グラインダーの刃はどんな種類があるの?おすすめの刃や使い方を解説!
グラインダーは活用範囲が広く、刃の種類によって用途が変わります。
しかし初めてグラインダーを導入しようと考えたとき、用途から刃を選ぶのは少し難しく感じてしまいますよね。
- グラインダーの刃ってどれを選んだら良いの?
- どんな刃がどのような用途に使えるの?
- おすすめのグラインダーの刃を教えてほしい!
購入を考えた際、上記のような疑問を抱く方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、「適切なグラインダーの刃を選ぶ方法と種類」についてまとめました。
おすすめの替刃もまとめてありますので、グラインダーの刃選びに迷った場合でもすぐ見つけられますよ。
ぜひ参考にしてくださいね。
目次
グラインダーとは?研削や研磨・切削と幅広い用途で活躍する工具!
グラインダーとは、
- 研ぎ削る「研削」
- 研いで磨く「研磨」
- 切り削る「切削」
が行える工具です。
本体に取りつけた円盤状の刃や砥石(といし)を回転させて、木材から金属までさまざまな素材の加工を行います。
おもな用途は以下のとおりです。
- 金属の切断
- サビを落とす
- 溶接部分を削って整える
- 車のボディを磨く
DIYからプロまで幅広く使われています。
グラインダーについて詳しく知りたい方は、下記記事を参考にしてください。
グラインダーの刃とは?種類から使い方まで初心者向けに解説!
グラインダーの刃は大きく分けて、2種類に分類できます。
- 研磨用
- 切断用
用途によって適切な刃が変わるため、注意が必要です。
グラインダーの刃(研磨用)とは?
研磨用の刃(砥石)は紙ヤスリのように表面がザラザラしており、研削もできます。
使用されている材質は、大きく分けて以下の2種類です。
- アルミナ(酸化アルミニウム)系
- 炭化ケイ素系
アルミナや炭化ケイ素を、結合剤で固めたものが砥石です。素材による使い分けは、以下の表を参考にしてください。
金属加工 | アルミナ系の砥石 |
---|---|
金属以外の加工 | 炭化ケイ素系の砥石 |
加工したい素材に合わせて刃を選ぶと、効率よく作業が行なえます。
刃(研磨用)の種類
研磨用は磨く作業に特化しており、グラインダーに取りつけて使用できるものはおもに5種類です。
- 研削砥石
- オフセット砥石
- 多羽根ディスク(マルチディスク)
- ワイヤーブラシ
- バフ(フェルトディスク)
研削砥石はもっとも一般的な刃で、金属の研削ができます。
ディスクが平らになっており、グラインダーに標準装備されていることが多いです。安価で手軽に購入できます。
オフセット砥石は、中心部分が少し山なりに盛り上がっている形状の砥石です。
研削砥石よりも強力に研削ができ、平らな仕上がりになります。
大きく深く研磨や研削する際は、オフセット砥石を使用すると良いでしょう。
多羽根ディスク(マルチディスク)は、紙ヤスリを扇状に重ねた形の刃です。
中心部分から外周部分に向かって空気が流れるので、冷却性に優れています。
また空気の流れによって削りカスが溜まりにくく、目詰まりのしにくさが特徴です。
ワイヤーブラシはおもに、広い平面のサビや塗装を落とす際に使用します。
サビや塗装のみを落とせるので、下地をすり減らしたくないときに使用すると良いでしょう。
バフ(フェルトディスク)は、ステンレスや金属の仕上げ磨きに使用します。
ほかの砥石や刃とは違い、布製です。バフ(フェルトディスク)を使って金属を磨くと、鏡のように仕上げられます。
フェルト製以外に麻や綿でできたバフもあり、種類が豊富です。
グラインダーの刃(切断用)とは?
切断用の砥石は、金属を切断する際に使用します。切断しやすいように薄く、1mmから2mmの厚みになっているものが一般的です。
またクラインダーで切断をする際は、砥石のふちを使います。
切断用の砥石は硬いものに使える「ダイヤモンドカッター」があり、コンクリートやレンガの切断も可能です。
刃(切断用)の種類
切断で使用する刃は、「切断用砥石」というものを使って行います。
きれいな切断面に仕上げたいときは、薄い砥石を使うと良いです。反対に厚めの砥石は耐久性に優れています。
刃の形状には、
- セグメントタイプ
- オールラウンドタイプ(リムタイプ)
の2種類があります。
セグメントタイプは刃の外周に切れ込みがあるもので、切れ味重視タイプです。
オールラウンドタイプ(リムタイプ)は刃に切れ込みがなく、きれいな切り口に仕上がります。
切断する素材に合わせて砥石を選びましょう。
グラインダーの刃を購入したい!適切な刃の選び方や注意点は?
グラインダーの刃は、加工するものに合わせて選びます。
選ぶときの基準は、以下の3点を参考にすると良いでしょう。
- 硬度(結合度)
- 粒度
- 刃のサイズ
グラインダーの刃は種類が多く、選び方を知っておかないと作業効率が悪くなります。
事前に選び方と注意点を知り、適切な刃を使って安全に作業を行いましょう。
刃(砥石)の硬度について
研削用や研磨用の刃(砥石)には、「A」から「Z」までのアルファベットで表記されている「硬度(結合度)」があります。
- 「A」に近いものは砥石がやわらかく、硬い材質の加工向き
- 「Z」に近いものは砥石が硬く、やわらかい材質の加工向き
やわらかい砥石は目詰まりがしにくく、硬い砥石は強度に優れています。
刃(砥石)の粒度について
砥石の「粒度(りゅうど)」とは、目(粒)の粗さです。
粒度は番手と呼ばれる、「#(シャープ)」から始まる数字で表記されています。
砥石の粒度は#24から#1000まであり、目の粗いものは数値が小さいです。反対に目の細かいものは数値が大きくなっています。
仕上げをなめらかにしたいときは、目の細かいものを使用すると良いです。粗削りをする際は、目の粗いものが適しています。
粒度によって仕上がりが異なるので、加工する工程に合わせて選びましょう。
刃(砥石)のサイズについて
刃のサイズは、おもに4種類あります。
- 100mm
- 125mm
- 150mm
- 180mm
なかでも100mmと125mmが一般的で、機種を問わず広く使えるサイズです。
グラインダーの機種によって、使用できるサイズや取り付ける穴の径は決まっています。
使うグラインダーに取り付けられるサイズか、事前に確認しましょう。
グラインダーの刃で注意すべき「回転速度」について
グラインダーの刃には「最高回転速度」があり、「min-1(毎分)」で表記されています。
「最高回転速度」とは、刃を安全に使用できる限界速度のことです。
グラインダーの刃は、最高回転速度を超えて使ってはならないと決められています。
定められた限界速度を超えて使用すると、刃が破損したり事故につながったりするので危険です。
最高回転速度を超えないように、刃と機種の回転数をチェックしながら購入しましょう。
グラインダーの刃でおすすめのものは?用途に合わせたものを選ぼう
対応している機種が多い外径100mmの刃で、おすすめの替刃をまとめました。
用途に合った刃を選ぶ際の参考にしてください。
マキタ(Makita)研削砥石(オフセット砥石)5枚入A-48751
A-48751は研削用オフセット砥石です。
鉄やアルミの研削や研磨、バリ(切断面にできる不要な突起物)を取るのに使えます。
外径 | 100mm |
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取り付け穴径 | 15mm |
粒度 | #36 |
最高回転速度 | 13690min-1 |
オフセット砥石なので研磨力に優れており、平面を研削や研磨する際に最適です。
5枚セットを1,320円で購入できます。
ヤナセスパークディスクA#120SPA7
多羽根ディスク(マルチディスク)で、金属や木材の研磨に使用します。
研磨以外にも塗装はがしにもおすすめです。ただしコンクリートやガラスには、使用できません。
外径 | 100mm |
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取り付け穴径 | 15mm |
粒度 | #120 |
最高回転速度 | 12000min-1 |
粒度#120は、おおよそ紙ヤスリの中荒目ほどです。
ヤナセスパークディスクの粒度は、#120以外に
- #40
- #60
- #80
があります。作業工程に合わせ、適切な粒度を選ぶと良いでしょう。
1枚180円ほどで購入が可能です。
E-Valueディスクグラインダー用剛腕カップブラシ強力研磨80mm
ブラシの鋼線を束にしてねじった、特徴的な形状のワイヤーブラシです。
鋼線をねじることで作業中に鋼線が折れるのを防ぎ、安全に作業ができます。
外径 | 80mm |
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ネジ径 | M10×P1.5 |
線径 | 0.5mm |
ブラシの材質 | 硬鋼線 |
最高回転速度 | 12500min-1 |
耐久性に優れており、サビ落としや塗装はがしにおすすめです。
1つ870円ほどで購入ができます。
ヤナセFFフェルトディスクソフトタイプFFD01
絶妙なソフトタッチ。フラップ形状で「研磨焼け」を防ぎ、またパイプなど曲面や凹凸面にも使いやすいです。
柔らかい羊毛のフェルトシートを放射状に加工しているので、通常のフェルトディスクよりヤケが少ない。
フェルト製の研磨専用バフです。
- 鉄
- ステンレス
- アルミ
上記金属のツヤ出しや、仕上げ磨きにおすすめです。
バフに切れ込みが入っており、加工面にしっかりと密着します。そのため曲面や平面にも使えて便利です。
外径 | 100mm |
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取り付け穴径 | 15mm |
最高回転速度 | 12000min-1 |
1つ830円で購入が可能です。
BOSCH(ボッシュ)バリューシリーズ・切断砥石(10枚入)MCD10510VM/10
オールラウンドタイプの切断用砥石です。
アルミナ系の砥石で、おもに金属を切断する際に使用します。
外径 | 105mm |
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取り付け穴径 | 15mm |
刃の厚み | 1mm |
最高回転速度 | 14500min-1 |
刃の厚みは1mmなので、金属も切断も素早く行えます。
10枚セット1,000円ほどで購入でき、とてもお買い得な砥石です。
リリーフ(RELIFE)5枚組ダイヤモンドカッターセグメントタイプ29420
外径:直径105mm・穴径:15mm
切断能力:花崗岩(硬度38.5HBS)厚み15mm/約18m
対応工具:ディスクグラインダー用
切れ味重視の切断用砥石です。
- コンクリート
- モルタル
- レンガ
- タイル
- スレート
上記素材の切断に向いており、硬いものを切る機会が多い方におすすめです。
外径 | 105mm |
---|---|
取り付け穴径 | 15mm |
刃の厚み | 2mm |
最高回転速度 | 14500min-1 |
5枚組で価格は1,300円ほど。とてもコストパフォーマンスが高い商品です。
グラインダーの刃を交換するには資格が必要?DIYでの利用はなくてOK
業務でグラインダーを使用する場合、刃を交換するには資格が必要です。
しかしDIYでの利用や個人利用は、資格がなくても問題はありません。
なぜ業務での交換は資格が必要なのかというと、「労働安全衛生規則第36条1項」によって取替作業は危険が伴うものとされているからです。
グラインダーの刃は作業中、高速で回転します。刃の取り付けや安全に配慮ができていないと、危険かつ事故の原因にもつながるのです。
そのため業務以外の作業であっても、グラインダーの刃を交換する場合は説明書をよく読み、安全に配慮しましょう。
グラインダーとサンダーの違いは?よく似ているけど別物の工具!
グラインダーとよく似た工具に、「サンダー」があります。2つの工具はよく似ているので、同じ工具と扱われがちです。
しかしグラインダーとサンダーは、大きく形状が異なり用途も違います。
グラインダーは円盤状の砥石を本体に取り付けて、研削や切削を行う工具です。サンダーは、ベルト状の紙ヤスリを本体に取り付けて研磨します。
削ったり切断したりするグラインダーとは違い、サンダーは研磨に特化した工具です。
サンダーについてもう少し詳しく知りたい方は、下記記事を参考にしてください。
まとめ:グラインダーの刃は用途に合わせたものを選んで最適な作業を!
グラインダーの刃は種類がとても豊富で、どれを選べば良いか悩むこともあるでしょう。
しかしグラインダーの刃は、種類ごとに合った用途があります。用途や作業工程に合わせて選ぶと、とてもわかりやすいです。
また用途に合った刃を使うと、作業が効率的に行いやすくなります。たくさんある中から適した刃を選び、快適に作業を行いましょう。
ほかにもグラインダーの刃を比較してみたい方は、下記の記事を参考にしてください。
※記事の掲載内容は執筆当時のものです。