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【2024年】最新工具のトレンドは?次世代ツールの進化について

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年々、進化していく「工具」。最新工具のトレンド情報は、日常的に工具を愛用している人にとっては、気になりますよね。

 ひとくちに工具といっても、個人のDIYや家具・バイク・自転車などの修理修繕に利用されるもの、彫金やプラモデル製作など趣味で使用するもの、建設や工事現場などプロが使用するものなど、活躍の現場はさまざま。種類も数え切れないほど多岐に渡っています。

そして、国内外の各工具メーカーがリリースする、作業効率が向上し快適性・安全性も高めた最新の工具は、DIYファンはもちろん、プロからも常に注目されているのです。

そこで、より便利なアイテムへの買い替えや買い足しを考えている人、またこれからDIYを始めたいと思っている人などに向けて、最新工具のトレンド情報・進化している次世代ツールなどについて紹介します。工具に興味を持っている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 工具はどんどん進化している

電動工具

工作・機械加工・電気工事・大工仕事のほか、さまざまな場面で活躍する工具。

 太古から、人類がほかの動物と決定的に異なるのは、「工具を使用して何かを作ること」「その工具を一回で捨てず、より便利に使えるように改善しようとすること」だといわれています。つまり工具は、そのときどきの「人の思考がプラスされて進化していくもの」とされています。

工具の進化において重視されるポイント

工具メーカーは、ただひたすら「壊れない頑丈な工具」を作り続けるのではありません。工具の進化において重視されているのは、安全性・快適性・能率・効率です。

工具は、使用方法を誤ると大きな事故に繋がる恐れがあるので

  • 安全・安心性を高める
  • 使用者が、快適に作業し続けられるように使いやすさや使い心地を追求する
  • より作業の能率や効率がアップする最新技術を取り入れる

 などにこだわりを持って作られています。

 具体的な進化の詳細は、各メーカー・各アイテムによっても異なりますが、工具そのものの材質・構造・機構・統合などを考慮して、新製品を誕生させています。 

もちろん、昔ながら長年愛用されている工具もありますが、あらゆる要素が進化した最新工具も取り入れることによって、より作業の効率がアップし、製品の品質も向上するのです。

手動工具の最新トレンド

手動工具

特に、DIYや彫金やプラモデルなどの趣味のない人でも、ドライバーなどの手動工具は1〜2個常備しているのではないでしょうか。

つかむ・回す・切るなどの作業をする手動工具は、ほかにも、スパナ・レチ・ペンチ・ニッパー・クランプ・ハンマーなどがあり、それぞれさまざまな種類・素材・サイズがあります。

手動工具はどのように進化しているのでしょうか。最新トレンドを紹介します。

人間工学に基づいたデザイン

手動工具は、その名前の通り「人の手」を使って使用する工具です。最新の手動工具は、人間工学に基づいたデザインを取り入れています。

手動工具で大切なのは、「手で握る」ときの感触やフィット感、回す・握るなどの動作のしやすさです。

最新の手動工具の例を挙げると、ドライバー・ペンチ・ハンドル・ハンマーなどのグリップやハンドル部分に、人間工学に基づいた形状や素材を取り入れています。

 詳細は各メーカーによって異なりますが、基本的に人の手で握りやすい・力が入れやすい・疲れない・手が滑ったり擦れたりしない、構造になっているのが特徴。

 また、カッター・ドライバー・やすりほか10種類以上の工具が1本にセッティングされた工具や、1本でペンチで切る・回す・つかむなど3つの機能を搭載したものなど、新しい多機能ツールも人気です。

 新素材の採用

工具の素材は、ハイス(ハイスピード鋼)・超硬・サーメット・セラミック・CBN・ダイヤなどがありますが、近年では、耐久性・耐腐食性・強度などを高めるために「刃先にコーティング処理」をすることが普及しました。

インサート工具(刃先交換式の切削工具に取り付ける刃先のチップ)の70%以上は、コーティング超硬工具になり、今「最も重要な工具の素材」だといわれています。

  • CVD(Chemical Vaper Deposition/化学蒸着法):厚いコーティング層を作り、耐摩耗性に優れ、安定した性能を発揮する。高耐久性を必要とする、切削工具や研削工具などに用いられる
  • PVD(Physical Vaper Deposition/物理蒸着法):精密で薄いコーティング層を作れ、高度が高く摩耗や焼き付きに強い。高精度加工が必要な切削工具や成形工具、高硬度が求められる部品の表面改質、熱処理品・ロウ付工具への表面改質などに用いられる

電動工具の最新トレンド

電動工具

日本の電動工具メーカーの製品は高品質で性能にも優れているため、世界的にも人気があります。最新の電動工具はどのような進化を遂げているのでしょうか。

バッテリー技術の進化

 電動工具の電源方式は、主に充電式とAC電源式(コード式)がありますが、最近は、コードが邪魔にならず移動しながらの作業が可能な充電式が主流です。

充電式電動工具は屋外や電源のない作業場などでも使えるので便利ですが、気になるのは「充電後どれくらいの時間が使用できるか」ということ。

進化したバッテリー技術を取り入れた電動工具(インパクトドライバーなど)は

  • 「バッテリと充電器間の通信により、バッテリの状態を判断し、最適な方法と時間で充電する」システムを導入しパワー維持を向上
  • 急速充電技術で充電している間の待ち時間を短縮。充電の80%(実用充電)に達すると、音と光で知らせてくれるので、作業効率がアップ
  • 充電時の静音性(約45dB/深夜の住宅街並みの静けさ)にも配慮

 

など、いろいろなメリットがあります。

ブラシレスモーターの普及

ブラシレスモーターとは「整流子やブラシなどの機械的な接触部を取り除いた」文字通りブラシレスなモーターです。

 ブラシ付きDCモーターと比較すると、高効率で省エネルギーにも貢献するため、最近では電動工具の主流となっています。

最初はインパクト・ドリルなど小型電動工具からはじまり、最近では、中型の丸ノコや大型のグラインダにも搭載されることになりました。

 ブラシレスモーターは、ハイパワー・長寿命・静音性・耐久性なども高いのが特徴です。

IoT対応工具

IoT (アイオーティーイ/Internet of Things)とは、パソコンやスマートフォンのようにインターネットに接続されていなかったモノ(住宅・車・家電など)を、ネットワークを通じてサーバーやクラウドサービスに接続し、相互に情報交換をする仕組みのことです。

 最近では、スマートフォンとの連携やスマートスピーカーの登場などにより、各方面でインターネットの技術が利用されています。

例えば、エアコンやテレビなどの家電を遠隔操作して、帰宅時間に合わせて空調を整えたり付けたりする技術もIoTの一つです。

電動工具に後付けできるIoT化したツール

 西川産業株式会社の「Fiot(フィオット)」では、電動工具に後付けできるIoT化したツール(工具に装着する送信デバイス・受信/設定用ツール・アプリケーションなど)を使用することで

  • ネジの締め付けが不足した場合、アラートを表示
  • 工具の違いを検知し間違えるとアラートを表示
  • 検査データの入力ミスなどをチェック
  • 作業記録をデジタル化して管理・分析できる
  • リアルタイムで作業の進捗具合を把握できる

 

などを可能にしています。 

アプリをダウンロードして電動工具を新次元の使い方で

 電動工具にBluetooth通信機能を搭載、スマートフォンに専用のアプリをダウンロードすれば、スマホでの細かいカスタマイズ・工具を追跡するトラッキング機能・盗難防止ロックなどが可能になります。

「スマート電動工具」とも呼ばれ、「Milwaukee (Stanley Black & Decker) 」「DeWALT (Stanley Black & Decker) 」「Bosch」の3社が積極的に開発をしているようです。

安全性を高めるための工具の進化

「工具はどんどん進化している」の項目でも触れましたが、工具の進化において、工具メーカーが重視しているのは安全性・快適性・能率・効率です。

中でも一般人からプロまで、工具を利用する作業者の安全性を守ることが大切。そこで、各メーカーともに、日々電動工具をより安全に使用できるようにさまざまな機能やシステムを製品に取り入れる努力をしています。

センサー技術の導入

センサー技術の導入について説明します。

キックバック

 電動工具を使用する上で、最も危険な現象といわれているのが「キックバック」です。

丸ノコやチェーンソーなど、回転している刃が材料に食い込んでしまうなど突然に大きな負荷がかかり回転数が急速に低下したとき、その反動で材料や工具が作業者側にはじき飛ばされてしまう現象です。

センサーにより急激な回転数低下を感知する「キックバック検知機能」を内蔵している電動工具なら、事前に回転を止めてくれるので安全に作業を続けられるでしょう。

 自動停止システム

 取り付けたトイシや刃物によって、金属やコンクリートの研削、研磨、切断などを行う電動ディスクグラインダも、取り扱うときには安全性の高さを重視したい道具です。

そこで、最近ではスイッチを切ると自動的に素早くトイシや刃物が止まる自動停止システムを取り入れている製品もあります。惰性で刃が回り続けることなく、停止までの時間が短いため、即次の作業に取りかかれるのもメリットです。

 さらに、スイッチを握っている間のみ電源がON、離すと止まる「パドルスイッチ」を取り入れているものもあります。

防塵・防水性能の向上

電動工具で大切な機能には、防塵・防水性能も挙げられます。特に、プロの作業現場は雨や雪が降ったりなど過酷な状況になることもあるため、高い性能が求められるのです。

 電動工具の仕様書などには「IP56付き」と表示されている機種があります。

 「IP56」とは「防塵・防滴機能」のことです。

IPとはInternational Protectionの略で、さまざまな製品の「固形物体や水に対する保護性能」を表すための規格。IEC(国際電気標準会議)という電気・電子工学の関連技術を扱う団体により標準化され、「IP○○」と記載があれば全世界共通で、これだけの保護性能を持っていると共通認識を持てるのです。

 そして、「IP56」の5の位置の数字は「防塵性能」の等級、6の位置の数字は「防水機能」の等級を表しています。

つまり「IP56」は、防塵性能5レベル、防水機能6レベルということです。防塵の等級は「0〜6」まであり耐水性は「0〜8」まであるため、「IP56」は、比較的防塵・防滴機能は高いというレベルですが、決して完璧ではありません。
(マキタの場合は独自の「ADVANCED PROTECTION TECHNOLOGY」の略で「APT」と表記しています)

 最近では、最高レベルの防塵防水等級IP68を備えた製品(例:BOSCHのローテティングレーザー GRL600CHVなど)もあり、不意の雨にも安心して使用できる製品も登場しています。

防塵・防滴機能の数値が高いということは、電動工具の内部にチリや水分の侵入を防ぐ能力が高いということなので、特に屋外で使用する電動工具を選ぶ際の目安になるでしょう。

最新工具の選び方とメンテナンス

工具を使う人

以下では、最新工具の選び方と効果的なメンテナンス方法について説明します・

最新工具の選び方

 工具は種類が多いので、自分の用途や目的が何かを明確にしてから選んでください。

 基本的な工具は揃っているが新製品が欲しい場合
  • 自分が感じている不都合や不満の要素をカバーする機能を持っているかを確認
  • 電動工具の場合、DIY用かプロ用か確認する
  • 手持ちに充電式電動工具を持っていて、ほかの電動工具を買い足すときは、バッテリーとの互換性がある機種を選べば、予備バッテリーを買う必要がなくてお得
  • 充電式電動工具の場合、電圧が高いものほどパワフルにはなるが、バッテリーが大きく重くなることにも注意
  • 「主に使用する場所」も考慮して、工具の大きさや長さも選ぶ(狭い場所の場合、大き過ぎると作業ができない)
  • 自宅で使用する場合は、近所迷惑にならないよう「静音性」も確認
  • 防塵・防滴機能が高ければ、埃や水を浴びても故障しにくい
  • ハイスペックな電動工具ほど価格も高価。家庭用・DIY用であればそこまで高機能な製品を購入する必要もないので、自分の予算の上限を先に決めておくと目移りしない
初めてDIYなどで最新の工具を購入する場合

DIYやバイクや自転車の整備などで日常使いできる工具を買う場合は、「工具セット」がおすすめです。さまざまなセットがあるので、自分の目的に合ったセットを選んでください。 

DIYはやらないけれど日常的な工具が欲しい場合は、最新の高機能工具である必要はありません。最低限必要なものが揃っているセットがおすすめ。プラスマイナスのドライバー・ラジペン・スパナ・ハンマー・メジャーなど基本的な工具がコンパクトなケースに1つにまとまったものがいいでしょう。 

DIY・プラモデル用製作に使用するなら、カッター・ノコギリ(替え刃付き)など裁断できる道具と、ハンマー・金槌・玄能などがプラスされていると便利です。

バイクや自転車の整備用は、レンチ・ニッパー・プライヤー・ラチェットハンドルなども揃っていて、グリップ部分が力を入れやすいように太めでラバー付きになっているセットがおすすめです。ケースも丈夫なものを選びましょう。

 最新工具のメンテナンス 

購入したばかりの最新工具は、きれいな状態を保ち続けたいものです。工具は、手動にしても電動にしても、見た目が頑丈そうにみえるのでつい手荒に扱ってしまいがち。使用後も手入れをせずにそのままにしている……という人も少なくないようです。

しかし、工具は意外と繊細です。日頃気を付けてメンテナンスをするかしないかで大きく変化していきます。

具体的なお手入れ方法は、工具によっても異なりますが共通しているメンテナンスの基本を紹介しましょう。

【サビさせないことが重要】

手動も電動も、サビは工具の機能にダメージを与えます。まずは「サビさせない」ことが鉄則!

  • 使用後に水分が付いている場合は、柔らかい布やウェスで拭き取る
  • 使用後はそのまま作業台の上などに放置せず、拭いたあとは工具ケースに入れて保管
  • 工具ケースは、高温・多湿・風通しの悪い場所は避ける

サビを防ぐため、上記を徹底したメンテナンスを行いましょう。 

【ときどき油などでケア】

 ラジオペンチやニッパーなど、先端はメッキが施されていない工具は、汚れを拭き取ったあとには防錆剤でしっかりケアしましょう。

しばらく放置していて動きが悪い場合は、潤滑油を使って滑りをよくするのがおすすめです。

まとめ

工具

工具はより使いやすく安全なものにと、年々進化しています。

ただイメージだけで飛びついてしまうと、自分が思っていた要素を満たしてくれなかったり高機能過ぎて扱いづらかったり……ということもあるでしょう。

最新のトレンド情報を参考にしつつ、用途・目的を考えつつ、自分に合ったものを手に入れてください。せっかく手に入れた工具は、こまめに手入れをして長持ちさせてくださいね。

 

※記事の掲載内容は執筆当時のものです。