日立のベビコン!おすすめ製品やコンプレッサーの基礎知識もご紹介
エアーツールやエアーブラシを使用するときに、コンプレッサーは欠かせません。
小型コンプレッサーの代名詞といえば、日立ベビコンです。
今回はベビコンを選ぶときに必要な用語の説明や、用途に合わせたおすすめのベビコンを紹介します。
ベビコンを知らない方にも気軽に読んでいただける内容ですので、ぜひコンプレッサーやエアーツールの知識を深めてくださいね。
ベビコンとは
ベビコンとは日立産機システムが販売している、空気を圧縮する機械(コンプレッサー)です。
モーターの回転をシリンダの上下運動に変換して、空気を圧縮するレシプロコンプレッサーに分類されます。
1946年に誕生し、累計300万台以上を販売している大人気のシリーズです。
圧縮機本体がボックスに収納され、静音性能を高めた「パッケージベビコン」もあります。
なお、ベビコン(BEBICON)は日立産機システムが登録商標を取得しています。
ベビコンの人気が高い理由
ベビコンの人気が高い理由は、なんといっても耐久力です。
たくさんの古いベビコンが、今でも現役で働いています。
また、メーカーの日立産機システムは、省エネ性能や環境に配慮した製品づくりに取り組み高い評価を受けています。
最新のベビコン
最新のパッケージベビコンは、Bluetoothでスマートフォンと接続して運転状況のモニタリングが可能です。
最大で4台のベビコンを一台のスマートフォンで監視できるので、工場内を見回る必要がなくなります。
また、エラーが発生したときはすぐに知らせるだけでなく、エラーの詳細や対策のアドバイスなど、さまざまなサポートをしてくれます。
さらに、業務に追われていると忘れてしまいがちな、メンテナンスの時期も教えてくれる頼もしいベビコンです。
ベビコンの性能
ベビコンを選ぶときに必要な、コンプレッサーの性能や用語について解説します。
出力
ベビコンに搭載されている、空気を圧縮するために必要なモーターの出力を表します。
数値が大きいほど、空気を圧縮する能力が高いコンプレッサーです。
以前は馬力を表す(HP)が使用されていましたが、現在は(kW)が使われています。
なお、「1HP=0.75kW」です。
最高圧力
最高圧力は(MPa)の単位が使われ、ベビコンはこの数値まで空気を圧縮することが可能です。
大気圧を0MPaとするゲージ圧力と絶対真空を0MPaとする絶対圧力がありますが、ベビコンはゲージ圧力で表記しています。
また、ベビコンの最高圧力は0.7MPa~0.9MPaで、1.0MPa以上に圧縮できるベビコンは中圧ベビコンと呼ばれます。
ベビコンを選定するときには、使用したいエアー機器が要求する圧力値に対して、0.20MPa程度の余裕をみておくのが一般的です。
吐出し空気量
吐出し空気量は、ベビコンが1分間に圧縮する空気の量です。
単位としては(L/min)や(㎥/min)が使われます。
「1000L/min=1㎥/min」です。
ベビコンを選定するときには、圧力と同様で使用するエアー機器が要求する空気量に対して、1~2割程度の余裕をみるようにします。
タンク容積
ベビコンが本体内に蓄えておける圧縮空気の容量で、搭載されたタンクの大きさで決まります。
単位は(L)です。
メーカーによって吐出し空気量にあわせたタンクが選定されていますが、足りなくてもエアータンクを別で用意すれば解決します。
運転方法
ベビコンの運転方法には以下の二種類があります。
・圧力開閉器式
・自動アンローダ式
運転方法の違いを簡単に説明します。
圧力開閉器式は圧力スイッチで運転を制御する方法です。
設定された圧力になると運転を停止し、エアーを消費して設定した圧力よりも低下すると運転を再開します。
自動でオンとオフを切り替えるため省エネです。
一方、自動アンローダ式は圧力調整弁によって、無負荷運転と圧縮運転を切り替えます。
圧力を一定に保てるメリットがありますが、常に運転をしているため稼働音が止むことはありません。
圧力開閉器式の運転で、1時間で10回を超えてベビコンが稼働するようであれば、自動アンローダ式に切り替えるか、別でエアタンクを設けることが推奨されています。
なお、一部のパッケージベビコンでは、圧力開閉器式と自動アンローダ式を自動で切り替える、PUSC方式が採用されています。
オイルフリー
オイルフリーのベビコンは、潤滑油を使用することなく運転します。
給油式のベビコンは、構造上どうしても圧縮空気にオイルミストが混入しますが、オイルフリーであれば、きれいな圧縮空気の使用が可能です。
オイルミストが混入しては困る、食品業界や、化学、医療分野で活躍しています。
用途に合わせたおすすめのベビコン
それでは、用途に合わせたおすすめのベビコンを紹介します。
エアーツールのベビコン
エアーツールを使用するのであれば、安価で購入できるベビコンシリーズがおすすめです。
0.75kWから15kWまで、幅広い製品ラインナップから選択できますので、使用する工具の使用圧力や消費空気量に合わせてサイズを選びます。
環境・省エネに貢献!
●電動機 50Hz 三相200V 出力 0.75kW 最高圧力 0.93MPa 吐出量 80L/min タンク容積 38L 外形寸法 W782×L335×H735mm 質量 59kg 騒音 70dB[A]
また、エアツールは圧縮空気に水分が含まれていることで、サビが発生します。
エアドライヤーが搭載されたパッケージベビコンを選べば、安心してお使いいただけます。
エアーツールにはさまざまな種類があり、電動工具に比べるとコンパクトでハイパワーが特長です。
こちらの記事で、おすすめのエアツールを紹介しています。
エアーブラシ用のベビコン
エアーブラシを使用した塗装には、圧縮空気にオイルが混入すると困るので「オイルフリーベビコン」がおすすめです。
エアーブラシは連続して圧縮空気を使用するため、自動アンローダ式のベビコンを選びましょう。
釘打ち機用のベビコン
大工さんが使用する釘打ち機のエアー源には、釘を一瞬で打ち込むために高い圧力が必要です。
軽搬型ベビコン「エアーパンチ」は、3つの特許を取得した独自の「高圧対応ロッキングピストン機構」が採用されおり、大気圧を40倍以上の4.2MPaまで圧縮できます。
釘打ち機用のコンプレッサーとしては、マックスやマキタが人気ですが、エアーパンチはベビコンの特長である高い耐久性能が特長です。
本体重量は13kgで、他メーカーの同性能機と比較すると若干ですが軽く、現場での持ち運びの負担を減らしてくれます。
釘打ち機用コンプレッサーの購入を検討されている方は、エアーパンチもぜひ製品選びの候補にいれてくださいね。
〔圧縮機〕空気タンク内最高圧力(MPa) 4.2 〔圧縮機〕カプラ取出し最高圧力(MPa) 一般圧力用 1.1以下 高圧用 約2.5 〔圧縮機〕吐出し空気量(L/min) 0.7MPa時 145/2.3MPa時 102
マックスとマキタのコンプレッサーは、こちらの記事で紹介しています。
レーザー加工機用のベビコン
レーザー加工機では材料を酸化から守るために、窒素などをアシストガスとして使います。
また、アシストガスはレーザー光をつくるレンズの保護も兼ねていますので、質のよい気体が求められます。
レーザー加工機には、窒素の圧縮に適したピストンを搭載した「オイルフリーブースターベビコン」がおすすめです。
ブースターベビコンは省エネにも貢献しますので、導入の検討をしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は日立のベビコンについて紹介しました。
コンプレッサーを導入するとエアーツールが使えるようになり、作業時に選択できる工具の幅が広がります。
耐久性が高く信頼できる製品、日立ベビコンの購入を検討してみてくださいね!
コンプレッサーについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。
おまけ情報
給油式のベビコンには専用のオイルがおすすめです。
不良の原因になる炭化物の生成を抑え、ピストンやシリンダを摩耗や傷から守ってくれます。
「日立ベビコン専用オイル」はAmazonでも購入できますよ。
※記事の掲載内容は執筆当時のものです。