スパナとレンチの違いとは?選び方や正しい使い方・おすすめ製品をご紹介!
DIYなどでも使用頻度の高い工具にスパナとレンチは、両方ともボルトやナットなどのネジに使うための締結ツールとして利用されています。しかし違いをあまり把握していない方も多いのではないでしょうか。
効率良く作業を進めるためにも違いを知って目的に合わせた使い方や選び方の参考にしてみてください。使いやすいおすすめのものもご紹介します。
スパナとは
スパナは主に頭の部分が六角になったネジに使う締結ツールで、機械作業や車整備、建築現場などで使われるだけでなく、DIY作業でも重宝するアイテムです。先端部分が開放されたU字型の形状で使用幅は固定されています。
先端部分が開放されていることで横からのアクセスが可能となり、ネジ上部に空間がなくてもスムーズに作業することができます。
スパナとレンチの違い
どちらも締結ツールとして利用するので同じものだと思われることも多いですが、大きな違いは開放部があるかどうかになります。しかし海外では、二つとも締め付けや緩め用の工具として同一に扱われています。
その違いはイギリス英語とアメリカ英語で、関西弁と標準語ほどしか違いはなく、英語での意味合いでは使用ツール自体で区別することはそれほどありません。日本における双方の違いと海外ではスパナとレンチの種類そのものが異なることを覚えておくといいでしょう。
先程も記述したように日本国内における双方の違いはネジを挟み込む部分で、ヘッド部分が開放しているものをスパナ、開放されずに閉じた状態になったツールにレンチという名称が付けられています。スパナはイギリス英語ですが、英語ではエンド、先端部分がオープンになっているのでオープンエンドレンチと言われています。
スパナの選び方
スパナにはさまざまな種類やサイズがあり、使用幅が固定のため使うボルトやナットに合わせたものを選ぶ必要があります。こちらでは選び方を紹介するので、購入する際の参考にしてみてください。
選び方①薄さ
扱ったことがある方はよく分かると思いますが、一般的なスパナはレンチよりも厚みと重量がありしっかりした作りになっています。しかし机の下や自転車整備など、狭い箇所や細かい作業では薄いタイプを使用することがおすすめです。また、ナットが複数個あり、ひとつだけ締めたり緩めたい場合にも厚みがないほうが挟みやすいのでスムーズに使えます。
厚みがないので、あまり大きなサイズのボルトなどに使用するには向いていませんが、細かい作業には薄型タイプを選ぶようにしましょう。
選び方②メーカー
スパナはさまざまな工具メーカーが販売していますが、メーカーによって機能性が異なるのでメーカー別に選ぶのもおすすめです。最近では100均などでもスパナが販売され、安価で購入できますが、やはり信頼の置けるメーカーであれば評価も高く、使いやすいスパナが多くあります。
選び方③セットのもの
DIYや仕事などスパナを使う作業で同じサイズのネジしか扱わないのであれば1本でいいですが、ネジには大きさが複数あり、それらすべてに適切に使用できるように複数のサイズがワンセットになったものを選ぶと必要サイズがない、作業が進まないなど慌てることもありません。
選び方④サイズ
ネジのサイズに合わせたものを使うのが基本であり、異なるサイズのスパナを使えばネジが潰れてしまったり、作業効率が悪くなってしましまいます。適切に使用するためにもサイズ選びは最優先事項であり、ツールとネジが同じ大きさのものを選ぶようにしなければいけません。
ボルトやナットなどのネジに使用するときは直径や半径ではなく、スパナがネジにハマる2面の幅の距離がしっかりと適したものを選びますが、サイズはスパナのグリップ部に数字表記されているので使用前にチェックしてください。
六角ボルトだけに適したレンチに比べ、スパナは二面幅が適していれば六角ボルトに限らず稀に使用されている四角ボルトにも使うことができます。
スパナのサイズ選びで注意してほしいのがネジのサイズがメートルとインチ、どちらで表示されているかです。基本的にDIYなどで使用するネジはメートル表記されている場合がほとんどですが、稀にDIYでも海外製などの輸入品を扱うことがあります。その場合はネジのサイズがインチで表記されているので、それに合わせたスパナのサイズを準備するようにしましょう。
スパナの種類
スパナは一見すると同じように見えても種類ごとに若干形状が異なり、それによって特徴が違っています。そのため用途に合ったものを選択することでより作業しやすくなります。
スパナの種類①モンキースパナ
モンキースパナはモンキーレンチと言うほうが聞き馴染みがあるかもしれません。開口部が可動式になったもので、複数のサイズにも対応できるようになっています。可動部はネジ式で、このネジを回すことで開口部のサイズを調整できるようになっています。
ワンサイズにこだわらないタイプは幅広く使いやすいようにも思えますが、可動式にしていることでネジを掴む力が他のものほうが強力であり、モンキースパナではしっかりと挟み込むことができずにネジを痛める場合もあります。
どうしても適したサイズのものがない場合の緊急用として利用するほうがいいでしょう。使うときはガタつかないようにしっかりサイズ調整をしてください。
スパナの種類②片口スパナ
片口スパナは一般的に使用されるポピュラーで、グリップ部の一方だけにヘッドがあり、サイズは1つだけになります。使用するネジが同一の場合や、同じ作業を長時間するときに便利です。
片口スパナのほとんどはグリップ部に穴があいているので、落下防止の紐やストラップをつけることができるようになっており、高所作業用にも安全でおすすめです。また、ヘッドが片側だけなのでグリップが持ちやすくなっています。
スパナの種類③両口スパナ
両口スパナはグリップの両方にサイズの異なるヘッドがあり、片口スパナ同様に一般的に良く使われる種類で、DIYなどの素人作業でも使いやすいのでよく見かけます。
サイズが違うだけでなく、一方は強度重視でもう一方は小回りが効くなどそれぞれ用途別の使い方ができるタイプもあります。両口スパナは1本で2サイズに適している以外に、使いやすいように少しだけ曲がっているものもあります。サイズも種類豊富にあるので選びやすくなっています。
スパナの種類④コンビネーションスパナ
コンビネーションスパナは両口スパナに分類されることもありますが、グリップ部に長さがありスパナとレンチが一体化しています。
レンチと比較するとネジを挟み込んだときの力が若干弱く、場合によってはネジ角を潰してしまうこともあります。レンチは構造上しっかりと力を入れることができるので両方が揃うコンビネーションスパナを使い、スパナとレンチそれぞれのメリットとデメリットを補いつつこれ1本で仮締めと本締めを一気に行うことが可能となっています。
2つのツールが一緒になっているので、工具箱が持ち運べない狭い場所や高所作業でも素早く作業できるのでおすすめです。
スパナの種類⑤イグニッションスパナ
イグニッションスパナはスパナの種類のなかでも特殊なタイプで、見た目からして少し曲がっている状態でサイズも最大14mmまでしかありません。かなりの薄さで、ダブルナット作業にも適しています。
主にタービンや油圧ラインなどの自動車整備や家電製品、バイク整備など、小さめのネジを扱う場合に利用されます。両口スパナ同様にグリップ部の両端にヘッドがありますが、片方が作業しやすいようにグリップに対して水平ではなく若干曲がっている状態なので、用途が分かりやすく利用者を選ぶタイプのものでもあります。一般的なDIY初心者や入門編ではあまり使わない場合が多いでしょう。
スパナの正しい使い方
スパナはその形状からネジにかけて回すだけ、となんとなくで使用している方も少なくありません。しかし正しい使い方をしなければネジが破損したり、スパナ自体に負担がかかり曲がることもあります。特に薄いタイプのスパナは間違った使い方をしてしまうと破損や劣化が進む原因になります。
正しい使い方には、適切なサイズを使うことはもちろん、ネジの二面幅にしっかりかます、ネジに対してスパナをガッチリとフィットさせ、斜めにしたり浮かせた状態で使用しないことです。そしてスパナを回すときはグリップ部を平行に回すようにします。
また、錆びついて固くなったネジや締めすぎたキツいネジなど人の手で回すのが困難な場合に、ネジを挟んだ状態でハンマーなどを利用して力任せに回す使い方もありますが、そういうときは打撃スパナという種類を使います。打撃スパナ以外を使って無理に力を加えようとハンマーで叩いてしまうと、スパナだけでなくネジにも過度な力がかかり破損する原因になるので注意してください。
こちらの動画ではDIYで素人が扱ったり緊急時に間に合わせで利用するためのツールというよりも、職人などのプロにおすすめできるようなものを紹介しています。動画で説明しているのは一般的なものと異なり、角度の付いたスパナで狭い場所でも使いやすいようになっています。また、薄型タイプのスパナはダブルナット作業にも適した薄さなので細かい作業にもおすすめです。
おすすめのスパナ6選
種類も多く、サイズや厚みなどに違いはあるものの、基本的な使い方は同じです。しかしそれぞれに使う目的や特徴が異なる場合もあります。そこでこちらでは使いやすくて用途別に効率良く利用できるお得なおすすめセットを紹介します。DIYなどの作業にも便利なスパナを購入する前の参考にしてみてください。
おすすめ①SUN UP コンビネーションレンチ
1セットあると何かと便利なコンビレンチ 6pcs.セット
スパナで素早く仮締めをし、メガネ部で固く本締めをします。
対応サイズ:8x10x12x13x14x17mm
使い勝手が良く1000円以下の価格で購入できるコスパの良いSUN UP のコンビネーションレンチはスパナとレンチの両口スパナがサイズ違いで6本セットになっています。3~17mmまでのサイズがあり、DIY入門編のスパナセットとしておすすめできます。
すべてが一度に収納できるホルダー付きですが、しっかりホールドできるかわりに若干外しにくくなっているので、自作ホルダーや収納袋を準備してもいいでしょう。安く購入できるので、緊急用の車載工具として常備したり予備として使うのもおすすめです。自転車パーツに必要な15mmはないので注意してください。
おすすめ②トップ スパナセット
トップのスパナセットは椅子や台車、机などの事務用品やディスクグラインダーなどの電動工具の部品交換・整備に便利な超薄型の両口スパナが8~21mmまでの10サイズワンセットになっています。厚みが3mmで狭い場所やダブルナット作業にも対応、ホルダー付きでバラつかず収納にも便利です。
Amazonでも評価が高く、薄型タイプのわりにしっかりした作りと使いやすさが高評価を得ています。デメリットとして薄型タイプゆえにグリップ部を持つと手に食い込むので、軍手などをつけて作業するといいでしょう。
おすすめ③エキスパート スパナセット
エキスパートのスパナセットは6~9mmの両口スパナが6本セットになった使いやすいサイズです。グリップ部が若干短めなのでコンパクトにまとめることができます。
素材にクロームバナジウムを使っているので強度があり、値段以上にしっかりした作りになっています。DIYで使うスパナセットを探しているなら使いやすくおすすめです。
おすすめ④ホーザン スパナセット
コンパクトサイズで超薄型タイプのホーザンのスパナセットは、5.5mm、8mm、12mmの3本セットになった両口スパナで、それぞれ10度の角度がついています。キャスター交換やダブルナット作業にもおすすめで、自転車整備用に購入する方も少なくありません。
ホーザンは自転車工具メーカーとしても知名度が高く、安心感があるものを選びたい方にも適しています。厚みがなくコンパクトサイズのため、紛失しやすいので工具箱などに入れておくといいかもしれません。
おすすめ⑤TRUSCO コンビネーションスパナ セット
スパナとレンチが一体化したTRUSCOのコンビネーションスパナセットは8~24mmまでの10サイズが揃う使いやすいセットです。袋状になった分離型の収納ポーチが携帯しやすく、収納時にはコンパクトにまとめることができます。
DIY入門編としてだけでなくプロ仕様としてもおすすめできる上質なコンビネーションスパナセットで、値段以上にコスパの良い工具です。自動車やバイクのメンテナンスにも使えます。専用ポーチが布製なので、工具箱でガチャガチャとしないのもおすすめです。
おすすめ⑥プロクソン ハンガー付レンチセット
独特のデザインと機構、コスパに優れたドイツの工具メーカー、プロクソンのハンガー付レンチセットはスパナとレンチが一体化したコンビネーションスパナ12本セットになっています。
専用吊り下げケースにコンパクトに収納可能、12本セットでもかさばらないサイズになっています。グリップ部は丸みを帯びているので持ちやすく、軽量ながら締める力があります。これまで紹介したスパナセットと比較すると価格が高めですが、納得のいくものが欲しい方におすすめです。
スパナを目的別に使い分けよう!
スパナは締結工具として便利なアイテムですが種類も多く、それぞれに使い方が異なります。作業効率を上げるためには目的別に合わせたスパナを使い分けるほうがおすすめです。
スパナはDIY初心者が使う安くて手軽なものから高価でも作りがしっかりしているプロフェッショナル仕様など、メーカーや種類によって使い勝手が違います。スパナの仕様頻度や使う場所、目的別にスパナを選んで作業がスムーズに行えるようにしましょう。
その他の関連記事はこちらから
※記事の掲載内容は執筆当時のものです。