スパークプラグ(点火プラグ)って何?基礎知識を徹底解説!
エンジンに欠かせない大切な部品、スパークプラグって何か知っていますか?今回は、スパークプラグについての基本的な知識から、種類や寿命、交換方法などをご紹介していきます。
スパークプラグ(点火プラグ)の働き
スパークプラグとはガソリンを燃焼させ、エンジンをつける為にはかかせない部品です。いわゆるガソリン車には必ずついている着火剤です。スパークプラグが汚れていたり、劣化するとエンジンをかける際の始動が悪くなります。
スパークプラグとはどんなパーツ?
スパークプラグは、エンジンを安定して稼働させるのに欠かせない大切な部品です。エンジンをかけるために、電気の放電の仕組みを利用してガソリンを適切なタイミングで着火させます。しかし、着火のための放電によって先端の電極が摩耗してしまうので、定期的に交換する必要がある部品です。スパークプラグはネジのような形状をし、エンジンシリンダーに突き刺さったような形で固定されています。具体的には、そのネジの先端部分が高電圧の放電をすることでガソリンに着火し、各気泡をタイミングよく爆破させることでエンジンが安定して稼働します。
スパークプラグの働きを動画で確認しよう
約40秒でスパークプラグがどのような働きをするのか、簡単にわかりやすくイラストで説明してくれている動画です。なかなかどのように動いているのか想像できない方も、一瞬でわかるようになっているので是非確認してみてください。
スパークプラグの選び方のコツとは
では、実際どうやってスパークプラグを選んだらいいのでしょうか?現状のプラグがどれくらい焼けているのか、新しいスパークプラグを選ぶ目安になります。また、走行距離とエンジンの状態、季節によっても変わってきます。基本的に馬力アップをしたものに使う場合は、プラグの耐熱性と熱価が高いプラグを選択します。夏など吸入空気温度が高くなる時期は、エンジンの負荷も高くなるため、熱価の高いプラグを選択します。ノーマル仕様だからと言ってノーマルプラグがあっていると言う訳ではありません。たとえば、ノーマル仕様の車であっても、高負荷走行を続けてしまうと、ノーマルプラグが焼けすぎてしまいます。そのため、現状のプラグの焼け具合を確認し、ご自身の都合に合わせて選ぶことが大切です。
スパークプラグの燃費への影響
スパークプラグが劣化した状態で使い続けるのは危険です。スパークプラグが劣化した状態のまま使い続けてしまうと、燃費が悪くなる加速時に影響が出るエンジンのかかり具合が悪くなるアイドリングが不安定になるといった数々の不具合が出てしまいます。最悪の場合、スパークプラグの劣化による不具合が原因で事故に巻き込まれる可能性もあります。そうならない為にも定期的に点検し、適切な時期に交換することが大切です。
スパークプラグの種類について
種類①レジスタープラグ
レジスタープラグとは、プラグ内部に電気抵抗器が組み込こまれたプラグのことです。電子制御させている自動車用のスパークプラグは材質や形状関係なく、現在では大半が、電気ノイズを抑えるレジスタープラグが使用されています。抵抗器の組み込まれていないプラグを使用すると、スパーク放電の際、大きな電気ノイズが発生し、電子機器に悪影響を及ぼしてしまうからです。電気抵抗器が組み込まれていないプラグはノンレジスタープラグといいます。このプラグは、電子制御ではない旧型の車や農機具、船舶用エンジンとして現在も使用されています。
種類②イリジウムプラグ
イリジウムプラグとは、スパークさせるための電極にイリジウムを用いたプラグのことです。一本当たりの値段が高価ではありますが、その分燃費がよく、耐久性に優れていることが特徴です。電極を細く製造することができるので、しっかりとしたスパークでエンジンの始動性も良くなります。耐久性に優れているため、長持ちすると言われていますが、油断せず定期的に点検して交換することが大切です。
種類③白金プラグ
スパークさせるための電極に白金(プラチナ)を用いたプラグのことを白金プラグといいます。白金プラグの中にも、中心電極のみが白金のもの、外側電極まで白金で作られたものなど様々あり、白金を使用する割合が増えるほど高価になります。一般的なスパークプラグは、おもにニッケル合金が使用されています。白金プラグはニッケルよりも融点の高いプラチナ合金が使用されているため、スパークの性能を高め、長期の使用が可能になっています。イリジウムプラグと同様、燃費が良く、耐久性に優れたスパークプラグです。
種類④多極プラグ
多極プラグとは、外側電極を多極仕様にしたスパークプラグのことです。多極仕様にすることで、電極消耗が分散するため、耐久性を確保することができます。また、多極プラグにすることで放電特性(要求電圧を下げる)の改善にも繋がります。多極プラグは火花が発火部の絶縁体表面に沿って飛ぶ構造のプラグが多く、主に3つに分けられます。間欠放電プラグ、補助火花ギャップ付きプラグ、セミ沿面プラグです。それではそれぞれを詳しく見てみましょう。
間欠放電プラグ
基本的に火花ギャップにて火花放電するプラグです。くすぶり汚損した場合は、エアーギャップで火花放電した後に絶縁体沿面に付着したカーボンを焼き切り、焼失させます。それにより、絶縁性の低下を抑制します。
補助火花ギャップ付プラグ
補助火花ギャップがついているプラグです。カーボンを含んだ燃焼ガスのガスボリュームに侵入するのを防ぐ働きがあります。くすぶり汚損した場合は、絶縁体に付着したカーボンを補助火花ギャップの火花放電で焼き切り、焼失させます。それにより、絶縁性の低下を抑制します。
4極セミ沿面プラグ
絶縁体表面とエアーギャップ間を、火花放電が飛ぶようになっているプラグです。 くすぶり汚損した場合は、絶縁体に付着したカーボンを火花放電で焼き切り、焼失させます。それにより、絶縁性の低下を抑制します。
スパークプラグは車検時に交換が必要?
実際のところ、スパークプラグはいつ交換するのが一番いいのでしょうか?自分で交換することも可能なのか、点検の際はどこに注意して確認すれば良いのかなど、気になる点を確認していきましょう!
車検のチェック項には入っていない
意外と知られていませんが、実は車検の項目にエンジンプラグの点検は入っていません。車検時のエンジンチェックに関しては、車が正しく作動し、走行、停止が出来ているかの点検しか行われていません。車検代行業者では、基本駅に必要最低限の検査項目のみ行うため、エンジンプラグを目視確認すらしないこともあるので注意が必要です。ガソリンスタンド車検やディーラー車検などは、エンジンプラグの点検がチェック項目に入っていますので、劣化していた場合は指摘してもらうことができます。そのタイミングで交換するのが安心です。
車検までタイミングが空いてしまうけれど気になる場合は、自分でも比較的簡単にエンジンプラグの点検をすることができます。プラグは、コネクタを外し専用のレンチで回すことで簡単に取り外して確認することができます。エンジンの上部についているので、わかりやすいはずです。取り外したら、自分で目視でプラグの確認をします。プラグを確認し、必要であれば交換します。確認した時に、プラグにススがついていた場合は、その部分をブラシで磨くなどのメンテナンスを行うことで、車の燃費を向上させることができます。自分で確認することもできますが、やはり一番のおすすめはプロの目で確認してもらうことです。できるだけ車検時に確認してもらうようにしましょう。
車検時にスパークプラグを交換すると良い理由
車検時に、スパークプラグの交換をおすすめするのには理由があります。劣化したスパークプラグを交換して新しくすることで、安全面が強化されるのはもちろんスムーズな加速や燃費の向上に繋がるのです。新しいスパークプラグに変えることで、ガソリンの燃焼が促されるだけでなく、エンジンの回転のバラつきも抑えられます。さらにアイドリングも安定するため、スムーズな加速や燃費の向上に繋がるというわけです。スパークプラグは自分で確認してもし不具合を見つけたとしても、交換作業まで自分でするのは難しい部品です。特殊工具を使って交換するだけでなく、締め加減にもノウハウが必要です。もし近々交換時期を迎えそうなのであれば、車検前の整備で交換をお願いするのが安心かもしれません。スパークプラグは必ずしも交換する必要がある部品ではありません。しかし、燃費の向上などを考えコストを抑えるために、車検時などに合わせて定期的に点検をし、必要に応じて交換することをおすすめします。
スパークプラグの寿命の見極め方
交換した方が良いと判断できる目安
一般的なスパークプラグの寿命は、2万km走行したころだと言われています。通常のスパークプラグではなく、イリジウムや白金などの特殊合金を用いていれば、5万〜10万kmの走行に耐えられる場合もあります。とはいえ、スパークプラグは運転環境によっても寿命がかわってくるため、距離と運転環境など総合的に考える必要があります。純正のプラグであれば、車種ごとの適切に交換するタイミングをディーラーや販売店で確認してもらうことができます。確認してもらうタイミングの目安は走行距離が2万kmを超えたころです。ディーラーや販売店、ガソリンスタンドなどで目視でプラグを点検し、交換か否かを判断してもらうのがおすすめです。
スパークプラグの状態による交換時期の目安
スパークプラグが下記のような状態になっている場合は即交換した方が賢明です。交換の際スパークプラグ自体の問題で状態が悪くなっているのか、燃料系統や点火系等のエンジン側での整備の問題なのか、プラグの選び方が誤っていたことが問題なのか、原因を突き止めておくことが大切です。
電極消耗している状態
電極の角がとれ、丸みを帯びてきている状態です。こうなると、火花が飛びにくいため、始動困難や走行中失火等を起こしてしまいます。この状態ではエンジン性能が発揮できません。
くすぶりの状態
プラグ発火部にカーボンが付着している状態です。こうなると電気がリークし、失火を起こすため始動が悪くなってしまいます。
デジポットの状態
プラグに燃えカスが付着し、過熱されて異常燃焼を起こしている状態です。プラグが電極溶解する原因になってしまいます。
軽自動車の交換頻度が高い理由
どんな車でも走行距離が増えれば増えるほどメンテナンスが必要とされますが、スパークプラグは走行距離と運転環境によって状態が変わってくるため、必ずしも走行距離が増えたからといって交換しなければならないパーツではありません。しかし軽自動車のスパークプラグは例外です。普通車よりも小まめに交換する必要があります。
その理由は、実は軽自動車のエンジンの性質にあります。アイドリング時であってもエンジンは常に動いているため、必要に応じてスパークし続けています。軽自動車は普通車よりもエンジンの回転数が高いため、それだけスパーク量が多くなってしまいます。そのため、軽自動車のスパークプラグの方が早く寿命が来てしまうのです。走行距離や環境によって変わるので一概には言えませんが、普通車の半分程度に走行距離(5000〜1万キロ程度)での交換をおすすめします。
スパークプラグの基礎知識を身に着けて交換時期を見極めよう
スパークプラグは、適切な交換時期がわかりにくい部品です。ですが、車検時などを利用して定期的に点検を行うことで、確実に交換時期を見定めることができます。自適切なタイミングで交換することで、スムーズな加速ができるようになったり燃費がよくなります。ぜひ、自動車や運転環境に合わせてスパークプラグの種類や交換時期を見直し、大切な自動車と共に過ごす時間をさらに快適にストレスフリーにしていきましょう!
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。