、凹みがあったり、溝が掘ってあったりなど、いろいろな種類があります。
そして、8mmよりも細い雌ネジが「ビス」です。ビスの頭には、「+(プラス)」「−(マイナス)」の溝があり、ナットを使用しなくても雄ネジだけで打ち込むことができます。
つまり、「ネジ穴」といっても、
- ボルトの頭の溝
- ナットの内側の溝
- ビスの頭の溝
があるのですが、本記事での「ネジ穴」は、「ボルトやビスの頭の溝」を指しています。
ボルトやネジの頭の溝が潰れて、プラスやマイナスのドライバーで回せなくなったという、いわゆる「ネジ穴が潰れた」「ネジ穴がなめた」状態になってしまうのは、いくつか原因があります。
ネジに対するドライバーのサイズが合っていない
一番多い原因は、「ネジに対するドライバーのサイズが合っていない」というケースです。
ネジ穴とドライバーの大きさは、両方の規格がしっかり合ったものを使うのが鉄則。ネジ穴よりも大き過ぎるドライバーや小さ過ぎるドライバーを使って、無造作に回していると、ネジ穴に負荷がかかるために潰れやすくなります。
多少サイズが異なっても回せてしまうために「まあいいか」と使用していると、ネジ穴が潰れるだけではなく、手が滑りケガすることも!
そのため、ホームセンターなどで販売しているネジには、対応するドライバーの番手が記載されているのです。ネジの取り外しをするときには、ドライバーの大きさが適切か注意してください。
ドライバーには、さまざまなサイズがあることも知っておきましょう。
ドライバーのサイズ違い(JIS規格)
1) プラスのドライバーのサイズは、JIS規格では1番〜4番まであり「H形(フィリップス型)」と呼ばれています。1番、2番、3番が一般的によく使われるサイズです。
- 1番:軸径5mm/軸長 75mm(径 2.0〜2.9のネジに使用)
- 2番:軸径6mm/軸長 100mm(径 3.0〜5.0のネジに使用)
- 3番:軸径7mm/軸長 150mm(径 5.5〜7.0のネジに使用)
- 4番:軸径8mm/軸長 200mm(径 7.5〜のネジに使用)
※「軸径」とは、ドライバーの金属軸の太さで、「軸長」とは金属軸の根本から先端までの長さです。
※「径(呼び径)」とは、ネジの頭部ではなく、軸の直径で「ねじ山からねじ山までの外径」のことです。
※カメラ・メガネ・精密機器に使用される0番もあります(径1.6〜2.0のネジに使用)
2)マイナスドライバーのサイズも1番〜4番まであります。
- 1番: 軸長 75mm(径 2.0〜2.9のネジに使用)
- 2番: 軸長 100mm(径 3〜5のネジに使用)
- 3番: 軸長 150mm(径 5.5〜7のネジに使用)
- 4番: 軸長 200mm(径 7.5〜のネジに使用)
※精密ドライバー 0番もあり(径1.6〜2.0のネジに使用)
マイナスドライバーの番手は長さが違うだけで、先端の大きさは大した違いはありません。ただし、「先端の厚み」が違うために、使うネジ頭の溝に入らない・大き過ぎるなどの問題が生じることもあります。
ネジに錆びや汚れがある
しばらく屋外に放置していたバイクや家具、長期間使用していない鍋やフライパンなどの調理器具の手入れをしようと思ったら、ネジ穴の溝が錆びていたり汚れていたりしている……ということもあるでしょう。
けれども、見た目が汚いだけで回すことはできそうなので「力任せにやってしまえ!」とばかりに、強引にドライバーをつっこんで回そうとしていませんか?
ドライバーの刃先でガリガリとネジ穴を削ろうとすると、ネジ穴本来の形も崩れてしまいます。ドライバーの刃先が削れたり歪んだりすることもあるのでやめてください。
何度も緩めたり閉めたりした
DIYのとき、作業途中でネジの位置が気に入らなくて、やり直したくなることはよくあります。そこで、何度も緩めたり締めたりを繰り返してしまった!ということもあるでしょう。
組み立て式の家具を製作中にも、説明書を見誤って、間違ったネジを取り付けたり外したりしてしまったということもありますよね。
何度も緩めたり締めたりを繰り返すと、その分だけドライバーと擦れてネジ穴が潰れてしまうことがあります。
もちろん、「場所を間違った!」と焦って、力任せに締めたネジを強引に緩めるのもNGです。
ドライバーの材質がネジに合わない
「ネジに対するドライバーのサイズが合っていない」のが、ネジ穴が潰れる最大の原因なのですが、実は「ネジとドライバーの材質が合っていない」ことも原因になるので注意が必要です。
ネジとドライバーの、それぞれの素材の種類と特徴を知っておきましょう。
一般的なネジの素材と特徴
一言でネジといっても、以下のようにさまざまな素材があります。
- 鋼:鉄と炭素の合金を、総称して「鋼」と呼びます。鉄に含まれる炭素量が増えるにつれ硬く強くなりますが、しなやかさが失われるのでバランスをとって作られています。
- ステンレス:耐食性があり錆びにくい鋼です。
- 黄銅(真鍮):銅と亜鉛の合金で、特に亜鉛が20%以上のものを示します。導電性に優れ、電機部品の端子止めなどによく使われます。
- アルミニウム:軽量・腐食に強い・耐食性が高い・熱伝導などに優れますが、ステンレスや鉄と比べると柔らかく、ネジ穴の強度は弱めです。
- マグネシウム:地球上で6番目に豊富な金属ともいわれるマグネシウムは、単体では比較的不安定ながら、合金にすると軽量性・耐食性・耐熱性に優れた金属になります。
- プラスチック:66ナイロンやポリカーボネートが主流ですが、実用性と強度のあるエンジニアプラスチックのネジも増えています。軽い・防錆・耐衝撃振動性・透明半透明・耐磨耗・成形性・着色性などに優れますが、荷重下の変形・耐熱性が悪い・柔らかい・溶剤水を吸収し変形燃えやすいなどのデメリットが挙げられています。
- チタン:チタンは実用金属の仲間入りをしてからまだ50年ほどなので、チタンのネジは「次世代ネジ」とも呼ばれています。軽い・強度がある・サビないのが特徴で、海上施設・道路標識・発電所用復水器・医療用などによく用いられています。また、肌にやさしく金属アレルギーを起こしにくい材料なので、医療用人工関節・歯のインプラントやメガネフレームにも利用されています。
一般的なドライバーの素材と特徴
一般的に、ドライバーの「グリップ部分」は3種類に分かれます。
- ハード樹脂:硬い樹脂製グリップのドライバーは一般的によく見かけるタイプで、グリップ自体が握りやすく汚れも付きにくくなっています。滑らないように多角形になっているものが多く、力を入れて強く握ると手のひらが痛くなることもあるでしょう。
- ソフト樹脂:表面がゴムのように弾力があり、握ったときに手にフィットします。手のひらにやさしいので、強く握っても痛くならず力を入れやすいタイプです。
- 木製:温かみのあるウッドを使用した昔からあるタイプです。木の質感が手になじみやすく、油が付いた手のひらでも滑りにくくなっています。
ドライバーの「軸部分」は、硬鋼線材や、合金鋼(鋼にクロームバナジュームなどの合金を加えた材質)など、高い耐摩耗性や耐衝撃性を持つ素材が用いられています。
また、ネジと直接触れ合う軸の先端などには、焼入れ・焼戻し加工が施されているので非常に硬くなっているのも特徴です。
ネジ穴に直接接するドライバーの刃先は、寸法精度を高めるためにメッキを施していない製品がほとんど。
軸の部分の表面処理には、光沢の美しい「クロームメッキ」・四三化鉄被膜による防錆処理ではがれる心配の少ない「黒染め」・精度が高く耐久性に優れた「ブラックポイント加工」などがあります。
ドライバーよりネジの素材が柔らかいと潰れる原因に
ネジの素材強度がドライバー先端の素材強度よりも弱いと、力の入れ具合によっては、ネジ穴の溝を削ったり潰したりする原因になります。
柔らかめのアルミネジや樹脂のネジを回す際や、見た目には何の素材か分からないネジを緩めたり締めたりするときには、力任せにしないで少しずつ加減を見ながら行うようにしましょう。
何らかの衝撃で潰れた
ネジが留まっている母体自体が高所から落ちて歪んでしまった、ネジが留まっている部分に、強い衝撃を受けてしまったなどで、ネジ頭が潰れることもあるでしょう。
また、ネジを留めている母体が樹脂やウッドなど柔らかめの素材の場合、強い衝撃を受けて、ネジが刺さっている部分が割れてしまうこともあります。
ネジ穴が潰れた時の処置方法
「ネジ穴が潰れてしまい、どうやっても回らない!」と、気持ちも焦ってしまいますよね。特に急いでいるときなどは、どうしていいか動揺してしまうでしょう。
けれども、焦るあまりに乱暴にドライバーをガタガタさせたり強く回したりすると、ネジ穴が潰れてしまいます。また、力を入れ過ぎると手が滑って怪我をするので危険です。
まずは、慌てないことが大切!前項でご紹介したように「なぜ、ネジ穴潰れてしまったのか」の原因を考えつつ、冷静に対処してください。
ここでは、ネジ穴のプラス・マイナスの溝が潰れて、ドライバーが当てられない・ドライバーが空振りして滑ってしまう、などのときの処置方法をご紹介しましょう。
ゴムを当てる
ネジ穴の溝が、まだ少し残っている程度の軽症であれば、「輪ゴム」を使用してネジを回すこともできます。
市販の輪ゴムの幅は数種類あります。通常よく見かける1〜2mm幅のものではなく、4.5mm・6.0mm、12mm、15mm(最大だと21mmまで)など、幅が広いものを使いましょう。
ネジ頭の幅より広めの輪ゴムを用意してください。輪ゴムは、インターネット通販でも扱っていますが、ホームセンターや文房具店、大型雑貨店などで入手できます。
輪ゴムでネジ穴を回す方法
- 幅広めの輪ゴムを、ネジ穴が潰れてしまったネジ頭の上に乗せます
- ずれないように気を付けながら、ドライバーの先で輪ゴムをグッと抑えます
- そのまま、静かにドライバーを回します
輪ゴムがネジ穴に食い込んで、滑り止めの役目を果たすため、ネジを回すことができます。いっぺんに力を入れると輪ゴムがずれやすいので、一度ドライバーでぐっとネジ穴に押し込んで、入り込んだ手応えを感じたらゆっくりそのまま回してください。
もし、幅広の輪ゴムがない場合は、キッチン用の薄めのゴム手袋、ゴム風船などでも代用できるので試してみてください。
ドライバーの後ろを叩く
多少、手荒い方法になりますが、「ドライバーの後ろを叩く」という方法もあります。
ドライバーをネジ頭に当てた状態のまま、ハンマーなどで衝撃を加えてください。衝撃によって中でネジが緩むこともあります。また、ネジ穴がサビや汚れで固く固まっている場合も、崩して外しやすくすることも可能です。
ただし、この方法は「貫通ドライバー」と呼ばれる、ドライバーの金属軸が先端からお尻まで一本通っていて、グリップ部分の後に座金を備えているタイプのドライバーに限ります。
お尻を叩くと回転するショックドライバーやインパクトドライバーでも可能です。
通常のドライバー(非貫通ドライバー)は金属軸が短く、木製や樹脂のグリップ部分内部の途中で終わる構造になっています。グリップ後部をハンマーで強く叩くと割れてしまうこともあるので注意してください。
また、ネジが留まっている母体が鉄など衝撃を与えても大丈夫な素材ならいいのですが、プラスチックや木材の場合は破損することもあります。気を付けましょう。
ネジ外し剤を活用する
市販の「ネジ外し剤」「ネジすべり止め液」などを使用したり「瞬間接着剤」を使用したりして、ネジを回すこともできます。
ネジ外し剤・ネジすべり止め液
ネジ外し剤・ネジすべり止め液は、いくつか種類があります。
基本的には、ドライバーの先やネジ穴に垂らすと、液剤に含まれる微粒子がネジ穴とドライバーの間の隙間を埋めて、摩擦感を増し外しやすくなるのです。
ネジ外し剤・ネジすべり止め液は、インターネットの通販や、ホームセンター・ディスカウントショップ・大型の雑貨店などで取り扱っています。
平均的に200円〜300円ほどとリーズナブルな価格なので、気軽に試せるのもメリットでしょう。使用する際には製品の取扱説明書や注意書きをよく読んでください。
瞬間接着剤
市販の瞬間接着剤を利用する方法もあります。ドライバーをネジ穴に当てた状態で粘着力の高い瞬間接着剤で一時的に留めてしまうのです。うまく固まればネジを外すこともできるでしょう。
ただし、ネジ穴やドライバーの先端に瞬間接着剤がへばり付いてしまうので、そのネジを再利用しない場合に限ります。
ドライバーに付着した瞬間接着剤は、「接着剤用剥離剤」を使用して落とすといいでしょう。
ネジ外しができるペンチを利用する
ネジ穴にドライバーを当てて叩いても回せない場合は、ネジ頭を外側からペンチでつかんで回す方法もあります。ネジ頭が数mmでも「母材から出ている場合」に有効です。
細かい作業を得意とするラジオペンチは、普通のペンチよりも先端が細く内側にギザギザの溝があるために、対象物が掴みやすくなっています。ネジ頭を挟んで回せば、外すこともできるでしょう。
また、先端が細かく異なる高さの歯が施されている仕様で、潰れたネジや固着したネジの頭をがっちりとつかんで回すことのできるネジプラーヤーもあるので、そちらを利用するのもおすすめです。
新しいネジ穴を作る
ネジ穴が潰れてほとんどなくなっている場合は、マイナスのドライバーをネジ穴にセットして打撃すると、ノミのようにネジ頭にドライバーが食い込み、マイナスのネジ穴が作れることもあります。
また、金属を切ることのできるノコギリや金属加工が可能なヤスリなどで、マイナスの溝を作ることも可能です。
ただし、ネジ頭にある程度の広さがないと難しく、細かい作業になり手を滑らせると危険なので、十分に注意して作業を行なってください。
ネジ溝を削る
潰れてしまったネジ穴は、ハンディールーターなどを使って新たに溝を削って作る方法もあります。
ハンディールーター(ミニルーター)は、ペンのように手で持って使用できる電動工具のことです。
先端に装着する「刃」(ビット)を交換することで、研磨・彫刻・切断などあらゆる作業ができるので、DYIや日用品のメンテナンスのほか、プラモデル作り・アクセサリー作りなど幅広い場面で活躍しています。
いろいろなメーカーから様々な種類が販売され、使用時間・電源供給方法・回転数なども異なります。また、単品や異なる種類のビットがセットになっているものなど販売形式もいろいろ。ネジ溝を掘るのであれば、金属加工ができるビットを選びましょう。
ネジ穴を潰さないためには
ネジ穴が潰れる原因や対処法をご紹介してきましたが、ボルトやビスの頭の溝やナットの溝など「ネジ穴」が潰れて困ってしまう状況を避けるためには、「普段から気を付けることが大切」です。
事前に、予防するためには何に気を付ければいいのかを、おさらいしてみましょう。
ネジとドライバーのサイズ、材質をよく確認する
面倒でも作業前には、ネジ頭のプラス・マイナスの溝のサイズと、ドライバーの先端のサイズや、材質を確認してください。
ネジの素材のほうが柔らかそうな場合
「ネジ穴はなぜ潰れる?」の原因、「ドライバーの材質がネジに合わない」の項目でもご紹介したように、ドライバーの材質のほうがネジより硬い場合、力を入れて乱暴に緩めたり締めたりすると、ネジ穴が潰れてしまいます。最初から力を入れ過ぎず少しずつ作業してください。
ネジの素材が何か分からないときも、作業は慎重に行いましょう。
正しいサイズを選択するコツ
いくつかサイズの異なるドライバーを持っている場合は、最初に「ネジよりも大きそうなドライバー」をネジの溝に当ててみます。
「大きいな」と感じたら、次にワンサイズ下のドライバーを当ててみましょう。いきなり小さいドラーバーを当てて、ガタ付きがあるのに無理やり回すとネジ穴を傷めます。「大きいサイズから、ネジに合うかどうか探っていく」のが鉄則です。
道具のメンテナンス・修理修繕・DIYをよくやる人は、プラスもマイナスもいくつかサイズの異なるドライバーが揃っているセットを購入するのがおすすめでしょう。
ネジを錆びさせない
一般的に、サビの原因の多くは、空気中に含まれている酸素と水です。金属製のネジも最初はメッキが施されてきれいな状態ですが、時間の経過とともにサビが生じてきます。
そのため、原子力発電所・石油プラント・高速道路など、ネジに高い耐久性と安全性が求められる場所には特殊な「サビないネジ」が使用されているのです。
普通にDIYなどでネジを使用する場合は、鉄のネジよりは錆びにくいとされているステンレスやチタンのネジを使用するなど、そもそもネジ自体をサビさせない工夫をすることが大切です。
また、自転車やバイクなどは濡れないように雨ざらしの場所に置かない、外に置いてある日用品はネジがサビないように定期的に拭くなど気を配りましょう。
市販のサビ防止スプレーなどを利用するのもおすすめです。
力任せにネジを開けようとしない
プラスにしてもマイナスにしても、基本的には「ネジが開かないときは力任せに強引に開けようとしない」ことです。
また、正常な状態のネジ穴で簡単に開けられそうなネジの場合も、適当にドライバーをつっこんで開けるのはやめて、ドライバーがネジに対して垂直になるように意識して奥まで差し込み、回転軸がぶれないように回すことが重要です。
まとめ
「ネジ穴が潰れた」「ネジ穴がなめた」という状態になると、軽症であればさまざまな手段で回復することも可能です。
けれども、間違った方法を行うとさらに状態を悪化させ、最悪はネジを外せないまま諦めるしかなくなることもあるでしょう。まずは、慌てずに原因を考えて、今回ご紹介した対処方法を行なってきてください。
また、普段からちょっとした注意をすることでネジ穴潰れを防ぐこともできます。ぜひ、試してみてくださいね。
※記事の掲載内容は執筆当時のものです。