水道水は沸騰させると安全?!正しい知識と方法を徹底解説!
日本の水道水は世界からも安全であると非常に高く評価されています。しかし、直接飲むのには抵抗があるという方もいらっしゃるのが事実で、一度煮沸させてから飲むという方法を聞いた事がある方も多いと思います。そこで今回は、水道の水を沸騰させてから飲む際の正しい方法などをご紹介します。
水道水は沸騰させずに飲むと危険なの?
水は、日常生活を送る上で絶対に欠かすことの出来ない物質であり、またとても身近に存在する物質です。日本ではほとんどの家庭で水道の水が使用されています。生きていくためには毎日使わなければいけないものですので、出来る限り安心なものを使用したいと思う方は大勢いらっしゃいます。
しかし、水道の水をそのまま使用するのに抵抗がある、水道の水は一度煮沸させた後に使用するという方もいらっしゃいます。そこでまずは、水道の水を沸騰させずに飲むのは本当に危険なのかどうかをご説明していきます。
日本の水道水は安全
結論からお話しすると、日本の水道の水は非常に安全で、そのまま使用しても全く問題ありません。これは法律によって水の水質基準がきちんと決められているからです。法律まで定めてきちんと整備をしている国は世界でも非常に珍しいです。
海外であれば、水道から出る水をそのまま使用するのは難しい場合が多いです。しかし、日本では有毒な物質を取り除いたり、塩素などを使用した消毒もきちんと行われています。そのため、日本の水道の水は加熱処理などをしなくても安全に使用が出来るのです。
微量の有害物質は含まれている
日本の水道の水が安全であることは先ほどご紹介をした通りです。しかし、そうは言っても微量の人体に害を与える物質を含んでしまう事は避けられません。
例えば、水自体は非常に綺麗であっても、それが通る水道管が古くなってしまっていたりすれば錆などの汚れが混ざってしまう可能性はあります。また、消毒がしきれないような発ガン性の物質や放射性の物質が残ってしまうという事もあるのです。
しかしながら、先程もご紹介した様に日本では水質の基準がきちんと定められているので、この様な物質も人体に影響が出るほどの量ではありません。
沸騰で塩素やトリハロメタンは除去できる
水道の水に含まれている有毒とされている物質の内、加熱処理をすることで取り除くことが出来るのは主に二つの成分です。一つ目は消毒で使われる塩素です。これは特有の臭いであるカルキの臭いの原因となる物質です。
二つ目は発ガン性物質の一つであるトリハロメタンです。この二つはしっかりと煮沸することで除去が可能となります。しかし、後ほど詳しくご紹介していきますがトリハロメタンの除去は10分以上加熱させる必要がありますし、カルキの臭い以外のカビ臭さといった様な臭いを取り除くのは難しいので注意が必要です。
水道水を正しく沸騰させる方法
ここまで、水道の水を沸騰させる必要があるのかどうかについてご説明してきました。加熱処理をさせることでさらに水を安心して使うことは出来るのです。しかし、ただ煮沸させると言ってもきちんとしたやり方で処理をする必要があるのです。
処理する方法を間違えると全てが無駄になってしまう可能性もあります。そこでここからは、水道の水の安全性を高めるための正しい沸騰方法についてご紹介をしていきます。しっかりと方法を確認してから加熱処理をするようにしてみて下さい。
正しいカルキ抜きのやり方
水を煮沸させて使いたいと思わせる大きな理由の一つとしてカルキ臭を感じるのが嫌だという場合があります。先程も簡単にご紹介しましたが、このカルキの臭いの原因は消毒するのに使用する塩素にあります。
煮沸させて塩素の臭いを抜きたい場合、5分間以上は水を煮立たせておく必要が出てきます。また、塩素は湯気に含まれて外に出ていくため、鍋やヤカンのフタを外したり、口の大きめの器具を使用するのがおすすめです。併せて、火から下した後はしっかりと冷まし、冷蔵庫で冷やすようにしてみて下さい。
長時間沸騰させると安全
続いては沸騰に適切な時間についてご紹介をしていきます。先程もお伝えしましたが、カルキを抜くには5分間位で大丈夫です。しかし、もう一つのトリハロメタンを抜くためには5分では足りません。むしろ、5分で終わらせてしまうとトリハロメタンが増殖してしまうのです。
この物質は熱を加えると数が増えるという特性があります。しかし、安心して下さい。この物質はそのまま熱を加え続けると数が減っていきます。ですので、使用するためには10分位火にかけ続けるようにしてみて下さい。
赤ちゃんの湯冷ましとして使う場合
水道の水を赤ちゃんの湯冷ましとして使用する場合にも注意が必要です。基本的には大人が使う場合と同じ要領で加熱をすれば問題はありません。しかし、電気ケトルや電気ポットを使うのは避けた方が無難です。
これらの電気機器は、水の温度が100度になると自動的に止まってしまうという性質があります。そうすると必要な時間分加熱し続けるのが難しく、有毒物質が増えてしまう可能性があるのです。赤ちゃん用に使用する場合は、特に鍋やヤカンを使って加熱をするようにしてみて下さい。
水道水を沸騰させるときの注意点
ここまで、水道の水を正しく沸騰させる際のやり方についてご説明をしてきました。しかし、注意するべき点は他にも存在しています。その注意点をしっかりと確認しないと正しい方法を使っていたとしても効果が得られなくなってしまう場合があります。
また、注意点は些細な点が多いので、少し気を付けるだけですぐに改善できます。ぜひこれから紹介する注意点をしっかりと確認するようにしてみて下さい。
ポットやケトルで沸騰させない
まず最初にご紹介する注意点は、ポットやケトルを使用して水を沸騰させないという点です。こちらは先ほども簡単にご説明していますが、電気機器を使用しての水の加熱は、有毒物質の除去が目的であれば絶対に避けるようにして下さい。
電気器具はあくまでも水を温め、お湯を使えるようにするのが目的です。そのため、お湯が沸いてしまったら電気器具は止まってしまう設計になっています。
有毒物質を減らすためにはお湯が沸いた後も加熱を続ける必要があります。しかし、ポットやケトルだとそれが出来ないのです。そのため、加熱する際は必ず時間の調節が出来る鍋やヤカンを使用するようにしてみて下さい。
除去できない有害物質もある
続いての注意点は、煮沸処理をしても除去できない有毒物質が残ってしまう場合があるという点です。この処理で除去できるのは、あくまでも塩素とトリハロメタンです。しかし、これ以外にも微量の金属類などの有毒物質が入っています。
それらは加熱しても除去することは出来ないので注意が必要です。しかし、最初からお伝えしているように有毒物質が残っていると言っても、人体にはほとんど影響のない程度の量しかありません。
そのため、そこまで気に留める必要は無いのです。それでも気になるという方は、また別の方法で有毒物質を除去するようにしてみて下さい。
長期保存しない
最後にお伝えする注意点は、長期間の保存はしないという点です。煮沸すると含まれている塩素が抜けてしまいます。塩素は水を消毒する役割を持っています。加熱して塩素を含んでいない水道の水は非常に傷みやすいのです。
冷蔵庫に入れていたとしても1日程度で菌が増えてしまう可能性もあります。夏であればそのスピードはより速いものとなってしまいます。処理をした水道の水はなるべく早い段階で使い切ることを心掛け、長期間の保存はしないようにして下さい。
水道水を沸騰させる以外で安全な飲用水を飲む方法
水道の水は煮沸させることでより有毒物質が減る状態になることはここまでお伝えしてきた通りです。しかし、それだけでは除去できない物質も存在するのは事実です。
それらの物質も取り除き安心な状態の飲用水を飲む方法は存在しています。そこで最後に、加熱処理をする以外に安心な飲用水を作り出して飲む方法もお伝えします。
浄水器を取り付ける
最初にお伝えする安心な飲用水を飲む方法は、浄水器を取り付ける方法です。蛇口に取り付けるタイプの物であれば設置も簡単ですし、何と言っても非常にリーズナブルな製品が多い所が魅力的です。飲料水をいちいち購入するよりもコストパフォーマンスも良いので非常におすすめです。
ウォーターサーバーを利用する
最後にご紹介するのは、ウォーターサーバーを利用するという方法です。特に、水道に直結しているタイプのウォーターサーバーを設置するのがおすすめです。ウォーターサーバーであれば、より有毒物質を取り除くことも出来ますし、使いたい時に使いたいだけ使用できるのが嬉しい限りです。
サーバーのレンタル代などが必要にはなりますが、一度設置してしまえば他に必要なのはほぼ水道料金だけで済むというのもポイントです。
水道水の有害物質を上手に除去しよう
日本の水は非常に美味しく、安全な部類に入ります。その水に家庭で少し手を加えるだけでさらに安心な水に仕上げることが出来ます。ぜひ、水道水の有毒物質を上手に除去し、ご家庭で安心・安全な水を飲むようにして下さい。
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。