油圧ホースとは?基礎知識から選定方法まで徹底解説!

油圧ホースとは?基礎知識から選定方法まで徹底解説!

油圧ホースとはどのようなホースでしょうか。一般的にはあまり利用する機会のない油圧ホースですが、工場や建設機械には多く使われています。また本格的なDIYを行う方の中には油圧機械を所持されている方もいるかもしれません。そんな油圧ホースの基本的な情報はもちろん、実際に購入する際の選定の決め手まで詳しくご紹介いたします。

油圧(高圧)ホースとは

油圧を動力とする機械に使用されているホースの事を油圧ホースと言い、これは油圧の力を伝える為に油圧機械には必要不可欠なホースです。高圧環境下という通常の環境と異なる環境で使用されるので、一般的なホースよりも肉厚なゴムホースが採用されています。

油圧ホースが使われているところ

油圧ホースは基本的に一般家庭で使われてはいません。それではどこで使われているのかというと、ダイカストマシンや射出成型機などの工場設備や、ホイールローダーや油圧ショベルなどの建設機械に多く採用されています。

油圧配管や破損などにも対応

昔は油圧ポンプに接続されているのは、鉄パイプや剛管が主流の油圧パイプでしたが、油圧ポンプは稼働時に大きく振動し、振動疲労で油圧パイプに亀裂が走り油漏れが起こっていました。その為、現在は柔軟性の高い油圧ホースが振動の大きな場所には接続されています。

また重量規制や運搬の問題で軽量化が求められ、精度の上がった重機は動きも早くなってきています。小型化されてきた重機は、狭い場所での配管も必要となってきました。こうなるとフレキシブルに対応できる油圧ホースが油圧パイプより重宝されるようになり、現在は油圧パイプから取って代わりつつあります。

以前は210kgだったポンプの吐出圧力も精度が上がり、320kgまで圧力のかかりも大きくなってきていますが、ホースの精度も同時に上がってきている為、ゴム製の油圧ホースでも十分圧力に耐える事が可能です。その為、老朽化した油圧パイプに亀裂等の破損が出た場合、油圧ホースで対処するケースも増えてきています。

もっと圧力の高い海外製の重機も含め、油圧ホースの体圧は、場所や役目により変わる物なので、高圧力にも耐えられるホースが適材適所で採用されています。

油圧ホースの規格

現在、日本国内の油圧ホースのほとんどは海外製です。海外の油圧ホースはロシア・ヨーロッパを中心にDIN規格・EN規格が使用されており、他に南米を含むアメリカはSAE規格、オーストラリアではAS規格、アジアでは、これら全ての規格のホースが使用されています。

この海外規格ホースが分からないとホースの交換も出来ないので、まずは海外規格のホースをまとめまてみます。

【海外ホース規格】

  1. ISOホ-ス規格(International Organization Standardization=国際標準化機構)
  2. ENホース規格(European Standard=ヨ-ロッパ規格)
  3. DINホース規格(Deutsches Institut Normung=ドイツ規格)
  4. SAEホース規格(Society of Automotive Engineers=アメリカ自動車技術会)
  5. ASホース規格(Australian Standards=オ-ストラリア規格)

油圧ホースには「構造別ホース」と「圧力別ホース」があり、構造別ホースというのは、小口径(φ6)のホースサイズから大口径(φ50)のホースサイズまで全て構造が同じで、サイズによりホースの最高使用圧力が変化します。海外のホースのほとんどは、この構造別ホースになります。

これに対し圧力別ホースというのは、小口径(φ6)のホースサイズから大口径(φ50)のホースサイズまで最高使用圧力が一定で、ホースの構造がサイズにより変化します。JIS規格ホースは、こちらの圧力別ホースになります。このJIS規格は日本の規格で、ワイヤーは関係なく圧力で判断しており、日本製のホースはJIS規格が使用されています。

他にISO18752ホ-ス規格という、日本から提案して作られた国際標準化機構の圧力別ホース規格もあります。35・70・140・210・250・280・350・420・560の9クラスの圧力クラスがあり、ホースサイズはISOメートルサイズ5~120の14サイズあります。4種類のグレードと7種類のタイプが規定されている圧力別ホース規格です。

油圧ホースの種類

油圧ホースは内径、外径、金具、接続口により種類が異なり、それぞれ下記のように分かれています。
【内径】
10~15未満/15~20未満/20~25未満/25~30未満/30~35未満/35~40未満/40~45未満/
50~55未満/5未満/5~10未満≪すべての内径(Φmm)≫
【外径】
10~15未満/15~20未満/20~25未満/25~30未満/30~35未満/35~40未満/40~45未満/
45~50未満/50~55未満/5~10未満≪すべての外径(Φmm)≫
【金具】
両端金具おすシート(アダプタ付)/両端金具おすシート(アダプタ無)/
両端金具めすシート(アダプタ付)/両端金具めすシート(アダプタ無)
【接続口】
G(PF)1/G(PF)1-1/4/G(PF)1/2/G(PF)1/4/G(PF)3/
4/G(PF)3/8/R(PT)1/R(PT)1/2/R(PT)3/4/R(PT)3/8≪すべての接続口径≫

油圧ホースは油圧システムのキモとなる作動油を制御する口金や、作動油の高圧に耐えるホースなど、非常に重要な役割を担っています。事故を起こさない為にも、それぞれで種類が違うという事を理解し、適切な油圧ホースを選ぶようにしてください。

油圧ホースの選び方


油圧ホースを選ぶ際、どの点に注意して選べば良いのでしょうか。選ぶ際にしっかりチェックすべき項目を解説します。

選び方①長さ

動画の中でも言われていますが、ホースは長くても短くても取り付けることが出来ません。きっちりと正しい長さをはかって選ぶ必要があります。動画の通りに紐を使って、必ずホースの中心をしっかり通るようにし、片方の口金の先端から、もう片方の口金の先端までを測ります。

角度のついた曲がった口金が付いている場合、ホースの径の中心線と口金の径の中心点が交わる点までを長さとして測ってください。

選び方②圧力

ほとんどの油圧ホースには、使用圧力の数値がホース表面に記載されています。メーカーによって記載形式が異なりますので、取り付ける先の機械の圧力と合っているかどうかをしっかりと確認してください。

選び方③口金の種類

ベースマシン(バックホウ)と油圧アタッチメントを繋ぐホースの口金には大きく分けて、「オス外ネジ口金」「メス袋ナット付き口金」「フランジタイプ口金」の3つの種類があります。

使用するネジも、海外の機械類で一般的に使われるメートルネジ、ユニファイネジ、日本の一般的建築・産業機械で多く使用されるガスネジの3種類ですが、このネジの規格やサイズは様々です。

口金類の選定は口金とホース両方の規格をよく確認する必要があります。しかしユニファイネジとガスネジは見分けが付きにくく、見分けるにはネジピッチの違いをピッチゲージを使って測定する方法が一番間違えがありません。

ピッチゲージはホームセンター等でも手に入ります。ユニファイ・ガス共にインチネジなので、ピッチゲージはインチゲージの方を使います。このピッチゲージにあるギザギザと、ネジの山がピッタリ合った山数で判断します。なお山数はピッチゲージに刻印されています。

ガスネジのピッチ=インチ:11山/6分:14山/4分:14山/3分:19山/2分:19山
ユニファイネジのピッチ=
インチ:(1.5/16):12山/6分:(1.1/16):12山/4分:(3/4):16山/3分:(5/8):18山/2分:(1/2):20山

それぞれのピッチと山数がこのようになっているので、ネジを測定し種類を把握しておくと、アタッチメントの購入の際、困る事はありません。

油圧ホースの継手とは?

油圧ホースの継手とは、油圧ホースと取り付けられている機械を繋ぐ部分の構造の事で、結合部材に使われる物の事も指します。

継手金具の役割

継手金具の役割は、とても高い圧力がかかる油圧の力でホースが抜けないようにする事です。

例えば、水道の蛇口にホースを繋いで水を出すとします。普通に出している分にはホースは外れませんが、ハンドルを全開にして高い水圧で水を出すと、水道の抜け力(弾性)にホースの弾性で得た保持力(グリップ力)が負けて、ホースが抜けてしまいます。一般的にこれを防ぐには、バンド締めもしくは、ワイヤー巻きを行って対抗します。

油圧の場合は、水圧より更に圧力が高いので、それ以上にグリップ力を高める必要があります。そこで蛇口に相当するニップルと、ワイヤー巻きに相当するソケットを組み合わせて、継手を強固にする役割を担っています。

他にも、ホース内圧による流体の漏れを防ぐ事も、継手金具の役割です。

継手のメリット


継手を使う事で得られるメリットは、ネジを緩める、もしくは締めるだけで着脱が容易に完了する点や、液体シール材、シールテープを使用せずに済むので、その除去/塗布が不要な点、フリーにネジが回転するので角度調整が容易で、任意の締め付け角度で取り付けられる点が挙げられます。

接続方法

継手はネジを占めるだけで接続が可能です。なお、継手はテーパーとテーパーが密着する構造になっており、本来はテーパー同士が擦れ合う事はない作りになっているのですが、往々にしてテーパー面に摩擦で傷が付き、それが原因で作動油が漏れる事があります。

この対策として、テーパーに実際に使用している作動油、もしくはタービンオイルを塗っておく事をおすすめします。この時、ネジに油がついても問題ありませんし、むしろネジ山の摩擦が均一化するので、締め付けが良くなります。

接続手順としては、

    1. ゴミの付着がないか確認します
    2. 両側のテーパーに油を塗布します
    3. ホースに捻じれ/クセがないように、自然な形状の角度で締め付けます
    4. 継手の両方にスパナをかけて締め付けます

以上の行程を正しく守れば、作動油が漏れる事もなく、しっかりと接続が出来ます。

油圧ホースの継手は用途に合わせて選ぼう


油圧ホースの継手には様々な種類やサイズがあるので、その用途によって選び分ける必要があります。

用途①ネジサイズの変更

継手の選び方の一つにネジサイズの変更をするという用途があります。この場合は「ブッシング」という継手を選びます。

一般的にネジ径が違うネジ同士は接続できないので、そのままだと高圧ホースを繋げません。しかしブッシングを用いると、ブッシングは両端のネジ径が異なる為、違うネジ径の機械とホースを接続出来るのです。例えば1/4のオスネジと、1/8のメスネジを両端に持つブッシングなら、1/4と1/8という異なるネジ径の機械とホースを繋げるようになります。

購入する際は、接続する異なるネジ径の規格を確かめてから購入するようにしましょう。

用途②カプラとの接続

ワンタッチカプラは「クイックジョイント」とも呼ばれる継手の一つで、名前通り接続がとても容易になります。カプラは対で使用するように2種類あります。着脱の際、挿し込む側を「オス」、受ける側を「メス」と呼び、同じシリーズのものでなければ、うまく噛み合わず、下手をすると壊れて動かなくなるので注意が必要です。

メリットとしては着脱が容易で、油を漏らさず機械をバラす事が可能で、撤収も早く済みます。デメリットは圧力を逃す事が出来ない事、着脱のコントロールが難しい事、接続部にゴミが入らないよう、常に掃除が必要な事、残圧のコントロールが難しく接続時に圧がかかる為、つけにくいという点等が挙げられます。

カプラは大変便利なのですが、扱いが難しく、取り扱いを熟知する必要があります。取り扱いを間違えれば油漏れの危険もあるので、誰にでも扱える物ではないという事を覚えておいてください。

用途③オスネジ同士の接続

接続したい対象のネジが両方ともオスネジだった場合は、「メスメスソケット」を選んで接続します。普通はオスネジをメスネジに挿し込んで対象物同士を繋げるわけですが、オスネジ同士だと接続は不可能です。そこで、片方をメスネジに変換する必要が出てきます。

メスメスソケットは、継手の両端がメスネジになっているので、オスネジ同士の間に挟むことで接続の懸け橋の役割を担います。

用途④頻繁にホースを取り換える際

高圧洗浄機は使い方によっては頻繁にホースを付け替える必要が出てきます。そんな時におすすめなのが「ユニオン継手」です。ユニオン継手は高圧ホースの着脱が容易になるユニオン構造をしており、高圧ホースを通常より簡単に着脱可能にします。

ホースの種類や長さを変える事は、高圧洗浄機の使い勝手を大きく変化させる事になるので、より便利に使うためにはホースの付け替えが必須となります。ユニオン継手は、そんな頻繁なホースの付け替えを簡単にし、手間を軽減してくれるお助け継手なのです。

油圧ホースのかしめとは?

「かしめ」とは圧着する事を言い、漢字だと「加締め」と表記します。口金具のソケット部分を油圧ホースに挿入し、専用の加締め機械で規定値に圧着します。ソケットの外径部分の規定値は、メーカーが指定している数字等を一覧にした「カシメ仕様書」というものがあり、それにのっとって決められています。

現在の主流は「八方カシメ機」という、八つの爪(ダイヤ)がカシメ機にセットされたもので、八カ所が同じ圧でカシメられるようになっています。

適切な種類の油圧ホースを選定しよう


油圧ホースには様々な種類やサイズ、規定が存在し、そこに使用される口金も多種多様です。必ず、確かめておくべきチェック事項をしっかりと確認してから、適切な規定・サイズ・種類の油圧ホースを購入するようにしましょう。

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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。