イエヒメアリの駆除方法や室内に侵入させないための予防法をご紹介!
快適な居住空間で毎日を過ごしていると、突如として現れるのが害虫です。家の中に発生する害虫の代表といえばゴキブリやシロアリ、ダニなどですが、そのなかにアリの一種であるイエヒメアリがいます。イエヒメアリは放置するとあっという間に繁殖し、取り返しのつかないことになります。そこでイエヒメアリの駆除方法や侵入させない予防法をまとめました。
イエヒメアリとは?
イエヒメアリはある意味シロアリよりも厄介な存在の屋内害虫です。そのためイエヒメアリの発生を確認したら迅速に駆除、その後は再び侵入しないための予防する必要があります。駆除や予防するためにも、その特徴や及ぼす被害などを確認しておきましょう。
イエヒメアリの特徴
イエヒメアリとは体長約2.0~2.5mmの微小なアリの一種で、黄色や赤褐色の体とお腹に薄黒い色がついています。ヒメアリと酷似した種類ですが、ヒメアリのような光沢感がなく、イエヒメアリのほうが若干大きいのが特徴です。
アフリカ原産なので温かい場所を好む故に室内に侵入してきます。近年の住宅は冬でも保温性に優れた環境に保たれているため、特に寒い時期には暖かい室内、高層マンションた鉄筋コンクリート造などによく現れるので注意してください。
雑食ですが特に魚肉やチーズなどの乳製品を好み、気付けば食品の袋の中にイエヒメアリが侵入するなどの食害を引き起こすだけでなく人を噛むこともあるので注意してください。
1つの巣に複数の女王アリが存在しているため繁殖力が凄まじく、あっという間に大量発生するので見つけたら迅速に駆除することをおすすめします。
小さな身体でどんな隙間からでも侵入し、部屋の隅やキッチンなど少し暗い場所から入り込み餌となる食品や食べかすを巣に持ち帰ります。
その他のアリとの違い
その他のアリといえばシロアリやクロアリですが、イエヒメアリと異なるタイプで、シロアリは実はゴキブリ目に分類されるアリとは違う種類の虫になります。
シロアリは柱などの木材を食料とし、場合によってはコンクリートやプラスチックなどを食い荒らすこともあり、大量発生によって家屋に甚大な被害をもたらします。
クロアリは外でよく見るアリで、住宅に被害を与えることは少ないですが、シロアリを食べるのでシロアリが発生したところにはクロアリが来る可能性も高くなります。クロアリが室内に侵入すれば色々な食品が食害にあうため気をつける必要があります。
イエヒメアリが及ぼす被害
イエヒメアリが及ぼす被害は主に食害、肉や魚はもちろん、お菓子や砂糖、乾物など、どんなものでも食料にしてしまいます。他にも洋服をかじって穴をあける、稀に人を噛むこともあるので注意してください。
イエヒメアリに毒はありませんが攻撃的で、噛まれたり刺されたりすると肌の弱い方や体質によっては腫れてしまうこともあります。
噛まれたり刺されるなど、直接的な被害がない場合でも、大量発生して室内を移動する様子を見れば視覚的にもかなり不快な思いをします。
イエヒメアリの駆除が難しい理由
イエヒメアリは実は駆除が難しい害虫と言われています。クロアリを駆除するよりも難しいイエヒメアリ、なぜ駆除が難しいのでしょうか。アリの駆除に便利な顆粒タイプの駆除剤は特に駆除が難しくなります。なぜ通常のアリのように簡単に駆除できないのか、その理由をまとめました。
駆除が難しい理由①薬を巣まで運べない
イエヒメアリを駆除する場合、一般的に利用される方法が駆除剤を使うことですが、実はイエヒメアリは駆除剤の大きさによっては巣に持ち運ぶことができないのです。
もし駆除剤を持ったとしても、巣まで運ぶことは困難なのです。駆除剤は餌と同じように巣に持ち帰り、全体を死滅させる効果がありますが、そもそも大きな駆除剤は微小なサイズのイエヒメアリは巣まで持ち帰ってくれません。
巣まで持ち帰らなければ女王アリや巣にいるイエヒメアリを全滅させることは不可能、その場で駆除剤を食べたイエヒメアリしか死滅させることができません。
イエヒメアリは高い繁殖力によって短期間で増えるため、巣ごとまとめて駆除しなければ次々と発生してしまうのです。
駆除が難しい理由②薬への耐性がつく
市販の駆除剤は害虫を死滅させるための毒ですが、何度も繰り返し使用していると薬に対する耐性がついてしまうのです。イエヒメアリに薬の耐性ができてしまえば駆除剤の役割を果たさず、駆除できないだけでなく毒だと把握して駆除剤に近寄らなくなってしまうのです。
試してみたいイエヒメアリの駆除方法
一般的な駆除剤では駆除が難しいイエヒメアリですが、試してほしい駆除方法もあります。先程も記述したように、顆粒タイプの駆除剤は粒が大きく、イエヒメアリには不向きなので、顆粒タイプを使う場合には細かく砕く必要があります。
もし列をなして移動するイエヒメアリを見つけたら、掃除機を吸い取っってしまう方法もありますが、その場合は捨てるときに逃げ出さないように注意しましょう。それ以外にも試してみたい駆除方法があるので参考にしてください。
駆除方法①砂糖水でおびき寄せる
駆除剤に寄ってこない、持ち帰らない場合には砂糖水でおびき寄せる方法があります。あまり高さのない平らなお皿に砂糖水を作り、そこに駆除剤を混ぜておきましょう。
砂糖も好むイエヒメアリが砂糖水に誘われてくるので駆除できるようになります。顆粒タイプではなく液状やクリーム状の駆除剤を試すのも砂糖水と似たような効果があるためおすすめです。
駆除方法②独自の毒餌を作る
顆粒タイプではイエヒメアリが巣に持ち帰れず、液状やクリーム状の駆除剤を設置してもイマイチ効果が出ない場合には、独自の毒餌を作る方法もあります。
市販の駆除剤にアリの好物でもあるツナ(シーチキン)やホウ酸と砂糖を混ぜたりするのも良いでしょう。潰した顆粒タイプの駆除剤にツナを混ぜるだけでも効果的です。
ツナを使う場合は砕いた顆粒タイプの駆除剤に小さじ1のツナを混ぜるだけ、ホウ酸は砂糖と同量を混ぜ、少量の水で練るだけです。しかしイエヒメアリにも好みがあるため、あまり効果がないと感じたら別のもので試してください。
小さなお子様やペットがいる場合は、誤って食べてしまわないようにする必要があります。また、毒餌にする食べ物は匂いが強いほど良く惹きつけることができるので、様々な食品に市販の駆除剤を混ぜて試すのも良いでしょう。
そのなかでより食いつきの良い毒餌で駆除してください。顆粒タイプではなく、液状タイプを利用する場合には洗剤や重曹を混ぜる方法もあります。
特に重曹はイエヒメアリの体内に入ると二酸化炭素が発生し、死滅させる効果があります。重曹と砂糖を3:1で混ぜる方法もおすすめです。重曹は食用でなくても構いません。
市販の駆除剤や上記で紹介したような方法で駆除を試みても、全滅させるまでにいかない場合も少なくありません。どうしても対処できないときは、害虫駆除の専門業者に依頼するのもおすすめです。
駆除業者であれば専門的な知識によって効率良く駆除が可能、素人よりも確実に全滅させることもできます。業者選びは実績のあるところを探し、複数の業者から見積もりをとるようにしましょう。
イエヒメアリを室内に入れさせない予防方法
駆除が難しいイエヒメアリですが、「まだ見たことがないから」と油断していると気付かないうちに室内に入ってくるので気をつけてください。
繁殖力が凄まじいイエヒメアリは1匹でもいればどこかに巣を作って潜んでいます。そのためあらかじめ室内に侵入されないように予防することも重要です。
予防方法①侵入口となりそうな場所を塞ぐ
体長2mmほどの微小なイエヒメアリはどんな隙間からでも侵入してきます。もちろんすべての隙間を塞ぐことは無理なので、侵入口となりそうな箇所をできる限り塞いでおきましょう。
イエヒメアリが侵入する、巣を作りそうな場所は外壁にある穴や隙間、朽ちた木材などになります。もし外壁に穴や隙間があればとりあえずガムテープで塞ぐか、パテで埋め、木材には防腐剤を塗っておきましょう。
さらに侵入しそうなところには駆除剤や毒餌を設置する、ミントやレモン、コーヒーかすなどアリが嫌うものやアリ専用の忌避剤を撒く方法もあります。もし屋外でイエヒメアリの行列を見つけたらそれを辿り、侵入経路を確認するのもおすすめです。
予防方法②餌となる食べ物を放置しない
手軽にできる予防方法として餌となる食べ物を放置しないことも重要です。イエヒメアリは雑食のため、どんなものでも餌にしてしまいます。
開封したお菓子や乾物などはクリップで留めるよりも密閉容器やジッパー付き袋に保存し、床にある食べかすはこまめに掃除するようにしましょう。
特に小さなお子様やペットがいる家庭では食べかすやペットフードが落ちていると、それも餌になりイエヒメアリが入ってくる原因となります。
イエヒメアリの駆除方法や予防法を試してみよう
イエヒメアリは一度室内に入ることを許してしまえば駆除することが難しい厄介な害虫です。侵入してくる前に予防することはもちろん、室内で見つけたときはこちらで紹介した駆除方法を試してみましょう。
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。