KTCの人気ラチェットの特徴と評価を解説!【ネプロス・セット・ドライバー】
回転方向を、一方向だけに制限する「ラチェット機構」。掛け直す手間がなく、早回しできるため、これまで多くのラチェット工具が開発されてきました。
そして日本一の工具メーカーKTCでも、さまざまなラチェット工具が開発・販売されています。日本一のメーカーがどのようなラチェット工具を販売し、どのモデルが人気なのか、知りたくはありませんか?
今回は、KTCの人気ラチェットの特徴と評価を解説していきます。KTCのラチェット工具について詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
目次
KTCラチェットの特徴
まずは、KTCがどのようなメーカーで、そのラチェット工具にはどんな特徴があるのかをご紹介します。
KTCとは?
引用:KTC
自動車整備工具の国内シェアNo.1メーカーであるKTC。会社名は「京都機械工具株式会社」です。
1950年(昭和25年)8月に、京都市にて設立。その年に、トヨタ自動車の搭載工具として採用されます。そこからは自動車産業全体が伸びることに比例して、KTCの業績も伸びていきました。
かつてはF1やスーパーフォーミュラに、現在はWRC(世界ラリー選手権)といった世界的レースでのチームスポンサーも行っています。そして提供する工具は、レース用の特注品ではなく一般の市販品です。このエピソードからも、KTC工具の品質の高さがわかりますね。
KTCをさらに詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
KTCラチェット工具の特徴
KTCのラチェット工具は、いくつもの機構を取り入れた高品質な工具です。たとえばラチェットハンドルでは、次のような機構が使われています。
一体式クロウ
引用:KTC
通常は1カ所で支持するギアを、2カ所のクロウで支持しています。これにより細かいギアであっても、従来品と比べて30%の強度アップを実現しています。
ユニオン機構
引用:KTC
プッシュボタンを押さない限り、ソケットはラチェットハンドルから外れないので、安定して作業できます。また高所作業などでの、ソケット落下防止にも有効です。
KTCネプロス 人気ラチェットハンドルの特徴と評価
ここからは、KTCの人気ラチェットの特徴と評価を解説していきます。まずは、高級ブランド「ネプロス」のラチェットハンドルです。
KTC『ネプロス 9.5sq.ラチェットハンドル NBR390』の特徴と評価
KTCが、より高い品質を目指して1995年に作ったブランドが「nepros(ネプロス)」です。そして『ネプロス 9.5sq.ラチェットハンドル NBR390』は、小判型ヘッドとして世界最高クラスの90枚ギアを採用した、送り角度4度のラチェットハンドルです。
ネプロスの原点である「使いやすさ」を追求して、空転トルクの軽さや、その音にまでこだわって作られました。プッシュボタンを押さないかぎり、不意にソケットがラチェットから外れないユニオン機構を採用。力をかけやすい直径20mmと太めのグリップは、内部を空洞にすることで軽量化しました。
また、グッドデザイン賞も受賞しています。まさに、高品質とデザインの高さをあわせ持つ工具です。
そして『NBR390』のAmazonでの評価は、星5つ中の4.1です。39件の評価があり「使いやすい」という評価が多いのですが、「重い」という意見が数点ありました。
新商品!KTC『ネプロス 6.3sq.スタッビラチェットハンドル NBR290H』の特徴と評価
KTC新商品の『ネプロス 6.3sq.スタッビラチェットハンドル NBR290H』はネプロス史上最小となるラチェットです。6.3sq.の差込角にスピンナハンドルなどを組み合わせて、狭い箇所や障害物を避けて作業できます。
従来品と比べると、ヘッド幅は30%以上小型化、重量比60%以上の軽量化を実現しました。6.3sq.規格のコンパクトなボディですが、90枚ギアを搭載。口径部と差込角部には、KTC独自のパワーフィット形状を採用しました。接触面積を大きくすることでエッジを傷めにくく、安全な作業が可能です。
ネプロスの信頼性と作業性はそのままに、さらに奥へ届くコンパクト化を実現したラチェットハンドルです。
なお、『NBR290H』は新商品のため、Amazonでの評価はまだありません。
KTC人気レンチセットの特徴と評価
次に、KTCの人気レンチセットの特徴と評価をご紹介します。
KTC『9.5sq.ソケットレンチセット デジラチェモデルTB306WG2』の特徴と評価
『9.5sq.ソケットレンチセット デジラチェモデルTB306WG2』は、進化形デジタル トルクツール デジラチェ『GEK085-R3-L』と、ソケットレンチ5点のセットです。
デジラチェは、ボルト・ナットの締め付け加減の個人差をなくし、品質の安定と安全性の向上を両立する工具です。締め付けトルクはデジタル表示で確認可能。締め付けて設定トルクになると、LEDとブザーでお知らせします。
機械や自動車などの製造業、建築やエンジニアリングなどの作業現場から、家庭での愛車のメンテナンスまで、トルク管理が必要なあらゆるシーンで活躍します。
このデジラチェと、使用頻度が高い10mm〜19mmまでのソケットレンチがセットになっていますので、購入してすぐにさまざまなシーンで使うことが可能です。
『TB306WG2』のAmazonでの評価は、星5つ中の5。評価はまだ1件ですが、「従来のトルクレンチよりも使いやすい」という評価です。
差込角(mm):9.5
ソケット内容(mm):12角:10、12、14、17、19
負荷方向:右、左
KTC『工具セット SK322P』の特徴と評価
『工具セット SK322P』は、9.5sq.ラチェットハンドル『BR3E』やスピンナハンドル『BS3E』など、22点が入ったセットです。
ケースは、コンパクトで軽量な片開きプラハードケース『TCP1-1』。使用頻度が高いアイテムを厳選した内容のため、整備には最適です。
『工具セット SK322P』のAmazonでの評価は、星5つ中の4.2。「必要な工具が揃っている」といった評価があります。
KTC人気ラチェットハンドルの特徴と評価
ここでは、KTCの人気ラチェットハンドルの特徴と評価をご説明します。
KTC『9.5sq.ラチェットハンドル BR3E』の特徴と評価
『9.5sq.ラチェットハンドル BR3E』は、36枚ギアで送り角度10度の、スタンダードタイプ小判型ラチェットハンドルです。オイルフィルタやドライブシャフト、ドレンプラグなどの取り外しに最適。
左右のクロウを一体化した「一体式クロウ」により強度がアップしました。また「ユニオン機構」を採用したことで、不意にソケットが外れることもありません。ラチェット部に異常があったときのためのリペア用部品として、『リペアキットBR3E-K』も別途販売されています。
『BR3E』のAmazonでの評価は、星5つ中の4.1と高評価。「使用感がいい」という評価が多いなか、「使い始めの頃は堅いため、共回りしやすい」という声もありました。
KTC『9.5sq.コンパクトフレックスショートラチェットハンドル BRC3FS』の特徴と評価
KTCの『9.5sq.コンパクトフレックスショートラチェットハンドル BRC3FS』は、狭い場所での作業に最適なショートタイプのラチェットハンドル。「一体式クロウ」採用により、ヘッド厚さが従来比20%減となったコンパクトヘッドです。
ギアを2箇所のクロウで支持することで、従来比30%の強度アップも実現しました。また36枚ギアを採用したことで、10度と細かな送り角度が可能になっています。スタンダードタイプと比べてボディーが100mm短いため、手のひらに収まるコンパクトさも特徴です。
『BRC3FS』のAmazonでの評価は、星5つ中の4.5と高評価。「とても小さいけれど、しっかりしている」という、コンパクトさに驚く評価が多くありました。
KTC人気ラチェットドライバーの特徴と評価
ラチェット機構によって、締め・ゆるめ両方向での早回しが可能となるラチェットドライバー。ここでは、KTCの人気ラチェットドライバーの特徴と評価をご紹介します。
KTC『ラチェットドライバー DBR14』の特徴と評価
『ラチェットドライバー DBR14』は、先端ビット交換式のラチェットドライバーです。車両整備全般や、農機具のメンテナンスなどで活躍します。
付属のビットはクロス、マイナス、T型トルクス、ヘキサゴンビットと14種類もあります。またビットは軸に2本、グリップエンドに6本の計8本を収納できます。ラチェットを固定することにより、通常のドライバーとしても使用可能です。
『DBR14』のAmazonでの評価は、星5つ中の3.5です。「これ1本あれば足りる」という評価が多くありますが、「重い」という意見もあるようです。
クロスNo.1×マイナス5.5mm:1本
クロスNo.3×マイナス8mm:1本
六角2.5mm×六角3mm:1本
KTC『デジラチェ ドライバータイプ GLK500』の特徴と評価
KTCの『デジラチェ ドライバータイプ GLK500』は、極小トルクに対応した進化形デジタルトルクツール「デジラチェ」のドライバータイプです。電気設備や電気基板、切削工具のチップ交換、樹脂やアルミ部品の取付けなど、極小トルクの管理が必要な幅広い業務で活躍します。
ビットは磁気脱着式なので、付属のクロスビットを外せば板ラチェット差し替えドライバ用ビットなどのビットが使用可能。差込角6.3sq.のソケットやビットソケットを使うこともできます。
『GLK500』のAmazonでの評価は、星5つ中の5。評価はまだ1件ですが、「トルクが目視できて良い」とのことです。
KTC人気ラチェットメガネレンチの特徴と評価
ボルト・ナットの締め付けやゆるめを行い、その形が眼鏡に似ていることが名前の由来のメガネレンチ。ここでは、人気ラチェットメガネレンチの特徴と評価をご紹介します。
KTC『ラチェットメガネレンチ 両頭型首振りタイプ MR1-2123F』の特徴と評価
KTCの『ラチェットメガネレンチ 両頭型首振りタイプ MR1-2123F』は、両頭とも本締めが可能なラチェットメガネレンチです。ラチェットメガネ部とヒンジ部とのスパンを短くし、また薄型フラットに設計されていますので、狭い場所でもスムーズな連続作業が行なえます。
ラチェットの送り角度が5度と小さいため、細かい送り操作が可能。ヘッドの見やすい位置にサイズを表示し、矢印表示により作業方向ががひと目でわかるなど、作業性も高くなっています。
『MR1-2123F』のAmazonでの評価は、星5つ中の4です。ただし、評価はまだ1件のみです。
KTC人気ラチェットパイプカッターの特徴と評価
ここでは、KTCの人気ラチェットパイプカッター人気機種の特徴と、Amazonでの評価をご紹介します。
KTC『鋼管・ステンレス管用ラチェットパイプカッター PCR3-35』の特徴と評価
『鋼管・ステンレス管用ラチェットパイプカッター PCR3-35』は、ラチェット機構でのカッター自動送りにより、狭い場所でもラクに早く切断できるパイプカッターです。
工場施設などに使用される、厚さ3.0mmまでの厚肉配管用ステンレス鋼管の切断が可能。別売りのステンレス鋼管用替刃に替えれば、厚さ1.5mm以下のステンレス鋼管の切断もできます。
専用替刃で切断するため、切粉や火花、カエリが発生しにくく、切断面がキレイなことも特徴です。
『PCR3-35』のAmazonでの評価は、星5つ中の4.6。「狭い場所での作業に役立つ」という評価が多くあります。
KTC人気ラチェットコンビネーションレンチの特徴と評価
ここでは、KTCの人気ラチェットコンビネーションレンチの特徴と評価についてご紹介します。
KTC『ラチェットコンビネーションレンチMSR1A−10』の特徴と評価
『ラチェットコンビネーションレンチMSR1A−10』は、送り角度が5度と小さいため、狭い場所でのスムーズな連続作業が可能なレンチです。またラチェット部でも本締め可能。
矢印表示により、作業方向がひと目でわかります。また滑りにくいグリップデザインを採用するなど、使いやすさも向上しています。
『MSR1A−10』のAmazonでの評価は、星5つ中の4.2と高評価です。「造りがしっかりしている」という評価が多くあります。
対辺寸法(mm):10
厚み(mm)スパナ:4.8
厚み(mm)めがね:7.3
KTC『ショートラチェットコンビネーションレンチセット 首振りタイプ TMSR2S06』の特徴と評価
KTCの『ショートラチェットコンビネーションレンチセット 首振りタイプ TMSR2S06』は、ショートラチェットコンビネーションランチ 8mm~17mmまでの6本セットです。
歯数は72枚で送り角度5度と、細かな送り操作ができます。また、ラチェット部での本締めが可能。ラチェットメガネ部とヒンジ部とのスパンを短くし、厚さも薄型フラットに設計されているため、狭い場所でのスムーズな連続作業が行えます。
『TMSR2S06』のAmazonでの評価は、星5つ中の5と最高評価です。まだ2件しか評価がありませんが、「持ち運びに便利で使える」という評価があります。
KTC人気ラチェット アダプターの特徴と評価
KTCではラチェットアダプターなどのアタッチメントもいくつか開発しています。ここでは、人気ラチェットアダプターの特徴と評価をご紹介します。
KTC『9.5sq.ラチェット アダプタBRA21』の特徴と評価
『9.5sq.ラチェット アダプタBRA21』は、ハンドル類にラチェット機能を追加できるアダプタです。スピンナハンドルと組み合わせれば、ラチェットハンドルとして使用できます。
60枚ギアで送り角度が6度と小さいため、狭い場所でも作業が可能です。
『BRA21』のAmazonでの評価は、星5つ中の4.6と高評価。ただ評価は高いのですが、「スナップオンのほうが…」という意見もいくつかありました。
KTC『6.3sq.早回し変換アダプタ BAE23』の特徴と評価
『6.3sq.早回し変換アダプタ BAE23』は、ソケットアダプタとクイックスピンナの機能をあわせ持ったアダプタです。しかしソケットアダプタとは違い、製品単体での早回しが行えます。
凹凸を同位置で合わせるので、通常のソケットアダプタに比べ、全長を短縮して使用可能です。またマグネットによって、ソケットの保持と脱着がカンタン。グリップ部は、滑りにくく早回ししやすい形状となっています。
『BAE23』のAmazonでの評価は、星5つ中の3.9です。評価は高めですが、「磁力が弱いため、保持力がイマイチ」という意見もあります。
KTCラチェットハンドルのメンテナンス(分解修理)
最後に、KTCのラチェットハンドルのメンテナンス(分解修理)についてご紹介します。
KTCラチェットハンドルのメンテナンス(分解修理)
一見丈夫そうに見えるラチェットハンドルですが、実は消耗品です。特に次のようなことで、ラチェットの部品は痛みます。
- レバーの切り替えがしっかりできていないまま、「半掛かり」の状態で力を掛けることでギアが変形する
- 長期間の使用で摩耗して、ギアが噛み合わなくなる
使っていておかしいなと感じたら、無理して使わずにメンテンナスしましょう。KTCでは、ユーザーが自身でメンテナンスできるよう、リペアキットも販売しています。破損・摩耗した部品を交換すれば、手に馴染んだラチェットハンドルをより長く使うことが可能です。
リペアキットには下図の部品が入っており、カンタンに分解修理が行なえます。
引用:KTC
ラチェットが回りづらくなったら、このキットで修理を行ってみて下さい。ただし、機種ごとに対応するリペアキットがちがいますので、必ず手持ちの機種に対応したキットを購入してください。
最適なKTCのラチェットで作業の効率化を
今回はKTCの人気ラチェットの特徴と評価を解説してきました。消耗品であるラチェット機構を補う技術が、いくつも使われていることがわかりましたね。
ラチェット工具は最適な使い方をすれば、作業を快適に、早く行うことができます。ぜひ今回の記事を参考に、あなたに最適なラチェット工具を選んでみてください。
※記事の掲載内容は執筆当時のものです。