家庭用の発電機は静音性能が最重要!騒音対策のおすすめ製品を紹介
近年売り上げを伸ばしている、家庭用のインバーター発電機。
以前からインバーター電源は屋外で作業するときの工具の電源や、災害時の予備電源として使用されてきました。
最近ではアウトドアブームで売り上げの増加に拍車がかかり「野外で家庭内のように電化製品が使える」という理由で購入する方も多いようです。
人気のインバーター発電機ですが、実際に使おうとすると気になるのは稼働音ではないでしょうか。
せっかくアウトドアで楽しく過ごしているのに、騒音のトラブルで台無しになったということは少なくありません。
そこで今回は、家庭用の発電機の騒音について詳しく紹介します。
周囲へのマナーが気になって家庭用の発電機の購入をためらっている方も、おすすめの発電機を紹介しますので、参考にしてくださいね。
発電機とは
発電機とはガソリンやガスを燃料にして電力を発生する装置です。
現在では家庭に供給されている電源のように、安定した波形の電気を得ることができるインバーター発電機に需要が集まっています。
発電機についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事がおすすめです!
発電機の騒音
屋外で使用する発電機にとって無視できない問題は騒音です。
発電機を使うときに知っておいてほしい、騒音についての知識を紹介します。
まずは発電機の音はどの程度のものなのでしょうか。
発電機の稼働音と二輪車のエンジン音を比較した、参考になる動画がありますので聞いてみてください。
発電機の音は想像以上に大きかったのではないでしょうか。
ここではっきりと言ってしまいますが、発電機を使用するときの稼働音はゼロにはできません
どれだけ静音仕様を主張した発電機でも、夜間の住宅街や静かなキャンプ場で使用すると周囲に迷惑をかけてしまいます。
そこで理解してもらいたいのが、これから紹介する騒音レベルです。
騒音レベルとは
発電機の静音性能は、メーカーのカタログなどを見ると「騒音レベル」という項目に、デシベル(dB)という数値で載っています。
このデシベルという単位ですが「聞いたことはあるけど、よくわからない」という方が多いのではないでしょうか。
環境省が発行している資料に騒音の目安があり、デシベルの大きさがどれくらいの騒音レベルなのかがわかります。
ここで少しだけ難しい話になりますが、デシベルを導き出す数式には対数が使われています。
対数が使われていることが、どういう意味なのか簡単に説明すると、40dbと60dbでは60dbの方が1.5倍うるさいという訳ではありません。
結論だけ書きますが「デシベルの数値が20違うと10倍うるさい」という意味です。
発電機を検討する上で知っておいてほしいデシベルの差と、実際の騒音の大きさについて表にしてみました。
製品を比較する際の参考にしてみてください。
デシベルの差 | 騒音の度合い |
---|---|
0db | 同じ |
6db | 2倍うるさい |
10db | 3倍うるさい |
20db | 10倍うるさい |
40db | 100倍うるさい |
騒音レベルについて
つづいて、騒音レベルが実際にどのくらいの数値になると迷惑になるのかを紹介します。
今回は埼玉県川越市が発表している告示を参考にして紹介します。
この表から、自宅の庭先やキャンプ場で昼間に発電機を使用するときは、50db程度が許容範囲で、60dbを超えると近所迷惑と言われても仕方ないと読み取れます。
なお、この表は川越市が発表している資料の抜粋で、周辺に学校や医療施設がある場合などはさらに規制が厳しくなることに注意してください。
正確な告示内容を知りたい方は川越市の公式サイトより入手するようお願いします。
家庭用の発電機の選び方
今回は家庭用の発電機の選び方を、騒音に関係する項目に注目して紹介します。
騒音レベル
発電機のスペックを見てみると、メーカーごとに騒音レベルの表記が違うことに気付きます。
騒音の測定条件は「定格負荷時」や「1/4負荷時」など、メーカーによってさまざまです。
また測定方法も音響パワーレベルを示す「LwA」や、騒音レベルを示す「LA」などがあります。
このようにメーカーによって測定基準が異なりますので、実際に数値の大小だけを見て比較はできません。
発電機の稼働音は使用する負荷などの状況によっても大きく異なりますので、購入する前に実機をレンタルして使ってみるのをおすすめします。
定格出力
定格出力は使う予定の電化製品の使用電力や起動電力に合わせて選びます。
発電機は定格出力が大きくなると、騒音レベルも大きくなる傾向にあります。
用途に合う範囲でなるべく定格出力の小さい発電機を選ぶのがポイントです。
定格出力の選び方についてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にしてください。
家庭用のおすすめ発電機
インバーター発電機の中から、静音性能に注目したおすすめの製品を紹介します。
ホンダ EU18i
定格出力 | 1.8 kVA |
---|---|
本体重量 | 21.1 kg |
騒音レベル(LwA) | 90 dB(定格負荷) |
騒音レベル(LwA) | 81 dB(1/4負荷) |
ホンダのEU18iは静音の発電機を探している方におすすめです。
ホンダの製品はメーカーが公表しているスペックで比較すると、他のメーカーの発電機よりも静音能力に優れています。
さらにホンダのEU18iをおすすめする理由は、専用防音ボックスがあることです。
これはメーカーの測定値ですが、定格負荷使用時の騒音レベルが63dBのところ、防音ボックスを使用すると53~55dBまで下げることができるそうです。
先ほど紹介しましたが、騒音の度合いで言うと10dBの差は、騒音が1/3になることを意味していましたね。
さらに静音にこだわりたい方はこちらの商品がおすすめです。
エコルートの「防音ボックスぱかっと」を使用することで、製造メーカーの発表では45dB前後(最大出力時)まで防音できるとのことです。
先に紹介したメーカー純正の防音カバーよりもさらに10dB程度下げることになります。
「防音ボックスぱかっと」の重量は16.8kgで、気軽に持ち運べる製品ではありませんが、庭先で使用する発電機としてはまったく問題なしです。
定格出力が少なくても良い方は、こちらの製品はさらに静かです!
定格出力 | 0.9 kVA |
---|---|
本体重量 | 13.0 kg |
騒音レベル(LwA) | 86 dB(定格負荷) |
騒音レベル(LwA) | 78 dB(1/4負荷) |
ヤマハ EF900iS
定格出力 | 0.9 kVA |
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本体重量 | 12.7 kg |
騒音レベル(LwA) | 86 dB(3/4負荷) |
騒音レベル(LwA) | 48.5~60.5 dB(1/4負荷) |
ヤマハのEF900iSは静音性に非常にこだわって開発された製品です。
ヤマハはホンダと並び、静音性能に優れた家庭用の発電機を販売しているメーカーで、国際規格のISO3744に基づいたスペックを公表していることからも自信がうかがえます。
ホンダの同じ定格出力の発電機と比べると、少しだけですが軽いのが特長です。
やまびこ産業機械 新ダイワ インバータ発電機 IEG1600M-Y
定格出力 | 1.6 kVA |
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本体重量 | 20 kg |
騒音レベル(LwA) | 61 dB |
騒音レベル(LwA) | 51.5 dB(1/4負荷) |
新ダイワのIEG1600M-Yは、先に紹介したヤマハのOEM製品です。
ヤマハの同性能の製品より安価に購入できるのが特長といえます。
静音性能についても信頼できる製品ですので、ぜひ購入の選択肢に入れてみてください。
URCER インバーター発電機 1500W
定格出力 | 1.4 kVA |
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本体重量 | 約16 kg |
騒音レベル(LwA) | 58 dB |
URCERが販売している1500Wのインバータ発電機は、静音性能だけでなく価格にもこだわりたい方におすすめの発電機です。
他の発電機に比べると騒音レベルが高くなってしまいますので、使用する環境に気を付けましょう。
ニチネン ジーキュービックG-cubic KG-101
定格出力 | 1.0 kVA |
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本体重量 | 15 kg |
騒音レベル(LwA) | 58 dB |
ニチネンのKG-101は他に紹介した発電機とは異なり、燃料にガソリンだけでなくカセットボンベが使用できます。
キャンプや庭先のバーベキューでカセットボンベを使用する方は、燃料を別に用意する必要がないのでおすすめです。
まとめ
今回は発電機の騒音について紹介しました。
アウトドアで電化製品が使えるようになる発電機はとても便利です。
ぜひこの記事を参考にして、静音性能にもこだわった発電機を選んでください。
さいごに、発電機を使用するときに必ず守ってほしいことがあります。
周囲に迷惑をかけたくないために、家の中や車内に発電機を持ち込んで使用するのは厳禁です!
排出ガスには有毒な成分が含まれていますので、換気の良い場所で使用するようにしてくださいね。
静音にこだわるなら、発電機ではなく蓄電池という選択肢もあります。
その場合はソーラー発電機を検討してみてはいかがでしょうか。
こちらの記事も参考にしてみてください。
※記事の掲載内容は執筆当時のものです。