年収300万の手取り・生活レベルはどのくらい?年収を上げる方法とは?
「年収300万円の場合の手取り額はいくらになる?」「年収300万円の生活水準はどのくらいだろう?」このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、年収300万円の手取り額、年収300万円の生活水準、年収300万円の人が年収を上げる方法についてまとめました。これから社会人になる方も、転職をお考えの方も、ぜひ参考にして人生の計画を立ててください。
年収300万円の割合
平成30年度の「民間給与実態統計調査」によると、年収300万円の人の割合は、人口の17.2%を占めています。また、年収300万円未満の人の割合は、全体の37%にもなります。実数では1,860万人で、年々増加傾向にあります。
性別で分けて見ると、男性が11%、女性が21%となっており、これは女性の方が非正規社員として働く割合が高いことに起因していると見られています。
年収300万円の手取り
年収300万円の手取りや生活水準がどの程度なのか知りたい方も多いのではないでしょうか。年収300万円というのは、大学を卒業して2年目、3年目の社会人によく見られる給料水準です。
親元を離れて初めて一人暮らしを始める際には、税引き後の手取り額や生活水準を知ることで、社会人生活のイメージがつかみやすくなります。また、年収300万円の事情を知ることで、「もっと収入を増やしたい」と思うこともあるでしょう。
年収300万円の手取り額
年収300万円の手取り額は約240万円です。収入的には月に20万円程度となりますが、ボーナスがあれば、手取り額は240万円より少し高くなることが期待出来ます。20万円というのは、大卒の初任給の平均である22万6,000円よりも少し低い額といえます。ちなみに手取りとは、年収から所得税や住民税、社会保険料などを差し引いて、実際に受け取る金額のことです。
年収300万円の手取り月収の計算方法
年収300万円の場合、手取りは約240万円となります。計算方法は、年収の額面金額から所得税、住民税(2年目以降)、社会保険料を差し引いて算出します。収入から引かれる所得税は、年収に応じて税率が変わる累進課税制度を採用しています。
課税所得額は、年収と同じではなく、総収入から各種控除額や経費を差し引いたものです。課税所得額を算出するためには、まず所得額を計算する必要があります。所得金額を計算するための計算式は「総収入-必要経費」です。
ただし、給与所得は他の所得のように原則として必要経費を差し引くことができません。その代わりに、所得控除という仕組みが用意されています。給与所得の金額は「源泉徴収前の収入金額-控除額」の式で計算できます。
収入金額とは、雇用主から支払われる給与のことで、基本給だけでなく残業代も含みます。ただし、交通費などの手当は省きます。続いて、住民税の計算です。住民税は、所得税と同じように、給与所得から給与所得控除や所得控除を差し引き、課税所得を算出します。
ただし、所得税と異なり、住民税の基礎控除額は43万円になります。住民税の金額は、住民税と所得税の均等割の合計額です。給与所得が300万円の場合、給与所得控除額は速算表により98万円となります。
所得控除額は、基礎控除額43万円と社会保険料控除額45万9,000円を合わせた889,000円ですので、この場合の課税所得は300万円-(98万円+43万円+45万9,000円)=131万1,000円となります。
住民税の金額は、この課税所得に所得税の10%と住民税の5,000円を足したものです。所得税は113,100円、住民税は5,000円ですので、住民税は合計118,100円となります。
最後に、社会保険料は、給与額に健康保険料率11.64%と厚生年金保険料率18.3%を乗じて、労使折半となります。健康保険料と厚生年金保険料を合わせた従業員の負担率は15%ですので、雇用保険料0.3%と合わせて459,000円という計算になります。
以上のことから、手取り収入は、給与収入300万円から所得税5万4050円、住民税11万8100円を差し引いた236万8850円となります。
年収300万円の平均貯蓄額
生活環境や年齢などによってかなりの差が出ることもありますが、それにしても、同じ年収の人がどれくらいの金額を貯めているのか気になる方は多いのではないでしょうか。リクナビNEXTが2018年に行った調査によると、年収300万円台の人の平均貯金額は約190万円です。
主に月給の範囲内で生活し、ボーナスが出たときに貯金ができるようになることが予想されます。毎月のお給料からもお金を貯めるためには、節約をして毎月の生活費を抑えることが必要です。
年収300万円でも手取りが増える方法
節税は高所得者やお金持ちがすることだから、自分には関係ないと思うかもしれません。しかし、税金を減らすには、収入から差し引くことができる「所得控除」をいかに増やすかがポイントです。ここでは、比較的簡単に受けられる控除をご紹介します。
まず、個人型確定拠出年金の「iDeCo」です。iDeCoは、20歳から60歳までの方が老後に備えるための制度です。毎月、定期預金、保険、投資信託の中から商品を選び、5,000円から1,000円を拠出して自分で運用します。
掛金は全額所得控除の対象となり、毎年の所得税や住民税が安くなるほか、運用益に税金がかからないなどの税制上のメリットもあります。
次に、「セルフメディケーション税制」があります。この制度は、予防接種や健康診断など一定の健康増進活動を行っている人が、スイッチOTC医薬品を購入し、年間1万2,000円以上支払った場合、1万2,000円を超えた金額が10万円まで所得から控除されるというものです。
例えば、年収300万円の人が、年間5万円分のOTC医薬品を購入した場合、所得税と住民税の合計額が5,700円減額されます。
また、「ふるさと納税」を利用した場合の控除もあります。ふるさと納税は、寄付金控除のひとつで、応援したい自治体に寄付をすることができます。寄附をすると、所得税が還付され、2,000円を超える部分については住民税が控除されます。また、寄付した自治体からお礼の品が届きます。
ふるさと納税の寄付金額の上限は、給与所得や家族構成によって異なります。例えば、給与所得300万円の単身者の場合、寄付金の上限は28,000円となります。この限度額まで寄付をすると、所得税と住民税から2万6,000円(マイナス2,000円)を差し引くことができます。
なお、寄付先が5自治体以下で確定申告が不要な場合は、確定申告をしなくても自動的に住民税が減額される「ワンストップ特例制度」を利用することができます。
年収300万円の生活レベルは?
ここからは、年収300万円の場合の生活水準に注目してみましょう。総務省統計局の家計調査を参考に、独身か既婚か、子供がいるかいないかで分類し、そのパターンごとに生活費の内訳をご紹介します。
年収300万円の生活レベル①独身×実家暮らし
独身で実家暮らしの方は、ある程度ゆとりのある生活ができると思われます。実家暮らしの方は、一般的に月収の40%を貯蓄に回すべきと言われています。仮に月収20万円とすると、毎月8万円程度の貯金があれば安心というわけです。
手元にお金があるからといって、趣味や娯楽にお金を使いすぎないように、あらかじめ貯めるべき金額を先に取り分けておき、生活費とは別に管理しておくと良いでしょう。
年収300万円の生活レベル②独身×一人暮らし
一人暮らしでも、年収300万円あれば生活には困らないレベルといえます。さすがに、何も考えずにどんどん貯金できるレベルではありませんが、毎月の収支をプラスにすることは難しくありません。ただし、都内の人気エリアに住んだり、車を買ったりしなければならない場合は、生活が苦しくなる可能性が高いです。
年収300万円の生活レベル③既婚×子ども有
既婚で子供がいる場合は、年収300万でやりくりするのは大変です。家族が増えると、食費や光熱費などの支出が増え、さらに子どもの保育料もかかるので、ハードな家計のやりくりが必要になります。
そのため、子供のいる家庭では共働きを選択することを強くお勧めします。収入を増やすために、パートタイムやフルタイムで働くのもよいでしょう。また、子どもの進学など、将来のために貯蓄をしておくことも大切です。
年収300万円の生活レベル④既婚×子ども無
次に、年収300万円の夫婦二人暮らしの場合について考えてみましょう。これは、夫婦だけで子供がいない世帯のケースですが、家庭をお持ちの方にとって、年収300万円での生活はかなり厳しいものがあります。生活するだけで精一杯なのは想像に難くありません。
そのため、レジャーや外食の費用を捻出するのも大変です。地域によっては、年収300万円では一家を支えることが難しいため、共働きを選択する家庭も増えています。妻がフルタイムで働くことができれば、家計の年収は飛躍的に向上します。
フルタイムが無理な場合は、パートタイムでも構いません。家計を支えながらパートタイムで働いたとしても、月収10万円以内であれば、十分に生活していくことができるでしょう。
年収300万円の生活レベル⑤ひとり親×子ども有
次に、年収300万円、子ども2人のひとり親の場合を見てみましょう。ひとり親で子どもが2人いる場合は、生活費や養育費などを差し引くと、手元に残るお金はほとんどありません。
日本のひとり親家庭の貧困率は74.3%で、これは先進国の中では突出して高い数字です。日本は他の先進国に比べて恵まれているとは言えませんが、一人親に対する支援制度はいくつかあります。
具体的には、寡婦(夫)控除、児童手当、児童扶養手当、ひとり親家庭の医療費補助制度などがあります。これらの制度をよく調べ、賢く利用することで、少しでも生活費を楽にすることができます。
ちなみに、以下に頻繁に出てくる「控除」という言葉は、課税対象額から控除額が減ることを意味しています。例えば、年収300万円に対して、寡婦控除27万円を適用した場合、課税対象額は273万円(年収換算)となり、手取り額が増えることになります。
年収300万円で結婚はできる?
限られた収入の中で、生活していくのは容易ではありません。結婚を視野に入れている方なら、現実に結婚したらどのような生活になるのかを、シミュレーションしておく必要があります。
年収300万円でも住宅ローンは組める
住宅ローンを例にとってみましょう。結果から言うと、年収300万円までの方が住宅ローンを組むことは可能です。過去には年収400万円という基準が設けられていたこともありましたが、時代背景に合わせて住宅ローンの融資額も1段階引き下げられました。
それだけ、年収300万円未満の人が多くなってきているということかもしれません。なお、借りられる住宅ローンの金額は約1,353~2,200万円です。
年収300万円でもマイカーローンもOK
次に、自家用車についてです。一般的に車の購入予算は、年収の半分程度が望ましいと言われています。年収の半分程度というのは、生活水準をできるだけ無理なく維持しながら、快適なカーライフを送るための目安となります。したがって、年収300万円の方であれば、150万円以下が妥当な予算だと考えられます。
生活費の節約も大事
そのため、年収300万円の方は、余裕を増やすために節約をすることが大切です。お金を貯める方法として、まず第一にお勧めしたいのは、「家計簿をつける」ことです。
というのも、家計簿をつけていれば、使いすぎた結果が家計簿ではっきりとわかるので、節約しようという気持ちが働きます。逆に家計簿をつけていないと、無計画に使いすぎを繰り返してしまう恐れがあります。
おすすめの節約術の2つ目は「自炊」です。外食よりも当然自炊の方が安く上がりますし、特に2人以上で生活している場合は、自炊することで食費を大幅に節約することができます。
また、別のおすすめの節約術として、「保険の見直し」があります。現在、月々いくらの保険料を払っておられるでしょうか?また、今加入している保険は本当に必要なものでしょうか?
日本人の民間保険加入率は世界的に見ても高く、必要のない保険に加入している方も多いと予想されます。保険料の削減を試みるには、保険相談窓口に行ったり、自分で保険について勉強したりするのも一つの方法です。
年収300万円で手取りをあげるには転職もおすすめ
ここまで節税や節約についてご紹介してきましたが、経費の節減にはどうしても限界があります。ですから、出て行くお金にこだわるのではなく、どうやって収入を増やすかを考えたほうが効率的という考え方もあります。
今の仕事で年収を上げるには、会社で出世するしかありませんが、すぐに出世できるわけではないでしょう。その場合、短期間で年収を上げるには、転職するのが一番手っ取り早い方法です。
実際、年収は業界や会社によってある程度決まっていることが多く、特定の業界や業種に転職することで年収アップを目指すことができます。年収300万円以上を目指す場合、以下の3つの転職エージェントがおすすめです。
おすすめの転職サイト①パソナキャリア
パソナキャリアは、業界最大級の人材紹介会社で、顧客企業数は16,000社を超えています。利用者の年齢層は、20代後半から30代が中心ですが、年齢を問わず誰でも利用することができます。また、パソナキャリアでは80%以上が非公開求人となっています。そのため、他の転職エージェントではなかなか見つけられないような、良質で魅力的な求人を見つけられるのが特徴です。
おすすめの転職サイト②リクルートエージェント
リクルートエージェントは、株式会社リクルートが運営する業界最大手の転職エージェントです。転職を成功させるためには、できるだけ多くの選択肢の中から選ぶことができること、そして自分の市場価値を客観的に知ることが不可欠です。
どちらも自分だけでは難しい問題ですが、転職エージェントを利用すれば、一般には公開されていない非公開求人を選ぶことができ、キャリアアドバイザーから客観的なアドバイスを受けることもできます。
おすすめの転職サイト③doda
「doda」は、 1989年に求人情報誌としてスタートした老舗の転職サービスです。業界で長い歴史を持ち、高い信頼性とノウハウを持つパーソルキャリアが提供する転職サービスです。2021年5月現在、登録求人数は10万件を超えており、業界トップクラスの実績を誇っています。
また、多くの選択肢がありますので、希望の仕事が見つかる可能性が高いです。dodaが扱っている「非公開求人」とは、企業が様々な理由で名前を明かさずに募集している求人のことです。
企業が機密性の高いプロジェクトや新規事業などの重要なポジションで、即戦力やハイレベルな人材を求めている場合によく見られます。dodaの実績とノウハウは高く評価されており、2万件以上の非公開求人を保有していると言われています。
年収300万円でも十分に生活可能
今回は、年収300万円の生活レベルについて、具体的に紹介しました。状況によっては、年収300万円で悠々自適な生活ができる場合もあれば、贅沢ができない生活を強いられる場合もあるでしょう。
家庭をもつことを考えている方であれば、パートナーの理解を得て共働きを検討するとともに、収入を増やすために転職することも検討してみてはいかがでしょうか。
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。