車のエアフィルター基礎知識!交換時期はいつ?交換方法は?詳しく解説!
車は定期的なメンテナンスが必要ですが、車検でエアフィルター交換を勧められたことはありませんか?車を運転するけれどエアフィルターを詳しく知らないという方も少なくありません。こちらの記事ではエアフィルターが車に対してどのような役割を果たしているのかなどの基本的な情報や、交換する時期の目安、交換することで得られるさまざまな効果を紹介していきます。
目次
車のエアフィルターとは
車のエアフィルターとはエアクリーナーとも呼ばれるもので、その名の通り空気を綺麗にするものです。エンジンに空気を取り込んだ際に通過する場所で、空気は燃料であるガソリンと一緒にシリンダーに行ってから圧縮され、そこから火を付け燃やすことで車が動く仕組みになっています。
このとき送り込まれる空気に不純物が混ざっていると燃焼がうまくいかなくなったり、燃焼したとしてもススが発生することになるだけでなく、ときには空気が通る場所を塞いでしまうこともあるので気を付けなければいけません。このようにエアフィルターは車にとって重要な役割を果たしていますが、消耗品のため定期的な交換が必要になります。
車のエアフィルターを交換するときには板状になったものとキノコのような型をしたものがあり、多くは四角くなった板状タイプが使用されています。キノコ型は見た目がキノコのような形状で吸気効率を重視したタイプで、こちらを設置すると排気ガスも増えるので性能をアップさせるためにはマフラー交換が必要になります。
キノコ型はエアフィルターが入っている箱を取り除いてむき出しの状態で装着するため、エンジンの熱気を遮断するための遮断板も必要になり、フィルターの目が荒いのでメンテナンスの頻度もアップします。そのためキノコ型にする場合はあらゆる箇所での改造が必須となってしまい、一般的なドライバーが扱うには不向きなので、今回は板状タイプのフィルターに焦点を合わせて紹介していきます。
エアコンフィルターとの違い
車のエアフィルターと聞いてエアコンフィルターを思い浮かべる方もいるかもしれません。しかしこの2つはまったくの別物であり、その役割にも違いがあります。エアフィルターは上記でも紹介しましたが、エンジン内部に空気を送り込むときの不純物の混入を防ぐものですが、エアコンフィルターは車内の空調に使われるものになります。
設置場所も異なり、エアフィルターは基本的にエンジンルームのなかにありますが、エアコンフィルターは車内のダッシュボードの中や助手席の足元などエアコン付近にあります。
エアフィルター交換の効果
エアフィルターは吸い込んだ空気を綺麗にする重要な部品であり、消耗品なので必ず交換するときがきます。エンジンの調子が悪いと感じたらエアフィルターの交換が必要になる場合もあります。エアフィルターを交換することで得られる効果をチェックしてみましょう。
効果①燃費が良くなる
エアフィルターが目詰まりしてくると空気の流れが悪くなり、車がパワー不足になります。十分な空気が送り込まれないために不完全燃焼となり、いつもよりアクセルを踏み込んでしまい、さらに燃費が悪くなってくるのです。そこでエアフィルター交換し、ろ過された空気をたくさん送り込むことで燃焼効率も上がり、燃費が良くします。
効果②空気をろ過する
エアフィルターはエンジン内部に必要な空気を綺麗にしてくれますが、この部品がなければ車は正常に動いてくれなくなります。内部に取り込む空気にホコリやチリなどのゴミや不純物が混ざっていると徐々にエンジン内部に溜まり、最終的には稼働しなくなり故障することもあります。
故障させないためにも綺麗なフィルターを置いて、正常に稼働するように空気をろ過して綺麗な空気を送り込まなければなりません。エアフィルター交換はこの空気をろ過する役割を最大限に発揮するためにも必要になってくるのです。
効果③エンジンが長持ちする
車の部品にはたくさんの消耗品がありますが、エンジンを長持ちさせるためには各部品を正常に稼働させることが必要です。フィルターが汚くなれば故障してしまうこともあり、余計な費用がかかってしまいます。
エンジン内部にホコリやチリが溜まってしまうと燃費が悪くなったり劣化を早める原因になります。そのためエアフィルターを交換することで内部にホコリなどを溜めにくく、燃費を良くしてエンジンを長持ちさせることができます。
エアフィルターの交換時期の目安
消耗品であるエアフィルターはエンジンルームにあり、こまめにチェックすることもありません。エアフィルターの効果が薄れてきたら交換ですが、車検を受けて交換を勧められることはあっても、普段車を運転していて今が変え時だと即座に判断できる方は少ないのではないでしょうか。
エアフィルターの変え時は大気中に含まれるホコリなどの不純物を取り込む量によって異なりますが、目安として約2万kmから3万kmの走行で交換するようになっています。しかし年間での総距離がかなり多い場合や渋滞する道をよく走る方は走行距離に関わらず定期的なメンテナンスをすることをおすすめします。
空気が綺麗な場所で2万km走行した車と都心部で2万km走行した車ではエアフィルターの劣化具合もかなり異なるので、あくまでも目安とし、車を利用している環境や頻度によって交換時期をチェックするといいでしょう。
エアフィルターの交換方法
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エンジンルームにあるエアフィルターの交換は車検で勧められてそのまま交換する方も多いと思われますが、自分で交換することも可能です。自分で交換する際のやり方を紹介するので参考にしてみてください。
交換方法①位置を確認
交換する前にどこにあるのか位置確認を行いましょう。エンジンルームのあるボンネットを開けるとエンジンから樹脂製の太い管で連結されている箱があります。そこにフィルターがあるのでロックされている部分のクリップを外して取り出します。
交換方法②フィルター交換
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箱にあるクリップを外してフィルターを取り出しますが、フタ部分は完全に開かない場合もあるので周囲にある配線に気をつけながら作業します。古いフィルターを取り出したときと同じように新たなフィルターを入れますが、元々の状態と同じになるように入れてください。これでフィルター交換は完了です。
エアフィルター交換時の注意点
交換自体はかなり簡単ですが、いくつかの注意点があります。正しく交換できていないとエアフィルターが正常に稼働しません。設置する際の向きは決まっているので、反対に入れてしまうと空気がろ過できず目詰まりするので注意しましょう。正しく交換ができたら収納箱をきっちりと閉じ、元通りにクリップをつけるようにします。
交換自体は簡単な作業ですが、ボンネット内部は車にとっての心臓部のような場所なので、作業に不安がある方は専門家に依頼するようにしましょう。専門家に依頼してもそれほど作業時間はかからず、工賃も高くありません。
エアフィルター交換方法を動画で確認しておこう
こちらの動画ではエアフィルター交換方法を確認することができます。動画とは違う車種であっても基本的な交換方法はそれほど変わらないので参考にしてみてください。
エアフィルターの種類
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車種によってフィルター場所は異なりますが、フィルター自体にも種類があります。それぞれに特徴があり、コスト面やメンテナンスなど用途別に選ぶといいでしょう。
種類①ウェットエレメント
ウェットエレメントは湿式タイプと呼ばれる種類で、ウレタンフォームにオイルが塗ってあるタイプです。ウレタンフォームが2層になっていて、さらにオイルに不純物を吸着させるスタイルのためろ過能力が高く、ほかの種類よりも軽量化しやすい特徴があります。
ウェットエレメントはフィルターが汚れた場合に洗浄してオイルを塗れば性能の回復ができるので複数回使うことができます。しかしメンテナンス時のオイル量に気を付けないとエアフロセンサーに反応して吸気コントロールができなくなる場合があります。
種類②ドライエレメント
ドライエレメントは乾式タイプの種類で、乾燥した紙や不繊布を使ったタイプになります。こちらはフィルターの目地が細かいので集塵性能が高く、通気抵抗が少ない特徴があります。基本的に使い捨てなのでメンテナンスも簡単、ウェットエレメントよりかなり価格が安いものが多めです。
ウェットエレメントと比較すると吸着率が落ちますが、価格とメンテナンスの手軽さで利用者も少なくありません。エアなどを使って吸着した不純物を飛ばすことは可能ですが、性能が落ちるので定期的な交換が必要になります。
種類③オイルコートペーパーエレメント
オイルコートペーパーエレメントは半湿式やビスカス式エアフィルターとも呼ばれるタイプでウェットエレメントとドライエレメントを足して二で割ったようなものです。ドライエレメントの素材のような乾いたろ紙にオイルを染み込ませています。
通気抵抗が低く、ホコリや砂などの集塵性能が高いだけでなく水分にも強いタイプです。純正の場合は使い捨てが多いですが、ウェットエレメント同様に洗浄して性能が回復できるものもありますが、微細な粉塵までしっかりと吸着させるので、洗浄しても目詰まりが取れないこともあります。その場合は洗浄しても性能回復しないので交換することをおすすめします。
エアフィルター交換にかかる費用
エアフィルターは消耗品なので定期的に新しいものに変えることが必須ですが、自分で交換する場合や業者に依頼したときにかかる費用をチェックしてみましょう。また、車種が古く適応するものがない場合に自作することができるようですが、その場合の費用なども見てみましょう。
費用①セルフ
セフルで交換する場合は施工費用がかからず、フィルターのみの費用なので節約したい方におすすめです。フィルター交換はポイントさえおさえればセルフでも簡単に行うことができます。
フィルター自体の価格はそれほど高くなく、車種によっても異なりますがAmazonなどで2000円前後で購入することができますが、商品によっては5000円を超えるものや1000円以下で買えるものもあります。
ネットショップで購入する場合は送料がかかることもあり、業者に依頼するよりも高くなってしまう場合もあるので、若干の余裕をもっておくか、ほかの商品を一緒に購入して送料を無料にするような方法を選択するといいでしょう。Amazonの場合はAmazonプライム会員限定で金額に関わらず送料無料になるのでそちらを利用するのもおすすめです。
費用②業者に依頼
業者に依頼すればもちろん失敗もなく安心して交換することができます。業者依頼した場合の費用は部品代と工賃がかかり、部品代は純正フィルターでも2000~3000円程度になります。社外品を選ぶと値段が上がる場合もありますが、基本的にセルフで行うときとそれほど変わりません。
工賃は車種別に交換方法の手間が違うので、車の種類で費用も変わりますが、目安として3000円程度になります。手間のかかる車種の場合でも5000円程度なのでそれほど高額にはなりません。セルフ交換に不安がある方は無理に挑戦せずにプロに依頼することをおすすめします。
費用③フィルターを自作
カーマニアの中にはセルフ交換だけでなくフィルターまでも自作する方がいるようです。Amazonやカー用品店にエアフィルターがないなど、純正品の入手ができない場合に自作するといいかもしれません。材料は鉢植えの底に敷くメッシュ状の網とエアコン用の交換フィルターだけで、どちらも100均で揃えることができます。
作り方はこちらをチェックしてください。
- 網×2を純正フィルターの形ぴったりにカットする
- エアコン交換用フィルターを3~5枚ほど重ねる
- フィルターの上下を網で挟み、ホッチキスで固定する
- はみ出しているフィルターをカットする
これで自作フィルターの完成ですが、エアフィルターを入れたときに隙間ができる場合にはスポンジ素材の隙間テープを張って埋めるようにしましょう。
車種によっては形状が複雑になっているものもあるので、自作できないこともあります。また、エアフィルターを自作することは可能であり費用を抑えるという面では数百円という破格の安さになります。しかしフィルター自体を購入しても高価なものを選ばなければ2000~3000円程度で買うことができるため、失敗して余計なトラブルを避けるためにはやはり購入したものが安心です。
エアフィルターも自分でメンテナンスしてみよう!
車内清掃や洗車など普段からちょっとしたメンテナンスをしても、エアフィルターだけは業者任せの方も少なくありません。これまで車検などの定期的なメンテナンスで交換を勧められたから交換していた方も多いでしょう。
しかしフィルター交換は部品を用意して自分で行ってもそれほど難しくないので、走行距離を参考にエアフィルターも自分でメンテナンスしてみませんか。メンテナンスを行うことで愛車の燃費もアップ、より一層車に愛着が持てるのではないでしょうか。
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。