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ねじ切り機とは?種類と選び方、使い方について解説

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私たちの日常生活に欠かすことのできない電気やガス、水道ですが、これらを各住宅に供給するために使用されているのがそれぞれ専用に規格された配管用のパイプです。

これらの配管用のパイプは、長さを調整しながらパイプ同士を接続するため、現場ではその都度、パイプの切断と加工を必要とします。

そのような時に大活躍する工具がねじ切り機です。ねじ切り機は、パイプの切断に加え、パイプ同士を接続するための加工を簡単におこなうことができます。

そこで今回は、「ねじ切り機とは?種類と選び方、使い方について解説」と題しまして、ねじ切り機について詳しくお伝えしていきたいと思います。

ねじ切り機はどのような工具?


ねじ切り機は、配管に使用されるパイプの両端の外側に、雄ねじ用に切り込みを入れるための工具で、ガス管や水道管といった規格品のパイプに使用されるため、パイプのサイズに合わせて各工具メーカーから販売されています。

ねじ切り機で扱うパイプは、家庭用のDIYで目にするパイプとは異なり、ねじ切り機を使用する場合は大掛かりな作業を要するため、プロの現場では負担の少ない電動式が採用されることがほとんどですが、状況に応じて手動式が用いられることもあります。

手動式のねじ切り機は人力を必要とするため、作業従事者に負担を掛けてしまいますが、屋外での作業で、どうしても電動式が使用できない環境では重宝されるため、予備に携帯している事業者もあります。

また、プロの現場で使用するねじ切り機はハイスペックな仕様のため、家庭用にはねじ切りダイスをおすすめします。ねじ切りダイスは、径の小さなパイプのねじ切りに加え、ねじ谷が傷んだボルトやナットの修理にも活用できるので、家庭用としてだけでなく、プロの現場にも常備しておくと便利です。

それでは次にねじ切り機の種類と選び方について解説していきます。

ねじ切り機の種類と選び方

アサダ ビーバー25 BE25B
アサダ ビーバー25 BE25B

ねじ切り機は大きく分けて電動式と手動式の2種類ありますが、それ以外にもちょっとしたDIY用に利用できるねじ切りダイスや、さらに高度なねじ加工が可能なねじ転造機などがあります。ここでは、ねじ切り機の種類と選び方について解説していきますので、購入する際の参考にしてください。

ねじ切り機の種類

電動式

REX 自動切上ダイヘッド付パイプマシン F80A3 F80A3
REX 自動切上ダイヘッド付パイプマシン F80A3 F80A3

ねじ切り機は電動式と手動式があり、一般的には使いやすさと作業従事者にかかる負担の少なさから電動式を採用している事業者は多いです。電動式のねじ切り機は、規定のガス管や水道管の材質やサイズに合わせて選ぶことができるのもポイントです。

手動式

手動式のねじ切り機は、電動式が利用できない環境で使うことができるので、もしもという時に一台あれば重宝します。ただし、手動でねじ切りをおこなうため、作業従事者にかかる負担は大きく、作業も時間的にある程度の余裕が必要になります。また、手動式はねじ切りに対応する素材や材質に制限があり、ステンレス管やボルトのねじ切りが可能なモデルはありません。

ねじ切りダイス

ちょっとした家庭用のDIYや径の小さなパイプ、ボルトのねじ切りをおこなう際、ねじ切り機はあまりにもハイコストなため不向きですが、ねじ切りダイスがあれば必要十分な作業が可能です。また、ねじ切りダイスは、傷んだねじ谷の修正にも活用できるので、プロの現場でも常備しておくと便利です。ねじ切りダイスの多くはセットで販売しているので、買ったその日からすぐに使用できますが、購入する際は、ばら売りに対応したメーカー品がおすすめです。

ねじ転造機

ねじ切り機はパイプに直接切り込みを入れるため、必然的に切り込みを加えた箇所は耐久力が落ちてしまいます。しかし、ねじ転造機はパイプに圧力を加えてねじ谷を作るため、パイプの耐久力を維持しながら加工することが可能です。ねじ転造機はねじ切り機よりも高価なため、初期投資に費用はかかりますが、ランニングコストは安く済みます。また、対応するパイプの種類も多いので、一台あるとかなり重宝します。

ねじ切り機の選び方

ねじ切り能力をチェックする
ねじ切り能力は、ねじ切り機を選ぶ際のポイントになるので必ずチェックするようにしましょう。ねじ切り能力は、ねじ切りに対応する配管サイズのことで、A呼称とB呼称のどちらかで記されていることがほとんどです。A呼称はミリメートル、B呼称はインチで表記されています。例えば、10ミリメートルの寸法の場合は10Aとなり、1インチの寸法の場合は1Bで表します。

対応する管をチェックする
ねじ切り機の多くは、ガス管と水道管に対応していますが、中には電線管やボルトに対応した機種もあるので、どのパイプに対応しているのかもチェックしておきましょう。パイプの切断に関しては、ほとんどのねじ切り機が対応していますが、中には対応していない機種もあります。特に手動式のものは切断には対応していません。また、電動式のねじ切り機の中には、転造に対応した機種があるので、転造についてもチェックしておきましょう。

ねじ切り機の特徴と使い方

引用:モノタロウ

電動のねじ切り機は上図のような形状をしていて、左端のスクロールチャックからパイプを通してハンマーチャックで固定し、長い柄のカッターハンドルでパイプを必要な長さにカットします。次にカットしたパイプの内側を右端にあるリーマーで面取りし、ダイヘッドにパイプを少しずつ通すことでねじ切りをおこないます。


上図はカットされたパイプが固定されている状態です。この固定されたパイプはモーターによりゆっくり回転をして、右手前にある送りハンドルを回すことで、ダイヘッドが左に移動し、ダイヘッドに固定されたチェーザ(刃)によってねじ切りがおこなわれます。

上図では、ダイヘッドの1から4まで数字で記されたポケットにチェーザがセットされているのが分かります。チェーザは4つで1セットです。このダイヘッドがネジを加工する装置で、ねじ切りの長さやパイプの大きさにより種類が分かれていて、取り換えも簡単におこなうことができます。


チェーザは4つで1セットとなっていて、ダイヘッドの1から4まで数字で記されたポケットに、少しずつピッチの異なるチェーザをセットして使用します。もちろん、チェーザもダイヘッドと同様に、ねじ切りの長さやパイプのねじ径の違いにより種類が分かれています。

パイプにねじ切りをおこなった直後のもので、下には削りくずがたくさん落ちているのが分かります。このように、電動式のねじ切り機の多くはパイプの切断とねじ切りを同時におこなうことができます。

ねじ切りオイルもチェック

アサダ 85629 ねじ切りオイル白 4L
アサダ 85629 ねじ切りオイル白 4L

チェーザは、ねじ切り機で最も消耗しやすいパーツの一つですが、ねじ切りオイルを使用することで作業効率が上がるのに加え、チェーザそのものの寿命も延びます。ねじ切りオイルはさまざまな工具メーカーから販売されていますが、できればメーカーが推奨している純正のオイルを選ぶようにしましょう。

まとめ


「ねじ切り機とは?種類と選び方、使い方について解説」と題しましてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?ねじ切り機は、取り扱うパイプの材質と径に合わせて選ぶのがポイントです。

また、チェーザは最も消耗しやすいパーツの一つなので、ねじ切り機を購入する場合は、メーカーが推奨する純正のねじ切りオイルも導入することをおすすめします。皆さんの参考になれば嬉しいです。

※記事の掲載内容は執筆当時のものです。