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コンクリートバイブレーターの使い方と選び方、注意点について

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コンクリートバイブレーターは、コンクリートの気泡を逃がすだけでなく、コンクリートの骨材となる砂利や砂などを馴染ませ、施工後のコンクリートを頑丈に仕上げるために欠かせない電動工具で、建設や土木工事業といったプロの現場では必須アイテムとして常用されています。

使い方と注意点をきちんと守れば、初心者でも扱うことができるコンクリートバイブレーターですが、さまざまなメーカーから用途別に商品が発売されているため、初めてコンクリートバイブレーターの購入を検討されている方にとっては、どれを選べば良いのか分かりにくいものです。

そこで今回は、「コンクリートバイブレーターの使い方と選び方、注意点について」と題しまして、コンクリートバイブレーターについて詳しくお伝えしていきたいと思います。

コンクリートバイブレーターとはどのような工具?


コンクリートバイブレーターは、生のコンクリートに高周波で振動を加えることにより、調合して混ぜ合わせたばかりのコンクリートの中にある余分な気泡を逃がし、砂利や砂などの骨材をバランスよく混ざり合うように整え、コンクリートの強度を上げるために必要不可欠な電動工具です。

一般的に、住宅の基礎や擁壁の作業をする際にコンクリートバイブレーターはよく利用されていますが、コンクリートブロックや排水溝、縁石などの製造でもなくてはならない工具で、コンクリート施工をおこなう現場では必須アイテムとして常用されています。

コンクリート施工の現場では、コンクリートバイブレーターを使用する際に「締固め」という言葉を使っていますが、この「締固め」という言葉は、人力でコンクリートを突き棒と呼ばれる棒で突き、固めていたことから由来しています。

では、コンクリートバイブレーターを使用することでどれだけの効果があるでしょうか?

コンクリートバイブレーターを使用することによる効果

コンクリートの仕上がり

コンクリートバイブレーターを使用すると、コンクリートの中にある気泡が外部に追い出されるため、強度や水密性、耐久性に優れた品質の高いコンクリートに仕上げることができます。また、コンクリート内に余計な空洞ができないため、隙間のない安全性の高いコンクリートに仕上げることが可能です。

作業面での効率性

突き棒の使用と比較した場合、コンクリートバイブレーターは時間的なロスを抑えるだけでなく、作業従事者に掛かる肉体的な負担を大幅に削減できるため、作業面での効率性を高めムラのない仕事を可能にします。

経済的に期待できる効果

人力による負担が大幅に削減できるということは、その分だけ工期を短くすることができるため、経済的な効果を得ることができます。

では、続いてコンクリートバイブレーターの種類と選び方について見ていくことにしましょう。

コンクリートバイブレーターの種類と選び方


コンクリートバイブレーターは、形状や電源、締固めの能力の違いをチェックすることが選び方のコツです。ただ、利用したい目的に合ったものを選ばなければ元も子もありませんので、ここからはコンクリートバイブレーターの種類と選び方のポイントについて解説していきます。

コンクリートバイブレーターの種類について

コンクリートバイブレーターは、大きく分けると内部振動方式と型枠振動方式の2つの種類ありますが、今回はあらゆるコンクリートの施工現場で使用する頻度が高い内部振動方式のコンクリートバイブレーターから、フレシキブル・電棒・パンチ型の3つのタイプをお伝えしていきます。

※フレキシブル(フレキ)タイプ

マキタ 充電式コンクリートバイブレータ18V 作業深さ730㎜ VR350DZ
マキタ 充電式コンクリートバイブレータ18V 作業深さ730㎜ VR350DZ

フレキシブルタイプは、その名の通り柔軟性の高いコンクリートバイブレーターで、ホース部分を自由に曲げて使用することができるため、棒電型では入らないような場所でも楽に締固めの作業が可能です。主に住宅の基礎コンクリート施工で利用されていて、一つあるとかなり重宝します。

※電棒タイプ

マキタ コンクリートバイブレータAC100V式 32㎜径電棒タイプ 作業深さ727㎜ VR321DL
マキタ コンクリートバイブレータAC100V式 32㎜径電棒タイプ 作業深さ727㎜ VR321DL

電棒タイプのコンクリートバイブレーターは、その名の通り棒状のバイブレーターで、軽量で扱い易いのが特徴です。主にコンクリート二次製品や石積工事に利用されていて、住宅の基礎コンクリート施工では、立ち上がり部分の締固めに向いています。

※パンチ型

表面仕上げ用バイブレーター MGZ-N410A
表面仕上げ用バイブレーター MGZ-N410A

パンチ型のコンクリートバイブレーターは、擁壁やダムの壁面など、気泡が抜けにくい法面をキレイに仕上げるのに適していて、主にコンクリート二次製品の土留板や棚板、護岸ブロックなどの製造に利用されています。

電源方式について

コンクリートバイブレーターは、一般的にAC100V電源方式を採用した商品が殆どですが、18V充電式や14.4V充電式を採用した商品もあります。充電方式は、軽量で持ち運びにも優れていて便利ですが、長時間使用する場合はAC100V電源方式がおすすめです。

振動部の直径について

コンクリートバイブレーターは、振動部の直径が大きければ大きいほど締固めの有効範囲も大きくなるのが特徴です。つまり、振動部の直径が大きいコンクリートバイブレーターほど、コンクリートに打ち込む間隔を広めにとることが可能なので、その分短い作業時間で仕事をすることができます。

コンクリートバイブレーターの基本的な使い方


内部振動方式のコンクリートバイブレーターは、種類や形状の違いはありますが、基本的な使い方は共通していて、型枠に流し込んだコンクリートの内部に差し込んで締固めをおこないます。

コンクリートバイブレーターを使用する目的は、型枠に流し込まれたコンクリートの内部にある余分な気泡を外部に逃がし、コンクリートを構成するセメントや骨材を均等化することです。

基本的なコンクリートバイブレーターの使い方は、型枠に流し込まれたコンクリートに対して振動部を垂直に差し込みます。その際、挿入する深さや差し込む間隔を正確に意識しながら作業するようにしてください。

振動部を斜めに差し込んだり、振動の有効範囲を無視して作業をおこなったりすると、コンクリートの上層部と下層部が不均一になる可能性があります。

コンクリートバイブレーターを使用する上での注意点


型枠に流し込まれたコンクリートにバイブレーターの振動部を差し込むことで余分な気泡は外部に抜けていきますが、振動を与える時間はおよそ10秒から20秒で守るようにしましょう。それ以上の振動を与えてしまうと骨材がコンクリート内の下部に沈み、コンクリートの構成のバランスが崩れてしまいます。

また、コンクリートバイブレーターは鉄筋に当たらないように意識して作業しましょう。鉄筋に振動部が当たると、鉄筋も振動部と同じ効果が生じてしまうため、その周りにはセメントが多くなり、付着力が低下するので注意してください。

コンクリートバイブレーターは、お伝えした基本的な使い方と注意点さえ守れば、強度や耐久性に優れたコンクリート施工が可能です。

まとめ


今回は「コンクリートバイブレーターの使い方と選び方、注意点について」と題しましてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?コンクリートバイブレーターは、利用したい目的に合わせて選ぶのがポイントです。

また、コンクリートバイブレーターに限った話ではないですが、正しい使い方を守り、使用上の注意点を意識することで品質の高いコンクリート施工が可能です。皆さんの参考になればうれしいです。

※記事の掲載内容は執筆当時のものです。