精密計測機器であるノギスを解説 /使い方や選び方をはじめ、おすすめ6選まで幅広くご紹介!

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ノギスは外形、内径、深さ、段差の各測定が1台で行うことの出来る汎用性の高い精密計測機器です。業務で機械加工をされるプロの方には必需品で、さらにDIYでの金工作業など、さまざまな場面で使用することが出来ることから、1台所有していると非常に便利に使うことが出来ます。今回はノギスの使い方や選び方、おすすめのモデル6選など、幅広くご紹介してみます。

ノギスは、どんな時につかう工具?

ノギスは検査対象物の外形寸法をはじめ、内側寸法や段差、穴や溝の深さといった4つの寸法計測を行うことが出来る精密測定機器です。

機械加工時などに、寸法通りに加工が出来ているか、タップを開けるピッチの測定など、さまざまな測定に使用可能で、DIYからプロの方まで幅広く使われています。

最小計測可能範囲はモデルによって異なりますが、0.05mm単位で計測することが出来るものが一般的です。

ノギス本体の操作箇所について

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ノギス本体の各部位の名称について、標準タイプについてご紹介します。

1:外側計測用ジョウ

検査対象物の外形を計測する場合に使用する部位を「外側計測用ジョウ」と呼び、鳥のくちばしのようになっている部分のことを示します。このジョウの間に対象物を挟んで外形寸法の計測を行います。

2:内側計測用ジョウ(クチバシ)

外側計測用ジョウの反対側に設置されているのが、「内側計測用ジョウ」で、対象物の内径を計測したり、段差計測をする場合に使用します。別名、クチバシとも呼ばれます。

3:デプスバー

デプスバーは、ノギスの本尺目盛りの下側に付いており、穴や溝の深さを計測する際に使用します。但し、このデプスバーは、機種によっては装備していないモデルもありますので、全てのノギスに付いている訳ではありませんので、注意が必要です。

4:本尺目盛り

ミリ(mm)単位で、目盛りが記載されているメインの文字盤となり、本尺目盛りと呼ばれます。

5:バーニア目盛り(副尺目盛り)

先にご紹介した本尺目盛りから、さらに小さな小数点第二位までを示した文字盤となります。一般的なノギスの最小計測単位は0.05mmのものが多く、微動送り付きのものなどは0.02mm単位まで測定出来るモデルもあります。

6:スライダ

外側計測用ジョウと内側計測用ジョウの稼働側、バーニア目盛りが固定されている部位が、スライダと呼ばれ左右に可動させることが出来ます。このスライダの動きに合わせてデプスバーも可動します。

7:指かけ

スライダの一部分となり、指でスライダを可動させる場合に使用します。

簡単に、ノギス本体の各部名称についてご紹介しました。次項では、ノギスの種類についてご紹介します。

ノギスの種類には、どんなものがある?

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ノギスには幾つか種類があり、計測値の読み取り方法の違いから標準型、デジタル型、ダイヤル型の大きく3つに分類することが出来ます。またそれぞれの分類の中に、ピッチ測定用や内径専用のノギスなどもあり、各メーカーから多種多様なノギスがリリースされています。今回は、先にご紹介した3つの分類についてご紹介します。

標準型ノギス

ノギスの最も一般的なモデルとなるのが標準型です。計測値を本尺とバーニアの両方を駆使して読み取り、最小計測単位が0.05mmのものが一番使われています。長さも100mm~300mmが一般的で、1,000mmの計測が可能なモデルもありますが、計測範囲が大きくなると価格も10万円を超えるなど高価になります。

工具・アイテム名 標準型ノギス
材質 ステンレス、ジョウの刃先には超硬合金などを使用したタイプもある
最小計測 0.02~0.05mm
価格帯 10,000~15,000円

デジタル型ノギス

標準型ノギスのスライド部分に液晶画面を搭載し、計測値をデジタル表示するモデルで、最小計測単位が0.01mmと標準型と比較しても、精度の高い計測が可能となっているものが多いのが特徴です。モデルによってはソーラー電池式といった、従来のボタン電池を使用しないものや、防水防塵機能を搭載したものまでリリースされています。

工具・アイテム名 デジタル型ノギス
材質 本体:ステンレス、デジタル液晶部:ABS樹脂
最小計測 0.01mm
価格帯 20,000~30,000円

ダイヤル型ノギス

標準型ノギスにダイヤルゲージを搭載したモデルで、ラックとピニオンギアを搭載しており、最小計測単位が0.01mmと、先にご紹介したデジタル型ノギスと同等の計測精度を備えています。サムローラーと呼ばれる、微動ねじを搭載したモデルなどもあります。ただしダイヤル型ノギスの構造上、ごみやホコリなどが内部に侵入し易いため、使用には注意が必要です。

工具・アイテム名 ダイヤル型ノギス
材質 本体:ステンレス
最小計測 0.01mm
価格帯 10,000~20,000円

ノギスを使った計測方法についてご紹介

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標準型ノギスを使用した対象物の寸法計測を覚えておくと、デジタル型やダイヤル型でも数値を読むことが出来ます。標準型ノギスの使用方法をご紹介します。

外側、内側寸法の計測方法について

外側寸法の計測方法は、対象物を外側計測用ジョウで挟み、内側寸法の場合には、クチバシを計測部位に押し当てて、本尺とバーニア目盛りを読むだけといった簡単作業となります。

ただし計測時に「対象物をジョウで直角に挟む、クチバシを直角に当てる」ということと「軽く挟んで計測する」という2つの注意点があります。

ジョウで斜めに挟んだり、クチバシを斜めに押し当てた場合、対象物と接する面積が小さくなり誤差が出易く、必ず直角に挟む、押し当てることが大切です。また円筒形状の内側を計測する際には、クチバシの先端と接地面で隙間が出来ますので、必ず誤差が出てしまいます。精度の高い計測が必要な場合には、棒形マイクロメーターでの計測をおすすめします。

指かけやスライダを強く押し当てた場合にも、測定誤差が出ますので注意が必要です。

深さ寸法の計測方法について

深さを計測する場合には、本尺目盛りの下部(深さ測定面)を対象物の上部に真っすぐに立てて、デプスバーが底面に当たるように伸ばし、目盛りを読みます。計測する底面が平坦でない場合には、正確な寸法は出ませんので注意が必要です。

段差の測定方法について

ジョウの固定側の端面を対象物の基準面に真っすぐに立てて、スライダー部分のクチバシを段差面に当てることで、計測を行うことが出来ます。ただし、対象物の基準面が水平でない場合には、正確な計測が出来ませんので、先にご紹介したデプスゲージを使用する必要があります。

目盛りの読み方について

最後に目盛りの読み方について、ご紹介します。

1:○○mm単位丁度の場合
測定対象物を挟んだ際に、本尺とバーニア目盛りの「左0(ゼロ)」が一直線であれば、○○mm丁度となります。

2:○○.○○mmの場合
本尺とバーニア目盛りの「左0(ゼロ)」が一直線に重なっていない場合には、「左0(ゼロ)」部分の数値が○○mmとなります。続いてバーニア目盛りを確認し、本尺とバーニアの目盛り線が一直線になっている部分の数値が、小数点以下の計測値となります。

計測値の確認については、先にご紹介した2つの注意点がありますので、同じ部位を3回程度、計測し数値が同じであれば問題ないと判断可能で、数値が毎回異なる場合には、測定方法が悪いという判断が出来ます。

ノギスはどうやって選べば良い?

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ノギスの選び方は、幾つかありますので簡単にご紹介します。

1:測定寸法精度を考慮する場合

先にもご紹介しましたが、ノギスの種類によって測定可能な寸法精度が異なります。標準型ノギスであれば、通常0.02~0.05mm単位となり、デジタル型やダイヤル型であれば0.01mmとなりますので、ご自身が使われる寸法測定精度によって選ばれることをおすすめします。高い寸法精度が必要ない場合であれば標準型ノギス、寸法精度が必要な場合であればデジタル型かダイヤル型となり、筆者の経験上、デジタル型の方が一目で数値を確認出来るので、使い易いと思います。

2:最大測定寸法で考慮する場合

最大測定寸法でいうと100mm~300mmのモデルが最も多くリリースされていますが、最大で2,000mmといった大型ノギスもあります。大きなノギスは重たく、それだけ高価なアイテムとなるので使用頻度によっては、作業効率やコストパフォーマンスが悪くなる可能性もありますので、作業中に測定するワークの大きさを確認し、最適なサイズを選ぶことが大切です。

次項では、おすすめのノギスをご紹介します。

おすすめの標準型ノギスをご紹介!

ノギスの種類や選び方など、各種情報をご紹介しましたが、この項では、筆者が実際に業務で使用しているノギスをはじめ、おすすめをご紹介します。

1:ミツトヨ M型標準ノギス N30

ミツトヨ M型標準ノギス N30
ミツトヨ M型標準ノギス N30

測定範囲(mm):0~300
器差(mm):±0.08
最小表示(mm):0.05
外側用ジョウ(mm):64
内側用ジョウ(mm):22.0
デプスバー:有

各種精密計測機器を製造、販売しているミツトヨの「M型標準ノギスN30」は、測定範囲が0~300mm、最小計測単位が0.05mmとなり、ミツトヨのスタンダードモデルといえます。

実際に筆者も業務で使用しているノギスで、適度に抵抗がありながら滑らかな動きをするスライダーとピタッとジョウが密着してくれる平坦度など、非常に使い易く作られています。

2:新潟精機 快段目盛ノギス GVC-30KD

新潟精機 快段目盛ノギス GVC-30KD
新潟精機 快段目盛ノギス GVC-30KD

材質 : ステンレス
最大測定長(mm) : 300
最小読取値(mm) : 0.05
器差(mm) : ±0.08
デプスバー(有無) : 有

各種測定機器を製造、販売している新潟精機からリリースされている「快段目盛ノギス GVC-30KD」は、その名称通り、本尺の目盛りが階段状に付けられており、計測結果の確認をし易くしたモデルです。

測定範囲は0~300mmで、最小計測単位が0.05mmとなり、バーニア目盛りには小数点以下の数値が記載されており、初めてノギスを使う方が、迷うことなく計測出来るように工夫がされています。

3:シンワ測定 普及ノギス M型 150mm

シンワ測定 普及ノギス M型 150mm
シンワ測定 普及ノギス M型 150mm

本体サイズ(mm):235×77×8
製品質量:150g
測定範囲(mm):0.05~150
最小読取値(mm):0.05

新潟県三条市に本社を構える「シンワ測定株式会社」からも各種ノギスがリリースされています。ご紹介する「普及ノギス M型 150mm」は測定範囲が0~150mm、最小計測単位が0.05mmの標準型ノギスです。

全長は235mm、重量が150gと軽量コンパクトな小型タイプのため、場所を取らず持ち運びにも便利で、シンワ測定の標準ノギスでのスタンダードモデルとなります。

次項では、デジタル型のおすすめをご紹介します。

デジタル型ノギスのおすすめをご紹介!

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デジタル型のノギスは、最小計測単位が0.01mmのものが殆どで、精密な計測を必要とする場合に最適で、最近では防滴防塵などの機能を備えたものまでリリースされており、標準型と合わせて持っていると非常に便利です。

1:ミツトヨ デジマチックキャリパー CD30C

ミツトヨ デジマチックキャリパー CD30C
ミツトヨ デジマチックキャリパー CD30C

測定範囲(mm):0~300
器差(mm):±0.03
最小表示(mm):0.01
外側用ジョウ(mm):64
内側用ジョウ(mm):21.8
デプスバー:有

ミツトヨからリリースされている「デジマチックキャリパー CD30C」は、計測範囲が0~300mm、最小計測単位が0.01mmのデジタル型ノギスです。

スライダを素早く動かした際に起こり易い、オーバースピードエラーが発生しないようになっており、短時間で正確な測定が可能になっています。アブソリュート測定機能を搭載しており、電源を入れてからのゼロ設定が不要で、気軽に使うことが出来るのも特徴の一つです。

2:シンワ測定 デジタルノギス 19975

シンワ測定 デジタルノギス 19975
シンワ測定 デジタルノギス 19975

全長:234mm
先端巾:77mm
内側用測定面長さ:15mm
外側用測定面長さ:40mm
スライダ巾:62mm
本尺巾:16mm

シンワ測定からリリースされている「デジタルノギス 19975」は、測定範囲が0~150mmの小型デジタルノギスです。

最小計測単位が0.01mmの精密測定が可能で、デジタル測定部分は防滴仕様となっており、機械加工時のクーラントなどが飛散しても問題なく使用出来るのが特徴の一つです。また比較測定や間接測定が出来るゼロセット機能も搭載しており、手軽に使えるデジタルノギスです。

3:ミツトヨ ABSクーラントプルーフキャリパ CD-P20S

ミツトヨ ABSクーラントプルーフキャリパ CD-P20S
ミツトヨ ABSクーラントプルーフキャリパ CD-P20S

測定範囲:0~200mm
最小計測単位:0.01mm

ミツトヨからリリースされている「ABSクーラントプルーフキャリパ CD-P20S」は、国際防水規格であるIP67の防水防塵機能を搭載しており、機械加工中のワークの測定などにも安心して使用することが出来ます。また出荷前に密閉性確認のためにエアリーク試験を全数に実施しており、ミツトヨらしい高い品質を備えています。

ノギスは手軽に計測を行える計測機器

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ノギスの選び方や使い方をはじめ、おすすめのノギス6選をご紹介しました。外形、内径、段差計測、深さ計測と1台4役をこなせる便利な精密計測機器で、機械加工をされるプロの方からDIYまで幅広く使える汎用性の高さを備えており、1台持っておかれることをおすすめします。この機会に、是非、購入を考えてみては如何でしょうか。

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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。

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