ケーブルカッターの正しい選び方!種類別におすすめ製品もご紹介!
電気の配線工事を行う電気工事士にとって、電線を必要な長さに切断することは欠かすことのできない作業です。
そんな電線の切断作業には、ケーブルカッターを使います。
家庭内でも見るような細い電線であればニッパーでも切れますが、もっと太い電線になるとケーブルカッターでなければ切断できません。
今回はケーブルカッターの種類と選び方、さらにおすすめの製品を紹介します。
お気に入りのケーブルカッターを見つけるために、ぜひ参考にしてくださいね。
ケーブルカッターの選び方
ケーブルカッターにはたくさんの種類があります。
ケーブルカッターを選ぶときに注目するのは、切断したい電線の太さや芯線の材質です。
そこで、ここからは細い電線用と太い電線用に分けて、おすすめのケーブルカッターを紹介します。
なお、今回の記事では、ビニル絶縁電線(IV線)で60SQ程度を境界として、それ以下を細い電線、それ以上を太い電線として考えています。
細い電線を切断するケーブルカッター
細い電線を切断するケーブルカッターは、片手で扱えるハンディタイプがおすすめです。
ハンディタイプのケーブルカッターの中から、実際の電気工事士も愛用しているメーカーの製品を紹介します。
細い電線の切断はニッパーをはじめとして、他の工具でも代用できてしまいますが、ケーブルカッターは電線を切断する専用の工具です。
ケーブルカッターを使えば電線をつぶすことなく切断できますので、端子を圧着するなどの後処理の手間はかなり削減できます。
ケーブルカッターを使ったことのない方も、ぜひ紹介する製品を試してください。
ハンディタイプ
フジ矢
ハンディタイプのケーブルカッターを購入するなら、フジ矢の製品をおすすめします。
フジ矢のケーブルカッターの特長は、電線をサクサクと切断する切れ味の良さです。
対応する電線の太さの違いで製品ラインナップをそろえていますので、切断したい電線サイズにあった製品を購入してください。
マーベル
ハンディタイプのケーブルカッターは、フジ矢と人気を二分しているマーベルの製品もおすすめです。
マーベルのケーブルカッターは、片手では扱えない大きさにはなりますが、IV線の500SQまで切断できる製品をそろえています。
また、50,000Vの電圧に耐える、絶縁タイプの製品があるのも特長です。
クニペックス
片手で使えるハンディタイプのケーブルカッターで、絶縁タイプを探している方にはクニペックスの製品がおすすめです。
クニペックスはケーブルカッター以外にも、ニッパやペンチなどの絶縁仕様のハンドツールを多く取り揃えています。
ホーザン
ホーザンは電子機器用の工具を製造しているメーカーで、制御盤内部などの配線に使われるような電線を、メインに取り扱っている方におすすめです。
屋内の低圧配線で使うことの多いVVF線であれば、2芯の2SQまで切断できます。
ホーザンといえば、電気工事士の技能試験用に販売されている工具セットも人気で、受験者からの評判も上々です。
電気工事士の資格についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
太い電線を切断するケーブルカッター
ビニル絶縁電線(IV線)で60SQを超えるような、太い電線を切断するときこそケーブルカッターの出番です。
以下の3つのタイプに分けて、おすすめの製品を紹介します。
・ラチェット式
・電動式
・油圧式
ラチェット式のケーブルカッター
太い電線を切断できるケーブルカッターを探している方には、ラチェット式のケーブルカッターをおすすめします。
ラチェット式のケーブルカッターの最大の特長は、その名の通りラチェット機構が組み込まれていることです。
先に紹介したハンディタイプのケーブルカッターでも、太い電線に対応できる製品を紹介しました。
しかしハンディタイプのケーブルカッターの形状は、太い電線をはさむときには大きく持ち手を広げる必要があり、また切断するときには強い力も必要です。
電気工事には作業エリアが限られることがありますが、そんなときでもラチェット式のケーブルカッターなら問題ありません。
ラチェット式のケーブルカッターをさらに安価で入手したい方には、こちらの製品もおすすめです。
電動式のケーブルカッター
大量に太い電線を切断する必要のある方には、電動式のケーブルカッターがおすすめです。
建築系の電動工具はマキタの愛好家が多いですが、電気屋さんにはパナソニックの電動工具の方が人気が高い印象があります。
今回紹介するパナソニックの充電デュアルケーブルカッターEZ45A6K-Bは、14.4Vと18Vのどちらのバッテリーにも対応できるデュアルタイプの電動工具です。
電力用ケーブルとしてよく使われるCV-3Cケーブルなら、最大200SQの太さまで切断が可能で、先端のカッター部分は360度回転しますので、切断したい電線の向きに合わせて作業ができます。
また、別売りのアタッチメントを使用すると、電線と端子の圧着や、ブレーカーボックスなどに穴をあける打ち抜き作業もこなすマルチツールです。
未来工業のMC-CA100は、お手持ちのインパクトドライバーがケーブルカッターになる面白い製品です。
6.35mmの六角軸シャンクのインパクトを使っている方は、こちらの商品も検討してみてください。
油圧式のケーブルカッター
送電線の工事など芯線の材質が硬い電線を切断したい方は、油圧式のケーブルカッターがおすすめです。
今回紹介したCGOLDENWALLの油圧式ケーブルカッターのラインナップは、外形寸法90mmの太さまで対応しています。
電動式はバッテリー切れの心配がありますが、油圧式にはありませんので、長い時間使いたい方や使用頻度が極端に低い方にも使っていただけます。
まとめ
今回はケーブルカッターの選び方と、おすすめ製品を紹介しました。
電線の太さや芯線の材質、さらには作業量などによって、いくつかの工具を使い分けることが効率をアップさせるポイントです。
電気工事に使うおすすめの工具は、こちらの記事でも紹介しています。
ケーブルカッターを使用する電気工事において、特に注意してほしい事故は感電です。
電気工事士にとって目に見えない電気を、音や光で知らせてくれる検電器は必須アイテムです。
感電事故を防止するため、電線に触れるときは、検電器を使って電気が通っていないことを確認するクセをしっかりと身につけ、安全に作業してください。
※記事の掲載内容は執筆当時のものです。