インバーター発電機とは?用途別のおすすめ機種から使い方・選び方まで
発電機の中でも人気のあるインバーター発電機。
ではなぜインバーター発電機は需要があるのか、わかりづらいですよね。
- なぜインバーター発電機が良いと言われているの?
- インバーター発電機の選び方を知りたい
今回は上記のような疑問にお答えします。
インバーター発電機の基本から、用途別のおすすめ機種、選び方、使い方までまとめました!
購入を迷っているあなたはぜひご覧ください。
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目次
インバーター発電機とは?特徴とインバーターなしとの違いについて
数ある発電機の中でも、最も需要のあるインバーター発電機。
まずはインバーター発電機の特徴や、他の発電機との違いなどをご説明します。
インバーター発電機の特徴
インバーター発電機とは「家にあるコンセントと同レベルの、良質な波形の電力を出力できる発電機」のことをいいます。これだけでは少しわかりにくいので、順番に説明しますね。
まず「インバーター」とは、「直流を交流に変換する装置」のことです。そして「直流」とは、向きと大きさが一定の電圧をいいます(電池など)。いっぽうの「交流」とは、時間によって向きと大きさが変わる電圧です(家庭用コンセントなど)。
引用:関西電力
電源コードをコンセントに挿して使用する電気機器は、交流電圧によって動作します。そして家庭用コンセントに届いている電圧は、下図右側のようなキレイな波(正弦波)なんです。
ところが、通常発電機で作られる電力は、下図左側のようないびつな波形になっています。この状態でパソコンなどをつなぐと、機器が正常動作せず、壊れてしまうことも。そのため一度直流に変換し、さらにインバーターによって交流にもどすことで、パソコンも使用できるキレイな波形の電力を出力しています。これがインバーター発電機です。
インバーターなし発電機との違い
インバーター発電機と、インバーターなし発電機の大きな違いは、パソコンなど精密機器を使用できるかどうかです。インバーターなしの発電機は出力波形がいびつなため、精密機器には使用できません。
しかしインバーターなし発電機は、ヒーターや扇風機など、単純に熱を出したりモーターを回す機器に使用できます。そのため発電機を選ぶ際には、どういった機器を使用したいかによって、インバーターあり・なしを選ぶ必要があるんです。
インバーターなしの発電機として、ホンダからは次のような発電機が発売されています。
- サイクロコンバーター搭載発電機:電動工具といったモーター使用機器に最適
- スタンダード発電機:機能を抑えた低価格モデルで、電動工具などに最適
- 三相発電機:建築現場での大型モーター使用機器に最適
インバーター発電機で使用できる電気機器
インバーター発電機では、他の発電機では使用できない以下の機器も使用することができます。
- 精密機器(パソコン、スマートフォンの充電、リチウムイオンバッテリーを使用した充電工具の充電など)
- マイコン制御の電子機器(IH炊飯器、テレビ、電子レンジなど)
つまり、インバーター発電機は最も汎用性の高い発電機なんです。そのためインバーター発電機は最も需要があり、多くの種類が販売されています。
燃料はガソリン・ガス・軽油
インバーター発電機を稼働する燃料は、エンジンによってガソリン・ガス・軽油の3種類で、次のような特性があります。もちろん燃料はそれぞれ専用になるため、ガソリン発電機に軽油を使用するなど燃料の併用はできません。
- ガソリン(エンジン)発電機:小型でディーゼルと比べて稼働音が静か
- ガス(エンジン)発電機:ガソリンに比べて排気ガスがクリーン
- ディーゼル(エンジン)発電機:安価な軽油を燃料にし、低燃費なためランニングコストが安い
ガソリンなどでエンジンを動かし、コイルの近くに置いた磁石を回転させることで発電します。これは、小学校の理科の「手回し発電機」などで習う原理ですね。
引用:ヤマハ
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インバーター発電機の用途別おすすめ機種を6種ご紹介!
インバーター発電機の基本がわかったところで、ここでは用途別のおすすめ機種をご紹介します。
たくさんの種類が出ていますが、用途から考えれば適切な1台を選ぶことが出来ますよ。
キャンプやアウトドアに 工進 GV-16i
キャンプやアウトドアにおすすめする発電機は、工進 GV-16iです。
騒音値が59〜65dBという超低騒音。また低振動で周囲に迷惑をかけません。業界初の「使用中の電力がわかるパワーインジケーター」付きです。
こちらの専用キャリーを使えば、移動もラクラクですね。
DIYや日曜大工に ヤマハEF9HiS
DIYや日曜大工といった作業におすすめするのは、ヤマハEF9HiSです。
片手で持ち運べる12.7キロの超軽量で、本体はコンパクト。長時間運転と低騒音もウリで、まわりに住宅があっても気兼ねなく発電機を使うことができます。
励磁方式:自己励磁式・力率:1.0
交流:定格周波数:50Hz/60Hz(切替式)
定格出力:0.9KVA(900VA)
定格電圧:100V・定格電流:9A
業務用、工事現場に① デンヨー GE-2500-IV2
工事現場での使用におすすめなのが、デンヨー GE-2500-IV2です。
2.5KVAの高出力でありながら、ひとりでもラクに運搬できる29kgの軽量ボディ。コンパクト設計なので保管場所にも困りません。また、電圧補償巻線や初期励磁巻線を内蔵したシンプル設計のため、故障知らずで抜群の耐久性です。
業務用、工事現場に② ワキタ HPG3000i
工事現場での使用におすすめの2機種目は、ワキタ HPG3000iです。
軽量・コンパクトですが3kVAの高出力。堅牢なガードフレームで本体を守っており、積み重ねも可能ですから、複数台あっても収納場所に困りません。さらにエコノミーコントロールを採用し、エンジン回転数を自動的に制御する省エネ設計です。
非常時の備えに ホンダ エネポ(EU9iGB)
非常時の備えにおすすめするのは、ホンダ エネポ(EU9iGB)です。
燃料のカセットボンベはガソリンよりも劣化に強く、長期保管に向いています。また本体は縦長でスリムなため、保管で場所を取ることがありません。
全長(mm):365全高(mm):524全幅(mm):262
定格直流出力:12V-8A
定格交流出力50/60Hz:100V-0.9kVA
騒音(dB):79〜84
カセットボンベを燃料とする発電機については、こちらの記事もご覧ください。
住宅街での作業に 新ダイワ IEG1600M-Y
住宅街での作業におすすめするのは、新ダイワ IEG1600M-Yです。
出力1.6kVAでも本体は20kgと軽量。また、何より騒音値が51.5~61dBと超低騒音ですので、街なかで使用しても周囲に迷惑をかけません。
定格直流出力:12V-8A
騒音値(dB):51.5〜61
タンク容量(L):4.2
全長(mm):490
インバーター発電機の使い方とは?準備から保管方法や便利な使い方まで解説
ここでは、インバーター発電機の使い方をご紹介します。
発電機は燃料にガソリンなどを使用するため、取り扱いを誤ると大変危険です。
また並列運転など便利な使い方もありますので、ぜひご覧ください。
使用前の準備
インバーター発電機を使用する場合には、以下の点に注意して本体の準備を行います。
- 発電機は安定した場所に設置する
- 周囲に燃えやすいものを置かない
- 壁から1m以上離れた、風通しが良い場所に設置する
- 使用する機器のコンセントは、発電機から抜いておく
- 雨の中では使用しない
- 発電機に燃料を入れたまま、車などで運搬しない
- 本体の準備
- 周波数切替スイッチがついた機種は、機器にあわせて周波数を切り替える
- 発電機を初めて使う場合には、メンテナンスオイルを補充する
- 燃料(無鉛レギュラーガソリンなど)を補給する
インバーター発電機の使い方
インバーター発電機の使い方を、ホンダEU18iを例にしてご説明します。ホンダの公式動画も記載しましたので、あわせてご覧ください。
まずは始動方法です。
- 燃料給油キャップつまみを「ON(開)」の位置にあわせる
- エンジンスイッチを「運転」の位置にあわせる
- エンジンが暖まっていない場合は、チョークレバーを「始動」の位置にあわせる
- 本体をしっかり押さえ、始動グリップを勢いよく引く
- エンジンの回転音が安定し始めたらチョークレバーを徐々に「運転」の位置にあわせ、暖機運転をする
次は機器の接続方法です。
- 使用する機器のスイッチが切れていることを確認し、機器のプラグを発電機のコンセントに挿す
- 機器のスイッチを入れる
- 定格負荷で使用できている場合は、グリーンのランプが点灯し続ける
- 過負荷運転や使用する機器に異常があった場合は、グリーンのランプが消えレッドのランプが点灯するので、エンジンスイッチを「停止」にあわせて、エンジンを停止する
最後に停止方法です。
- 使用した機器のスイッチを切る
- 機器のプラグを、発電機のコンセントから抜く
- エンジンスイッチを「停止」の位置にあわせる
- エンジンが充分に冷えてから、燃料給油キャップつまみを「OFF(閉)」の位置にあわせる
長期間使用しない場合の保管方法
長期間使用しない場合(ヤマハでは「3ヶ月以上使用しない場合」と記載)には、発電機内のガソリンを抜いて保管する必要があります。
ガソリンを入れたまま長期間保管すると、ガソリンが劣化して発電機のエンジンが始動しにくくなることも。
長期間使用する予定がない場合は、忘れずにこの作業を行いましょう。
並列運転で出力を2倍に
インバーター発電機には、同機種のインバーター発電機2台での並列運転を行える機種があります。並列運転を行うと、通常の2倍の出力を取り出すことが可能に。そのため1台だけでは使えなかった、消費電力の大きい電気機器を使えるようになります。
ただし並列運転は指定の発電機同士でのみ行え、専用のコードが必要になります。カタログや説明書などで確認しましょう。
室内や車内では使用しない
インバーター発電機を稼働させると、排気ガスが出ます。
換気の悪い室内や車内では、絶対に使用してはいけません。ガス発電機も排気がクリーンとはいえ、同じように室内などでは使用できませんので注意しましょう。
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インバーター発電機の選び方!ポイントを5つにまとめてご紹介
用途別のおすすめ機種もご紹介していますが、より細かく選ぶことができるように、ここではインバーター発電機を選ぶ方法を5つご紹介します。
インバーター発電機の選び方
インバーター発電機を選ぶ際には、使用する機器の起動電力を確認する必要があります。大まかな手順は以下のとおりです。
- 使う機器の消費電力と起動電力を確認する
- 起動電力を足して、必要な出力を確認する
- 使用する機器によって発電機のタイプを選ぶ
- 電気機器と同じ周波数のモデルを選ぶ
選び方についての詳細は、こちらの記事の「ホンダ発電機の選び方」をご覧ください。
出力で選ぶ
前項の選び方でご紹介したとおり、使用する機器の起動電力を計算して、発電機の出力を選びます。人気メーカーのホンダでは900VA〜5.5kVA(900W〜5500W)、ヤマハでは900VA〜2.8kVA(900W〜2800W)の出力を持つ発電機をラインナップされているんです。必要な出力にあわせた機種を選びましょう。
カバータイプとフレームタイプ
インバーター発電機の形状には、カバータイプとフレームタイプがあります。
本体がカバーで覆われているカバータイプ。その特徴は本体のコンパクトさと静音性です。ただし、価格が高い、修理やメンテナンス作業が大変といったデメリットがあります。
カバータイプで人気のホンダ発電機はこちらです。
定格出力:交流100V-2.4kVA / 直流:12V-10A(12Vバッテリー充電専用)
連続運転時間:約8.5h
燃料タンク容量:12.7L
騒音レベル(定格負荷):90dB(A)/LWA
いっぽうのフレームタイプは、エンジン部分にカバーがされておらず、フレームで本体を支えます。カバータイプよりも構造がカンタンなため、安価な点が特徴です。またエンジンがむき出しですので、修理やメンテナンスもラクになります。ただし、本体が大きく、稼働音も大きい点がデメリットです。
フレームタイプで人気のホンダ発電機はこちらです。
燃料で選ぶ
インバーター発電機では、ガソリン発電機が最も多く発売されています。しかし上記の通り、ガス発電機やディーゼル発電機にもメリットがありますので、検討してみましょう。
また、カセットボンベとガソリンが両方使える発電機もあります。ニチネンのG-cubic(ジーキュービック)は、業界で初めてカセットボンベとガソリンの両方を使える2WAYの携帯発電機として発売されました。
商品サイズ:幅31.8×奥行44.8×高さ39.2cm
商品重量:15kg
使用燃料:ガソリン/カセットボンベ(マイ・ボンベL)
エンジンタイプ:空冷4ストローク単気筒OHV
軽油を燃料とした、ディーゼルエンジンのインバーター発電機。稼働音が大きいというデメリットはありますが、ランニングコストの安さを考えればディーゼル発電機もおすすめです。
引用:デンヨー
レンタル、中古品で選ぶ
「インバーター発電機がほしいけれど、そんなに頻繁には使わない」という場合には、レンタルや中古品という手もあります。
レンタルであれば、最寄りの工具レンタル専門店やホームセンターを確認してみましょう。時間や日にちあたりで安く借りることができます。
中古品は最寄りの中古工具屋を探してみましょう。ただし発電機は、正しいお手入れが必要です。「買ったけれども手入れがされてなくて、エンジンがかかりづらい」なんてことがないよう、信用できる店舗で購入する必要があります。
まとめ:特性を知ってインバーター発電機を選ぼう
今回は発電機の中でも最も需要があるインバーター発電機について、用途別のおすすめ機種、選び方、使い方までご説明しました。
たくさんの種類が販売されていますが、特性を理解すれば、自分にあった機種を選ぶことができます。
さらに適正な使い方を知って、インバーター発電機を有意義に使いこなしましょう。
※記事の掲載内容は執筆当時のものです。