エアコン取り付け用の真空ポンプ2大メーカー!アサダとタスコを徹底比較!
エアコンの取り付け工事には、真空ポンプが欠かせません。
プロにも愛用されている、真空ポンプのメーカーがアサダとタスコです。
今回はエアコン取り付けに使われる真空ポンプの2大メーカー、アサダとタスコを紹介します。
用途にあわせておすすめ製品も比較していますので、どちらのメーカーの真空ポンプを購入しようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね!
真空ポンプとは
真空ポンプとは容器内から気体を吸い出して、真空状態にする装置です。
電化製品の生産ラインに使われる大型のものから、家庭内で食品の保存に使われるような小型のものまで、さまざまな種類の真空ポンプがあります。
エアコン取り付けに使われる真空ポンプ
エアコンを取り付けるときには、室内機と室外機をつなぐ配管内に触媒を満たすため、真空ポンプで空気を吸い出す必要があります。
エアコン取り付けで使われる真空ポンプは電気を動力源としてモーターを回転させ、空気を吸い出すしくみです。
真空ポンプのメーカーはアサダとタスコが有名で、プロの業者にも広く愛用されています。
なお、マキタとパナソニックの真空ポンプは、2社のOEM品です。
アサダとタスコはあまり聞きなじみのない会社かもしれませんので、まずは簡単に紹介します。
アサダとは
アサダ株式会社は愛知県に本社を持ち、配管に関わる機械や工具を製造・販売するメーカーです。
1941年に配管用のねじ切機を開発し、会社としての歩みを始めました。
現在では愛知だけに留まらず、アジアやアメリカにも拠点を持つグローバル企業です。
アサダは配管に関するさまざまな工具を製造しており、中でもオゾン層を破壊するといわれているフロンの回収装置は、世界でも高く評価されています。
アサダは溶接機も製造しており、こちらの記事で紹介しています。
タスコとは
タスコは大阪府に本社を構える、イチネンホールディングスのグループ会社です。
2013年にイチネングループの仲間入りを果たし、2015年から「タスコジャパン株式会社」から「株式会社イチネンTASCO」へ社名を変更しました。
タスコの製品は1台ずつ全ての製品を検査することで、高い品質が維持されています。
真空ポンプについても、タスコの厳しいチェック基準に満足しなければ、出荷されることはありません。
タスコはこちらの記事で、さらに詳しく紹介しています。
真空ポンプの基本性能
アサダとタスコの製品を比較するために、まずは真空ポンプの基本性能を解説します。
ご存じの方も多いと思いますので、さらっと進めます。
排気速度
真空ポンプの排気速度とは、1分間に吸い出すことができる空気量です。
排気速度は(L/min)の単位で表示され、配管内の空気を抜く時間に関係します。
また、この数値の大きさで対応できるエアコンのサイズが決まります。
真空ポンプは大は小を兼ねますが、アサダとタスコはさまざまなエアコンに対応できるようにラインナップが豊富です。
排気速度が高いほどサイズや重量も大きくなりますので、作業にあった製品を選ぶのがおすすめです。
到達真空度
真空ポンプの到達真空度とは、どれだけ配管内から空気を吸い出せるかを示した値で、単位としては(Pa[abs.])や(ミクロン)が使われます。
一般的なエアコンの設置は「-0.1Mpa」が要求されており、アサダとタスコの真空ポンプはどちらも要求を満たす性能を持っていますので、あまり注目する必要はありません。
オイル量
真空ポンプは自動車のエンジンなどと同様で、本体内部に専用のオイルが入っています。
真空ポンプを使用するとオイルが劣化し、故障の原因になりますので、定期的な交換が必要です。
オイル量は単純にランニングコストで、排気速度の大きな製品ほどオイル量は多くなります。
オイル交換のときには真空ポンプにはメーカーが販売している、純正のオイルを使用してください。
本体重量
真空ポンプはエアコンの取り付け場所に持ち運ぶ必要がありますので、なるべく軽いものを選びましょう。
アサダとタスコは専用の収納箱も販売しており、常に持ち運ぶ方におすすめです。
電源
真空ポンプの電源は、AC電源式と充電式の二種類です。
AC電源式のアサダとタスコの真空ポンプはどちらも100V仕様で、周波数も50Hz/60Hzに対応しています。
充電式は「アサダの真空ポンプはマキタのバッテリー」が、「タスコの真空ポンプはパナソニックのバッテリー」が使用可能です。
充電式の真空ポンプを購入するときは、普段使っている工具によってアサダかタスコを選ぶと費用が抑えられます。
電動工具のバッテリーについては、こちらの記事をご覧ください。
真空ポンプの機能
真空ポンプの基本性能をおさらいしたところで、機能についても紹介します。
オイルの逆流防止
エアコンの真空引き作業中に真空ポンプの電源が落ちてしまうと、本体内部のオイルがエアコンの配管内に逆流します。
アサダとタスコの真空ポンプには、全ての機種で逆流を防止する機能が搭載されていますので、安心して製品を選んでください。
ツーステージ
真空ポンプの内部には空気を吸い出すために圧縮している部屋があり、ステージはその部屋の数を表します。
ツーステージの真空ポンプは高い到達真空度が得られるというメリットがありますが、先にもお話した通り、エアコンの真空引きに関してはあまり関係がありません。
4ポールモーター
真空ポンプには2ポールモーターと4ポールモーターがあります。
ポールというのはモーターの電極の数です。
電極の数はモーターの回転数やトルクに関わり、極数を増やすことで回転数が低くなり、高いトルクが出ます。
4ポールモーターは2ポールモーターに比べて、発熱をしにくく静音性に優れています。
ガスバラストバルブ
真空ポンプのガスバラストバルブは、本体内のオイルに液化した触媒が混入するのを防ぎ、オイルを劣化から守ってくれます。
ガスバラストバルブ付きの真空ポンプを選ぶと、オイル交換の周期が長くなり、ランニングコストが抑えられます。
おすすめの真空ポンプ
真空ポンプの性能や機能を紹介したあとは、実際にアサダとタスコの製品を比較します。
充電式の真空ポンプ
充電式の真空ポンプはアサダからは1製品、タスコからは2製品が販売されています。
マキタユーザーはアサダ、パナソニックユーザーはタスコがおすすめです。
・アサダ VP150
・タスコ TA150ZP
・タスコ TA150MR
ローター方式:シングルステージ式
●連続41分にスタミナ運転を実現
●充電式だから電源のとれない屋根上でもベランダでも作業OK
性能 | アサダ VP150 | タスコ TA150ZP | タスコ TA150MR |
---|---|---|---|
排気速度 | 50 L/min | 25.8 L/min | 48 L/min |
到達真空度 | 20 Pa[abs.] | 18 Pa[abs.] | 50 Pa[abs.] |
オイル量 | 100~130 ml | 80 ml | 140 ml |
本体重量 | 3.6 kg | 3.5 kg | 3.7 kg |
電源 | 18V | 14.4V/18V | 14.4V |
連続運転 | 約 60 分 | 約 120 分 | 約 40 分 |
エアコン取り付けDIYにおすすめの真空ポンプ
家庭用エアコンの真空引きにおすすめの真空ポンプを比較してみました。
こちらの2製品はエアコン取り付けのDIYに多く使われています。
ぜひ注目してほしいのは、タスコの「TA150SV」の2.95kgという軽さです!
・アサダ WV210
・タスコ TA150SV
小型でありながら高性能を兼ね備えた、ガスバラストバルブ付きツーステージ真空ポンプ。最軽量・大排気量真空ポンプの決定版
性能 | アサダ WV210 | タスコ TA150SV |
---|---|---|
排気速度 | 50 L/min(60Hz) | 40 L/min |
到達真空度 | 3.0 Pa[abs.] | 12.7 Pa[abs.] |
オイル量 | 150 ml | 90 ml |
本体重量 | 5.0 kg | 2.95 kg |
プロにおすすめの真空ポンプ
大型のパッケージエアコンまで対応が可能で、エアコンの取り付け作業をしている方にも使っていただける真空ポンプを比較してみました。
どちらもガスバラストバルブ付きで、オイルの劣化を防いでくれます。
・アサダ WV260
吸入ポート:1/4″、3/8″(フレアオス)
標準付属品:真空ポンプオイル0.35L×2、異径アダプタ1/4″メス×5/16″オス
高トルク・低騒音・低電圧対応の4ポールモータ採用
・タスコ TA150RC
性能 | アサダ WV260 | タスコ TA150RC |
---|---|---|
排気速度 | 170 L/min(60Hz) | 154 L/min(60Hz) |
到達真空度 | 2.0 Pa[abs.] | 1.3 Pa[abs.] |
オイル量 | 580 ml | 約 400 cc |
本体重量 | 16.5 kg | 10.3 kg |
注目の真空ポンプ
ここまでは同様の性能の真空ポンプを比較しましたが、最後にぜひ注目してほしい製品を、アサダとタスコの両メーカーから、1製品ずつ紹介します。
・アサダ AP280
●オイルの汚れ具合が一目でわかる透明のオイルボトルで、オイル交換時期が一目瞭然です。●オイル交換は、新しいオイルカートリッジに取り替えるだけ、5秒で完了します。●新冷媒(HFC)・従来冷媒対応です。●オイル逆流防止機構内蔵。真空ポンプオイルの逆流を防ぎ、HFC系冷媒機器の損傷を防止します。●2ステージロータリーポンプで高真空です。
アサダの「AP280」は、オイル交換の手間を省きたい方におすすめの真空ポンプです。
AP280のオイルはカートリッジ式を採用しているため、交換にかかる時間はわずか5秒で完了します。
高速ターボファンを搭載しているため、冷却効率は抜群でハードな使用も可能です。
・タスコ TA150GL
インバーター採用の340L大排気量真空ポンプ。
●インバータ制御で低電圧でも安定した起動
●オイル逆流防止弁(電磁弁)
タスコの「TA150NV」は、とにかく排気量が大きい真空ポンプを探している方におすすめです。
TA150NVはインバーター制御により、340(L/min)の大排気量を可能にしました。
どんな大型のエアコンや空調システムにも対応が可能です。
性能 | アサダ AP280 | タスコ TA150GL |
---|---|---|
排気速度 | 227 L/min(60Hz) | 340 L/min(60Hz) |
到達真空度 | 5.3 Pa[abs.] | 2.0 Pa[abs.] |
オイル量 | 0.225 L | 約 450 cc |
本体重量 | 13.5 kg | 11.5 kg |
まとめ
今回はアサダとタスコの真空ポンプについて紹介しました。
両メーカーの真空ポンプは、どちらも甲乙がつけがたい性能です。
他にも紹介しきれなかった魅力的な製品がたくさん販売されていますので、ぜひお気に入りの真空ポンプを探してみてくださいね!
おまけ情報
エアコン取り付けのDIYをしたい方に、タスコのエアコン工具セットを紹介します。
ウルトラミニツーステージ真空ポンプ 逆止弁付 (TA150SW)
R410A / R32ボールバルブ式ゲージマニホールド (TA122G)
クイックハンドル式フレアツール (TA550HB)
チャージホース R410A / R32 赤 92cm (TA132AF-1)
チャージホース R410A / R32 青 92cm (TA132AF-2)
チャージホース R410A / R32 黄 92cm (TA132AF-3)
耐圧兼用型チャージバルブ (TA166ZA)
チューブカッター (TA560TA)
クランクリーマー (TA520CK)
真空引きの作業だけなら、こちらのセットがおすすめです。
セット内容:真空ポンプ(TA150MR‐N)、真空ゲージキット(TA142MD)、真空ポンプケース(TA150DS‐21)、バルブ付チャージホース(TA132AA‐3/92cm/黄)
※記事の掲載内容は執筆当時のものです。