錆びない!人気のガルバリウム鋼板で屋根のリフォーム!特徴・価格とは?
メンテナンスの必要がほとんどない屋根素材、ガルバリウム鋼板はご存知でしょうか。昨今では「錆びない」「メンテナンスフリーなのでリフォーム費用が軽減できる」と人気を博している屋根素材です。今回はそんなガリバリウム鋼板のメリット・デメリットやガルバリウム鋼板を用いた事例をご紹介していきます。
目次
ガルバリウム鋼板とは
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まずはじめに、ガルバリウム鋼板について詳しく知らない方の為に簡単にガルバリウム鋼板の特徴や歴史、そして性質について解説していきます。ガルバリウム鋼板とは、もともと1972年にアメリカで開発された金属の素材で、そのデザイン性の高さから人気を博した素材です。
呼ばれ方は様々で「ガルバニウム」「ガルバリウム」「ガルバ」とも呼ばれています。更にデザイン性の高さのみでなく耐久性にも優れており、屋根素材として広く用いられているアルミやトタン等の素材と比較しても耐熱性や耐震性が高く評価されている優れた素材です。
ガルバリウム鋼板の種類
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続いて、ガルバリウム鋼板の種類について見ていきます。ガルバニウム鋼板と一口に言っても様々な種類があり、どの種類を用いるかによって屋根が全く違った印象になります。この項では代表的な3つのガルバリウム鋼板を見ていきましょう。
- 横葺き・・・この項で挙げた3種類のガルバリウム鋼板の中では1番デザイン性に優れており、デザイナーズ物件のような印象を与えることの出来るガルバリウム鋼板。しかし水平方向に葺くとこが特徴な為、屋根の勾配によっては適さない場合もあります。
- 瓦長葺き・・・その名の通り瓦状の形をしているガルバリウム鋼板。洋風な住宅より、和風の家に用いられる場合が多い屋根素材です。この葺き方は、耐震性も非常に上がりますので耐震性に優れた屋根にしたいという方にもおすすめできます。
- 横葺き・・・3つの中で最もシンプルなのが、この横葺きという種類です。最大の特徴はフラットな形状な為、雨が流れやすいという点です。
ご自宅の屋根の形状や、トータルデザインでどの葺き方を選択するのが最善かそれぞれの葺き方の特性を考えながら検討していきましょう。
ガルバリウム鋼板を屋根に使用するメリット
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それでは、続いてガルバリウム鋼板を屋根素材として用いる事で得られるメリットをご紹介していきます。ガルバリウム鋼板を屋根素材に用いる事で下記の4点のメリットを得る事ができます。
- 錆びにくさ
- 耐久性の高さ
- 耐震性の高さ
- 耐熱性の高さ
1つ1つ詳しく見ていきましょう。
メリット①錆びにくい
1点目のメリットは錆びにくいという点です。ガルバリウム鋼板の最大の特徴として挙げられるのが、金属なのに錆びにくいという特性です。トタンやアルミと比較すると何百倍も錆びにくい性質であると言われています。錆は建物の美観が失われるのみでなく、車や家屋そのものも錆びさせてしまうという大きなリスクをはらんでいますので、錆びにくいという事は、大きなメリットであると言えますね。
メリット②耐久性
次に挙げられるメリットは、耐久性の高さです。ガルバリウム鋼板の耐用年数は施工してからノーメンテナンスどあっても、寿命は15年~25年と言われています。これはノーメンテナンス時の寿命なので、25年間の間に再塗装をすれば更に寿命を延ばす事もできるでしょう。
屋根のリフォーム費用は数百万円かかることもざらなので、その出費を数十年に一回に減らすことができれば、大変家計が助かりますよね。
メリット③耐震性
3つ目のメリットは耐震性です。通常金属性の屋根素材は重く、耐久性には優れているが耐震性には優れていない素材であると言われています。しかし、ガルバリウム鋼板は他の金属と比較すると大変軽量で、その厚みも約1~3mmである事が多いという特徴から耐震性に非常に優れている屋根素材であると言えます。
屋根の重さが軽くなれば軽くなるほど、家の部分にかかる地震の負荷は軽減できる事がわかっていますので、耐震性に優れた住宅にしたい!と思っている方は、ガルバリウム鋼板を屋根素材に採用すると良いでしょう。
メリット④耐熱性
最後に挙げられるメリットは耐熱性の高さです。ガルバリウム鋼板は、アルミメッキ鋼板に近い耐熱性を有している金属のため、鋼板自体が日光によって高温な状態になったとしても、外壁に熱を伝わりにくくしてくれます。
外壁に熱が伝わらないという事は、外壁自体の老朽化も防ぐことができるということです。現在屋根が高温になることで、外壁のひび割れや、劣化に悩んでいる方はガルバリウム鋼板を選択肢の1つの中に入れておいても良いでしょう。
ガルバリウム鋼板を屋根に使用するデメリット
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次に、ガルバリウム鋼板のデメリットも見ていきましょう。メリットばかりに注目して屋根素材を選択してしまうと、後から思わぬ後悔をしてしまうかもしれません。
後悔することのないように、しっかりとデメリットについても把握しておきましょう。
デメリット①メンテナンスが必要
1つ目のデメリットメンテナンスの必要があるという点です。ガルバリウム鋼板はメンテナンスの必要のない素材で半永久的に使用できると謳っている業者は数多くあり、この口コミに期待してガルバリウム鋼板を検討するという方は非常に多いかと思いますが、それは殆ど嘘だと言えます。なぜなら、この世にメンテナンスフリーの屋根素材など存在しないからです。
ガルバリウム鋼板は他の屋根素材と比較するとメンテナンスの回数は少なく耐用年数も長いというメリットがありますが、過剰な期待は厳禁で鉄なので傷がつけば勿論錆は発生していきます。錆が発生する間に塗装などの簡単なメンテナンスは最低限必要だと言えるでしょう。
下記に錆びを防止する効果のある、人気の塗装方法を表にまとめてみましたので、参考にしてみてください。
塗装方法 | 1㎡あたりの価格 |
---|---|
シリコン塗装 | ~2,500円 |
フッ素塗装 | ~4,500円 |
上記の価格に、施工代金や遠方の業者なら出張費等もかかる場合があります。 業者によっても若干の異なりがありますので、塗装をお願いしようという場合は一度近隣の業者に問い合わせをしてみましょう。
デメリット②施工費用が高い
2つ目のデメリットは施工費用が高いという点です。通常屋根を張り替える場合には塗装業者や瓦業者に依頼をお願いすることが多いのではないかと思います。しかしガルバリウム鋼板という素材は板金の1種に該当するので、塗装業者や瓦業者に依頼しても、そこから外注で板金業者に依頼が入るのです。
この様に様々な業者を介して発注を行うと、いわゆる中間マージンという無駄な紹介料を支払うはめになってしまう為、ガルバニウム鋼板の施工は通常より高額になってしまうケースが多いのが現状です。また、ガルバリウム鋼板を用いた施工は特殊な施工な為、施工を嫌がる業者も数多く存在することを覚えておきましょう。
デメリット③強風
3つ目のデメリットは強風に対しての弱さです。先ほど上の項でガルバニウム鋼板は非常に軽く耐震性に優れた屋根素材であると解説しましたが、耐震性に優れた軽い屋根というのは強風に弱いという特徴があります。また、傷もつきやすいという特性を持っているため、台風などの強風で飛んでくる枝や木にも注意しておく必要はあるでしょう。
毎年、台風の時期になると強風によって屋根がはがれてしまっているガルバニウム鋼板屋根をニュースなどでよく見かけます。勿論、ちょっとした台風程度では壊れないガルバニウム鋼板屋根が殆どですが、万が一のケースを想定して耐震性と強度の2点を天秤にかけて検討してみましょう。
デメリット④潮風
最後に挙げられるデメリットは、潮風の対して弱いというデメリットです。ガルバリウム鋼板は耐久性の高い素材ではありますが、金属であるため潮の風による影響を非常に受けやすい性質を持っています。主に発生する影響は、白錆びの影響で、白錆びは屋根部分のみでなく家自体に大きなダメージを与えてしまう要因と言っても過言ではありません。この為沿岸地域での住宅ではガルバリウム鋼板は使用しない方が良いと言われています。
他にも酸性の雨が通常よりも多く振る工業地帯や、排気ガスの多い国道沿いなどの地域も適している環境だとは言えません。いくら錆びにくい性質を持っている金属であると言っても、金属は金属なので通常の金属屋根が適していない環境での使用は控えた方が良いでしょう。
屋根におすすめ!ガルバリウム鋼板の選び方
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次にガルバニウム鋼板の選び方について見ていきましょう。ガルバニウム鋼板をいざ選ぼうと決めても、様々な商品がある為、何を基準に決めれば良いのか解らない方も多いのではないかと思います。
何から始めれば良いのか解らない方は下記の2つの選び方を参考に、一体自分がどのような商品が欲しいのかを具現化してみてください。
選び方①色
1つ目の選び方はガルバリウム鋼板の色で選ぶという方法です。ガルバリウム鋼板のカラーのラインナップは屋根材の中では非常に多く、白や黒・グレー・ブラウンをはじめとした一般的なカラーから、個性に富んだグリーンやブルー・シルバー等のカラー等、多種多様なカラーがあります。
稀に熱伝導率を低くするために好きでもない屋根の色を選ぶ方もいらっしゃいますが、実はそれは間違いです。屋根を施工するタイミングで断熱材も一緒に施工していますので、色で熱伝導率が左右されてしまうのは考えすぎであると言われています。熱伝導率を気にせずに外壁やお家とのトータルコーディネートに合った好きな色を選びましょう。
選び方②価格と保証期間
2つ目の選び方は価格と保証期間で選ぶという方法です。ガルバリウム鋼板を購入しようとした場合に一般的には下記の保証内容が選べます。
- 10年保証ガルバリウム鋼板
- 15保証ガルバリウム鋼板
- 20年保証ガルバリウム鋼板(フッ素鋼板)
- 25年保証ガルバリウム鋼板
- 30年保証ガルバリウム鋼板(天然石粒金属ベース)
保証期間が長い商品の方が品質が高く高額になる傾向にあり、保証期間の短い商品は比較的安価で購入できます。更に上の項でご紹介した3つの加工方法【横葺き】【縦葺き】【瓦型葺き】の種類によっても価格が前後していきますので、保証期間・加工方法・価格の3つを天秤にかけてバランスの良い商品を選択しましょう。
ガルバリウム鋼板が人気!屋根のリフォーム例
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最後にご紹介するのが、ガルバニウム鋼板で実際に行った屋根のリフォームの実例です。お家の勾配や環境によって選択すべき施工例が変わってきますので、この項を参考にあなたのニーズにあった工法はどれなのかを考えてみましょう。
事例①カバー工法
1つ目にご紹介する事例はカバー工法という事例です。カバー工法とは、ガルバリウム鋼板のみならず一般的な屋根材にも用いられる工法で、既存の屋根の上からかぶせて張り付けていく工法のことを言います。
メリットとして挙げられるのが、古い屋根の撤去費用がかからないのでコストの安さ、そして工期の少なさです。ガルバリウム鋼板の場合、コロニアルの上にかぶせるといった施工が行われます。しかし、既存の屋根や屋根の下地部分の損傷がひどい場合にはこの工法で施工ができないといったデメリットや、耐震性能に不安が残るというデメリットもありますので、耐震性能を高めたいという方や、旧耐震基準のご自宅の屋根にカバー工法はおすすめできないと言えるでしょう。
リフォーム費用 | 60万円 |
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施工面積 | 46㎡ |
築年数 | 40年 |
施工日数 | 5日 |
事例②耐震対策
2つ目にご紹介する事例は耐震対策にガルバリウム鋼板を用いたという事例です。震災で半壊、雨漏りをした瓦屋根住宅を耐震性の高い軽い屋根にしたいという要望からガルバリウム鋼板を選択しました。
しかしガルバリウム鋼板は耐久性や耐震性が非常に高いですが、その軽量さや薄さから雨音が気になってしまう場合があります。このような場合には、施工時に断熱材を施すことで雨音の煩さを軽減できます。約20坪の工事面積で5日の工事日数がかかりました。
リフォーム費用 | 100万円 |
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施工面積 | 46㎡ |
築年数 | 40年 |
施工日数 | 5日 |
事例③アスベスト対策
3つ目の事例はアスベストが多く含まれたストレート材をガルバリウム鋼板に変えたという事例です。アスベスト含有のストレート材は、今でも倉庫の屋根や工場の屋根に多く使用されており、アスベスト含有が気になると言った家主さんですが、この場合はカバー工法で解決できる事が多くガルバリウム鋼板をストレート材の上からカバー工法し、問題解決しました。
リフォーム費用 | 87万円 |
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施工面積 | 90㎡ |
築年数 | 30年 |
施工日数 | 3日 |
屋根のリフォームにはガルバリウム鋼板がおすすめ!
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今回は人気の屋根素材であるガルバリウム鋼板のメリットやデメリットについてまとめていきました。ガルバリウム鋼板は錆びに強い素材のため、非常に耐久性や耐震性、耐熱性などに優れています。しかし、一方で潮風や強風に弱いなどのデメリットもありますので、メリットとデメリットをしっかりと理解し、統括してあなたにあった屋根材を選択しましょう。
また、ガルバリウム鋼板を施工しようとした場合には施工ができない業者も数多くあるため、必ず経験豊富で信頼のおける業者にお願いをしましょう。
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。