キャタピラー大辞典|建機業界の巨人CATを徹底解説
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Catepillar(略称:CAT)といえば建設機械における世界シェア1位の最大手です。
建設機械の巨人であるCATは、本社がアメリカにあります。日本発祥の企業ではないため、実際の工事現場で働く人など、普段CATの製品に触れる人以外には認知度低いようです。しかし、成り立ちや扱っている製品を知ると、身近なところでCATと接していたりします。今回はCATについて調査し、その魅力を理解していただき、CATをもっと知っていただけるようなレポートをお届けします。
目次
歴史と成り立ち
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世界の建設機械最大手といえばキャタピラー社でしょう。キャタピラーと聞くと、戦車などに装着された履帯(キャタピラー)を想像する方も非常に多いと思います。
CATの創業は1925年、カリフォルニア州の「ホルト・マニュファクチャリング・カンパニー」と「C・L・ベスト・ガス・トラクション・カンパニー」によって設立されました。
キャタピラーは、元々重いものを牽引するトラクターの足回りを改良するために、無限軌道を搭載した「履帯式トラクター」の商標でした。1904年にそのキャタピラーを製品化したのが設立に関わったホルト・マニュファクチャリング・カンパニーです。
第一次世界大戦時では砲撃戦によって凸凹した地形を走破できる走行性能を求められ、注目を浴びたのが「キャタピラー」でした。雪道や泥、砲撃戦によって凸凹した地形にも適応できる無限軌道の技術は、火器などを安定して運ぶためのトラクターや戦車など、多くの軍事品開発への出発点となっています。第二次世界大戦時にも365日操業し、軍隊用ブルドーザー5万1千台を生産した、戦争とも関わりの多い会社です。
日本と関わりが強くなるのは1963年、三菱重工(当時新三菱重工業)とキャタピラーが共同出資して発足した「キャタピラー三菱株式会社」からです。その後、1987年には「エム・エイチ・アイ建機株式会社」と吸収合併し、「新キャタピラー三菱株式会社」に、そして2008年に「キャタピラージャパン株式会社」へと社名変更しました。
キャタピラージャパンは三菱重工と馴染みが深く、双方相模原に拠点がありますが、2012年に三菱重工の持つ株式を全てキャタピラー社へ移譲しています。その為、2017年現在ではキャタピラー社の主要子会社となっているのです。
『建設機械の巨人』CATの製品
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CATは軍事に多く関わった背景もあり、それに関わる建機やディーゼルエンジンなどを提供しています。軍事に関わるということは、あらゆる環境にも耐えられる、非常に安定した性能を保有し、最新の技術をも適用していると言っても過言ではありません。創業当初から作られている建設機機はシェアが非常に高く『建設機械の巨人』と表されています。中でも油圧ショベルやブルドーザーは履帯を付けており、開発の先駆けとして環境適応能力や機械性能はすこぶる良いものです。
最新動向リサーチ
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工事現場におけるアイテムは、実際に作業をする建設機械だけではありません。
ICTの導入は何とスマートフォン業界にまで進出し、キャタピラーブランドから2017年5月に、防水防塵もあるスマートフォン「S40」を発売し、同年10月下旬には熱を視覚化できるサーマルイメージングカメラを搭載した「CAT S60」が9万円前後で販売される予定です。
建設機最大手としての発売だからかスマートフォンも耐久性に優れており、新発売される予定の「CAT S60」は水深5mまでなら60分まで稼動、濡れた手や手袋をつけたままでも操作が可能など、建設現場などでの活躍が期待できます。
また最近では、機械の作動音から異常を察知するアプリケーションも稼動しています。人の目や耳だけでなく、機械的な視覚聴覚を利用して、事前にトラブルを確実に防げるような機材を、過酷な状況でも使えるようにシステム構築がなされています。
品質
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昨今、建設機械における品質は、ICTの導入により非常に高まりつつあります。オフラインで動いていた建設機械は、今やオンラインで情報提供を行うことで、機械状況のモニタリングを行えるようになりました。機械そのものの品質と作業現場における品質をどちらも保持しながら、安全性と施工の確実性を併せもった建設機械ICTは、今や多くの車両にMCによって浸透し始めています。
当然『建設機械の巨人』とも謳われるCATは、このICT技術をもってリアルタイムで状況を把握し、機械の品質低下を未然に防ぐサポート体制を構築しています。世界的シェアは依然1位であるところから質の高さを感じることができます。
使用している方の口コミ
CAT製品はSNSなどの口コミで様々な意見ありますが、基本的に速い・力強いという意見が多く、世界シェア1位を証明するかのように、悪い部分を挙げている方は少ないようです。
作業現場において、効率的な行動で時短を迫られている昨今、CATの評価は更に高まっていきそうです。
採用情報
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CATは本社がアメリカにありますが、日本にもキャタピラージャパンがあり、神奈川県相模原市と兵庫県明石市にて人員を常に募集しているようです。
新卒であれば事務・技術系職への応募が可能で、中途採用は技能職(生産)での応募になるようです。
もちろん、専門性を持った方のキャリア採用も行っていますので、応募を希望される方はWebサイトなどでご確認ください。
★http://www.caterpillar.com/ja/careers.html
工事現場の定番「ショベルカー」
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古くなった建物を壊したり、逆に建物を建てる前の地面を軽く整備するショベルカー。先端についたバケットが特長であるこの建設機械は、見たことがない人はいないであろう工事現場の鉄板機械です。ショベルカーでできる作業は大きく分けて4つに分類できます。
1つは「土を掘ること」で、バケットの使用方法として一番ポピュラーな作業です。
2つ目は「積込作業」。土を掘る作業と一連の流れで、すくい上げた土等をトラックやダンプへ運搬して、荷台へ積み込む作業に適しています。
3つ目は「破砕、選別作業」。運転技術が問われる作業ですが、岩やコンクリート等を選択して破砕する作業が可能です。また、アーム先端に付けるアタッチメント次第では掴む、切断までも可能となります。
4つ目は「整地作業」。車体下部についたブレードにより、地面を平らにすることが可能。これもアタッチメントによってより効率的なものを装着できます。
呼び方は工事現場によって様々であり、「ユンボ」であったり「バックホー(バケット装着時)」、「ショベルカー」等々、幅広い作業と呼ばれ方をしている建設機械です。本来はアーム部分を油圧で動かすことから「油圧シャベル」と呼び、「ショベルカー」は商標を避けた呼び名となっています。
運搬代表「ホイールローダー」
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ホイールローダーは、横長のバケットを備えた「すくって持ち上げる」建設機械です。
大量の土等を「すくって持ち上げる」ために、バケット位置はより本体に近くに付いており、アームは荷重に耐えられるように太く、力強いのが特徴です。
ホイールローダーでできる作業は一つです。「積込作業」これに特化しており、積込に特化したこの機械の由来は「Load:積み込む」ことからきています。
アームを介して作業することもあり、ショベルカー同様にアタッチメントは豊富です。
中には「積込作業」だけでなく、「整地」もできる種類があるので、農業や除雪作業にも対応することが可能です。
整地代表「ブルドーザー」
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履帯を付け、土を押して整地するブルドーザー。大量の土を一気に押し進みながら整地できるブルドーザーは、インフラ整備がされていない地域でとても力を発揮します。
路面が整備されていないような場所でも力強く動くことができる履帯を装着しており、前面は土を推し進めるブレード、後方は岩やコンクリートを掘削するリッパが取り付けられています。
ブルドーザーでできる作業は主に二つあります。
1つ目は「整地」。前面につけたブレードによって地面を平らにすることができます。基本は押し出して平らにしますが、中には引いて平らにするものもあります。
2つ目は「掘削」。後方につけたリッパによって主に軟岩掘削を行います。殆ど見かけることはなくなってしまいましたが、中には後方にアームとバケットを付けたバックホーが付いているものもあります。
大量の土砂を扱って整地する反面、インフラ整備が進んだ昨今、見かけることが少なくなってきた建設機械の一つです。
運送代表「ダンプトラック」
世間で言われる「ダンプカー」。本来は「ダンプトラック」と呼ばれ、大量の積荷を運ぶ車両です。
同じように大量の積荷を運ぶトラックとは違い、積荷を荷台から降ろすことができる「Dump:投げ下ろす」機能が付いているのが特徴です。荷台を押し上げることによって、主に土砂を下ろせるダンプトラックは、一般道路を走行するトラックと同じようなサイズから、二階建ての家よりも大きいサイズまで、とにかく運搬量に差があります。ただし多くは荷台上部が空いています。
舗装整地代表「モーターグレーダー」
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モーターグレーダーは、車体中央下部にブレードがついている整地用車両です。
広い範囲を一回で整地することが可能で、除雪に加え、スリップを防ぐために、凍った地面をワザと荒くするといった作業も可能な車両です。
モーターグレーダーは整地が主な役割で、ブルドーザーとやれることに大差がないように思われるかもしれませんが、活用方法は全く別物となります。インフラ整備がされていない場所で土を押し出し、掘削、撒きだしで使われるブルドーザーに対し、モーターグレーダーは、ある程度整地された場所を更に敷き均し、平らの精度を底上げするものです。雪国では除雪車で除雪が困難な場合や、凍結した路面を荒削りするときに見かける車両です。
敷き均し代表「ロードローラー」
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整地した地面を締め固めるロードローラー。現在では振動して深くまで固められることができる振動ローラーが主流になりました。用途は唯一つ「締め固める」ことのみ。地面を締め固めることで雨風によって崩されることなく、長期間に渡って地形を保つことを目的としていることもあり、単純な用途でありながら数多くの工事現場で仕様されている建設機械です。
機械の大きさも幅広く、車のように運転して締め固めるものから、人力で押し出せるものまであります。また、前述したように振動ローラーが主流になったため、現在では道路施工は人力で押し出すものを良く見かけるようになりました。
荒い路面も対応「コンパクタ」
比較的粒子が小さい砂利などはブルドーザーで粉砕しながら均すことは可能ですが、瓦礫など一粒あたりが大きいところを整地するにはコンパクタを使います。
特徴はブルドーザーと違い、ホイールがチョッパ型になっていることにより、ブレードで押し進みながらホイールで踏み砕くという、とてもパワフルな機械です。
また、車両型のみならず、小型で人力でも扱えるバイブロコンパクターもありますが、こちらはロードローラーと同じ用途で使用します。
建設機械だけではない「服」もあります。
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建設業界でシェアが世界1位であるCATですが、他分野でも商品を販売しています。
最初に挙げるとすればそれは「服」でしょう。
建設現場を担う機械を販売しているので、作業着などの汚れても問題ないものから、ファッションとして扱える服まで幅広くあります。
高品質な中綿を使用し、撥水加工も施されています。断熱性も高く、冬の外での作業も暖かです。
ボディカラーもCATらしいカラーを使用しており、人とは違った工具箱で目立つこと間違いなしです。
CATブランドのおもちゃ
実際の現場で動く建設機械を販売しているCATですが様々な業者を介しておもちゃも販売しています。
小さい男の子が喜ぶようなおもちゃから精巧なモデリングによってついつい飾っておきたいものまで魅力的な商品が多いです。
子供向けはおもにトイザラスで限定販売をされているモデルがオススメ!
大人向けであればCAT オンラインストアで販売されている1:50物がお勧め!
タイヤのドレッドから履帯パターンまで作りこまれており、建設機械好きにはたまらない品が多く作られています。
小物も充実!
小物も大量にあり、夜間作業に使える反射テープ付きのセーフティベストやニット帽、腕時計など様々なものが販売されています。
フロント部分にCATのロゴが入っている、シンプルでオシャレなニット帽です。
素材:アクリル100%
映画にも登場!CATの建設機械
なんとCATがあの「トランスフォーマー」へ参戦しました。
映画「トランスフォーマー 最後の騎士王」にて、2017年秋発表予定の新型油圧ショベルが登場します。「トランスフォーマー」といえば敵味方のロボットが、様々な機械から人型へ変形して戦うという形ですが、CATのショベルカーは正義側のロボットとして登場します。新型の油圧ショベルも気になりますが、変形し、人型になった姿も非常に気になりますね。興味を持たれた方は是非劇場でお確かめください。
修理方法やその予算
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日本国内であれば、オンラインフォームから所有住所を記載することで、付近のディーラーを参照することができます。そこから問い合わせを行えば、修理についての手筈が整います。
建設機械は、故障時にかかる予算にブレがあります。泥や雨などによって起こる腐食から、駆動部分の磨耗に加えて各導線の破損など、様々な要因で故障が発生します。故障の傾向が感じ取れる状況なら、一度ディーラーの点検を受けることをオススメいたします。
レンタル可能機材
CATは世界の数多工事現場へ適応できる建設機械を投じてきたため、レンタル可能な機材はかなり豊富です。工事現場で扱う物は数が非常に多く、足りないものは購入などで対応しなければなりませんが、CATでは、運搬車両を始め、夜間作業も可能になる照明機材、寒さ対策のストーブ、現地で扱える電源、季節商品である草刈機まで、とても数多くの商品をレンタルすることが可能です。
それでいてレンタル製品のサポート体制も細かく定められており、対物対人保障で適応範囲の判断に困らないよう、CATの制度は曖昧な部分がないよう配慮されています。
災害時に発生しうる出費も想定しやすく、必要な期間だけ機材を借りて作業するレンタル制度は、あらゆるトラブルが想定し辛く導入しがたい部分がありますが、CATのレンタル制度はそういった面でも安心できる制度です。
建設機械のお手入れ、長持ちする方法
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建設機械に関わらず、機械操作時に性能低下に気がついた場合は、既に異常事態がある程度進行していると思ってよいでしょう。CATが提供している建設機械は、運転手が機械性能が20%低下したところで気がつくという社内調査があったと発表しています。
長持ちさせる方法として挙げられるのは、フィルタなどの小物を定期交換することと、異常事態を発見しやすくする措置が必要です。
まずは作業開始時と作業完了時に、「油漏れ」が無いか確認することは必須です。可能な限り、作業後は洗車によって土汚れなどを落とし、本体がはっきり見えれば油漏れの有無がわかります。
見た目の異常は熟練者でなくともわかりやすい為、非常に有効な方法でありながら、簡単に対応ができるトラブルを見つけることもできるのが「洗車」です。
しかし、洗車といっても水をかけてはいけない部分があります。電装部分や防水カバーで囲われた部分には水がかからないように注意が必要です。
セルフメンテナンスは、建設機械が持てる力を長期間発揮し続けていく上で非常に重要なことです。また、グリスアップは専門でなくても作業可能ですが、正しいグリスと方法で行わなければ逆効果になりかねません。勿論、セルフメンテナンスができるに越したことはありませんが、一度はCATのメカニックの作業を見学、ないしアドバイスを聞いた上で行うことをオススメいたします。
建設機械に求められる性能とは
建設機械に求められる性能は「タフ」なことが挙げられます。
戦場でも効率的な作業ができるキャタピラが付いた車両は、整備された路面だけではなく、時には異常に滑りやすくなっているような場所、逆に岩肌のように固い場所、平坦ではない凸凹した路面などでも難なく作業ができなければなりません。
こうした性能は、エンジン出力や登坂能力といったものが如何に数値化されていようと、過酷な状況でどこまで性能が発揮できるかが一番重要です。その上で第二には「適応能力」も必要です。
高性能であることも重要ですが、高機能であることも重要です。高機能というのは従来のショベルカーでできるような、掘削や掴むといった作業を、アタッチメントを換えずに、かつ同時にできることが求められます。
この背景には、昨今増加している自然災害に対応できる、レスキューマシンとして期待があるのです。過酷な環境で効率的な作業によって、復旧を進めることができる性能がありながら、人命救助現場での迅速な解決ができる能力も求められているのです。
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。