玄能(げんのう)の使い方とは?ハンマーとの違いについても解説!
「玄能(げんのう)」はハンマーの一種で、実はすごい優秀な工具です。
ハンマーの新調を考えている際、聞き慣れない玄能というワードにたどり着くとなんだか気になってしまいますよね。
- 玄能ってどういうときに使うもの?
- ハンマーと玄能の違いってなに?
玄能について気になる方は、こんな疑問をお持ちではないでしょうか。
そこでこの記事では、「玄能の使い方とハンマーとの違い」についてまとめました。
具体的には、
- 玄能とは一体なにもの?
- 玄能やハンマー、トンカチの違いは?
- おすすめのハンマー
の順にご紹介していきます。
玄能についての疑問が解消される上に、ハンマー新調の手助けになりますよ。ぜひ参考にしてくださいね。
玄能のほかに金づちのおすすめを知りたいという方は、下記の記事も参考にしてください。
目次
玄能(げんのう)とは?プロが愛用する道具で打面への配慮ができます
もともと玄能は、殺生石(生き物を殺す石として恐れられていた)を金づちで退治した「玄翁和尚(げんのうおしょう)」が由来になっているとされています。
そんな歴史ある日本古来のハンマーは、今でもプロが愛用する優秀な工具です。
DIYでも活躍する工具ですので、知識を深めておいて損はありません。
玄能(げんのう)について
一般的に玄能(げんのう)と呼ばれる金づちは、叩く面が2つあります。
打面の片方は平たくフラットで、もう片方はゆるやかな曲面です。おもに木材を扱う大工仕事で活躍します。
側面が使えるような形状もあり、使う場面に応じて使い分けが可能です。
また大工用のほかに石工用があり、石材の切り割りに使われることも。
シンプルな見た目と「叩く」ことに特化した玄能は、DIY初心者からプロまで多くの方を支えています。
玄能(げんのう)の使い方
玄能を使う際は手から抜けてしまうのを防止するため、柄の先端が3cmほど出るようになるべく下を持ちます。
あまり柄の上を持つと重心のバランスが悪く、柄も細くなっていて握りづらいです。
そのまま惰性の力で打ち付けるようにし、手首を回さないで振り下ろして使用します。
玄能は重心が頭にあり、柄を短く持ってしまうと力が最大限に伝わりません。
また柄を短く持ち、腕の力で振り下ろすと軌道が安定せず叩きにくいです。
最初は打面が平たいほうを使って4分の3ほど釘を打ち付け、もう片方のゆるやかな曲面を使って仕上げます。
玄能(げんのう)の大きな特徴!
玄能の大きな特徴は、打面の使い分けによって打ち付ける木材の表面が傷つかないことです。
平たい面で打ち続けてしまうと、釘が沈み込んだ際に木材へ玄能が当たり傷になってしまいます。
しかし仕上げにゆるやかな曲面を使うことで、釘が沈み込んでも木材へ干渉せずキレイに仕上がるのです。
とくに打ち付ける素材へ傷をつけたくない場合は、とても重宝します。
玄能(げんのう)にはどんな種類がある?
打面が2つある両口玄能は、形状により以下の4種類へわかれます。
- 丸玄能
- 四角玄能
- 八角玄能
- 片八角玄能
それぞれ画像つきでご紹介していきましょう。
・丸玄能
丸玄能は形状が丸く、「関東では小判型」「関西では真丸型」と地方により微妙に形状が異なります。
・四角玄能
四角玄能は全国的に広く流通しており、重量バランスが良いです。
・八角玄能
八角玄能は側面も使えるため、狭い場所でも効率よく作業ができます。
・片八角玄能
片八角玄能は、丸玄能と八角玄能を合わせ持った形状です。
他にも片方の打面が細くなった「片口玄能」があります。細くなった先端を釘に当て、より深く釘を打ち込むことが可能です。
玄能(げんのう)とハンマー・トンカチとの違いは?種類についても解説
玄能の他に、ものを叩く工具として「ハンマー」「トンカチ」があります。
呼び方はさまざまですが、いずれも叩くことを目的とした工具。どんな違いがあるのかわかりにくいですよね。
この項目ではハンマーとトンカチの違いと、種類についてもまとめています。どんな種類があるのか気になる方は、ぜひ参考にしてください。
そもそもハンマー(かなづち)とは?
持ち手の柄と打面で構成される工具を総称して、日本語で「つち」と呼びます。英語では「Hammer(ハンマー)」となり、意味は同じです。
打面が金属製のものは「金づち」と呼ばれ、木製のものは「木づち」と呼ばれます。
つまりハンマーはものを叩く工具全般の総称で、日本語だと「つち」。詳しい分類により名称が変わります。
玄能やハンマー・トンカチの違いについて
「ハンマー」は叩く工具の総称で、その中でも金属製のものが金づちです。
金づちの中でも打面が両口あり、素材を傷つけないよう打ち分け可能なものが「玄能」と呼ばれます。
「トンカチ」については、明確な違いが分類されていません。
おもに釘を打ち込む際の「トントン、カチカチ」という擬音が名称の由来になっているとされ、ハンマーに近い総称を示します。
ハンマーと比べ、正式名称ではない俗称に近い扱いです。
購入時に見かけやすいハンマーの種類
・ネイルハンマー
釘抜きがついたハンマーで、一般家庭にも広く普及しているタイプです。
安価で扱いやすく、重量バランスが優れていて釘打ちが安定します。
・片手ハンマー
打面の片側が丸くなっており、金属板を曲げたりリベットをつぶして固定したりと金属加工で活用しやすい形状です。
・片口ハンマー
打面の片側が細くなっており、釘を深く打ち込む「釘シメ」作業で使います。
・ゴムハンマー
木製品や木工品を組み立てる際、打面を傷つけないようゴム製で作られたハンマーです。
ゴムハンマーについてもう少し詳しく知りたい方は、下記記事を参考にしてください。
・木づち
木製のハンマーで、家具の組み立てから杭打ちとさまざまな場面で活躍します。
また木づちに関して詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
玄能(げんのう)やハンマーのおすすめを知りたい!用途別にご提案!
DIYでハンマーの購入を考えている際、比較しながら購入したい場合もありますよね。
この項目では用途別におすすめのハンマーをまとめましたので、自分の使い方に合ったハンマーを選べます。
ハンマー選びに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
伝統工具の玄能(げんのう)
・カインドリコ 八角玄能 225g
DIY用。釘打ち。
頭部は両口タイプ。片方が平口。もう片方がやや丸みがあり、木殺しや釘の締めにご使用ください。
また、頭部側面も平面になっているので、打撃面として使用できます。
八角玄能は側面打ちも可能で、狭い場所でも活躍します。重量も225gであれば扱いやすく、パワー不足になることはあまりありません。
価格も1,000円以内で購入でき、丈夫でコストパフォーマンスが抜群です。
・かじ平 いぶし銀 八角玄能 GF柄 300g
プロ仕様パワーヒッタータイプ。グラス柄 八角玄翁。
打撃面の焼き入れは、中央部を硬く、フチは欠け防止のためやや甘めに仕上げてあります。
少し重めのもので、耐久性を求めるならかじ平の八角玄能がおすすめです。柄にグラスファイバーを使用しており、軽さと強度を両立しています。
一般家庭で活躍する金属製ハンマー
・ユーイング ネールハンマー パイプ柄 225g
ユーイングのネールハンマーは安価かつ耐久性も扱いやすさもあり、はじめてのハンマーとしても最適です。
・KSEIBI ボールペインハンマー (16oz) 片手ハンマー
KSEIBIの片手ハンマーは柄にグラスファイバーを採用しているため、軽くて扱いやすいです。グリップはゴム製で、握りやすくなっています。
打面に傷をつけにくいハンマー
・SK11 ファイバーグラス柄 ゴムハンマー
柄はグラスファイバーと木製を選べます。柄を変えても値段は変わらないため、軽量で強度のあるグラスファイバーがおすすめです。
・高儀 M&M ショックレスハンマー
ハンマーのヘッド内部に鉄球が入っており、打撃力を高める工夫がされています。打撃音が抑えられており、周囲に配慮が必要な場面でも使用OK。
ショックレスハンマーのおすすめをもう少し知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
・ベッセル(VESSEL) プラスチックハンマー
ヘッドの樹脂は差し替え可能で、新品に交換することでより対象物に傷をつけないよう配慮が可能です。
金づちではダメージがあり、ゴムハンマーでは打撃が弱いというときに重宝します。
プラスチックハンマーについて詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
まとめ:玄能(げんのう)は使い方を知るとプロに愛される理由がわかる!
玄能はハンマーの一種で、打面に傷をつけないよう打ち分けができる優秀な工具です。
使い方はかんたんですが、よりパワーを発揮するには正しい使い方を覚えておく必要があります。
とくに木工DIYをされる方は、打面に傷がつきにくい玄能を使用すれば大活躍するでしょう。
※記事の掲載内容は執筆当時のものです。