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【駐車監視員】とは?仕事内容から給料・必要な資格まで徹底解説!

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駐車監視員とは、車両や自転車の違法駐車(違法駐輪)の確認事務を行う人のことです。駐車監視員になるには駐車監視員資格を取得する必要があり、「みなし公務員」という位置づけで警察官と同じ業務にあたります。本記事では、駐車監視員の仕事内容をはじめ必要な資格や平均給与、駐車監視員に向いている人について解説していきます。

駐車監視員の仕事内容とは?

駐車監視員という職業を知らないという方は、どのような業務を行っているのか知ることから始めましょう。まずは駐車監視員の仕事内容について解説していきます。

そもそも駐車監視員とは

駐車監視員とは、違法車両の確認事務や取り締まりを行う人のことです。違法駐車の取り締まりといえば警察官だけが行えるものだと思う方がいるかもしれませんが、2006年に道路交通法が改正されてからは警察から委託された民間企業から駐車監視員が派遣されるようになりました。

駐車監視員として働くためには、駐車監視員資格者講習を受講して修了考査と認定考査の両方に合格したのち、委託業者に所属して駐車監視員として選任される必要があります。

警察の代わりに違法駐車の取り締まりを行う

駐車監視員は、主に放置車両の確認や取り締まりを行っています。現状では一部のエリアのみで業務にあたっていますが、違法駐車の取り締まりを民間の駐車監視員に委託することで警察官の仕事の負担軽減を図っています。

駐車監視員の業務は2人以上で行い、正式なガイドラインをもとに放置車両の取り締まりを行います。放置車両があれば自分の判断で違反とみなして、確認標章の取付けなどを実行します。ただし、駐車違反の反則切符を作成したり、放置違反金の徴収はしていません。

駐車監視員の仕事はシフト制が多いものの、曜日を問わないので土・日・祝日の出勤もあります。また、深夜帯に仕事をする場合もあるため、面接を受ける際は委託会社がどのような時間帯をメインに業務にあたっているのか確認する必要があると言えるでしょう。

駐車監視員の給料や年収は?

駐車監視員の仕事内容を知ると、一体どれほどの給与が見込めるのか気になることでしょう。それでは、駐車監視員の給与・年収の平均を見ていきましょう。

駐車監視員の給料や年収

駐車監視員はみなし公務員と言われているだけあって月給や年収が気になるかもしれませんが、平均的には月給15万円~22万円ほどとされています。よって、年収に換算すると200万円~300万円程度となり、駐車監視員の平均的な賃金は一般的な水準よりも低いことが分かります。また、勤務はシフト制になっていることがほとんどなので、一般的な正社員と比べるとやや不安定な印象が強いと言えるでしょう。

企業によって年収に差がある

駐車監視員は基本的に民間の警備会社に所属するため、所属先の給与規定に年収が左右されます。さらに、駐車監視員は正社員よりも契約社員やアルバイトとしての雇用が多いのが特徴です。

先述した通り、駐車監視員の平均月給は15万円~22万円ほどとされており、年収だと200万円~300万円程度となります。これだけ差が開いているのは、雇用形態や所属先の給与規定の違いが給与に影響をもたらしているためです。それでも賃金の水準は低めであるため、駐車監視員の仕事に就いているのは働き盛りの若い世代よりも50代以降の中高年の方が多い傾向があります。

駐車監視員になるには?資格が必要なの?

駐車監視員は警察の業務を代わりに行うため、どのような条件を満たせば働くことができるか気になりますよね。次に、駐車監視員になるには資格が必要なのかチェックしていきましょう。

駐車監視員には資格が必要

駐車監視員になるためには、駐車監視員資格者講習を受講し、修了考査に合格する必要があります。講習は2日間の日程で行われ、マークシート式の修了考査を受験する流れになります。

駐車監視員資格者講習は基本的に年に1度各都道府県で開催され、18歳以上であれば年齢や学歴等を問わずに受験(受講)することができます。受講受付の期間が決められているので、気になる方はホームページをチェックしておくことをおすすめします。

駐車監視員の講習や試験の内容

駐車監視員資格者講習は、1日7時間の講習を2日間受講します。道路交通法や車両の基礎知識、放置車両確認時の留意事項、駐車監視員の責任といった内容の講習で駐車監視員に関する知識を学びます。

講習を受けた後は、別の日に各50問の修了考査と認定考査を受験しますが、マークシートなので誤字や脱字などのミスをする心配がありません。どちらも50問のうち90%以上正しく解答できれば合格することができます。

駐車監視員になるのは難しい?

駐車監視員資格者講習は学科試験のみで実務試験はないので、受講中にしっかりと内容を理解できているかが重要です。駐車監視員資格者認定は平均値で70%以上の合格率と言われており、修了考査の難易度は自動車運転免許の学科試験と同じ程度だと言われています。そのため、しっかりと試験対策をして内容を理解できていれば、合格のハードルはそれほど高くないと考えて良いです。

しかし、合格率が平均値で70%以上ということを考えると、3割程度は不合格者がいることになるため、試験対策の勉強はしっかりしておく必要があります。テキストを読み込み、ポイントをしっかり押さえておきましょう。

駐車監視員の仕事が向いている人

駐車監視員の仕事をしていると、違法駐車をした違反者とのトラブルが少なからず発生します。違反者は罰金を支払うことや、免許の点数が引かれるのを避けたいがために「違反を認めない」「言い訳をする」「逃げようとする」「暴言を吐く・脅迫をする」といった行動をとることがあります。しかし、駐車監視員が公務に従事しているときは公務員として扱われるため、違反者に業務を妨害された場合は公務執行妨害で相手を逮捕することが可能です。

そのため、万が一違反者とトラブルが起きた場合でも、「取り乱さずに落ち着いた対応ができる自信がある」という方に向いている仕事だと言えます。ただし、警察官と同じように違反者による業務妨害から守られる反面、駐車監視員には秘密を保持する義務が課されます。このような決まりも必ず守る必要があります。

駐車監視員が設置されて違法駐車は減った?

駐車監視員が違法駐車の取り締まりをするようになったのは、駐車監視員制度が始まった2006年6月1日からです。この制度が始まって違法駐車の数に変化があったのかについて、平成30年に警察庁交通局が東京都で実施した調査結果をもとに探っていきましょう。

【東京都の特別区を対象にした瞬間路上駐車台数の推移】

  • 2005年の瞬間路上駐車台数・・・105,388台
  • 2010年の瞬間路上駐車台数・・・  58,277台
  • 2018年の瞬間路上駐車台数・・・  52,675台

という結果になっており、2006年から駐車監視員の取り締まりが始まって以降、路上駐車の台数が大幅に減少していることが分かります。また、違法駐車の台数が減ることで駐車車両との交通事故件数も減少し、2005年の死亡事故が6,691件だったのに対して2018年の死亡事故が3,449件に減少しています。

これらの結果は東京都の特定のエリアでの結果となり、他の地域では違法駐車がそれほど減っていないケースもあります。しかし、違法駐車が減ることで交通事故の件数まで減っている実例があるのは、駐車監視員が設置された大きなメリットと言えるでしょう。

駐車監視員になって事故防止の手助けをしよう

今回は、駐車監視員の仕事内容や仕事をするにあたって必要な資格、給与の目安などについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。駐車監視員の仕事に就くには、公安委員会が国家公安委員会規則で定めた放置車両の確認等にかかわる技能及び知識に関する講習を受けたのち、その過程を終了する必要があります。そして、考査に合格し、修了証明書を交付された者が違法駐車の車や自転車を取り締まる業務にあたります。

駐車監視員は違法駐車に対して警察官と同じ業務にあたることから「みなし公務員」という位置付けになるものの、基本的に民間の警備会社に所属することになるので、年収は200~300万円程度に留まると考えられます。

一般的な会社員と比較すると給与の水準は低いものの、駐車監視員の仕事は資格を持っていなければ就くことができません。そのため、50代以降の方にとって働きやすい仕事だと言えるでしょう。駐車監視員への仕事に興味を持った方や転職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。