日本の水道水はそのまま飲んでも大丈夫?!成分や基準について徹底調査!
日本の水道水の質は世界的に見ても非常に高い所に位置している、と言われていますが、詳しい所まで知らないと本当に健康的に見ても問題が無いのか疑ってしまう方も居るでしょう。ですが、原水をそのまま引いている訳では無く、その間に成分が注入されます。今回は、水道水の質について解説しましょう。
水道水に危険性はないの?
日本で使える水道水というのは非常に質が高く、だからこそ手を加えず摂取しても料理に使っても健康上の問題は無いと言われています。しかし、何も知らないままだと本当に大丈夫なのかと思われるかもしれません。科学的な観点から危険性の有無を探りましょう。
日本の水道水の安全基準は高い
日本の首都である東京の浄水場の鮮度を例として見てみましょう。原水の1リットル当たりの有機物量は1.4㎎であるのに対し、浄水を行った水は0.6㎎、多摩川上流の清流も0.6㎎であり、江戸川から取水している金町の有機物量は清流並みであることが分かります。
この多摩川上流というのは、環境基準において最も厳しいとされているAA類型をクリアしているほどの綺麗な清流であり、ヤマメやイワナと言ったきれいな水でしか見られない魚も住んでいます。大都市である東京の水道水も、安全基準の高さゆえに清流と同レベルなのです。
水道管の危険性は?
では、浄水場から各家庭に届いて蛇口から出てくるまでの、水道管についてはどうなっているのでしょう。浄水場から各地域の配水池までは送水管、そしてそこから蛇口から出てくるまでには配水管を通り、給水管を通って送られます。
給水管については、毎日使用している分については危険性などは問題無いとされていますが、長年使っていない場合には滞留水が溜まり、水質に影響を及ぼす可能性も示唆されています。
貯水槽は汚れてる?
貯水槽は、マンションやアパートと言った集合住宅で見られるものであり、配水管からこの水槽に溜められ、そこから各部屋へと水が行き届きます。基本的に、貯水槽を管理するのは建物の所有者と定められています。
そして、清掃や点検については年に一度必ず行うようにも定められていますので、毎年しっかり行っているのならばよほど水質に問題は起きないでしょう。しかし、貯水槽が設置された時と現在の利用状況が大きく異なっている場合には、滞留水が増えて必ずしも健康的とは言い難くなります。
水道水に含まれる主な成分
以上、日本の水道水の質の高さと、水道管や貯水槽が絡んだ時の危険性について簡単にではありますが解説しました。水道の水というのは完全な真水という訳では無く、いくつかの成分が含まれています。
成分①塩素
まず挙げられるのは、塩素です。湖などを原水としている場合、病原菌となりうる微生物や細菌が入っている可能性があり、そのままではとても飲むことができません。そこで、殺菌作用のある塩素を注入することで、健康上の問題の無い水にしているのです。
どの程度入っているのかについてですが、これは国によって1リットルにつき1㎎以下かつ0.1㎎以上と定められており、大都市でも天然水の採水地として有名な地域でもこれは厳格に守られています。プールの匂いと言えばイメージしやすいカルキ臭という独特のにおいが気になる方も居ます。
成分②トリハロメタン
続いては、トリハロメタンです。これは、ジブロモクロロメタン、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ブロモホルムという4つの物質の総称であり、浄水場において行われる塩素での消毒の際、水中に合った有機物と化学反応を起こして発生します。
この物質中には発がん性物質として認められる可能性があると分類されるものもあり、ごく少量ながら水道水内に入っている事になります。これについてはWHOも水道水のトリハロメタンの基準値を定めており、日本ではそれよりもさらに厳しい基準を設けています。
成分③鉛
鉛が含まれている場合もあります。これは1898年ごろから作られ始めた鉛製の水道管で、長期間水を使っていないと滞留水内に鉛が溶け込んでしまう為に検出されます。鉛を一定数以上を人体が摂取すると健康上の悪影響がある為、現在は塩化ビニルやステンレス製の水道管への交換が進められてきました。
しかし、いまだに配水管の分岐から水道メーターまでが鉛製の水道管のままのケースもあり、かつ長期間家を空けていて水を使っていないのであれば、バケツ1杯分程度は水を出して滞留水を出し切るべきとされています。
成分④サビ
サビが水に入っていることもあります。塩化ビニルやステンレスの水道管に換える流れがあるとはいえ、水道菅に鋳鉄製のものがいまだ使われている事もあります。給水管についても、同じく古い鋳鉄製の管が使われているケースもあります。
そうした水道管の場合には、管の赤さびが水道水と一緒に蛇口から出てきて、赤茶色っぽい色をしていた李、鉄のようなにおいや味がします。この場合もバケツ1杯分の水を出し切ることが対処法とされますが、元を解決したいのなら管自体を交換すべきです。
成分⑤アルミニウム
最後に、アルミニウムです。浄水を行う中で塩素を注入して微生物などを殺菌すると紹介していますが、同じくこの過程の中でアルミニウムを含有している薬品を使用します。その為、蛇口から出る水道水にもアルミニウムが微量ながら含まれていますが、ほとんどはそのまま体外へ排出されます。
水道水が健康に与える影響は?
非常に質が高いとされる日本の水道水にも、場合によってはこうした成分が含まれている可能性があるのです。これを知って気になるのは、やはり健康へ影響を及ぼすか否かになるでしょう。
水道水をそのまま飲む場合
まず水道水を何も手を加えずそのまま飲む場合についてですが、基本的に健康上悪影響は出ないとされています。塩素なども残っていますが非常に微量である為、摂取したところで病気の原因になるほどでは無いのです。
水道水を赤ちゃん用ミルクに使う場合
大人が水道水を飲む場合には、体が成長していますのでごく微量の塩素などを摂取したところでそこまで気にするほどの事ではありませんが、赤ちゃんが飲むミルクに使う水となると話は違いますので、やはり出来る限りきれいな水が良いと思われるでしょう。
塩素やトリハロメタンなどを取り除きたい場合に効果的なのが、煮沸を行う事です。まず塩素については5分以上煮沸を行う事で空気中へ蒸散し、トリハロメタンについては10分程度で除去させられるとされます。
水道水をお風呂に使う場合
お風呂の場合、調理や赤ちゃんのミルク用などのように飲むことはありません。しかし、水道水と同様塩素を使用して消毒を行っているプールの水に含まれる塩素が喘息に関係しているのではないかと考えられていたりもします。
こういった話を持ち出すと心配事にはキリが無くなってしまいますが、もし気になってしまうのであれば塩素を除去出来たり、トリハロメタンを無害化することが可能なシャワーヘッドなどもありますので、使ってみるのを推奨します。
水道水は不安?安心できる飲用水を確保する方法
よほど長年使っていないという場合でなければ、日本の水道水は極めて質が高い事が分かりました。ですが、それでも最大限安心して水を飲みたいという場合には、いくつか塩素等を除去して飲む方法があります。
浄水器を取り付ける
1つは、浄水器を取り付けて使用する方法です。蛇口に取り付けてそのまま使用する直結タイプの浄水器もあれば、のちに紹介するウォーターサーバーにも活用されている逆浸透のRO膜を用いたものもあります。
こうした浄水器では、活性炭を利用して水を浄化しているモデルもあり、木炭などは水の中の塩素を吸収して濾過してくれます。
ミネラルウォーターを購入する
続いて2つ目は、ミネラルウォーターを購入して飲む方法です。ミネラル成分を多く含んでいるミネラルウォーターは硬水や軟水などから自分の口に合うものを探すことができ、また塩素臭なども無い為に料理へ使用してもより風味のある味わいになる事でしょう。
ウォーターサーバーを利用する
最後に、ウォーターサーバーを導入する方法です。水道水では無く富士山などをはじめとする全国各地の天然水や、品質が一定に保たれるRO膜で濾過された水が届けられ、これをそのまま赤ちゃんのミルク用や料理用などに使う事も可能です。
安心して飲めるお水を確保しよう
日本の水道水には、健康に害を与えるほどの有害な物質が含まれている訳では無く、厳格な基準も設けられています。只、健康の観点から塩素なども水道水の状態では完全には除去されていませんので、気になるのならば対処法をぜひ試してみて下さい。
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。