スギナの生命力がすごすぎる!しつこいスギナの駆除方法を徹底解説!
何度駆除をしても、しつこく生えてきてしまうスギナ。その強い生命力は地下茎・胞子による増殖力に理由があります。これまでにスギナの駆除を諦めてしまった方やこれから駆除をしようと思っている方へ、スギナの増殖のメカニズムや駆除方法を徹底解説します。
雑草!スギナの特徴
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スギナ(杉菜、学名:Equisetum arvense)は、シダ植物門トクサ属の植物の多年草(複数年にわたって生存する雑草)です。春先にツクシと呼ばれる胞子茎を伸ばし、胞子により増殖します。その後、スギナと呼ばれる栄養茎が現れます。
スギナは日本中どこにでも生息し、草丈は1cmから長いと60cm。春の3月位からツクシとして登場し、秋から冬にかけてまでスギナとして生育が確認することができます。ツクシの時は光合成をせず、スギナの状態で光合成を始めます。
スギナは地下に茎(根)を伸ばして一面に増え、30~60cm程の高さとなります。この地下茎の広がりや強さが原因となり、駆除が難しくなります。地上部分は葉に相当し、刈り取っても地下茎から再度葉が生えてくるため、駆除に非常に苦労する雑草であるとされています。
しかし、実はスギナはカルシウム、リン、マグネシウム、カリウムなどのミネラルやビタミンも豊富で日本では古くから万能の薬草として活用されてきた植物です。無農薬で駆除した場合は、柔らかい新芽を佃煮やてんぷらにして食べたり、日干しで乾燥させお茶をつくることができます。
特徴①根茎
地中に伸びる茎が根茎です。横に(水平に)広がる茎と縦に(垂直に)伸びる茎があります。根茎の節にできるこぶ状のものが塊茎です。ここには栄養が豊富に含まれており、切断しても枯れることはなく塊茎から芽が発生し、増殖し続けます。そのため、耕起すると塊茎が切断され、地中に分散してしまうことでそれぞれが再生し生育範囲が広がってしまうことがあります。
ある実験によると根茎を切断後、7ヶ月後に10メートル以上もの根茎が作られたとという結果があるほど増殖力が旺盛です。
特徴②地下茎
スギナの根茎と塊茎を合わせて地下茎と言います。地中に茎を広げていくのが特徴で地下30㎝~1mの深さに張り巡らせています。
特徴③胞子
ツクシはスギナが春先に出す生殖用の茎(生殖茎/胞子茎)です。地下茎から増殖することに加えこの胞子であるツクシからも繁殖する性質を持っています。
特徴④生息地
スギナは、庭や花壇、芝生、家庭菜園などどこにでも生息しますが、生息環境として酸性土壌のやせ地で生えることが知られています。酸性の土壌は多くの植物が嫌いますが、痩せた酸性の土壌でもミネラル分を集める力に優れているため、影響を受けず生き残って繁殖していきます。中性土壌でも生えますが、他の雑草も繁殖するため相対的にスギナの数が少なく感じるということがあるようです。
スギナを根絶させる駆除方法【無農薬】
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小さなお子様やペットがいるご家庭や無農薬栽培をしている場合には、駆除をする際に農薬を使わないことがおすすめです。しかし生命力が強く、地下茎(根茎・塊茎)・胞子によりしつこく増殖していきますので、特徴を学び効率的に根気強く駆除をしていきましょう。
駆除方法①地下茎から抜く
できるだけ毎日、スギナを抜きましょう。抜く時には葉だけではなく、しっかりとの地下茎(根茎・塊茎)から引っこ抜くことがおすすめです。成長は非常に早いですが、毎日駆除することで成長がストップし枯れていきます。地下茎(根茎・塊茎)が根深いスギナは、引っこ抜いた時に途中で切断してしまう場合があります。切断した地下茎からまた芽が発生する可能性がありますが、気にせずに継続的に駆除を続けていきましょう。また、気温が上昇する夏は、朝に駆除しても夕方には新しい芽が出てくる位に生命力が強いですが、諦めずに継続していくことが重要です。
駆除方法②熱湯
狭い場所や集中的にスギナが生えている場合には、薬品を使わない安全な雑草対策として、熱湯をかけて枯らす方法が有効です。広範囲の駆除の場合には大量の熱湯を用意しなければならず、火傷してしまう場合があるため狭い範囲で行いましょう。また、熱湯での駆除を行った場合、スギナの地上部分は枯れても地下茎は枯れていないため、地下茎から増殖していく事があります。
駆除方法③塩
塩は、スギナやその他の雑草を駆除する時に使用されます。スギナが生えている土にしっかりと塩をまき、数日~1週間位経つと枯れていきます。大量の塩を使うことで生命力の強い地下茎(根茎・塊茎)も枯らすことができます。
しかし、塩は土壌に残留するため、他の植物が育たなくなるという懸念があります。さらに、雨が降ると塩が流出し周辺植物を枯らしたり、家の配管や基礎を劣化させるなどのデメリットがあります。
そのため、塩による駆除をおこなう場合には、周辺に家や草木がないかを確認した上で場所を選んで行いましょう。
駆除方法④バーナー
引っこ抜くのが大変な場合は、生えてきた葉や根をバーナーで焼いていく方法があります。根元から燃やすことで駆除をすることができますが、しばらくするとまた地下茎から芽が生えてくることがあります。
駆除方法⑤防草シート
生息している場所の上に防草シートを敷き、日光を遮断することで植物を枯らす方法です。非常に生命力が強い雑草のため、密度の低い防草シートの場合破って成長してしまいます。駆除するためには隙間なく高密度のシートを敷くということが大切なポイントです。防草シートは、様々な種類があるのでホームセンターやインターネットで特徴を確認して購入すると良いでしょう。
スギナを根絶させる駆除方法【農薬・肥料】
しつこいスギナの駆除に最適な農薬・肥料をご紹介します。
駆除方法⑥農薬
農薬を使うことで、確実にスギナを根から駆除することができます。農薬の中でも、スギナに適した農薬を使うことで地中の地下茎(根茎・塊茎)などの根も確実に枯らすことができ繁殖を抑えることができます。
ラウンドアップ マックスロードAL
水で希釈する必要も、散布器具を用意する必要はなく、キャップを開けてそのままシャワーするだけ。枯らしたい雑草の葉や茎にサッと撒くと、葉から入って根まで枯らします。散布後、2~7日で効果が見え、雑草の茎葉にかからずに土に落ちた成分は、土の粒子に吸着し、その後微生物により水や、炭酸ガス等の自然物に分解されます。スギナには、全体が濡れてしたたる程度に、たっぷり丁寧に塗布すると効果的。
サンフーロン
水で希釈し雑草が生えている場所に散布する除草剤です。散布後、数日で草の色が変わり効果が見え始め枯れていきます。スギナの場合は生育が盛んになる時期(5月~7月頃)、草丈が20cm~30cmくらいになっているときに散布効果が高まります。25倍希釈で散布するのが効果的です。
アイリスオーヤマ 速効除草剤
ボトルのまま散布できるストレートタイプで簡単、速効性(3~7日で効果発現)がある非農耕地用除草剤です。アミノ酸系と速効性のあるMCPAをダブル配合。農薬の中でもリーズナブルで効果的と人気で。ピンポイントでも使いやすい形状のため、枯らせたい雑草だけを狙って枯らす事ができます。枯らしにくいスギナにも効果があります。
おすすめ⑥石灰系
石灰石を原料にした生石灰に水を加えて作った消石灰は、pHが12という強いアルカリ性のため、スギナなどが繁殖する雑草対策に活用されます。こちらは消石灰と肥料と同時に散布すると、窒素系肥料と混ざり発生したアンモニアガスにより植物が酸素を吸うことができず、枯れてしまう可能性があります。そのため、消石灰だけを散布し約1週間ほどしてから肥料を散布すると良いでしょう。消石灰は皮膚に刺激になる場合がありますので、長袖や軍手、メガネ、マスクを着用し風の強い日の作業は控えるようにしましょう。
また、有機石灰の特徴としては散布後にすぐに種まきや定植ができるというメリットがあります。有機石灰は貝殻を原料にした肥料で、成分によりアルカリ度数が異なりますが、アルカリ成分が少なく酸性土壌を中性にする物が多いです。
スギナの駆除は農薬と無農薬はどっちがいいの?
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スギナの駆除を行う上で、農薬と無農薬の方法でメリット・デメリットがあります。
無農薬での駆除方法
スギナを触ったり口に持っていく可能性があるお子様やペットがいるご家庭にでは、無農薬での駆除がおすすめです。しかし、無農薬の場合、引っこ抜くなどの労力と時間が必要で、続けていく根気が必要となります。
スギナは、非常に繁殖力が強く何度駆除しても生えてきてしまい、挫折してしまうということがあります。そのような場合には、誰かの力を借りて駆除したり、繁殖前に対処をおこなっていくことで駆除することができます。
また、下記の動画のようにスギナをできるだけ根元から刈り光合成をしない環境をつくることで、地下茎を枯らすという方法もあります。ぜひ参考にされてみてはいかがでしょうか。
たくさん繁殖する前にスギナを駆除して根絶しよう!
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スギナは1年中繁殖する非常に生命力の強い厄介な雑草です。何度も駆除を試みたけれど、挫折してしまった方も、今一度、スギナに最適な方法を知り駆除にチャレンジしてみませんか?
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。