補修材プラリペアって何?基礎知識から正しい使い方まで徹底解説!
物が割れた・壊れた・欠けた。そんな時に皆さんは、どのように修理していますか?
一般的には接着剤やボンドまたはテープなどで接着しますが、イマイチくっつきが悪くイライラしたことがある人も多いと思います。そんなイライラを解消してくれる便利なアイテムの1つに”プラリペア”と呼ばれている造形補修剤があります。
今回は、プラリペアの強度や補修能力、さらに使い方まで詳しく解説していきます。
プラリペアの基本情報
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プラリペアって何?
簡単に説明すると、液と粉を必要な分だけ混ぜ合わせて、プラスチックを強力に結合補修する「造形補修材」です。強力な接着効果もありますが、厳密にいうと接着剤とは少し違います。
造形=”形のあるものを作ること”
という意味があり、造形補修材のプラリペアは単にものを接着するだけではなく、新たに形を作り出せるものということです。
他の接着剤と何が違う?
一般的な接着剤は”フェンデルワールス力”と呼ばれる分子同士が引き付け合う力を利用して接着しています。簡単にいうと、液体が固まることで物と物とのすき間をなくし、ピタッと接着しているということです。
しかし、プラリペアは”アクリル樹脂”に変化しながら固まります。つまり、物と物とのすき間をなくし、さらにプラリペア自体が固まるので面が増えるということです。プラスチックなど欠けた部品や折れてしまった部品も再生可能です。
固まった後に形を整えると、きれいに元通りになります。また、つぶれたネジ山なども簡単に再生することができます。
ただ単に、接着するだけではなく、接着の後に補修もできるということです。固まるスピードの目安としては、25度の室内で約5分となっています。
粉5g・液10ml・付属品
新素材造形補修剤 わずか5分で化学結合(25℃)溶着補修で強度もバッチリ!
素材:液:メチルメタクリレート、粉:アクリル樹脂粉末
プラリペアの魅力とは
魅力①いろいろなものを補修・補強できる
主にプラスチックの接着に向いていますが、それ以外にも様々なものに使うことができます。具体的に紹介すると次の通りです。
【対象物】
- プラスチック:ABS樹脂・ポリカーボネート樹脂・スチロール樹脂・FRP(ポリエステル樹脂)
- アクリル樹脂・塩化ビニール樹脂
- アルミ
- 木
- 石
- 陶器
【用途】
自動車・バイク・家電製品・コンピューター・家庭用品などのプラスチック製品の修理・プラモデルの組み立て・ラジコン模型の製作修理・塩ビパイプの修理・木工製品の補修・木やプラスチックのネジ山再生・ルアーの修理や製作・アクセサリーや人形などの製作など。
身の回りにあるものほとんどに使用が可能です。特に小さなパーツを使っているものや、欠けやすい物にはおすすめです。ひび割れの隙間を埋めたい時なんかにも大活躍します。
ちなみに、プラリペアが使えるかどうかの判断基準は、混ぜ合わす前の液を少量つけてみて、接着したいものが少しでも溶ければ使用可能です。つけ過ぎには注意しましょう。
魅力②カラーバリエーションが多い
プラリペアの粉には全部で6種類の色があります(白、黒、透明、赤、青、黄色)
補修するものに近い色を選ぶと、補修跡が目立たなくります。この6色の中に必要な色が無い場合でも問題ありません。なぜならこの粉は、混ぜ合わせて使うことができるからです。緑や紫・茶色など、必要な色が無い場合でも自分で作ることができます。
ちなみに色による仕上がりの強度に違いはありません。
プラリペアの上手な使い方
では次に、プラリペアの基本的な使い方を2つ紹介します。一般的な接着剤と比べると、若干難しく感じるかもしれませんが、少し練習をすれば誰でも簡単に使えるようになります。手順と一緒に”動画”も載せておくので、ぜひ参考にしてみてください。
ニードル法での使い方
”ニードル法”というのは注射器のような細い針を使い、接着したい箇所に、混ぜ合わせた粉と液を落としていく方法です。
プラリペアを購入するとニードルとスポイトはセットで付いてきます。
簡単に使い方を説明すると次の通りです。
- その① 液体を付属の容器に満タンに入れ、先端にニードルを取り付ける。
- その② 粉をカップに半分以上入れます。
- その③ ニードルの先端を、粉が入っているカップの上に持って行き、1適だけ垂らします。
- その④ カップの中で固まった粉をニードルですくい上げます。
- その⑤ すくった粉を補修したい所につける。
細かく正確に作業したい場合には、この”ニードル法”がおすすめです。特に小さなパーツの接着や、すき間を埋める時はこのやり方が1番効率がいいです。
また、何度か使っているとニードル内でプラリペアが固まってしまい、液がでなくなることがあります。そんな時には、ニードルをライターなどの火であぶると、また元通りに使うことができます。
逆に液が出過ぎる。なんて場合だと、ニードルを少し曲げて使うとうまく使えます。カップに入れる粉も多めに入れておくのがポイントです。
ニードル法で接着している動画
ふりかけ法での使い方
次は”ふりかけ法”と呼ばれる使い方を紹介します。
- その① 液体を付属の容器に満タンに入れ、先端にニードルを取り付ける
- その② 粉をスポイトにとっておく
- その③ 接着・補修したい所に直接粉を振りかけます。
- その④ 最初に用意していた液体を粉にかけ馴染ませます。
- その⑤ ニードルを使い形を整える。
割と広い範囲を、効率的に補修したい場合にはこの”ふりかけ法”がおすすめです。もっと詳しく知りたい人は動画をどうぞ。
ふりかけ法で接着している動画
強度を出すためのコツ
強力な接着力があるプラリペアですが、さらに接着面の強度を上げる方法があります。
その方法とは”接着面を斜め(V字)に削る”です。
こうすることにより、接着する面が広がるのでより強力に接着するようになります。少し手を加えるだけですが、出来上がりの強度がまったく違ってきますよ。
植物などを接ぎ木する時に、茎を斜めにカットするのと同じ考え方です。
プラリペアを使う時の注意点
これまではプラリペアのいい所を紹介してきましたが、注意しないといけない点が3つあります。安全にプラリペアを使うためにも、とても重要なことなので目を通しておいてください。
注意点①電気が通る部分に黒色は使えない
上記でプラリペアはカラーバリエーション多いと紹介しました。その中で唯一、黒色は電気を通す素材である”カーボン”が原料で使われています。つまり電気が流れる場所で、黒のプラリペアを使用すると漏電の原因になってしまい危険です。
黒以外の粉の使用をおすすめしますが、どうしても黒色を使いたい場合には、液体の方に色をつけましょう。液体はアクリル塗料で色をつけることが可能になっています。黒色をつけた液と、透明な粉を使うことによって、電気が通る部分にも黒色を使うことができるようになります。
注意点②補修や補強ができない素材
プラリペアはプラスチックをメインに様々な素材に対応していますが、補修・補強ができない素材もあります。
【使用できない素材】
- ナイロン
- フッ素樹脂
- エンプラ系樹脂
- ポリプロピレン
- ポリエチレン
【接着できないもの】
衣料品・スポーツウェア・フライパン・炊飯ジャー・ナイフ・牛乳パック・電線・ビニールぶくろなど。
上の5つの素材にはプラリペアは使用できないので、事前に素材を確認してから補修・補強しましょう。
注意点③換気の良い場所で使用する
実際に使用した人の口コミによると「すごい悪臭がする」や「プラスチックが溶けるようなにおいがする」など、匂いがきついといった意見が数多くあります。
なので安全に使用するためにも、必ず換気をしてマスク・メガネの着用をするようにしましょう。
また小さな子供がいる家庭では、お子さんの手が届かないように保管しておきましょう。
補修用に常備しておきたいプラリペア
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今回は、とても便利な造形補修材の”プラリペア”について詳しく紹介しました。一般的な接着剤よりか、多少使用する際にはコツがいりますが、2~3度軽く練習するとコツをつかめるので、誰でも簡単に使えるようになります。
その強度や接着力の高さから、様々な用途で使われていて、車のエアロパーツやバイクのカウル・換気扇の羽根、さらに歯医者さんでも使用されています。
※歯医者さんで使われているものは全く同じではなく、プラリペアに近い商品です。
プラリペアがあると、今まで諦めていたものもきれいに補修できるので、新しく買い替える必要もありません。お気に入りの物をながく使うこともできます。
ただ注意する点もいくつかあるので、事前の確認も忘れずに!プラリペアを道具箱の中に1つ入れておいて、気になった所をどんどん補修していきましょう。
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。