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貫通ドライバーの種類と正しい使い方

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DIYに限らず日用品として欠かせない工具にドライバーがあります。ドライバーとはネジ回しとも呼ばれるように、さまざまな形状のネジを締めたり緩めたりするのに特化した工具です。

一般的にドライバーは、ネジの締付駆動部分を傷めないように工夫されて造られていますが、腐食したネジに使用すると締付稼働部分をなめてしまう恐れがあります。

もちろん、腐食したネジは状態に合わせて新しいネジと交換する必要はありますが、肝心のネジが外れなければ元も子もありません。

しかし、そのような場合に大活躍するのが貫通ドライバーです。

貫通ドライバーは、ネジの締付駆動部分が腐食している場合や、経年劣化によるネジと結合部分の傷みに対応した便利な工具ですが、意外と知られていないのが正しい使い方です。

そこで今回は、貫通ドライバーの種類と正しい使い方について詳しく解説していきたいと思います。

貫通ドライバーとは?


貫通ドライバーは、ドライバーの軸である金属部分が柄の部分であるグリップを貫通した構造をしているのが特徴です。

その理由は、ネジの締付駆動部分に直接衝撃を与えることを前提として造られているからで、ハンマーで叩いて使用することを目的としているため、敢えてこのような構造をしています。

用途は、主に腐食してしまったネジや固く締まったネジを緩める際に用いられます。

通常のドライバーは、ドライバーの軸をグリップで覆う構造をしているため、ハンマーで叩いてもネジそのものに加わる衝撃は半減してしまいますが、貫通ドライバーは、ハンマーで叩いた力をダイレクトにドライバーの先端部に伝えることができます。

また、通常のドライバーのグリップ部分をハンマーで叩くとドライバーそのものが壊れてしまう恐れがあるので、経年劣化が目に見えて分かるネジを緩める場合は、貫通ドライバーがあると非常に便利です。

貫通ドライバーにもプラスとマイナスがある


貫通ドライバーは通常のドライバーと同様にプラス用とマイナス用のものがあります。私たちが普段目にするネジは、特殊ネジを除けば殆どがプラスとマイナスです。

しかし、近頃ではマイナスネジを見かけることは少なくなりました。マイナスネジは、加工が簡単で安く生産ができるメリットがありましたが、ネジを締めたり緩めたりする際に横滑りを起こしやすいといったデメリットがありました。

ただ、めっきり数は減ったものの、マイナスネジは現在でも生産されていて、古い機材や家具などは、マイナスネジが使用されたものも多いので、プラス用だけでなく、マイナス用の貫通ドライバーも一本あると便利です。

貫通ドライバーの種類


貫通ドライバーに対して、一般的なドライバーのことを専門的には非貫通ドライバーと呼んでいますが、非貫通ドライバーと同様に、貫通ドライバーにもさまざまな種類があります。ここからは貫通ドライバーの種類についてお伝えしていきます。

丸軸タイプ

KTC(ケーテーシー) 木柄ドライバー クロス貫通タイプ PD-2
KTC(ケーテーシー) 木柄ドライバー クロス貫通タイプ PD-2

私たちが普段目にするドライバーの殆どが丸軸タイプですが、貫通ドライバーに関しても一般的によく利用されるのが丸軸タイプです。丸軸は、軸を手で支えて使用する際に回しやすいというメリットがあります。

角軸タイプ

SK11 プラスチック 角軸 貫通ドライバー No.30 -8X150mm
SK11 プラスチック 角軸 貫通ドライバー No.30 -8X150mm

角軸タイプの貫通ドライバーは、軸が四角柱の形状をしていて、高いトルクのネジを回す際に、スパナやレンチを併用して使うことができます。日用品として利用する機会は少ないですが、本格的なDIYをおこなう際は、何本かあると便利です。

ボルスター付の貫通ドライバー

PB(ピービー) スイスグリップ貫通マイナスドライバー 8102D-4-100
PB(ピービー) スイスグリップ貫通マイナスドライバー 8102D-4-100

ボルスター付の貫通ドライバーは、軸の根本が六角の形状をしているため、角軸タイプと同じようにスパナやレンチを併用しながらネジを回すことができます。

角軸タイプとの大きな違いは、六角部分以外は軸が丸いので、丸軸タイプのように手で支えて回しやすいといったメリットがあります。ボルスター付の貫通ドライバーは、軸の形状が特殊なので通常の貫通ドライバーよりも価格は少々高めですが、1本あると非常に便利です。

マグネット付の貫通ドライバー

TRUSCO(トラスコ) 貫通ドライバー(マグネット入り) (-5.5X75mm) TKD-5.5-75
TRUSCO(トラスコ) 貫通ドライバー(マグネット入り) (-5.5X75mm) TKD-5.5-75

非貫通ドライバーにマグネット付があるように、貫通ドライバーにもマグネット付のタイプがあります。マグネット付きなので、ネジが落ちにくいといったメリットがあります。また、メーカーによっては前述の角軸やボルスター付のモデルもあります。

貫通ドライバーの正しい使い方


貫通ドライバーは、主に腐食したネジを緩める際に使用しますが、意外と知られていないが正しい使い方です。ここでは、貫通ドライバーの正しい使い方をお伝えしていきます。

自分に合ったサイズと重さのものを使いましょう


貫通ドライバーは、その名の通り軸が貫通しているため、全般的に非貫通ドライバーよりも重いです。事故やケガ防止のためにも、貫通ドライバーは、自分に合ったサイズと重さのものを使用しましょう。

貫通ドライバーは片手で使用しない


非貫通ドライバーと共通することですが、貫通ドライバーを回す際は、必ず両手を使い、片方の手でグリップを、もう片方の手で軸を支えるようにしましょう。

また、貫通ドライバーでネジの締付駆動部分をハンマーで叩く際は、ネジ穴に対して貫通ドライバーは垂直にかまえるようにしましょう。

ネジの状態によっては、貫通ドライバーの角度を変えながら叩くことも有効的ではありますが、ネジ穴の腐食が酷い場合は、ネジの頭部形状部が破損してしまう恐れもあるので注意が必要です。

貫通ドライバーを使用する際は保護メガネを着用しましょう

ビジョンベルデ 保護めがね オーバーグラス対応 曇り止め加工 VS302F
ビジョンベルデ 保護めがね オーバーグラス対応 曇り止め加工 VS302F

貫通ドライバーに限った話ではありませんが、ものが飛び散る可能性のある作業をおこなう際は、必ず保護メガネを着用するようにしましょう。どのような作業でも安全第一を意識することが大切です。

プラスチックハンマーを使用しましょう

TRUSCO(トラスコ) プラスチックハンマー 中 ヘッド交換式 ナイロン製 TH-9007
TRUSCO(トラスコ) プラスチックハンマー 中 ヘッド交換式 ナイロン製 TH-9007

貫通ドライバーを叩く際はプラスチックハンマーを使用しましょう。金属製のハンマーは貫通ドライバーのグリップを傷めてしまうだけでなく、大きな力が加わるため、ネジそのものを破壊する恐れがあります。

軍手は必ず着用しましょう


ハンマーを使用する作業全般に言えることですが、作業する際は必ず軍手を着用して、事故とケガ防止を心がけましょう。

困った際は潤滑スプレーを併用しましょう


腐食が明らかに酷いネジを緩める場合は、貫通ドライバーを使用する前に金属用の潤滑スプレーをネジの結合部分に吹き付けておくと、ネジがスムーズに緩むことがあるので、貫通ドライバーは、ネジの状態を把握してから使用するようにしましょう。

貫通ドライバーはタガネドライバーではない


貫通ドライバーをタガネと同じように使用している方を時折目にしますが、これは正しい使い方ではありません。

タガネの代わりに使用したい場合は、タガネドライバーというものがあります。貫通ドライバーの軸は、強度の高い金属を素材として造られていますが、目的に合った正しい使い方を心がけましょう。

まとめ


貫通ドライバーの種類と正しい使い方と題しましてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?

貫通ドライバーは、非貫通ドライバーと同様にネジの形状や状態に合わせて使用することができます。

ただし、工具全般に言えることですが、間違った使い方をすると事故やケガを引き起こす恐れがあるので注意が必要です。

今回お伝えした内容は、貫通ドライバーを選ぶ際のポイントにもなりますので、ぜひご活用ください。

皆さんの参考になればうれしいです。

※記事の掲載内容は執筆当時のものです。